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2013年08月23日 在野のアナリスト
ブルネイの首都バンダルスリブガワンでTPP交渉が開かれ、共同声明をもって閉幕しました。個別交渉はつづきますが、議長を開催国ではなく、米通商代表部が担うなど、異例ずくめのものであり、共同声明をみると日本の苦境がにじみます。2013年妥結にむけ…との文言が入り、各国とも政治的にも年内合意を強いられます。方策をさぐった、未解決な問題も協議した、最適な方法を議論した、など中庸的な内容ですが、米中間選挙にむけて焦る米国が、土壇場で離脱する可能性まで含めて、日本側が相当の妥協を強いられることは、半ば覚悟しておく必要があるのでしょう。
昨日、米国では7月FOMC議事録が公表されました。年内の緩和縮は、ほぼ織り込まれたものの、規模やタイミングについて、言質を与えなかった恰好です。ほぼ想定通りの内容でもあり、今日になって楽観が支配しています。それ以上に、中国、欧州、米国とPMIが発表され、それがいずれも市場予想よりよく、好感された形です。しかし中国では在庫の積み増しが顕著など、これが将来的な景気回復をにらんでの動きならよいですが、継続性があるかは今後の指標を待たないと、判断できません。
日本では円安がすすみます。一部で、黒田日銀総裁が某紙のインタビューで、更なる緩和に言及したことを材料視、と語られます。しかし今以上の緩和をしても効果がない、ということは全員が認識しています。恐らく円安にもならないでしょう。今は、円安にするための方便につかわれているに過ぎません。ただ、日本では金利差をみて為替市場に参加する個人も多く、その点で今は円売り、という捉え方が多いのも事実です。しかしこのタイミングでの円安は、米系のファンド勢が保有している大量の円ショート、そのポジション整理につかわれることになるのでしょう。
以前も指摘しましたが、金融緩和による効果とは、国内に資金循環が起きることではなく、好調な他国への投資が拡大、そのことで他国でバブルがおき、その余波によって景気を回復させること、です。欧米の金融緩和で、新興国がバブル化しましたが、それが緩和縮小で逆回転を起こしている。日本の金融緩和で、米国の不動産がバブル化しています。資金移動が起こっているはずなのに、為替市場にはその波が伝わらない。それは様々な仕組み、組み合わせによるものであり、金融緩和による円安効果は、ないに等しい状況です。金利差拡大も、今はメインの取引材料ではありません。
むしろ世界経済の好、不調の波が、ポジションの拡大により為替市場に大きく影響する、といった状況なのです。世界的にPMIがよさそう、世界経済は底堅い、これが今の円ショートの流れには含まれるのでしょう。そうなると、米QE3の行方と同時に、各国の製造業指標などで、今後も大きく振らされる展開が続くのでしょう。株式市場も、欧州2社の振り回しで右往左往しているような状況ですが、円債市場も大きくふれ易くなっている。これも金融緩和効果、というのかもしれませんね。
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