http://www.asyura2.com/13/hasan81/msg/853.html
Tweet |
政府系ファンドのよき手本となる農林中央金庫=東京・有楽町
http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20130821/ecn1308210733001-n1.htm
2013.08.21 森岡英樹の金融スクープ
大手機関投資家のトップはこう明言する。
「安倍晋三首相は年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)をグローバルに展開する世界最大の政府系ファンドにしたいと本気で考えている」
「1ポイントの変更で約1兆円が動く」と言われるGPIF。その市場インパクトは計り知れない。外国人投資家の間でも「ザ・ネンキン」の代名詞として動向に注目が集まる存在だ。株価上昇によりGPIFの2012年度の収益率は10・23%(11兆2222億円の黒字)と過去最高を更新し、運用資産額も120兆4653億円(13年3月末)まで膨れ上がっている。
7月1日、GPIFは06年の設立以来、初めて運用資産の構成割合「基本ポートフォリオ」を変更した。国内債券の割合を67%から60%に引き下げる一方、国内株式は11%から12%、外国債券は8%から11%、外国株式は9%から12%にそれぞれ引き上げた。アベノミクスによる国内株の上昇などに伴い、資産構成割合が許容値(リバランス)の上限に近づいていたためだ。
さらに今回の基本ポートフォリオの見直しに続き、GPIFは本丸といえる、15年4月から始まる次期中期計画の資産構成について検討に入っている。その結果は、地方公務員共済組合連合会など他の公的年金約60兆円や独立行政法人の資産運用にも影響を及ぼす。総額200兆円を超える資産だ。このため、政府は7月1日から有識者会議を開き、今秋にも提言をまとめる予定だが、方向感としては「国債の比率を下げて、国内株の割合を高める方向」(関係者)。GPIFの国内株式運用割合が高まれば、株価の下支えラインが引き上がる。アベノミクスを体現するようなGPIFの変身となりそうだ。
安倍首相は、この資産構成の検討に合わせ、GPIFを本格的なグローバル投資を展開する「政府系ファンド」に育てる構想を持っている。そのモデルが、隠れたエクセレントカンパニー「農林中央金庫」だ。
連結総資産81兆4968億円(13年3月末現在)を持つ農林中央金庫は、09年8月のリーマン・ショックの影響を受け、一時2兆円もの有価証券投資の含み損を抱えた。だが、高格付け債券まで価格暴落に見舞われる異常な市場環境を、系統組織などからの資本増強で乗り切り、現在は逆に1兆円におよぶ含み益に転じている。信用度の高い有価証券にグローバルベースで分散投資することで安定的な収益を確保する「農中モデル」。GPIFを農中モデルを念頭に本格的に政府系ファンドとして育てあげようというのが安倍政権の構想だ。
すでに世界では政府系ファンドが市場の有力なプレーヤーとなっている。7600億ドル(約73兆5000億円)の規模を持つノルウェーの政府年金基金はその代表格で、この半年余りで日本株の保有高を2倍に増やして市場の注目を集めた。GPIFの資産規模はそれを大きく上回り、世界最大である。
■森岡英樹(もりおか・ひでき) 1957年、福岡県出身。早大卒。経済紙記者、埼玉県芸術文化振興財団常務理事などを経て2004年4月、金融ジャーナリストとして独立。
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。