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米と独の長期金利は何故底打ちしたのか。日本の長期金利は何故底打ちしないのか 久保田 博幸 
http://www.asyura2.com/13/hasan81/msg/833.html
投稿者 赤かぶ 日時 2013 年 8 月 20 日 09:40:00: igsppGRN/E9PQ
 

http://bylines.news.yahoo.co.jp/kubotahiroyuki/20130820-00027388/
2013年8月20日 9時11分 久保田 博幸 | 金融アナリスト


2013年8月19日に米国の10年債利回り(長期金利)は2.9%台に乗せてきた。2.9%台に乗せるのは2年ぶりとなる。

その2年前の2011年7月下旬頃の米長期金利は3%台にあったが、そこから8月上旬にかけて2%近くまで低下した。このとき何か起きていたのか。

2011年8月4日の米国株式市場ではダウが512ドル安となり、またS&P総合500種は60ポイントの下げと2009年2月以来で最大の下げとなった。米国債券市場では、2年債利回りが過去最低水準をつけ、米10年債利回りは2.4%近辺に低下。資金を預金にも移す動きが出ていた。外為市場では、スイスフランや円が買い進まれ、この対応のため、3日にスイス国立銀行は突然、金融緩和策を発表した。4日に政府・日銀は円買いドル売りの為替介入を行ない、日銀は予定していた金融政策決定会合を午前11時15から前倒しで開催し、それも2日の予定から1日だけに短縮し、資産買入等の基金を40兆円から50兆円と10兆円追加するという追加緩和策を決定した。

これらの動きはいわゆる「リスクオフ」と呼ばれたものであった。資金の運用対象をリスクの大きなものから、より安全な資産に振り向けるという動きである。当時の欧州の信用不安はイタリアやスペインまで波及していた。また、懸念材料となっていた米国の債務問題は期限ぎりぎりになって合意に向かうこととなり、安全資産として米国債が一気に買われた側面もあったとみられる。

ここにきてドイツの長期金利も上昇してきており、1.9%台に乗せてきた。こちらは2%が見えてきたが、もし2%台を回復となれば、2012年3月以来となる。その2012年3月当時の状況を確認してみると、欧州ではECBによる3年物の資金供給オペ(LTRO)の効果が発揮されていた。ECBは二度に渡る3年物資金供給オペで総額1兆ユーロに上る流動性を供給し、これがドイツの長期金利の一段の低下に繋がった。

米国とドイツの長期金利はそれぞれ2012年7月と2013年5月に底打ちした格好となっている。2012年7月にはスペインの銀行救済向けの最大1000億ユーロの金融支援を最終承認したが、銀行問題だけではなく地方財政の問題があらためてクローズアップされ、ギリシャの債務問題が再浮上する可能性も指摘されるなど、欧州の信用不安が高まりを見せたときに米長期金利は底打ちしていたのである。

ドイツの長期金利も2012年7月にいったん底をつけて上昇していたものの、2013年5月に再び最低金利を更新した。これは5月2日のECB政策理事会で政策金利の0.25%引き下げを決定。中銀預金金利はゼロ%に据え置いたが、ドラギECB総裁はこの中銀預金金利をマイナスに引き下げる可能性を示唆。これを受けて2日のドイツ連邦債先物は過去最高値を更新し、2年債利回りは再びマイナスとなっていた。しかし、ここを底にしてドイツの長期金利は上昇に転じたのである。

米国とドイツの長期金利は、2013年5月初旬あたりから最近にかけて上昇基調が続き、それぞれ3%と2%という節目に接近している。英国債も米国債と同じような動きをしており、こちらも3%と言う節目に接近しつつある。そのきっかけはFRBの量的緩和の縮小観測となっているものの、それはあくまできっかけに過ぎない。米独英の長期金利の推移を見る限り、欧州の信用不安が後退し、それとともに欧米の景気も回復基調となっていたことが要因であるのは確かであろう。

これに対して、日本の長期金利が0.7%台にいることにむしろ違和感を覚える。世界的な金融経済危機が後退し、長期金利の歴史的な超低金利時代からの脱却が始まっており、足下の国内景気についても回復基調となっているにも関わらずである。FRBによる大量の国債買入はいまだ継続されているが、それでも米債は売られている。日本の長期金利が低位安定しているのは日銀の大量の国債買入も一因ではあろうが、それだけで相場が支えられるものではない。何故、日本の長期金利は上昇しないのか。日銀の異次元緩和によるデフレ脱却を債券市場参加者は信じていない側面もあろうが、日本の長期金利が超低位に居続けている要因も、あらためて意識する必要がありそうである。

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久保田 博幸
金融アナリスト

フリーの金融アナリスト。1996年に債券市場のホームページの草分けとなった「債券ディーリングルーム」を開設。幸田真音さんのベストセラー小説『日本国債』の登場人物のモデルともなった。日本国債や日銀の金融政策の動向分析などが専門。主な著書として「日本国債先物入門」パンローリング 、「債券の基本とカラクリがよーくわかる本」秀和システム、「債券と国債のしくみがわかる本」技術評論社など多数。

 

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コメント
 
01. 2013年8月20日 11:10:14 : nJF6kGWndY

>日本の長期金利が0.7%台にいることにむしろ違和感
>日銀の異次元緩和によるデフレ脱却を債券市場参加者は信じていない側面もあろう

欧米は、比較的、既得権を持つ経済弱者に厳格に対処する傾向があるが、日本は甘い
結果として規制や市場開放などの改革は停滞し、成長率もインフレ率も上がらない

と多くの市場参加者は見ているのだろう



02. 2013年8月20日 16:34:40 : niiL5nr8dQ
【コラム】黒田氏が1000兆円債務にかける魔法−W・ペセック

  8月16日(ブルームバーグ):黒田東彦氏は毎朝、日本銀行本店に入る際、魔法使いの帽子をかぶってはいない。しかしいったん中に入ればマントを身に着け、魔法のつえを振り、謎めいた薬を混ぜ合わせているのではないだろうか。
黒田氏は日銀 総裁として、就任から5カ月間でまさに超自然的なことをやってのけた。インフレを引き起こすため同氏が円を魔法のように生み出せば生み出すほど、市場は魅了された。投資家は1,000,000,000,000,000という数字よりも黒田氏の魔術に心を捉えられた。
今や日本の国家債務の規模を表すにはゼロが15個必要になった。1000兆円というこの額は不気味だ。しかし国の借金が大台を突破したという報道から1週間たって、債券利回りは低下している。
黒田氏の魔術はどういったものなのか。バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長は心底知りたがっているだろう。議長は、自分たちに不利と見なす財政や金融政策に抗議する債券自警団につきまとわれている。一方、黒田氏は2つの魔法を使って債券市場を従わせることに成功しつつある。1つはエコノミストが「金融抑圧」と呼ぶ手法だ。金融政策を通じて資金を民間から政府に移転させることを意味する。2つ目は公的債務 のマネタイゼーション(中央銀行による国債引き受け)だ。
もちろん黒田氏はそのいずれかを行っていると認めることはできない。最初の措置は日本国民の怒りを買うだろう。2番目はヘッジファンドや格付け会社の集中攻撃を受ける。これまでのところ黒田氏はそうした目に遭っていない。同氏の魔法が解けずにいる期間が長ければ長いほど、安倍晋三首相が規制緩和という奇跡を成功させる可能性が高まる。
見て見ぬふり
巨額の債務に高齢化、政治的停滞に陥りやすい傾向。全ては日本のこうした現実を投資家がどれだけ長く見て見ぬふりをしたいか次第だ。人々の認識が明確になったとき、世界経済は史上最悪の債務危機に見舞われるだろう。日本の債務はドイツとフランス、英国を合わせた額よりも大きい。
黒田氏の魔法が解けずにいるかどうか、全世界が強い関心を持っている。ヘイマン・キャピタル・マネジメントのヘッジファンド運用担当者カイル・バス氏は2010年以降、日本の崩壊を予想しているが、現在その思いを以前にも増して強く持っているという。
黒田氏がマネタリーベースを2倍にすると4月に表明した後、国債利回りは大きく変動し、日本株式会社を揺るがせた。国債は銀行や企業、年金基金、大学、保険会社などが保有する主要な金融資産。しかしこうした中で保有者は国債のエクスポージャーを減らすのでなく逆に増やした。
黒田氏がはっきりとそう伝えたわけでないが、債券保有者は利回りの上昇を抑えることが全体にとって最善だとのメッセージを受け取った。こうした力が債権者(国民)から債務者(日本財務省)への巨額の資産再分配を加速させている。また、それがインフレ調整後の金利を一段とマイナスに押し下げ、政府の資金調達コスト低下に寄与している。
ATM
マネタイゼーションについては繰り返しになるが、黒田氏は日銀が財務省の現金自動預払機(ATM)であると認めることはできない。しかし日銀の国債購入割合はかつてない高さとなっている。国債引き受けは故ミルトン・フリードマン氏のような経済学者が考え得る最悪のシナリオだ。だが高齢化の進む国が国内総生産(GDP)の250%に近づこうとしている債務を返済できるなどと、誰が本当に考えているだろうか。消費税の税率を現行の倍の10%に引き上げるだけでこの問題が解決できると誰が実際に信じているというのか。黒田氏の手法が正当化されると思われるのは、そのためだ。
大失敗に終わる可能性も残っている。安倍首相が掲げる構造改革が行動を伴わなければ、黒田氏は史上最大のバブルを生み出しつつあることになる。債券自警団がカーテンの陰から、日本の魔法使いが本当は何をもくろんでいるのかを盗み見てパニックに陥ったなら、日本は壊滅的な打撃を受ける。今のところ黒田氏の魔法は効いている。それは驚くべきことだ。(ウィリアム・ペセック)
(ペセック氏はブルームバーグ・ビューのコラムニストです。このコラムの内容は同氏自身の見解です)
原題:Debt of 1,000,000,000,000,000 Yen? Not a Problem: WilliamPesek(抜粋)
記事に関するコラムニストへの問い合わせ先:Tokyo Willie Pesek wpesek@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Nisid Hajari nhajari@bloomberg.net
更新日時: 2013/08/16 15:10 JST


 

 

 

債券は上昇、株安や40年債入札順調で買い優勢−先物は一時144円台乗せ
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  8月20日(ブルームバーグ):債券相場は上昇。朝方は米国長期金利の上昇を受けて売りが先行したが、国内株安 に加えて、40年債入札が順調だったことで買い優勢の展開に転じた。
東京先物市場で中心限月の9月物は、前日比7銭安の143円66銭で開始し、直後に143円64銭と日中取引で6日以来の安値を付けた。しかし、その後は水準を切り上げ、午後零時45分の入札結果発表後には一段高となった。終了前には30銭高の144円03銭と15日以来の高値を付け、結局は26銭高の143円99銭で引けた。
現物債市場で長期金利 の指標となる新発10年物国債の329回債利回りは同横ばいの0.765%で開始し、午前10時半すぎに0.5ベーシスポイント(bp)高い0.77%と8日以来の水準に上昇した。午後に入ると一転して水準を切り下げ、0.745%と15日以来の低水準を付けた。
超長期債も午後に堅調推移に転じた。20年物の145回債利回りは2bp低い1.67%に低下。30年物の39回債利回りは1bp低い1.80%に下げた。40年物の6回債利回りは一時1.93%に上昇していたのが、1.915%に水準を切り下げた。
財務省がこの日実施した40年利付国債(6回債)の利回り競争入札の結果によると、最高落札利回りは1.92%となり、事前予想の1.925%を下回った。投資家の需要の強さを示す応札倍率は3.37倍となり、2011年8月以来の低水準となった前回の2.64倍から上昇した。
バークレイズ証券の徳勝礼子シニア債券ストラテジストは、40年債入札について「市場予想より強い」と分析。債券相場については「生保による実需はそこまで強くないのではないかと予想されていたが、取引業者のショートカバーの需要が強く、株価の下落もあって、先物中心に買い戻しが入った」と話した。
19日の米債相場は続落。米金融当局が9月にも債券購入プログラムの縮小に踏み切るとの観測が引き続き売り材料。米10年国債利回り は前週末比6bp上昇の2.88%。一時は2.90%程度と前日に続いて2011年7月以来の高水準を更新した。
記事に関する記者への問い合わせ先:東京 池田祐美 yikeda4@bloomberg.net;東京 山中英典 h.y@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:大久保義人 yokubo1@bloomberg.net;Rocky Swift rswift5@bloomberg.net
更新日時: 2013/08/20 15:26 JST

 

 

 


 
日経平均一段安で1万3500円割り込む、12日以来−全業種下落 
  8月20日(ブルームバーグ):午後の日本株は下げ幅を広げ、日経平均株価は日中ベースで12日以来、1万3500円を割り込んだ。米国の量的金融緩和策の縮小観測、インドネシア やタイ 株などの急落を受け投資家の間でリスク回避の動きが鮮明だ。国内債券市場では国債先物 が一段高、下げ足を速める株式先物 と対照的に推移する。
東証1部の業種別33指数は、前日終値付近で底堅い不動産を除き、ほとんどの業種が下落。特に円高止まりへの警戒、アジア新興国経済の需要減を懸念する格好で輸送用機器やゴム製品、機械など輸出関連株の下げが目立ち、海外原油市況の反落を嫌気し、鉱業株も売られている。海運、非鉄金属など相対的に景気敏感業種が弱い。
午後2時18分現在、日経平均株価 は前日比259円20銭(1.9%)安の1万3498円93銭、TOPIX は15.66ポイント(1.4%)安の1133.47。一時日経平均の下落率は2%を超えた。
アジア株式市場では、経済統計の低調が引き続き嫌気されているインドネシアのジャカルタ総合指数がきょうも一時5%を超す大幅続落。タイSET指数も3%以上下げた。シカゴ24時間電子取引システム(GLOBEX)のS&P500種株価指数先物は、午前は基準価格比プラス圏で推移していたが、再度マイナス圏に沈み、相場調整への懸念が市場参加者の間で広がりやすい状況だ。
東証1部売買代金上位ではトヨタ自動車、ホンダ、ダイハツ工業、ソニー、いすゞ自動車、スズキ、日東電工、クボタ、住友金属鉱山が下落。一方で東京都競馬、澁谷工業、NTTドコモが高く、一部アナリストの投資判断引き上げを受けた関西電力が堅調に推移する。
記事についての記者への問い合わせ先:東京 岩本正明 miwamoto4@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Sarah McDonald smcdonald23@bloomberg.net
更新日時: 2013/08/20 14:27 JST

 

 

 


 

 

 豪中銀議事録:政策決定で為替の方向重要−利下げ選択肢残る


  8月20日(ブルームバーグ):オーストラリア準備銀行(中央銀行)が20日公表した6日の金融政策決定会合の議事録によると、同会合では政策決定で為替相場の方向が重要になると指摘された。同中銀は6日、政策金利を過去最低の2.5%に引き下げた。
同議事録によると、「今回の決定に関する発表に関しては、メンバーは一段の利下げの可能性を否定したり、利下げが差し迫っているとの意思を示すべきでないとの点で意見が一致した」という。また、政策を決める上で「為替レートの動向は重要になるだろう」と記された。
豪ドルはこの3カ月間に12%下落し、主要10通貨で最悪のパフォーマンスとなっている。成長が伸び悩み失業率が上昇する中で豪中銀は2011年後半以降、政策金利を2.25ポイント引き下げている。中銀は投資ブームが冷え込みつつある北部と西部の鉱業から住宅建設などの南部や東部の産業に経済のけん引役を移行させることを目指している。
TDセキュリティーズのストラテジスト、アルビン・ポント氏(シンガポール在勤)は「企業の景況感や鉱業以外の経済分野が向こう数カ月に本格的に上向く兆しを示さなかったり、予想外に豪ドルが大幅に上昇すれば、利下げの可能性は残る」と述べた。
豪中銀は議事録で、「成長がより長期にわたり潜在成長率を下回ったまま推移し、為替相場下落の影響にもかかわらずインフレ率が目標の範囲にとどまると見込まれている。これを踏まえてメンバーは、より低い政策金利がインフレ目標と合致する需要の持続的な伸びの達成に一段と寄与すると結論付けた」と説明。「理事会は金融政策が適切に設定されたかどうか判断するため、今後数カ月間データを検討する」としている。
豪ドルについては、「前回会合以降に下落したが、過去の基準でみると高水準にとどまった」と指摘した。
原題:RBA Signals Rate Cuts Remain on Table as CurrencyImportant (2)(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:シドニー Michael Heath mheath1@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Stephanie Phang sphang@bloomberg.net
更新日時: 2013/08/20 14:28 JST


 

 

 


 

 

 


【コラム】FRB議長人事、男対女の問題ではない−コーハン 

  8月19日(ブルームバーグ):米連邦準備制度理事会(FRB)の次期議長人事をめぐって、男性対女性、あるいは量的緩和維持か緩和縮小かといった観点から議論されている。
2人の有力候補のうち、イエレン副議長はFRBの量的緩和政策の継続を支持している。一方、財務長官のほか、国家経済会議(NEC)委員長、ハーバード大学学長などあらゆる要職を歴任してきたサマーズ氏は、緩和策の縮小を望んでいるらしい。
両方の説はどちらも大きく的を外れている。ワシントンの政治文化にメスを入れたマーク・リーボビッチ氏の著書「ディス・タウン」を読んだ人にとっては明白だが、イエレン氏対サマーズ氏の議論は、数十年年間続いてきた「ザ・クラブ」に所属するインサイダーと、そこから除外されているアウトサイダーとの主導権争いの一例に過ぎない。クラブのインサイダーは当然ながらサマーズ氏を支持し、アウトサイダーはクラブによるワシントンの権力支配を弱めたいと考え、イエレン氏を支持している。
経歴に意味があるというなら、両候補とも十分すぎるほど適任だ(オバマ大統領は最近、コーン前FRB副議長を次期候補として言及したが、なぜこのような重要なポジションの候補がサマーズ氏とイエレン氏の2人に絞り込まれたのかは明らかに疑問だ)
有力者ルービン氏
ワシントンの有力者、ロバート・ルービン氏と長らく友人関係にあるおかげで、サマーズ氏はクラブの創立会員だ。オバマ大統領の経済顧問はほぼ全員、ルービン氏の信奉者だ。サマーズ氏はハーバード大の歴史で最も若い終身教授の一人となった1986年にルービン氏と出会った。ルービン氏は当時、米ゴールドマン・サックス・グループの債券部門責任者を務めていた。
両氏を引き合わせたのは、サマーズ氏とハーバード時代から知り合いのゴールドマンのトレーダー、ジェイコブ・ゴールドフィールド氏だった。ゴールドフィールド氏は当時マンハッタン・ダウンタウンのブロードストリート85番地にあったゴールドマン本部のルービン氏の会議室で、両氏の最初のランチをお膳立てした。
報道によると、サマーズ氏は近年、シティグループで有給の顧問を務めた。ルービン氏は1999年に財務長官を退任後、シティに移籍していた。シティはルービン氏に10年間の勤務で1億2000万ドルを支払った。金融危機の際、シティは連邦政府から公的資金450億ドルの注入を受けた。
このような話はまだまだ続く。結論はもちろん、サマーズ氏はクラブの一員だが、地区連銀総裁やカリフォルニア州立大学バークレー校の教授といった輝かしい経歴があってもイエレン氏はそうではない、ということだ。
男対女
これは男対女の問題ではない。財務省などでルービン、サマーズ両氏の下で働いた米フェイスブックのシェリル・サンドバーグ最高執行責任者(COO)もクラブの一員だ。サンドバーグ氏が関心があるなら、オバマ政権の高官としてすぐに迎えられるだろう。
バーナンキ氏が2010年にFRB議長に再任される前、サマーズ氏が議長就任を望んでいるとのうわさがワシントンで広がった。サマーズ氏は当時、オバマ政権でNEC委員長を務めており、私は雑誌バニティ・フフェア向けに同氏のプロフィール記事を書いていた。私はサマーズ氏にFRB議長になりたいか聞いてみた。同氏の答えはあいまいそのものだった。今なら分かるが、議長になりたかったからだ。
オバマ大統領にとって、真の問題はサマーズ氏とイエレン氏のどちらを選ぶかということではない。ルービン氏とクラブが引き続き、政権の経済関連の人事を支配し、富裕層を優遇する景気回復のかじ取り役を続けるのか、ということだ。(ウィリアム・コーハン)
(コーハン氏はブルームバーグ・ビューのコラムニストです。同氏はラザード・フレール、メリルリンチ、JPモルガン・チェースで投資バンカーとして働いた経歴がある。このコラムの内容は同氏自身の見解です)
原題:Fed Chairman Row Pits Insider Against Outsider: William D.Cohan(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:New York William Cohan wcohan2@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Paula Dwyer pdwyer11@bloomberg.net
更新日時: 2013/08/19 15:20 JST

 


03. 2013年8月20日 17:04:31 : niiL5nr8dQ
日銀の資産買い入れ、来年央までに拡大する確率は60%=調査
2013年 08月 20日 16:56 JST
[東京 20日 ロイター] - ロイター調査によると、日本の景気は、公共プロジェクトや堅調な消費者支出を背景に年内は回復軌道を維持すると見込まれるものの、来年度には消費税増税が予定されており、回復のペースは鈍くなる見通しだ。

一方、消費者物価は日銀の目標に届かないことが見込まれ、来年中盤までに日銀が資産買い入れを拡大する確率は60%と予想されている。

調査はエコノミスト21人を対象として8月13─16日に実施された。

今年度(2013年4月─14年3月)の日本の経済成長率は2.6%と見込まれている。7月の調査からはほとんど変わらなかった。

ただ、来年度(2014年4月─15年3月)は0.6%成長に減速する見通し。2014年4月に消費税が5%から8%に引き上げられることが予定されており、消費者支出を抑制するとみられる。7月の調査では0.5%成長が予想されていた。

調査によると、日本のコア消費者物価上昇率は消費税増税の影響を除き、来年度に0.9%となり、翌2015年度も0.9%と見込まれる。一方、日銀の最新の見通しではそれぞれ1.3%、1.9%となっている。

回答者17人の中央値によると、日銀は2014年中盤までに60%の確率で金融政策を一段と緩和する見通し。

その場合、資産買い入れ規模を10兆円拡大し、購入対象の焦点を上場投資信託(ETF)にあてる可能性がある。
 

 


 

 

 

 コラム:数字が物語るアベノミクス期待の剥落=村田雅志氏
2013年 08月 20日 16:50 JST
村田雅志 ブラウン・ブラザーズ・ハリマン シニア通貨ストラテジスト(2013年8月20日)

ドル円は、有識者と呼ばれる方々の当初の予想と異なり上値の重い動きを続けている。8月に入り反発する場面もあったが、100円を再び突破する勢いはなくなりつつある。

もともとアベノミクスと呼ばれる政策群で、ドル円が100円を超える水準まで持続的に上昇すると考えるのは無理があった。大胆な金融緩和の推進を主張する安倍晋三首相の意を汲んだ黒田東彦氏が日本銀行の総裁に就任し、アベノミクスの「第1の矢」とされる大胆な金融政策を打ち出したことを市場は材料視。ドル円は93円台前半から大きく上昇したが、その方向性に大きな影響を及ぼす日米金利差は8月半ばを過ぎても2年前の水準とほぼ変わっていない。

米国債利回りの上昇が限定的だったとの弁明も示されているが、そもそも超低金利状態にある円債利回りを日銀が半ば強引にさらに押し下げたところで、円を下押しする効果は限定的だったと考えるべきだろう。

「第2の矢」とされる機動的な財政政策も従来型の財政支出増と何ら変わることはなく、「第3の矢」とされる成長戦略にいたっては、市場が織り込めるほどの短期間で大きな成果が期待されるものは何もない。アベノミクスという新しいラベルを付け、市場の期待を刺激したのは良いが、中身については従来の自民党政権で実施されたものと大きく変わりはないことが明らかとなり、市場の円安期待も後退。ドル円の上値が重くなってきた、というのが素直な解釈と思われる。

アベノミクス信奉者は、企業の設備投資が増えると主張してきた。4―6月期の国内総生産(GDP)は年率換算で2.6%増とまずまずの伸びだ。しかし、民間設備投資は前期比0.1%減と6四半期連続のマイナスを記録した。機械受注をみても、設備投資の先行指標とされる民需(除く船舶・電力)の7―9月期見通しは前期比5.3%減と大きく落ち込んでおり、設備投資が今後、増加に転じる期待は持ちにくい。

アベノミクス信奉者は、円安進展により輸出が増えるとも主張していた。しかし、輸出数量は現実には6月まで13カ月連続で前年割れとなっている。7月に入り前年比1.8%増となったが、米国景気の強さを考慮すれば、あまりに弱い。一方、輸出価格は昨年12月以降伸びが高まり、7月は前年比10.2%上昇と3カ月連続の2ケタ上昇を記録している。

日本の輸出企業は円安が進展しても外貨建ての輸出価格を引き下げて輸出数量の拡大を狙うのではなく、円建ての輸出価格を引き上げることで採算性を向上させる姿勢を続けている。輸出数量を増やさない以上、設備投資を拡大させる必要もない。

輸出企業に限らず、日本の製造業は設備投資を増やす状況にない。6月の製造工業稼働率指数は前月比2.3%低下の95.8とリーマンショック前の2008年前半の水準から2割以上も落ち込んだままである。日銀短観の生産設備判断DIをみても、製造業はプラス12とリーマンショック後も設備過剰感がほとんど解消されていない。円安になっても輸出企業は生産を大きく拡大させる意向がなく、設備の稼働水準は低く、設備過剰感は続いたままの状況のなか、円安進展で設備投資の増加を期待するのは合理的な考えとは思えない。

<円安で吸い取られた家計の購買力>

円安の進展で日本の株価が上昇したことを評価する見方もある。ただ、上述したように円安が永続的に続くとは期待できず、円安主導の株価上昇は難しくなっている。日経平均株価が5月23日の場中に記録したピーク(1万5942円)どころか、1万5000円すら上抜けできないことをみれば、円安による株価上昇に限界があることは容易に理解できる。

円安と株高によってもたらされた消費者マインドの改善も完全に頭打ちである。内閣府が発表する消費者態度指数は7月に43.6と2カ月連続の低下。景気ウォッチャー調査では現状判断DIが52.3と4カ月連続の低下となった。個人消費は1―3月期、4―6月期とともに前期比0.8%増と雇用者所得を上回る伸びとなったが、マインドの改善が頭打ちである以上、今後は消費の伸びが所得並みになると見込むのが自然だろう。現に家計調査における実質消費支出は1月から4月まで大きく増加したものの、5月、6月は2カ月続けて前年割れとなっている。

6月の完全失業率は3.9%と、08年10月以来4年8カ月ぶりに3%台に低下した。アベノミクスの効果だと喧伝する方もいるが、雇用が継続的に増加しているのは医療・福祉のみで、円安の恩恵を受けているはずの製造業は雇用を抑制したままである。金融緩和で医療・福祉の雇用が増えるとは考えにくく、足元の雇用環境の改善は少子高齢化の進展という大きな流れの中で労働市場の流動性が増したおかげと考えた方が自然だろう。1人当たり賃金(現金給与総額)は、数多くの方が指摘するように伸びが限定的。結果として4―6月期の雇用者報酬は前期比0.3%増にとどまっている。

円安の進展はコストプッシュ型の物価上昇を促している。6月の消費者物価は、価格変動の大きい生鮮食品を除く総合指数が前年比0.4%上昇と1年2カ月ぶりのプラス。上昇幅は08年11月の1.0%以来の大きさとなった。

内訳をみると、消費者物価を大きく押し上げたのは電気代、ガソリン代、ガス代といった輸入物資。現に4―6月期の日本の交易損失は20兆円と統計開始以来、2番目に大きな規模に拡大している。アベノミクス信奉者は、日本がデフレからインフレの流れになりつつあると喜んでいるのかもしれないが、輸入物価の上昇を中心とした物価上昇は消費者の購買力を悪化させている。円安の進展は結局、輸入物価の上昇で吸い取られた家計の購買力が、日本の輸出企業や産油国といった海外に移転するだけとなっている。

金融緩和の強化や公共投資を中心とした財政支出の拡大は、市場のボラティリティを拡大させ、社会のムード・期待を一時的に変えたかもしれないが、日本の企業部門はムードに踊らされることなく冷静な対応を続けた。一方、家計部門は高揚感の中で半年程度、消費を増やしたかもしれないが、ようやくアベノミクスの本質に気づき始めた。

3党合意で計画通りに実行されるはずだった消費税率引き上げの是非が安倍政権周辺で今さら議論され始めたのは、アベノミクスの限界に彼らも気づき始め、消費税をネタに社会のムード・期待を新たに変えようとしているためなのかもしれない。

*村田雅志氏は、ブラウン・ブラザーズ・ハリマンのシニア通貨ストラテジスト。三和総合研究所、GCIキャピタルを経て2010年より現職。

 

 

 

 

ドル97円前半、株安で豪ドル/円は一本調子の下げ
2013年 08月 20日 16:50 JST
[東京 20日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前日のニューヨーク市場午後5時時点に比べてドル安/円高の97円前半。午後、日経平均株価.N225が下げ基調を鮮明にすると円買いが強まった。

豪ドル/円はほぼ一本調子で下落した。米量的緩和の縮小を警戒してインドルピーやインドネシアルピアは急落したが、ドル/円への影響は軽微だった。

<株安、米金利低下が重しに>

きょうは五・十日ということもあり、仲値公示までは輸入企業の買いが目立っていた。ただ、「実需が買い上げたところを投機筋がショートで入った」(大手邦銀)という。輸出企業のドル売りも観測された。

オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)の8月6日の政策理事会議事録が公表され、豪ドル/円が上昇するとドル/円にも再び上昇圧力がかかり、97.87円まで上昇した。

午後になると、ドル/円は日経平均の下げ基調で圧迫された。各国株安でリスクオフムードが高まり、米10年債利回りが急速に低下してドル/円の重しとなった。円買いの余波で、豪ドル/円は下落色を鮮明にした。

アジア市場では、インドネシアルピア、インドルピーが急落した。米連邦準備理事会(FRB)の量的緩和の縮小開始が懸念され、新興国の中でも経常赤字国の通貨から資金が流出している。

ただ、大手邦銀の関係者は「ドル/円への影響は軽微」と指摘した。「質への逃避」から円に上昇圧力がかかっているものの、米金利上昇に伴うドル高圧力でドル/円は明確な方向感が出にくくなっているという。

<豪ドル/円に引き続き下落圧力>

豪中銀の議事録によると、理事会は追加利下げの可能性を閉ざすことも、追加利下げを直ちに実施する意図を示すこともすべきではないとの見解で一致した。

焦点の追加利下げについて「両論併記」の形となったが、岡三オンライン証券・投資戦略部の武部力也部長は「9月のRBA理事会に向けて、一段と豪ドル高に対するけん制が出てくる可能性も否めない」と指摘。豪ドル/円には引き続き下方圧力がかかると予想する。

議事録によると、豪中銀は、政策見通しにとって豪ドルの動向が重要になると表明。豪ドルは4月以来大幅に下落しているものの、議事録は「歴史的にみると依然高い」と指摘。その上で、豪ドルは一段と下落する可能性があり、経済が鉱業投資の頭打ちに対応するのを助ける可能性があるとの見解を示した。

岡三オンライン証券の武部氏は、足元で豪ドル/円と日経平均株価の相関係数が低下しており、豪ドル/円と他のクロス円との連動性もないため、ロングポジションの圧縮で豪ドルのみが下落するリスクがあるとみている。

(和田崇彦)

 

 

 


 

 ブラジルレアルが6日続落、当局の対策効果出ず
2013年 08月 20日 12:23 JST
[リオデジャネイロ/ブラジリア 19日 ロイター] - ブラジルレアルは19日、6営業日続落となり、2009年3月以来、約4年ぶりの低水準を記録した。

中銀と財務省が協力し、インフレ懸念を強めている通貨安と国債価格の下落の阻止に努めているにもかかわらず、効果はあまり出ていない。

当局者がインフレ抑制に向けて金融引き締めを強化する必要に迫られるかもしれないとの見方から、市場では先物金利が急上昇する一方、ブラジル国債が売られた。その結果、国内のイールドカーブは、主要政策金利が来週75ベーシスポイント(bp)引き上げられる確率を50%と示している。これまで、大半のエコノミストは50bp引き上げを予想していた。

大半の新興国が米緩和策縮小懸念の影響を受けるなか、成長鈍化で投資家の人気を失ったブラジルへの打撃は特に深刻だ。

政府は数々の景気支援策を打ち出してきたが、その大半は裏目に出ている。ブラジル経済の2013年の成長率はわずか2.2%、2014年も2.5%にとどまる、というのが民間エコノミストの平均予想だ。

ブラジル中銀のトンビニ総裁は19日夕、レアル下落を受け声明を発表し、レアルを押し下げる動きに「一方向の取引は損失を被る可能性がある」と警告。世界の為替市場では現在「再調整」が起こっているとの認識を示し、中銀が国内市場の動向を注視していると表明した。

金利市場の動向については、追加の金融引き締め観測は行き過ぎているとの見方を示した。

また、マンテガ財務相も、投資家に対し、レアルのショートポジションを大量に積まないよう促し、財務省と中銀は国内市場の安定化に向け協調していると語った。

財務相は「投資家がもうけたいと思うのは自然なことだが、将来的に損失を被る可能性がある」と述べ、ブラジルは変動相場制を採用しており、相場は「両方向に動く」と指摘した。

トンビニ総裁の声明とマンテガ財務相の発言は、市場の取引終了後に明らかになったため、レアル安を阻止するには間に合わなかった。レアルは0.9%安の1ドル=2.4152レアルで終了。先週は5%超下げていた。

XPインベスティメントス(サンパウロ)のアナリスト、カイオ・ササキ氏は「次の抵抗線は1ドル=2.5レアル前後の水準にある」と指摘。「投資家がブラジルのファンダメンタルズに懐疑的であることが売りの理由だ。米国にはより良い(投資)機会が訪れている」と述べた。

シティのストラテジストらは、一部のアナリストはレアルが年末にかけて1ドル=2.50─2.70レアルまで下落するとすでに見込んでいると指摘。19日付の顧客向けノートで「財政および経済の状況が変わらないなか、(レアルの)先行きは依然不透明だ」と述べた。

中銀はレアル支援に向け、3度にわたる総額35億ドル規模のスワップ入札を行ったが、企業は現在の為替水準でヘッジをすることに消極的で、効果は限定的と多くのアナリストは指摘。スポット市場ではドル需要が拡大しているという。

一方、財務省は、国内金融市場のボラティリティの打撃を受けている国債について、計画外の入札を実施した。

ある政府筋は「ここ3日、レアル安を受け国債流通市場で投資家は非常に高いリターンを求めており、ボラティリティが高まっている」と述べた。

また別の政府筋は、国債流通市場の安定化に向け財務省は必要に応じて桁外れの入札を実施する見通し、と語った。

前出の関係筋は、財務省と中銀は為替・金利市場でボラティリティを鎮める協力している、と述べた。


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