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http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20130824-00010002-biz_bj-nb
Business Journal 2013/8/24 06:36 松井克明/CFP
「週刊東洋経済」(東洋経済新報社/8月24日号)は、「ネット保険&共済 厳選、最安・おトクな保険」という特集を組んでいる。「特約だらけの複雑な保険よ、さようなら。『安くてシンプルな保険』が、今やたくさんある。いざというときに頼れて、家計の負担にならない保険と共済に迫った」という内容だ。
保険は、これまでの営業職員や代理店といった加入チャネルだけでなく、インターネット、保険ショップなど多様化している。ただし、素人目には複雑なシステムであることは変わりない。
今回の特集でも編集スタッフは「どの保険が最安なのか。この質問に答えることは大変だと、調べれば調べるほど思い知りました。何しろ商品パンフレットに価格表すらない保険は珍しくありません。問い合わせてみると、パンフレットに書いていないことがたくさんあります。商品の仕組みが複雑で、同一比較するのは簡単ではありません。それでがん保険は価格一覧表の掲載を断念しました。損保については取り上げること自体やめました」などとボヤくほどだ(「編集部から」)。
複雑でなく、「安く保険に入る」の視点で、普通のサラリーマンにとって本当に必要な保険(定期、収入保障・年金型、医療保険、がん保険、就業不能保険など)を今回、相談有料の実力派FPやコンサルタントが分析すると、ネット系の生保商品が並ぶことになったという。それぞれのページの見出しを紹介してみよう。
定期保険:「非喫煙優良体はメットライフアリコ 楽天、オリックスも安い」
収入保障・年金型:「喫煙者はオリックス 非喫煙者の奪い合い熾烈」
医療保険:「楽天、アフラックが割安 三井ダイレクトも安い」
がん保険:「男性ならアクサダイレクト生命 女性はAIG富士生命」
就業不能保険:「30代までは日立キャピタル損保 40代以降はライフネット生命」
学資保険:「断トツ日本生命をフコク生命、ソニー生命、明治安田生命が追う」
介護保険:「軽い一時金出る明治安田生命 保険料安いのはAIG富士生命」
それぞれのページで契約年齢、男女、喫煙非喫煙などの区別で、どの保険がお得なのかを紹介していて、編集部の苦心のほどがうかがえる力作になっている。
●保険は本当に必要か?
今回の特集は切れ味がいい。特集の冒頭で「あなたに保険は必要か」というチャート図を掲載し、「実は、保険はすべての人にとって必要なものではない。(略)要は、養うべき家族がいなければ保険に入る必要はない。家族がいても預貯金が十分あれば万が一のときに困らないので、これもまた保険に入らなくていい」と断言している。ただし、保険特集の冒頭という読者を引き込むべき部分でこの断言、ここで読むのをやめる読者がいても不思議ではないわけで、雑誌のつくり方としては潔すぎるほどだ。
さらに、「がんと闘うな」などの論でおなじみの放射線科医・近藤誠氏にインタビューをし、「保険ってそもそも役に立たないと思っている。僕は入ったことがない。がん保険でもこれだけ宣伝が盛んだということは、保険会社が儲かっている。儲かっているということは、保険会社の取り分が多い。被保険者に還元される部分は少ないだろうと見ている」という業界に刺激的な発言を掲載している。
また、ネット生保は話題性がある割には、生保加入者のうち、ネット経由で加入した人は4%(2012年度)と、まだまだこれから。そして、ネット生保と同様に注目されている保険ショップは「保険商品を売ることで、保険会社から販売手数料がそれぞれの保険ショップに支払われる。保険ショップからすれば、保険販売は手数料ビジネスであり、新規契約をいかに獲得し、手数料を拡大するのかがビジネスの主眼」とビジネスの裏側までも紹介しているのだ。
特集PART2「保険より有利? 『共済』全解明」では、共済へ焦点をあてている。というのも、「2012年3月末、共済の加入件数は5999万件に達した。今や国民に2人に1人が共済に加入している」からだ。「『県民共済』や『こくみん共済』のように、大手生保を上回る規模に成長した共済もある」ほどだ。「不特定多数」を加入者とする保険と「特定の地域や団体の組合員」に限定した共済というイメージだが、いまや実質的に全国展開している共済もある。「一律掛け金・一律保障」という非常にシンプルな構造も魅力だ。ちなみに、保険の監督官庁は金融庁で、共済は厚生労働省(JA共済は農水省)という違いがある。
こうして見てくると、保険よりも共済がいいのではないか? と、保険と共済とのメリット・デメリット比較の特集記事を読みたくなってくる。ただし、こうした特集をするには、監督省庁が異なるという縦割りの壁や、編集部がコメントを求めるべきFP業界の知識の壁もある。FP業界の内幕を述べれば、保険については必須の試験内容だが、共済についてはほとんど触れられておらず、FPにとっても未知の領域なのだ(FPは保険業界との関係が近すぎるのかもしれない)。これではますます東洋経済編集部の「複雑すぎる」というボヤキが聞こえてきそうだ。
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