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米株ファンドからの資金流出、2008年6月以降で最大(ロイターTwiitter)  
http://www.asyura2.com/13/hasan82/msg/138.html
投稿者 良寛 日時 2013 年 8 月 26 日 14:02:02: Vgi3QvtUnz6pE
 

米バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチ・グローバル・リサーチが23日公表した調査によると、21日までの1週間に米株ファンドから143億ドル(14兆3000億円)の資金が流出した。2008年6月以降で最大の流出となる。

株式ファンド全体では123億ドルが流出。過去8週間で初の流出となる。
債券ファンドからも74億ドルの資金が流出。新興国債券ファンドからの流出額は13億ドルだった。

一方、低リスクのマネー・マーケット・ファンド(MMF)には220億ドルの資金が流入した。

2013/08/24 ロイター
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPTJE97M01P20130823?feedType=RSS&feedName=businessNews&utm_source=twitterfeed&utm_medium=twitter&utm_campaign=Feed%3A+reuters%2FJPBusinessNews+%28News+%2F+JP+%2F+Business+News%29  

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コメント
 
01. 2013年8月26日 21:31:07 : 94KTOxI6VE
日本株はろうばい売りなどしないようにしょう♪

02. 2013年8月26日 22:12:52 : bLDVUE2kKU
デトロイトの統計データをみると、興味深い現実が浮かび上がります。
■ デトロイト市に住む子供の60%が貧困生活をする
■ デトロイト市民の約50%が読み書きができない
■ デトロイト市内にある住宅の33%が廃墟か空き部屋となっている
■ デトロイト市民の失業率18%

Policymic


03. 2013年8月28日 11:54:19 : niiL5nr8dQ
2013年8月26日 ザイ・オンライン編集部
資産2000倍の元カリスマ個人投資家が語る プロ転向でわかった機関投資家の強みとは?
なぜ、カリスマ個人投資家・五月さんは機関投資家になったのか(その4)
 65万円の資金を元手に始めた株式投資で、7年半で2000倍近いパフォーマンスを記録した元個人投資家・五月(ごがつ)さんこと片山晃さん。

 個人投資家としての運用に区切りをつけ、新たなチャレンジの場に選んだのは、日本でもトップクラスの成績を誇る「ひふみ投信」の運用チームに加入し、機関投資家としてマーケットと対峙することだった。

「ひふみ投信」を運用するレオス・キャピタルワークスに入社した五月さんへの直撃インタビュー前編(個人投資家⇒機関投資家へ!元カリスマ投資家・五月さんが語るプロ転向の理由とは?)では、「五月さんが機関投資家になった理由」を探ったが、後編の今回は「機関投資家としてどのような活動をしていくのか」を掲載する。
機関投資家は思った以上にプロの集団だった
 さて、五月さんは「機関投資家としてイチから勉強」というが、個人投資家時代に機関投資家を遥かに凌駕するパフォーマンスを記録した五月さんは、これ以上、何を学ぼうとしているのだろうか。
元個人投資家・五月さん(30歳)。05年にドラマ『ビッグマネー!〜浮世の沙汰は株しだい』(フジテレビ系、原作は石田衣良の小説『波のうえの魔術師』)を見て株式投資を始める。当初はデイトレード中心だったが、09年以降は中小型株の中長期トレード中心に。シナジーマーケティングやエスクリなど、数倍になる銘柄を発掘し、7年半で資金を約2000倍にまで増やしたカリスマ投資家として、ダイヤモンドZAiなどの各種メディアにも登場していた。
「ネット時代になってどんどん企業情報の開示は進んでいて、個人投資家でアクセスできる情報の範囲は今までに比べればありえないくらい豊富になったと思うんですが、ただ最終的に会社の中で仕事をしている人たちにアクセスする方法はなかった。で、僕自身はその情報は『そんなに大したことではないだろう』と思っていた節があったんです。公開情報だけでも十分に勝てていましたし、逆に余計な情報はないほうがシンプルでいいんじゃないか、という気持ちもあった。ところが昨年、結構株を買っていた会社にメールで質問をしたら、会社の役員の方が説明に来てくれる機会があったので、僕も相当ネット上でリサーチをして、自分なりにまとめた情報を持って臨んだんですが、実際に話を聞くと、勘違いしている部分も相当あったし、知らなかった情報もあった。そして、ディスカッションする中でライバル企業に対する優位性はどうかという話を聞いてみたら、ライバル企業のほうが投資先としては魅力的だと気づいたんです」
 そして、五月さんはそれ以上、その会社に追加投資を行わず、ライバル企業への投資を決めたのだという。
「そうしたら、やっぱりライバル企業のほうが儲かった。実際に話を聞いてみると、まったく想像もしてなかったような発見が生まれるんだなと、そこで初めて体感しました。そういう経験をすると、意外と機関投資家サイドに入るのも、すごく面白いんじゃないかっていう好奇心が沸いてきましたね」

 個人投資家時代でも数多くの公開情報を基に、投資判断を下し、それを的中させてきたが、今後はその精度がもっと上がる可能性もある、ということか。

「会社に行って、話を聞いたからといって、それで本当のことが見えてくるとは言えないと思うんですけど、それでもやっぱり実際に会社の人に話を聞くのと聞かないのとでは、情報の密度には違いが出るのではないかと思いますね」

 5月に入社して2カ月余り、実際に日本でも有数の成績を上げている「ひふみ投信」の運用チームに加入して、五月さんは日々、「チームで運用する」という強さを感じているという。


「機関投資家というのは、思っていた以上にプロの集団なんだなというのを毎日感じています。メンバーそれぞれに強いところがあって、さらにお互いにいいところをチームとして補完しあって、最終的に一つのポートフォリオという形に落とし込む。チーム力の強さみたいなのは、一人でやる専業投資家とは別の強さがあるんだなと思います。例えば、『全然こんな発想でこんな銘柄なんか出てこない』という銘柄がポートフォリオにあって、それによって全体のバランスが強固になるというか。僕は自分で勝手にやっていると、非常に『火力の高い銘柄(爆発力がある銘柄)』ばかり揃えがちになったりして、当然予想を外すとすごく痛い目に遭ったりしましたから。でも、チームでやっていると、いいと思っていたアイデアでもみんなで話し合ってみると『確かにこれは見送ったほうがいいかもしれない』という銘柄もあったりしますし、自分自身の投資の幅は広がっているなという感じはしますね」

 個人投資家として驚異的な成績を残してきたにもかかわらず、まだまだ自身に成長の余地があったということか?

「いえいえ、まだまだ本当にこれからだと思います」
アナリストとしての活動は個人投資家時代とほぼ同じ
 しかしその一方で、日々の活動は個人投資家のときとあまり変わらないという。

「もちろん、週に2〜3回は取材に行くので、それは個人投資家時代からは変わっているんですが、ただ基本的には僕は僕のやり方を今まで通りやるのが会社にとっていいことなんじゃないかとも思うんですね。それは今、チームプレーでそれぞれの個性があるといいましたけど、僕みたいに公開情報を徹底的に分析する方法で運用してきた人というのは社内にいないわけで、それを続けるというのが役割なんじゃないかと。だから、社内でネットで情報を収集したり、開示情報をみたり、というのは割と今まで通りですね。当初はいろんな制約が加わるんじゃないかと心配もしていたんですけど、いまのところこれまでのスタンスを続けて、自分の得意な部分を発揮するような形というのを尊重してもらっていますし、非常に自由にやらせてもらっているので、それはありがたいと思います。この会社じゃなかったら、たぶん違うと思うんですけどね」

 五月さんの仕事はあくまで「アナリスト」。実際に買うかどうかは藤野さんたちファンドマネジャーの仕事になる。

「毎日、新聞を見たり、開示を見たり、ネットの情報を見たりして、自分の中で次はこういう銘柄が来るんじゃないかというのが、頭の中をぐるぐるしているので、その中で具体的に『この銘柄はどうだ?』というのを調べて、いい銘柄が見つかったら、とりあえずそれを消化する。きちんとある程度説明できる形にして提案するときもあれば、いますぐこれを買ったほうがいいというときは、その場で説明して『買ってください』と言うときもありますし。その辺は状況に応じて変わりますね。僕の仕事は『こういうストーリーで、この銘柄がいいと思います』というのを出すことであって、それを実際に買うか買わないか、買うならいくらまで買うのかという判断は、ファンドマネジャーに責任を持ってやっていただいています。もし、全部を自分でやっていたら、変なプレッシャーとかリスクを取りすぎじゃないかとかいう問題が出てくると思うんですけど、その部分はチームプレーのいいところですね。今はとにかくいいと思った銘柄を提案していくことに集中しています」

 今年2月に「撤収宣言」をした際には「どの銘柄も高くなりすぎている」とも語っていたが、いい銘柄は見つけられているのだろうか。

「もちろんです。やっぱり個人の運用を考えたときには、一年で資産を3〜4倍にするというのを続けてきたので、少なくとも株価が2〜3倍になってくれる銘柄じゃないと買う気が起きなかった。狙っていたリターンが大きかったんです。でも、投資信託では一年で3倍になる運用を求められているわけではなくて、なるべく減らさずにリターンを出していくことが求められているわけですから、そういう観点で見たときには、割安な銘柄、パフォーマンスに貢献できる銘柄というのはいくらでもあると思っていますし、まだまだ投資のアイデアは出てきますね。まぁ、『高くなりすぎている』という発言は、当時はまだ個人投資家で、ものすごい損失を食らってフテくされていた部分もあったので(笑)。実際、すでにいくつかはポートフォリオに加えられていて、これから僕の分析が当たっていたかどうかが『裁かれる』ってとこですね」
次のページ>> 優れた個人投資家は機関投資家でも十分に通用するはず
優れた個人投資家の運用技術が
活かされていないのは「もったいない」
 しかし、藤野さんへのインタビュー(入社2カ月で早くも「第1号ホームラン」が炸裂!「ひふみ投信」アナリストとなった元カリスマ投資家・五月さんの仕事に迫る!)でも触れたとおり、すでに特大の「第1号ホームラン」をかっ飛ばしていることからも、五月さんの分析の鋭さは機関投資家となった今も変わっていないようだ。
 ヘッジファンドのファンドマネジャーに言われた「機関投資家に向いている」という言葉は正しかったのか? 現時点での自己評価はどうだろう。

「向いているかどうかはわからないですけど、でも、実際に入社してみて、非常に刺激を受けたり、勉強になったりすることも多いので、やってよかったなと思いますね」

 藤野さんが「誰よりも組織人」と評価していることを伝えると「それは多分、よっぽどそういう部分が欠如しているんじゃないかと思われていたハードルの低さの反動なんじゃないですか。ヤンキーが普通のことをしても褒められるみたいな感じで(笑)」と謙遜したが、一方で、藤野さんが「専業の個人投資家としてやってきたプライドを持っている」「社会的使命を自覚している」と評していた部分については、どのように考えているのだろう。

「個人投資家の代表というわけではないですけど、機関投資家サイドにいた人が辞めて、個人投資家になるというケースはあったと思うんですが、その逆に個人投資家から機関投資家に入るというケースはほとんどなかったと思うんですね。そうなると、もし僕が失敗して、『やっぱりプロの世界では通用しなかった』となると、自分以外の方々にも迷惑をかけてしまうので、やっぱりちゃんと結果を出し続けていきたい」
他人の資金を運用するいい緊張感の中で仕事ができている
 株式投資で100億円以上を稼いだBNFさんやcisさんのように、機関投資家が運用する投資信託などを圧倒的に上回るパフォーマンスを叩き出した個人投資家のことが報道されると、「成功した個人投資家に自分の資金を運用してもらいたい」ということを誰もが考えたことがあるだろう。

 しかし、これまで成功した個人投資家は他人の資金を運用することはしてこなかった。もちろん、これまではその機会がなかったというのもあるが、彼らには他人の資金を運用しようという立場になろうというモチベーションは感じられなかった。常に結果を求められ、失敗すれば批判される可能性もあるのだから当然だ。

 五月さんは他人の資金を運用するというリスクやプレッシャーをどう受け止めているのだろう。

「もちろん、これまで僕はとにかく自由に、自分が考えたアイデアを相場で表現したいと思うタイプだったので『縛られたくない』というのはあったんですね。でも、一定の制約があるなかで、そこで自分の能力を発揮していくという新しいトライは、それはそれで別の面白さというか、試されている感覚があって、いい緊張感の中で仕事ができているという実感があります。実際に僕自身も仕事をするまでは『人のお金で運用するとなると自分が痛みを直接被らないので、どこか運用に甘えみたいなものが出てしまうのではないか』と外から見ているときは思っていたので、逆に自分はそうならないように、ちゃんと責任を実感して、やれるだけ仕事はきちんとやりたいと思っています」

 今回の「すごい成績を上げた個人投資家が投資信託の運用チームに加入する」という、前代未聞のチャレンジが成功すれば、五月さんに続く個人投資家が出てくる可能性もある。

「もし、やりたいっていう個人投資家がいればいいと思いますけど、ただ、それを受け入れることのできる場所がほかにいくつもあるかというと、現状ではそうではないと思います。ただ、実際に僕よりも遥かに運用がうまい人たちは大勢いるので『もったいない』という気がするんです」
 しかも、機関投資家の場合、発注する人は発注する仕事、アナリストは銘柄を見つける仕事というふうに、役割分担がきっちりしたプロフェッショナルな世界である一方、個人投資家の場合はそれらをすべて一人でやっていることが武器になりうる。なぜなら、その中でも優秀な個人投資家はプロなら分担されている役割のすべてを、高いレベルで実践することによって、より広い視野を手に入れることができる可能性があるからだ。
「専業投資家でうまい人は、機関投資家でも十分に通用するはず」という五月さん。彼らが運用業界に入ってくることを望みたい。
「専業の個人投資家で勝っている人というのは、トレーダーでもあるし、アナリストでもあるし、ファンドマネジャーでもあるし、ストラテジストでもある。それを全部一人でやっていて、その中から生まれてくる総合力はバカにできないと思うんですよね。だから個人的には専業投資家でうまい人というのは、機関投資家になったとしても十分通用する可能性があるんじゃないかと思うんです。しかも、僕なんかより遥かにうまい人が専業投資家の中にはたくさんいますから。だからこそ、すごく『もったいない』と感じるんです。直接、運用に携わるんじゃなくても、どういう運用をしているのか、投資がいかに面白いのかっていうのを知らせるような活動を担ってもいいと思うし、いろんな貢献の仕方があると思うんですけどね」
次のページ>> マーケットの面白さ、ポテンシャルを多くの人に知ってもらいたい!
投資の面白さ、ポテンシャルを多くの人に知ってもらいたい
 そして、さらに五月さんにはもう一つ、彼自身が『ビッグマネー!』というドラマを通して株式投資を始め、それゆえに味わえた多くの経験を人に伝えたいという思いもある。個人投資家時代からニコニコ動画で「クソ株ランキング」という動画を発表したり、同人誌で投資に関する作品を発表したりする個人的な「創作活動」でもやってきたことだ。

「投資に出会うか出会わないかっていうところは運の要素が非常に大きい。僕は23歳のときに、たまたまドラマを見て『面白そうだな』と思って株を始めたわけですけど、もし、投資をしていなかったら、確実に今とはまったく違う人生になっていた。そう考えたときに、もし株と出会っていれば人生が変わったかもしれないのに、株と出会うタイミングがなかった人というのがものすごくたくさんいると思うんです。もちろん、株と出会ったことによってお金を減らしちゃった人もいるとは思いますから、結果に対して責任は持てないですけど、最初のきっかけの部分に対しては、何とかして作ることはできるんじゃないかと思うんですよね。そういう『きっかけ作り』みたいなことをしたいなっていうのは、以前からずっと考えていて、非常に小さい活動ながらもやってきたので、それをもっと大きな形で展開していくというのは、機関投資家というよりレオス(・キャピタルワークス)という会社のやっていることが、それに非常に合致するという部分もありました。だから、運用だけじゃなくて、どうすれば『ひふみ投信』を一般の方々に広げていけるのかというマーケティングにも若干興味がありますね」

 五月さんが得た知識や経験、そして今後はその成績までを多くの人と共有することで、株式投資に少しでも興味を持つ人を増やしたいという思いは、数多くのセミナーを開催したり、本を執筆したりする藤野さんの活動方針と合致する部分があるのだろう。

「偉そうに『啓蒙』だとか『教育』だとか言うつもりはないんです。ただ、いろんな人にマーケットの面白さとか、そこから引き出せるポテンシャルを知ってほしい。それを知った上で『自分はリスクを取りたくないからやらない』と判断するのはいいと思うんですけど、毛嫌いしていたり、知らないままでいたりするのと、知っていてやらないっていうのは全然違うと思いますし、何十年という長い人生を考えたときに、株式投資を経験しているかどうかっていうのは、ものすごい差になってくると思うんですよ。そういうきっかけを増やしていければと思っています」
二人のカリスマが「勝機」を感じたチャレンジが
日本の運用業界の常識を覆す!
 今後、五月さんが運用チームに参加した「ひふみ投信」はどうなっていくのだろう。機関投資家としての目標は?

「基本的にはアナリストですから、今まで以上にパフォーマンスをよくして、お客様にリターンを享受していただくというのが大前提ですよね。チームとして運用していくので、自分一人で頑張っても限度がある。運用チームのメンバーそれぞれの得意なところを高めあって、チーム力を向上させていくというのが重要な課題だと思います。その上で、マーケティングに付随する活動などあれば、できるかぎりそれには積極的に関わっていきたいとは思いますけど、基本的には商品の質を高めるということ。いい運用をして、最適な広報活動などをやって、結果的に大きなファンドに成長させることができればいいなと思っています」

 今回のチャレンジは、藤野さんにとっても、五月さんにとってもハイリスクであることは間違いない。もし、チャレンジが失敗すれば、藤野さんは「プロの経験がない個人投資家を採用したからだ」と言われる可能性があり、五月さんは「他人の資金で損失を出した」と批判される可能性がある。
 しかし、そのリスクを十分に理解したうえで、それでも日本の運用業界の常識を覆すチャレンジに「勝機がある!」と感じて踏み出した、二人のカリスマが作る今後の「ひふみ投信」伝説に期待したい。
http://diamond.jp/articles/-/40236?page=4

 


 
【第289回】 2013年8月28日 加藤 出 [東短リサーチ代表取締役社長]
「トラブル通貨プロジェクト」で
ハイパーインフレの実態を見る

“トラブル通貨プロジェクト”。S.H.Hankeジョンズ・ホプキンス大学教授は、混乱状態にある通貨のインフレ率を推計している。

 アルゼンチンでは政府が公表するインフレ率は実態よりも大幅に低いのではないか? との疑念が昨年から国民の間で話題になっていた。IMFもそれを問題視して警告を発した。アルゼンチンに限らず、インフレが高騰して国民の不満が著しく高まると、インフレ率を低めに表示したり、公表をやめてしまうケースが見られる。

 そこでHanke教授は、ケイト研究所と共同で、6カ国の“トラブル通貨”の闇市場で取引されているレートを調査し、それを用いてインフレ率を毎月推計している。8月発表の年率物価上昇率は以下の通り(かっこ内は最近の政府公式発表)。エジプト19.7%(7月10.3%)、アルゼンチン42.5%(6月10.5%)、イラン52.5%(6月35.9%)、北朝鮮53.5%(未公表)、シリア199.3%(5月40.2%)、ベネズエラ238.9%(6月39.6%)。

 エジプトの公式インフレ率は“良心的”なほうに見える。もっとも、現在の混乱が続くと生産は一段と減少して物資不足となり、実勢為替レートが下落して輸入物価は高騰するであろうから先行きは心配である。シリア、ベネズエラでは日用品が急騰し、生活に困窮する人が増えている。

 歴史上初のハイパーインフレは、1795年フランス革命時に起きた。物々交換や、紙幣の価値が商品に厳格に裏づけられていた時代(金本位制など)には起きていない。政府が財政赤字を補填するために、価値の裏づけなしに通貨を大量発行するとハイパーインフレが起きる。Hanke教授によると、過去のハイパーインフレにおいて、物価が2倍になるのに要した時間の最短は、1946年7月のハンガリーで15時間、2位は2008年11月のジンバブエで25時間だった。

 中国では49年5月に前月比インフレ率が2100%を超えた。ブラジルもそうだが、ハイパーインフレのトラウマが残っている国では、政府は国債増発を嫌がる傾向が見られる(中国では中央政府が国債を発行したがらないので、地方政府の資金調達に歪みが起きた)。日本がハイパーインフレになる恐れは当面はないはずだが、国債発行への警戒感が国民になさ過ぎるのもまた心配である。

 (東短リサーチ代表取締役社長 加藤 出)

 


 

【第20回】 2013年8月28日 後藤順一郎 [アライアンス・バーンスタイン株式会社 クライアント本部戦略ソリューション室長、兼DC推進室長]
オヤジ世代にも適した積立投資

 前回は、「長生きリスク」に対処するためには、“定年退職後は投資しない”という固定観念から脱却し、まだまだ続く長い老後を活かし、退職後もできるだけ長く投資を続ける必要があるとお話ししました。そう考えると、たとえ55歳からでもラストスパートと言うには長すぎる数十年もの投資期間があると考えられるので、「長期投資」による複利効果や時間分散効果を十分享受できるのではないでしょうか。今回は、人間固有のバイアスを回避する最後の仕組みである「積立投資」についてお話しします。

 55歳という年齢は、老後資金の準備におけるターニングポイントと考えられます。20代後半に結婚して末の子供が30〜35歳のときに生まれた場合、55歳頃はその子供が大学を卒業する時期に当たります。

 つまり、一般的には教育資金の負担から解放されて家計が楽になり、それまで難しかった自分たちの老後資金づくりに力を入れることができるようになる時期です。その際、資産形成のゴールを定年に設定してラストスパートとばかり預貯金で一気に貯めようとするよりも、退職後も含めた長い期間を想定して腰を据えて投資したほうが成功の確率は高まると考えられます。

 そんな人にお勧めの投資方法が積立投資です。ある程度まとまった資金になるまで預貯金で貯めておいて一度に投資をするのではなく、毎月少しずつ株式や投資信託などを購入するやり方です。「それって、そんなに大きな違いがあるの?」と思うかもしれませんが、実は大きな違いがあるのです。では、積立投資がどのようなものか見ていきましょう。

積立投資は買い物と同じで、安いときに多く買う

 まず、積立投資の大きなメリットは、投資タイミングが分散されることです。資金を一度にまとめて投資する場合、結果はそのときの市場動向に大きく左右されます。例えば、まとまった資金ができたタイミングがたまたま2012年11月に野田前首相が衆議院を解散したときで、日本株の大幅上昇が始まる直前に投資したのであれば、大きな利益を得られたでしょう。でも、資金ができて投資をしたのが今年5月だったら、株価がその後大きく調整したため、損失を被っているでしょう(2013年6月末現在)。

 このように、一括投資は投資するタイミングが非常に重要です。一方、積立投資の場合は、毎月決まったタイミングで投資を続けるため、たとえその月の投資タイミングが悪くても、長く続ければそれは均されていきます。つまり、積立投資であれば、いつ始めるかという投資家にとって大変悩ましい問題を回避できるのです。

 積立投資のメリットはそれだけではありません。一定額を毎月投資するやり方をドルコスト平均法と言いますが、毎月1000円ずつ3ヵ月間投資を続けるケースを例にその効果を考えてみましょう。1ヵ月目は投資対象の銘柄Xが250円だったので、1000円で4株購入できました。2ヵ月目は株価が100円まで急落したため、1000円で10株も購入できました。最後の月は株価が200円に戻り、1000円で5株買えました。結局、3ヵ月間で合計3000円を投資して、銘柄Xを19株購入することができました。もし株価が250円のときに3000円を一度に全部投資していたら、12株しか買えなかったことになります。このように、積立投資は毎月の投資額が一定であるため、必然的に価格が高いときは少ししか買えず、価格が低いときはたくさん購入できます。

 これは毎月一定の給料をうまくやりくりして、日頃スーパーなどで安いときに多く買い物をする消費者行動に似ています。

 また、結果として平均購入価格を引き下げることができるため、株価の下落に対する抵抗力が強まります。このケースでは平均購入価格は158円となりますから、株価が当初の250円から3ヵ月後に200円まで下がっても、まだ利益が出ているのです。積立投資は一度始めれば後は自動的に投資される極めて簡単な投資手法ですが、安いときにたくさん買うという行動がもたらす多くのメリットがあるのです。

積立投資は万能ではない

 ただ、積立投資も良いことばかりではありません。最大の欠点は、前述のように株価が下落しても利益が出ることがある半面、開始時点より株価が高くても損失が発生することもある点です。例えば、株価が勢いよく上がった後に急落したが、まだ当初の水準より高い場合、急落前までは高値圏での購入が多かった結果、平均購入価格が足元の株価より高くなり、損失が出る傾向があります。今年に入ってから日本株への投資を始めた人はこのような状況にあり、損失が出ている人もいると思います。

 このため、積立投資は下落には強いが、上昇には弱いと言っていいかもしれません。加えて、積立投資は安いときにたくさん買う仕組みですが、安いものはいずれ元の価格に戻るという暗黙の前提に基づく投資手法のため、価値がゼロになることは想定していません。

 つまり、価値がゼロになる可能性がある個別株式は、積立投資にはあまり向いていないと言えます。積立投資は、価値がゼロになることがない日経平均や東証一部全体といった市場全体、もしくはそれに準ずる分散投資をする投資信託を活用するのが適切でしょう。

 以上、積立投資についてお話ししてきましたが、基本的に安いときにたくさん買うという点は買い物と同じで直観的に理解しやすいと思いますし、一度始めれば通常は自動口座引き落としで半ば強制的に続くため、忙しい人や意志の弱い人でも投資を続けられます。

 また、上昇局面に弱い代わりに下落局面に強いという特徴も、預貯金などが中心で投資に馴染みの薄い人に受け入れやすいと思います。4人に1人が90歳以上まで生きる時代の「長生きリスク」を認識して、これまでご紹介した分散投資、長期投資、積立投資といった行動バイアスを極力排除する三つの仕組みを活用すれば、オヤジ世代の皆さんは今からでもしっかりと老後の準備ができると思います。

今回の川柳
積立で これから殖やそう 自分年金

※本記事中の発言は筆者の個人的な見解であり、筆者が所属するアライアンス・バーンスタイン株式会社の見解ではありません。


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