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少子化世代だけの「恐怖の2060年」は来るのか1 坂東太郎 
http://www.asyura2.com/13/hasan81/msg/846.html
投稿者 赤かぶ 日時 2013 年 8 月 21 日 03:04:01: igsppGRN/E9PQ
 

http://bylines.news.yahoo.co.jp/bandotaro/20130820-00027405/
2013年8月20日 19時24分 坂東太郎 | 早稲田塾論文科講師、日本ニュース時事能力検定協会監事


そもそも少子化のなにが悪いのか。考えられるのは次の2点

1.国力とは人口であるという観点から考えると政治的・経済的に衰退する
2.高齢者の生活(主に年金)が支えられなくなる

1に関しては、国が本気で心配しているならば何とかしろという話である。2は、端的にいうと現役世代が知ったことではない。100兆円という巨額の社会保障給付費のうち、既に約70%が高齢者に充てられ、「現役・将来世帯」には約4%しか振り分けられていない。合理的な説明がつかない差別といっても過言ではなかろう。

とはいえ、特に2については単に「知ったことではない」で済まず、我が身に跳ね返ってくるから恐ろしいのも事実。働き手(生産年齢人口)が高齢者(65歳以上)を支える現行方式だと、2060年には1.3人で1人を支える「肩車型」になるという……との推計は散々報道されているものの、それが何を意味するかまではあまり考えられていない。次のような事態である

1.「肩車型」など概念だけで実際にできるわけがない。つまり年金制度が崩壊し、高齢者は路頭に迷う恐れが高い
2.2060年時点での「65歳以上」とは2013年時点での18歳以上。つまり今から結婚や出産を考える若者世代も多く含まれる
3.ということは、今の若者世代が1のごとく路頭に迷う。もし「1.3人で1人を支える」制度を無理やり維持しようとしたら、猛烈な負担を背負うのは今の若者世代の子世代である

要するに「高齢者を支える重い負担なんてたまらない」とイメージしている若い人達が、実は2060年に支えられる側にいるのだ。「我が身に跳ね返ってくる」とはそうした意味となる。ちなみに近年話題の「団塊の世代の引退」の該当者は1947年から1949年の生まれだから、2060年時点で111歳から113歳。同年の平均寿命推計は男性男性84.19歳で女性90.93歳だから、言い方は悪いが、すでに寿命を越えている計算になる。ではここから逆算して、2060年に平均寿命に達する人はだいたい1970〜75年生まれ。

これが何を意味しているかというと深刻だ。女性が一生に生む子の数を合計特殊出生率と呼び、2.07で人口が維持できるとされる。国の統計によると、1970年は2.13だが、75年は1.91。それ以後は2.00を越えることがない。つまり少子化が始まった世代となる。要するに2060年に「生きている人」は今後、合計特殊出生率2.07を回復しない限り「ほぼすべて少子化世代」となる。根本的な問題はここだ。

これまで使ってきた指標は主に厚生労働省国立社会保障・人口問題研究所(社人研)による。社人研といえば合計特殊出生率の推計を外しまくった組織として有名だ。そこで開き直って「なぜ外したか」を発表している。これがなかなか興味深い。今後の少子化対策に役立つ提言になりそうなのだ。

それを紹介・分析する前に合計特殊出生率の推移に関して簡単に述べておきたい。1966年に「女性が男性を食う」などの迷信がある、60年に1回の「ひのえうま」で出生率が1.58とガクンと下がった。その後前述のように70年代前半に2を割り込んだにもかかわらず、政府は無為無策を続けた。目覚めたのは1989年の「1.57ショック」。何も理由が考えられない年に、迷信に基づく一時的低下のはずだった「ひのえうま」の数値を割り込んだのだ。ここからあわてて政府は少子化対策を打ち始めるも、今に至るまで2.07など夢のまた夢という状況が続いている。

というわけで社人研の「なぜ外したか」は80年代後半から始まる。

●1986年〜90年「晩婚・晩産化の進行」
フォークグループ「かぐや姫」のメンバー伊勢正三氏が、後に大ヒットする『22歳の別れ』を作ったのは1974年。歌詞には22〜23歳の女性が今の恋人と別れて他の男性と結婚するもようが描かれている。厚生労働省によると1975年の女性の平均初婚年齢は24.7歳。決しておかしな設定ではなかった。それが2011年には29.0歳。およそ5歳ほど上がった。同じ1975年の合計特殊出生率は先に述べたように1.91。

この1986年は男女雇用機会均等法が制定され、女性の社会進出を後押しした。また85年の女性の大学・短大進学率約34%が、09年には55%に上昇。4年制に限れば13%から44%と激増した。ジョルジオ・アルマーニが女性のスーツ「ソフトスーツ」で世界を席巻したのもこの頃。それまでは「女性のスーツ」という概念自体がなかったのだ。

女性が4年制大学を出て就職活動して企業・団体などに勤める。これが当たり前になった今日「22歳の別れ」という選択は消滅している。結婚と出産はイコールではなくとも強い因果関係がある。2011年の第1子出産時の平均年齢は30.1歳。日本周産期・新生児医学会のwebサイトによると「自然に妊娠する力は30歳から下がります」とある(http://www.jspnm.com/topics/data/.pdf)。出生率2.07とはあくまで数字のマジック。「07人を生む」などあり得ないから。要するに女性が3人生まないと少子化は脱出できない。第1子の出産が30歳となると、3人までいくつで生むのかとなる。なかなか難しい。

少々乱暴に古い考え方を持ち出せば、改善するには女性はせいぜい短大で止まって、会社勤めも3年程度でさっさと結婚しろとなる。だがこの「昔に戻せ」が非現実的かつナンセンスなのは自明だ。そうした妄想を抱くより、出産を期に半分以上の女性が会社を辞める「M字カーブ」を撲滅するのが先だろう。そんな国は世界広しといえどもほとんどない。結局「育児は女性がする」からこの国の男性が抜け出せていない証左である。日本男性の育児・家事への参加時間は、経済的な先進国で比較すると大きく見劣りする。では「男が悪い」のかというと、これまた日本のお家芸「長時間労働」が妨げている側面がある。それを強いて恥じない「ブラック企業」や、不安定な非正規労働者の増加は特に若い世代を直撃している。高齢出産をサポートする医学的な研究に対する国の支援も微々たるもの。社会全体が若者をいじめておいて「たくさん生め」もないもんだ。

そもそも「女性の社会進出が少子化の原因」という感覚そのものが誤っている。実態は正反対で、先進国での比較だと女性の社会進出が高いほど出生率も高まっている。

●1991年〜95年「生涯未婚率の上昇」
生涯未婚率とはおおよそ50歳で結婚した経験のない人々を指す。出生率が2.07を超えていた1970年は、男性1.70%、女性3.34%に過ぎなかった。それが90年には男性5.57%、女性4.33%となり、2010年には男性20.14%女性10.61%に達している。

ここからわかるのは以下の2つである

1.生涯未婚率は男女問わず激増していて今後の予測も「増える」である
2.かつて言われた「行き遅れ」(ひどい言葉ですね)は女性を指していたが、今や男性が女性の2倍である

この理由をえぐり出した公的な資料は皆無に等しい。やはり少子化対策は中途半端である。1に関しては「結婚しない生き方」もまたアリだという認識が広がってきたと予想できる。2010年の国勢調査に基づく世帯の家族類型別によると、伝統的にトップであり続けた「夫婦と子ども」を抜いて1人暮らし世帯が3割以上を占めて1位となった。もちろんこのなかには独居になった高齢者も多く含まれる。反対に未婚男女でも家族と住んでいるケースもあろう。それでもなお「1人暮らしができるようになった」という環境変化は明確にわかる。

日本の古い価値観を持ち出せば、経済的なすべてを背負う夫と経済以外のすべてを担う妻という組み合わせがあった。「経済以外のすべて」とは、洗濯、炊事、買い物、掃除などだ。うち洗濯は全自動洗濯乾燥機に放り込めば終わりだし、炊事はコンビニで安くて多様な弁当類が手に入る。買い物もまたコンビニでほとんどまかなえるし、356日24時間対応だから買い出したり買い込む必然性も消失。掃除も便利な掃除機が次々開発されている。

若年層の低賃金が結婚しにくい原因という説もあるが、にわかに信用しがたい。共働きの場合、1人暮らしより2人で暮らした方がコストパフォーマンスがいいからだ。

次に2について。男女比がほぼ1対1なのに女性の倍の男性が未婚なのはなぜか。考えられるのは、一方で50歳までに再婚する男性が女性の2倍いるというケースであろう。これについては後ほど。(続く)


坂東太郎
早稲田塾論文科講師、日本ニュース時事能力検定協会監事

毎日新聞記者などを経て現在、早稲田塾論文科講師、日本ニュース時事能力検定協会監事、十文字学園女子大学非常勤講師を務める。 著書に『マスコミの秘密』『時事問題の裏技』『ニュースの歴史学』など。


 

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コメント
 
01. 2013年8月21日 15:21:44 : NVKEbhIkY6
2060年の状態がどうであるか・・・・?
結局は、誰にも分からんのでは・・?
あくまで、現状分析とそれによる予測。

福一から止まる事のない大量の放射能汚染水漏れ
福一原発の収束すら見えない
地震の可能性大の狭い日本国内に50機以上もの原発
核燃料廃棄物の処理方法は確立できてないまま
政府の借金は1000兆円超え
不安定な世界経済
中東の不穏な政情
   あげたらきりがない。
大学中退のくたびれ果てた中年のオバちゃんだけど、
2060年まで大きな変化がおこらず、予測通りに進むととは思えん。
日本が存在しているかどうかさえ、わからん現状ではなかろうか?

そうそう、少子化に環境問題は無関係なんだろうかね。
F1の種や環境ホルモン、食品添加物などで、
子孫を残す能力が減少してる要因もあるのでは・・・?

どなたか、明晰な頭脳と知識でもって、
このアホなオバちゃんの不安を払拭して頂けたら…と願っています。


02. 2013年8月23日 20:11:49 : nJF6kGWndY

>>01

考え方次第だ

そもそもヒトは多すぎるから、どんどん少子化が進むことが地球生態系にとって望ましい

さらに今の人口ですら食糧は多すぎるのに、今後、食糧生産技術も発達するから

一人で最低千人分の食料くらい簡単に生産できるし

科学技術の発達で、ほとんど人間がしなくてはいけない仕事は無くなる


つまり老人になっても、最低限の家事の指示くらいできるようにしておけば、ほとんど問題はない

また介護が必要になっても、機械にサポートされるし、雇用問題が解決して良いくらいだ

戦争が無ければ、巨大地震も、放射能や環境ホルモンなども、ほとんど問題にはならないだろう

まあ、いずれにせよ、人は最後は、誰でも死ぬのだから、余計な心配しても無意味であり、死ぬまでの暇つぶしを考えた方が良いだろう

それは社会貢献でも、金儲けでも、世界征服でも何でもいい



03. 2013年8月24日 02:10:20 : NVKEbhIkY6
>02さま

 ありがとうございます!
 迷いが吹っ切れました。

>まあ、いずれにせよ、人は最後は、誰でも死ぬのだから、余計な心配しても無意味であり、死ぬまでの暇つぶしを考えた方が良いだろう
それは社会貢献でも、金儲けでも、世界征服でも何でもいい

 うっかりしておりました。
 いずれは、確実に死ぬ身でありました。
 したい事して生きてきたので、いつ死んでも後悔はありません。
 余分な心配はせず、死ぬまでの暇つぶし、
 思いっ切り人生を最後まで楽しみます。


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