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65歳以上が4割、2050年の日本人の働き方 (PRESIDENT) 
http://www.asyura2.com/13/hasan81/msg/834.html
投稿者 赤かぶ 日時 2013 年 8 月 20 日 10:27:00: igsppGRN/E9PQ
 

65歳以上が4割、2050年の日本人の働き方
http://president.jp/articles/-/10320
PRESIDENT 2013年9月2日号 慶應義塾大学大学院 商学研究科教授 鶴 光太郎 構成=宮内 健 写真=PIXTA


■短時間勤務の男性が増える

毎朝、外資系企業に勤める妻の出社を見送り子供を近所の保育園に預けた後、会社に出勤する。勤務先は日本のメーカーだが、上司は中国人の女性である。

会社に着くと、隣席のベテラン社員と商品企画について打ち合わせ。60歳過ぎの彼は数々のヒット商品を生んだ実績を持つ専門職で、今は週3回出社し働いている。

定時に退社して子供を迎え、夕食を準備して妻を待つ。妻の出産を契機に、短時間正社員に雇用形態を変えた。妻のほうが収入も出世の可能性も高いので、主に家事と育児を担当するのが私の役割。夫婦合わせて安定した収入を得て、子供との時間も確保できて幸せな生活を送っている――。

2050年になったとき、もしかするとこんな職場や家族の未来が生まれているかもしれません。

私も執筆に携わった経団連21世紀政策研究所の報告書「グローバルJAPAN−2050年シミュレーションと総合戦略−」では、2050年の人口は1億人を割り、65歳以上が全体の4割を占めるようになると予想しています。労働力人口も現在の6500万人から4400万人程度へ大幅減少すると考えられます。

このような社会で職場はどう変化していくのでしょうか。

供給側の視点から見ると、人口減少社会において働く人を増やすには女性と高齢者、外国人高度人材の活用が不可欠です。

今と比べ高齢者は元気な方が多く、年金との関係においても働き続けたいという人が増えるでしょう。企業の人員構成の高齢化もあって、従来よりも会社で働く高齢者の割合は高くなるはずです。

現在、多くの会社では女性管理職不足という問題に直面していますが、今後、これも改善されるでしょう。外国人の高度人材受け入れに関してはさまざまな問題がありますが、若い人たちの割合が減るなかで外国人の方に担ってもらう仕事は当然増えると思います。

その結果、50年には職場における人材の多様化が当たり前になると予想されます。新卒一括採用した人たちが定年まで働き続ける、均質的な人員構成とは大きく異なっているはずです。

高齢者や女性の側から見ても、生活の基盤や生きがいを考えれば、やはり働く人たちは増えていくだろうと思います。

かつては結婚したら女性は家庭に入り、専業主婦になるものだという固定観念がありました。しかしこの20年、30年という間にその価値観は大きく変化しています。長期的には今後、専業主婦はいなくなるかもしれません。

この潮流のなか、女性の生き方として結婚した後も仕事を続け、子育てと両立することを社会も求めるでしょう。それを持続的に可能とする支援の仕組みはどんどんできていくと思います。

女性が働きながら子育てするにはフルタイムの正社員から短時間正社員、あるいは無限定型正社員から限定型正社員というように、企業の内部でフレキシブルに雇用形態を転換できる仕組みも必要になります。

そうなれば、夫婦ともフルタイムの正社員で働きながら子育てするのは難しいので、夫が短時間正社員へ移行し妻がフルタイムで働く夫婦も生まれてくるでしょう。

オランダでは短時間正社員がフルタイムからパートタイム、あるいはその逆へと自発的に移行することができ、使用者側もそれを受け入れなければいけないという法律があります。日本でもそういう制度が当たり前になっていくと思います。

■多様性対応のカギは「経営理念の共有」

最近、イノベーションを起こすには組織の多様性が重要だと指摘されるようになっています。しかし、それは簡単ではありません。新卒一括採用した人材を自分たちの好きな色に染め上げて、忠誠を誓わせ働かせるのは比較的容易ですが、さまざまな人たちがいる組織を1つにまとめ、成果を出すのは困難です。

人材の多様化が進むにつれて、企業はその人たちをどう雇用管理するかで悩むでしょう。金融商品のポートフォリオのように、どのような人材の組み合わせが、最大の成果を生むのかを企業は真剣に考えなければなりません。

多様な人々の束ね方も、企業にとって大きな問題になります。かつての日本企業は年功序列型賃金を採用し、長く勤めると後で賃金を取り戻せる形にすることで「取り戻すまで頑張ろう」というインセンティブを与えていました。しかし人材の多様化が進むとこうした方法は意味がなくなります。

そこで必要になるのが経営理念の共有です。「何のために働くのか」を共有することで、経営者と従業員が目標を一致させるのです。

雇用管理が必要なのは、従業員がさぼるからです。なぜさぼるかといえば、経営者と従業員の目標が違うからです。経営者が利潤を最大化しようと頑張っているのに、従業員は自分が安泰であればいいと考えていれば、利害の不一致が起こるのは必然です。

成果に見合った給与を支払う成果主義を導入しても、経済状況や周囲の環境などの影響を受けるため、本人の努力だけで成果は決まりません。従業員にとって成果主義はリスクが高すぎます。逆にいつも同じ給料ではまったく努力しなくなってしまいます。

2030年以降、マイナス成長が続く●日本のGDP年平均成長率予測
http://president.jp/mwimgs/a/b/-/img_abf1e5a929bfd0e78a170c3a41def96528772.jpg

結局、人間はお金のためだけに仕事しているのではなく、「働く意義」などそれ以外の部分がインセンティブとして大きいので、そこに訴えかけるような仕組みを考える必要があります。

経営理念やミッション、企業文化の共有で経営者と従業員が目指すべき目標を一致させることができれば、多様な人々を束ねることができるようになるでしょう。例えば多様な人材が活躍するグーグルでは“Ten things we know to be true”と題した価値観を示し、それに向かってやっていこうと考え方の共有を図っています。

旧来の日本企業は理念や考え方を言葉にしなくても共有できる方法を持っていました。それは新卒一括採用した人々が何十年も同じ釜の飯を食うことです。終身雇用的な世界のなかで同質化し、阿吽の呼吸が通じることはある意味、日本企業の強みでした。

しかし企業の内部が多様化すれば、阿吽の呼吸など不可能です。経営者は今日入社した人が明日には会社の理念やミッションを共有できるようにして、そこに向かって頑張る一体感をつくることが非常に重要な仕事になります。

一方、個人には際立った特徴が求められるようになるでしょう。重要なことは自分の専門性やキャリアにおいて、他人とは違うキラリと光る何かがあるかどうか。職業人生のなかで際立った特徴をつくることができれば労働市場において交渉力が高まり、よりよい機会や条件を求めて会社を移動できる可能性も高まります。

それは会社に言われた通り何でもやるかわりに安定性を得るという、ある意味奴隷的な働き方ではなく、自分の意思によって自分の特徴をつくりだす働き方へのシフトを意味します。他人が自分の人生を決めるのではなく、いろいろ大変なことはあっても自分の人生を決めるのは自分である。そんな確信を持ち、ポジティブに未来を切り開く生き方が当たり前の時代になっていくのです。


 

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コメント
 
01. 2013年8月20日 11:00:32 : niiL5nr8dQ
【第7回】 2013年8月20日 吉田典史 [ジャーナリスト]
未来ある20代社員80人が涙した壮絶リストラの内幕
元事業部長が懺悔する「追い出す側」の奔放な論理
 本連載では、過労死で死亡した社員の遺族や、会社からリストラされ、悶えながらも闘う社員の姿を紹介してきた。公的な機関の労働問題相談員も取材するなどして、バランスには配慮したつもりだが、もしかすると、リストラに携わる立場の社員の本音や、会社側のからくりを、十分に伝えられなかったかもしれない。

 そこで今回は、「追い出す側」に取材を試みた。登場するのは、数年前、大規模なリストラを行った中堅広告代理店(正社員数600人)の元事業部長(46歳・男性)である。本文中では、この男性をA氏と記述する。当時A氏は、自らが責任者を務める部署に在籍する正社員130人のうち、70〜80人から辞表を取った。わずか数ヵ月以内のことだった。

 しかも、未来ある23歳〜28歳の社員たちをターゲットにした。この異常な経験が原因で、A氏は会社の上層部に理解できぬ思いを強く抱き、数ヵ月前にこの会社を依願退職した。

 ブラック企業で20代社員を襲ったリストラの裏側を明らかにすることで、悶える職場の断面を描きたい。より状況を正確に伝えるため、筆者とA氏とのインタビュー形式でお伝えする。


取材は、都内中心にあるオフィス街で行われた
無節操、無計画な採用で
入社1年目からリストラ対象に!?

A氏 2006〜07年は、新卒にしろ中途にしろ、次々と採用した。正社員50人の部署が、わずか数年間で130人ほどになった。

 あの頃は景気が良かった。採用戦線では、「1980年代後半のバブル期の再来」と言われていた。広告業界も業績を拡大しつつあった。だけど私は、「社長たちは危ないことをしているな」と思った。

筆者 危ない、とは?

A氏 社長は人材育成の計画もなく、事業の先を見通しているわけでもなく、(@)社員の数を増やそうとした。しかし、景気が悪くなれば当然、仕事が減っていく。その際、社員らに仕事をあてがうことができるのか……。その後も、雇用を守ることができるのか……。

筆者 社長や人事部は、そのあたりについて考えていなかったと思いますか?

A氏 少なくとも、緻密な計画や戦略はなかった。人事部は実質的には、機能していない。(A)社長と会長で意思決定がなされるケースが多い。当時、営業部と制作部は別々に採用していたが、社長たちはそれら現場の管理職から意見を吸い上げることをしていない。

筆者 「そんな杜撰な方針では問題が生じる」と、進言しなかったのですか?

A氏 問題提起はしていたが、受け入れられなかった。制作部の責任者である私にはさしたる権限がない。社長らから指示を受けるのは、「営業を5人採用したら、制作を1人雇え」といったことだけ。まさにどんぶり勘定。事業戦略と人事戦略が一致していないから、景気が悪くなるとすぐに余剰人員が溢れ返る。(B)

「このままでは倒産してしまう」
経営者から指示された30人のリストラ

筆者 その後、2008年秋にリーマンショックを迎える。その予感が見事に的中する……。

A氏 2008年の秋に、社長たちから呼ばれた。「不況が押し寄せるスピードが速い。このままでは倒産の可能性がある」と言われ、リストラを指示された。

筆者 あの頃は、「100年に1度の不況だから、リストラは仕方がない」と世間で言われていた。私は疑問でした。当時大リストラを行った企業は、物事の本質を理解することなく、突き詰めて考えることもしていなかったように見えます。

A氏 当時、リストラの最前線にいた者からすると、「人を辞めさせることは仕方がない」ことはないと思う。他の会社はともかく、あの会社ではそもそも、採用自体がどんぶり勘定だった。そして、社長や会長など創業メンバーは独特の儒教的な考えに染まっていた。

社長や会長の考え方はまるで儒教的
リストラ計画は「3段階」あった

筆者 儒教的な考え?

A氏 「長時間労働は正しい。特に20〜30代半ばまでくらいは……。若いうちは仕事を大量にこなさないと、将来質の高い仕事はできない」といったものだ。

 ある一面では正しい指摘かもしれないが、これでは人が育たない。大量採用で、大量に辞めることを前提にした考え方にしか見えなかった。要は、育成する意欲に乏しいのだと思う。

筆者 だから、あっさりとリストラするわけですね。

A氏 社長からは、「数ヵ月以内に、広告制作部130人の中で30人ほどを辞めさせることができるか」と尋ねられた。私は「ええ!?」と驚き、声が出なかった。130人の平均年齢は20代後半。入社1年目もターゲットになるが、あまりにも無理がある。

 それでも、私としては「ノー」と言えない。仕方なく、数日以内に30人のリストをつくった。下は23歳で、上は28歳だった。

筆者 何を基準に30人を選んだのか?

A氏 広告を制作するクリエイターに明らかに向いていないと思える人。そして今後、育成したところであまり伸びないと思われる人。30人の直属上司であるマネジャーにもヒアリングをしたところ、私が選んだ30人とほぼ一致していた。

筆者 リストを社長に見せたところ、どのような反応でした?

A氏 「それで進めてくれ」と淡々と言われた。罪の意識はないように見えた。社長は3段階に分けて、リストラを進めようと考えているように思えた。まず、30人の社員とキャリア面談をする。辞めるように仕向けるために、キャリアについて話し合う場であり、残るための相談ではない。

 それでも、辞める社員の数が足りない場合は、第2段階として「希望退職」。さらに辞める人数が足りない場合は、第3段階として退職勧奨。

筆者 まず、第1段階のキャリア面談を始めたのですね。

A氏 この時点では、30人を1人ずつ呼び、私とマネジャーと本人の3人で話し合った。会社の経営状態の話はしていない。前向きにキャリアについて検討し合う、といった場にしようとして、話の流れは次のようなものにした。

(1)「今の仕事のレベルを自分でどう思うか」

(2)「上司であるマネジャーなどから高くは評価されていないが、今後評価を上げるためにはどうすればいいと思うか」

(3)「評価を上げていくためには、あなたに与える数値目標などを上げていかざるを得ないが、それでいいか」

「自分は適性がない」と思い込ませる
“追い出す側”は感覚がマヒしていた

筆者 ポイントは?

A氏 本人に「自分は適性がない」と思い込ませること。(C)そのために、数値目標をあえて高くした。そして、2回目の話し合いを2週間後にした。リストラは時間との闘い。最大の効果を出すためには、早く辞めるように仕向けることが大切だと思う。

筆者 面談に呼ばれている社員は、同期生などに面談を受けていることを話してしまうのではないでしょうか?

A氏 実際にそういうケースが出た。私のところへ「今、何が行われているのか」と、30人以外の人が尋ねてくることもあった。「彼らは、うちで働くことには向いていないのかもしれない」と答えておいた。

 こういう言葉は、本人に伝わると思った。(D)むしろ、そのように職場に浸透させるほうが、リストラを進めやすくなる。この時点で、すでに「30人をなんとか辞めさせる」という目標が我々にはある。もう、感覚がマヒしていた。

筆者 2回目のキャリア面談では、どうなるのですか?

A氏 この場で、彼らは辞める意思をそれとなく口にし始める。(E)たとえば、「やはり、自分には向いていないのでしょうかね」といった具合に。そこで私は、「イエス」とは言わない。「マネジャーとあなたが入社した頃に書いた、キャリアシートなどを見て考えてごらん」と話す。

 その後、マネジャーと話し合い、結局3ヵ月以内に30人全員が辞表を書いた。2009年の2月頃かな。外部の労働組合などに持ち込まれるような、トラブルはなかっ
た。

筆者 23歳〜28歳の未来ある若者を辞めさせることに、ためらいは?

A氏 それはあった。だが、私のレベルではどうすることもできなかった。30人は入学難易度の高い大学を卒業し、新卒で入ってきたから、履歴が汚れていない。次の会社は、数ヵ月以内に見つかったようだ。その大半が他の業界に移った。

 問題は、ここからだった。社長らに、「さらに40〜50人を辞めさせてほしい」と命令された。(F)ここでも、断ることはできなかった。ただ、もはや私にはその40〜50人をセレクトする基準が思いつかない。残っているのは、レベルが同じような社員たちだった。

 そこで、残っている100人ほどと面談をした。キャリア面談ではあるが、退職勧奨に近いものだった。

「もう40〜50人辞めさせてくれ」
同期社員を使ってガス抜きまでさせた

筆者 特にどのあたりに難しさを感じましたか?

A氏 100人の大半は20代だった。面談の場で多少は言い返すこともあるが、会社のからくりを知らないから、抵抗することもできない。こちらとしては、やりにくいと感じなかった。マネジャーから「あいつは辞めると言わない。テコでも動かない」と報告を受けたこともある。このタイプの社員は、30人のリストに入れようかどうか迷ったが、結局辞めるように仕向けた。

筆者 どのように仕向けたのか?

A氏 私やマネジャーは、「会社の経営状態のこともあるが、君のことを思い、こういう場を設けている。これから仕事のレベルを上げる。それで嘆く君の姿を見たくない」といったことを話す。

 すると、「私は辞めません!」と反論する。頭がガチガチになり、「辞めないモード」になっている。

筆者 そこでまた、同期生を使うのですね?

A氏 彼が心を許す同期生を呼び、「あいつにこんな面談をしている。君もこれ以上、苦しむ姿を見たくないだろう?」と投げかける。すると、2人の話し合いでは涙を見せたりして、本音を口にするみたいだった。

 その内容が、こちらに伝わる。それでさらに面談を繰り返すると、諦めて辞表を書く。要は、本人にガス抜きの場を与えることが大切なのだと思う。

他の事業部でもリストラを進めるから、
辞めさせるノウハウをシェアしてくれ

筆者 辞めさせ方がうまいですね……。

A氏 社長からは、「他の事業部でもリストラを進めているから、そのノウハウをシェアしてほしい」と頼まれた。私の進め方のポイントは、部下である6人ほどのマネジャーと週2回のミューティングを行い、問題点の洗い出しをする。

 そして、何がネックになり、どうすればいいのか、と話し合うこと。すると、数ヵ月で計70〜80人の辞表を取ることができる。2009年の3月頃だった。

筆者 社外に話を持ち出されることはなかったのですか?

A氏 一切なかった。大きなトラブルになる場合、リストラのプロセスに愛情がないからではないかと思う。本当にその社員たちのことを思い、「今のままでは危ないよと諭すことは、むしろ普段からするべきではないか。

A氏 辞めていった70〜80人は、リストラという局面で辞めて行かざるを得なかったが、もともと広告制作のような仕事に向いていなかった。遅かれ早かれ、辞めていく人だったのではないか。逆に言えば、それくらい採用に問題があった、ということでもあると思う。

経験に乏しい若手マネジャーが
部下を「うつ」にする職場構造

筆者 他の部署では、たとえばリストラの面談でうつ病などになる社員はいなかったのですか?

A氏 それに近い話は聞いた。ただしリストラではなく、それよりも前に病になっていたようだ。私は、うつ病と上司のマネジメントは関係が深いと見ている。マネジャーの多くは30代前半までくらいで経験が浅く、部下に具体性のない指示をする傾向があった。(G)自分でも、実はその仕事の本質がわかっていない。

筆者 ベンチャー企業などでよく見かける光景ですね。

A氏 だけど、役員から与えられる業績の目標を達成しないといけない。マネジャーたちも、社長らの儒教的な考えに影響を受けていて、部下に大量の仕事をやらせる。そして、自分もプレイングマネジャーとして大量に抱え込む。

 自らの仕事を終えた深夜の12時頃に、部下を呼び出す。その場で「なぜ、あなたはできていないの?」「どうしてこの程度のレベルのことができないの?」と詰め寄る。(H)

筆者 私も20代の頃に、上司からそのようなことをされた経験がある。反論できない自分が、不甲斐なかったですよ。

A氏 マネジャー自身、自分の仕事を完璧にできたと思い込んでいるが、実はできていない(苦笑)。人に何かを言える身ではないのだが、部下を厳しく叱る。しかし指示が抽象的であり、部下はどうしていいのかわからない。それで長時間労働も影響し、精神的につぶれていく。

「なぜ、あなたはできないのか?」と詰め寄るのは、マネジャーがそのできない理由を本当にわかっていないから。自らがその仕事を繰り返し、一定水準以上にできるならば、こういう問いにはなり得ない。部下ができない理由がわかるはずだ。

筆者 なぜ若いマネジャーたちは、そのような心理になるのでしょうか?

A氏 これも採用に関係しているのかもしれないが、さほど優秀ではないのに、「自分はできる」と思い込んでいる。大量採用をして数年以内に大量に辞めていくと、残っているだけで若くしてマネジャーになり、勘違いしてしまうのかもしれない。

 自信がないから、上から認められたいという思いが強いとも言える。観察していると、こういうタイプは30代前半までの女性のマネジャーに多い。直線的なマネジメント、と言えるのかな。

 マネジャーは、仕事に再現性がないといけない。その仕事を繰り返し、きちんとできること。そのできる理由、できない理由が本当にわかっていること。その上で、部下たちにわかりやすく教えていくこと。それができていない。

数ヵ月前に会社を辞めましたよ、
つくづくバカバカしくなったから……。

筆者 しかし、そのマネジャーたちも大半が辞めていくわけですよね。

A氏 結局、残るのは会長と社長、そして彼らの息がかかった数人の幹部のみ。あとは大量採用、大量退職の流れであることは、今も変わらない。ところが、会社の売上などの業績はよかった。私がこの会社を数ヵ月前に辞めたのは、つくづくバカバカしくなったから……。

 今40代半ばだけど、このままあの会社に残れるとは思えなかった。今後転職は、年齢から考えると難しくなる。他社に移るならば、今しかないと思った。その意味では、私も自分自身とキャリア面談をしていたのかな……(苦笑)。

踏みにじられた人々の
崩壊と再生

 2人の会話の中から、筆者が本文中にマークした個所について補足したい。こうしたリストラの「生き証人」が語る会社の手の内を心得ておくと、社員は今後リストラやパワハラなどの場面にぶつかった際に、落ち着いて対処することができるのではないだろうか。

 今いる会社を「危険だ」と思っている人は、どのような道を選ぶかは人それぞれだろうが、自分にとって有利になる方策を考えるに越したことはない。それがゆくゆく「心の再生」につながることを願いたい。

@人材育成の計画もなく、
 事業の先を見通しているわけでもなく、

 社員数300人以下の中小企業や、創立10年以内のベンチャー企業(特に売上高30億円以下の企業)に目立つ。社長やその側近らが、動物的な勘で採用を進める傾向がある。それが功を奏することも少なからずあるため、社員数が500〜600人レベルに達しても、人事部への権限移譲が進まず、社長と数人の役員だけで採用を進めていくケースもある。

 こういう会社を観察していると、得てして無計画で無節操なリストラすることが多い。しかも、形を変えて同じようなリストラを繰り返す。そこに、自浄作用が働いていない。

A人事部は実質的には、機能していない。

 人事部に問題があるというよりは、社長や役員などに非がある。一定の規模に達しながらも、権限を委譲しない。人事部には給与明細などの事務的な仕事しか与えない。人事部というよりは、実態は総務・庶務部に近い。

 こういう会社には、根拠が曖昧な実力主義がはびこる。時折「抜擢人事」などが行われるが、その「抜擢」の理由が見えない。人事制度などのシステムが社員の意識に浸透していない中での「抜擢」は、社内では社長らの恣意・主観の人事にしか映らない。

B事業戦略と人事戦略が一致していないから、
 景気が悪くなるとすぐに余剰 人員が溢れ返る。

 多くの日本企業が抱え込む構造的な問題。経営陣はできるだけ、事業戦略と人事戦略が一致するように仕向けないといけない。その姿勢がないままリストラをするから、本質的な問題が残り続ける。これは、1970年代の石油危機の頃から今に至るまで、企業に重くのしかかる課題とも言える。安易なリストラがはびこることになる。

C本人に「自分は適性がない」と
 思い込ませること

 リストラ面談の大きなポイント。人から「辞めろ」と言われると、多くの人は反発する。そのため面談では、自らが「自分はここに残っても前途がない」と思わせるように仕向ける。

 このような面談に呼ばれたら、その適性を繰り返し確認したい。自分はどのような適性がなぜ足りないのか、他の社員と比べるとどのような状態なのか、などは再三尋ねてみたい。会社の言い分の矛盾も見えてくるだろう。

Dこういう言葉は、
 本人に伝わると思った。

 会社は、狙った社員の同期生や同世代の社員、数歳年上の先輩社員らを上手く使い、辞めるように仕向けようとする。これも、中堅・大企業のリストラの常套手段。エスカレートすると、連載第4回で紹介したように、親を使う場合もある。

Eそれとなく口にし始める

「自分は向いていないかもしれない」などと口走れば、会社の側はそこを突破口にして辞めるための話し合いを深めようとする。安易に口走るべき言葉ではない。

F社長らに、「さらに40〜50人を
 辞めさせてほしい」と命令された

 無計画・無節操なリストラの実態を裏付けるもの。コンサルタントなどは、このような裏側に迫り切れていないから、「グローバル化の時代だから仕方がない」などと言う。しかし実際のところは、それ以前のところで人事制度が破綻しているケースのほうが多い。

Gマネジャーの多くは30代前半までくらいで経験が浅く、
 部下に具体性のない指示をする傾向があった。

 社員がうつ病になる場合、「成果主義」「長時間労働」「上司からのパワハラ」などが指摘されるが、このように若い管理職のマネジメント不足はあまり話題にならない。

 中高年管理職のマネジメント不足は、ここ十数年、取り上げられる機会が多いが、実際は若手管理職のほうが、部下からすれば事態は深刻に見える。取材をしていても、部下をうつ病などにさせてしまうケースは、若手管理職のほうが比率としても多い。

H「なぜ、あなたはできていないの?」
 「どうしてこの程度のレベルのことができないの?」と詰め寄る

 A氏が答えるように、本当に「できない理由」がわかっていないからこそ、こういう問いを投げかけては部下を追い詰めるのだと思う。リストラ面談でも、こんな問いをされることがある。

 そこで当事者がこれらの言葉を真剣に受け止め、考え込むと事態は深刻になる。相手は勘違いをして、さらに同じ問いを投げかけることで部下を育成しようとか、辞めさせようと思う。むしろ、状況いかんでは「なぜ、私ができないのかをお教えいただきたい」と反論をすることも考えたい。
http://diamond.jp/articles/print/40409


02. 2013年8月20日 14:55:27 : ICDifRZ5LQ
2050年、あと37年ある。

あと37年ならいわゆる団塊世代はほとんどが別世界の住人。

2050年に37歳未満の人はこれから生まれる。今若い人の労働、経済環境を好転させ、将来に希望が持てるようにすれば、彼らは結婚もするだろうしせっせと子作りにも励むだろう。周りも祝福すればよい。キーワードはせっせである。年金資金の将来も明るくなる。遺伝子のプログラムは機会があればそのコピーつまり子供を作るように働く。生めよ増やせよではない、人口を維持するための出生率は2.1程度であり現在1.3の数字が1.6や1.8に回復しても人口の漸減傾向には変わりがない。

現在の政策はその逆をやっている。若者を安くこき使い利益をブラック企業を含む悪徳法人が吸い上げる。これでは生活も国家財政もさらに苦しくなる。

この手の記事は消費税増税と社会保険の個人への負担増大がやむをえないと読者に思わせるためのプロパガンダにすぎない。


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