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ゴールドマンのリポートは投資家への影響力も大きい
GSが衝撃試算「中国バブル崩壊で不良債権300兆円規模」 リーマン級ショック
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20130820/frn1308201810010-n1.htm
2013.08.20 夕刊フジ
中国経済をめぐる一通のリポートに世界の投資家が身構えている。米大手金融機関のゴールドマン・サックスが、中国の不動産バブル崩壊によって発生する不良債権の総額が最大300兆円規模に達する可能性があると試算したのだ。2008年のリーマン・ショックによって米国で発生した損失額に匹敵する規模だけに、「世界最強の投資銀行」と呼ばれるゴールドマンの危機感のほどがうかがえる。
ゴールドマンは8月5日付の「Top of Mind(最大の関心事)」というリポートを発表、「中国の信用懸念問題」について特集した。
リポートの中で、透明性の低い「シャドーバンキング(影の銀行)」セクターが資金調達を増加させているとしたうえで、同社のアジア担当エコノミストならびにストラテジストは、「中国でバブルが崩壊した場合、貸倒損失が最大18・6兆人民元(約297兆円)になる可能性がある」との試算を示している。
中国銀行業監督管理委員会が発表した資料によると、中国の銀行が抱える不良債権残高は6月末で5395億元(約8兆6000億円)にとどまっている。この約34倍もの貸倒損失が発生しうるとは、おだやかではない。
1990年代、日本の不動産バブル崩壊後に発生した不良債権による損失額は約100兆円とされる。また、2008年のリーマン・ショックの際に、米国では3兆ドル(約293兆円)の損失が発生したとされる。これらと比較しても巨大なインパクトだ。
リポートでは、「実際の貸倒損失はこの最悪の事態を想定した数値よりもはるかに少額におさまり、しかも段階的に発生する公算が大きい」と説明してはいるが、「仮にそうであったとしても、ゴールドマンは中国当局の発表よりはるかに大きな規模の貸倒損失が発生するとみているのだろう」(国内証券)というのが市場の受け止め方だ。
さらにリポートでは中国経済の懸念要因として、債務の拡大速度が過去に発生した危機よりも急速に拡大し、経済成長の速度を上回っていることや、シャドーバンキングの拡張によって健全性に疑念が持たれていること、不動産バブルや銀行のリスク管理の甘さといった問題についても言及している。そして、在北京の大手格付け会社幹部は、「中国共産党は危機から救済する能力や意欲に絶対の自信を持っているが、金融システムの巨大化や経済成長の鈍化により、問題が表面化し始める」と警鐘を鳴らしている。
実際にゴールドマンは今年5月、中国の最大手国有銀行、中国工商銀行の全持ち株を売却していることも、中国経済の深刻さを投資家に意識させている。
ゴールドマンが強い懸念を示す中国の不良債権だが、大きな要素となっているのが過剰な不動産投資だ。中国経済に詳しい企業文化研究所理事長の勝又壽良氏は「中国地方政府は、農民から安値で農地を接収し、それを高値で売却する手法で資金調達してきた。この“錬金術”は、地価上昇を前提としており、不動産バブルの崩壊は、地方政府の財政崩壊に直結する」と語る。
同時に中国の金融システムの未熟さも意識されている。6月に中国の信用懸念が拡大したのは、一部金融機関が資金ショートを起こしたのが大きな要因とされる。「リーマン・ショックと同じ構造であるにもかかわらず、中国でその金融機関は翌日以降も通常営業していたという。資本主義国ではありえない話」(前出の国内証券)
ゴールドマンに限らず、米国の中国経済を見る目は厳しさを増している。ノーベル経済学賞受賞者でプリンストン大教授のポール・クルーグマン氏はニューヨーク・タイムズ紙のコラムで、「30年間にわたり信じがたい成長をしてきた経済システムは限界に達し、“万里の長城”に激突した。変化を後回しにして最後の審判の日を遅らせた結果、いま、より厳しい状況をもたらしている」と論じている。
前出の勝又氏も「中国の経済モデルは市場原理を取り入れてはいるが、共産党が既得権益を盾にして改革を拒み、非効率で汚職の温床になるという根源的な矛盾を抱えている」と断じる。
中国の政府系エコノミストが唱えた“7月危機”の時期は過ぎたが、その分、火種は大きくなっているようだ。
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