★阿修羅♪ > 経世済民81 > 819.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
消費税増税の1997年との経済環境の相違:驚くべき勘違い。
http://www.asyura2.com/13/hasan81/msg/819.html
投稿者 一言主 日時 2013 年 8 月 19 日 15:12:37: AlXu/i8.H/.Es
 

消費税増税の1997年との経済環境の相違

どこまで政府によいしょなのだろうか、それとも単なる馬鹿なのか。

日経新聞の8月12日の論文(経済部次長瀬能繁)を読むと、
1、1997年の消費税引き上げ当時と比べ企業は、人員、負債、設備の3つの過剰を解消している。企業は金あまりで、外的ショックへの耐久力が格段に増したという。

2、また当時と比べ世界の金融資産が3倍の220兆ドルになったそうである。それを崩壊させないために財政再建が必要であるということだ。

しかし1997年当時と大幅に違うものはこれだけではない。それを無視して論じてどうするのだろう。極めて意図的なものを感じる。

1997年当時と大幅に違うものは、消費者の所得が低下し貯蓄のない所帯が増えていることである。そのため消費者側の外的ショックに対する耐久力が格段に弱まっている。

このことを取り上げずに結論を出しているのは如何なものか。

それは、
生活保護所帯の大幅な増加や、非正規雇用の増加が大きな社会問題となっていることから明らかである。

その結果、貯蓄のない低所得層が非常に大きくなっており、中間層や上流がどんどん減少している。その傾向がますます大きくなっており、それがなお先行き不安を大きくし、日本社会全体を活気のないものにしている。

生活保護を受ける人が200万人を越えてしまった。これは1997年当時比べ全く違う深刻な問題になっている。その数が減少していく気配はない。それどころか政府は生活保護費用を削減し、消費をさらに縮小させ、生活保護所帯をさらに増やそうかという意気込みである。

また小泉政権下での、デフレ下における派遣労働の自由化は、正規労働者の減少と非正規労働者の増加を生み、企業は労働費用の総額を抑えることに成功した。
このことも1997年当時と比べ著しい違いがある。

派遣社員や、非正規雇用など当時はまだ一般的な言葉ではなかったのである。

1997年から2千13年までの間に日本の豊かな中間層は崩壊し、低所得層が増大した。現在中間層を支えるのはほとんどが公務員層になってしまった。それは国民の大きな負担になっている。

今なお政府は限定従業員の制度や、特別区による労働の自由化を促し、さらなる所得の低下を目指している。
このように消費者側から見ると、1997年当時と比べ大幅に所得が低下し購買力が低迷しているのがわかる。

デフレは、借金や国民負担が増大し、貯蓄を上回り、企業の生産量に比べ、消費が著しく不足している経済である。
そのため消費額の大きさに生産額(生産量と価格)が合致する構図になっている。

消費税の引き上げが、この脆弱な消費に直接、第一義的に打撃を与えることになる。消費税の引き上げにより、資金が政府に奪われる。その市場からなくなった資金量に等しくなるまで、生産量が波及的に、循環的に縮小する。

この生産量循環的縮小過程が、デフレスパイラルである。大恐慌と言われるものだ。

消費税は直接消費に影響を与えるものであり、企業の借金の減少や、設備過剰の減少、人員過剰の減少などの耐久力の強化など何の意味もない。

消費過小に直撃した消費税引き上げは、一挙に企業の売上減を招き、借金の増大、過剰人員、設備過剰を招くだろう。


さらに当時より深刻なのは、毎年、土地価格の低下が続いており、下げ率が小さくなった言えども、1990年以前の水準になってきている。

それは我々の抵当権が減じており、銀行の貸し出し額は、減じた抵当権に合わさざる負えないため、低金利による銀行信用の拡大など、全くの絵空事である。

そのため消費者の貸し出し限度は大幅に減じている。毎年発表される公的地価が1997年当時と比べると、1990年以前に戻っており、地方や田舎では、昭和50年並のところはざらである。


また多くの企業は、金融円滑法案の廃案により、倒産の危機にさらされており、金が余っているのは、一部の上場企業や、輸出関連企業、あるいは公共投資でいつも潤う企業に過ぎない。

日本企業の生産コストは年々上がっており、損益分岐点が上がっている。これはデフレによる購買力の減少が、企業の販売競争を助長し、低価格競争、過剰サービス競争の結果、利益率を落とし、コスト高になっている。(日本の労働生産力の悪さは、デフレが原因であり、生産量が悪いからデフレになっているのではない。

そのためわずかな売上減が、脆弱な日本企業の体力を奪って行くため、消費税の引き上げのような売上低下に直結する政策は、一挙に大量の廃業倒産、そしてそれに伴う失業者を生むことになる。

企業の耐久力が上がっていると言うこと自体疑問だ。

このように現在日本は、1997年当時より格段に消費者の置かれている立場が弱くなっている。
(全体的に企業も強くなっていると言うのは疑問だ。一部であろう)
そのため消費者の過小消費に大打撃を与える消費税増税による財政再建など、ありえないことだ。

消費税を引き上げることに賛成の御仁であれば、これこれしかじかに消費者の購買力が上がっているから消費税を上げても大丈夫というのが筋である。

企業の体力云々は、消費税の引き上げには2次的なものに過ぎない。

一言主
http://blog.so-net.ne.jp/siawaseninarou/
http://www.eonet.ne.jp/~hitokotonusi/

追記
また債権市場の信任を失うのは、消費税を引き上げ、恐慌が起こり、企業が淘汰された結果、明らかに税金の担い手である企業が著しく減少し、将来1千兆を越える借金を返せないことが明らかになった時だ。

現在日銀の国債引き受けが不審を招いているのである。これをやめさせることが急務である。日本は非常に困難な状況にあり、先行きに対し大きな不安がある。、
しかし今現在消費税を引き上げるよりは、上げない方が国債の信任が長持ちするであろう。消費税の引き上げにより日本の国債が信任されるという理屈はない。

消費税引き上げにより財政再建がなされるという理論はない。消費税引き上げにより、経済が縮小し、国債が信任されなくなるというのが当たり前の理論である。
 

  拍手はせず、拍手一覧を見る

コメント
 
01. 2013年8月19日 15:47:52 : nJF6kGWndY

>現在日銀の国債引き受けが不審を招いているのである。これをやめさせることが急務

日銀は国債引き受けなどやっていない QEのことか

QEを止めるだけでも、国債は暴落し、多くの弱小銀行が破綻し、特に地域経済は崩壊する

さらに日銀が狂って国債を売りに転じれば、誰も国債を購入する者はいなくなり、短期間で政府は財政破綻に陥る

最悪、年金や生活保護の停止、公務員に賃金を払えなくなれば、行政機能は麻痺、日本は、深刻な恐慌に陥り、ほぼ壊滅状態、経済弱者の餓死や暴動が相次ぐだろう
 
最低限の行政機能の回復に1年、社会保障に関しては数年でも無理だから、大幅に経済弱者は淘汰されることになるか


02. 2013年8月19日 15:57:09 : FyAapOwYDj
消費税とは、ふたつの意味をもっている。

ひとつは、それが充てられる社会福祉の姿が、北欧の手厚い社会福祉社会。
だがはたして、異なる文化の中に生きる日本人が、そうした未来で満足するのだろうか。
年々手厚くなる社会福祉にもかかわらず、福祉の現場は過去の家族主義時代を懐かしんでいる。

もうひとつは、税の持つ哲学が変わることだ。
かつて税とは、生産における余剰分であり、それはそのまま生への感謝であった。

だが、消費税は全く違う。
生産する者も、生産せぬ者も等しく負担する。いやそれどころか、生産せぬ者は身を削ってでも負担せねばならぬ税だ。

かつての税にあった生への感謝が、消費税では死への恐れとなっているのだ。


03. 2013年8月19日 16:43:08 : Lz6ZXS3j9I
>>02
「年々手厚くなる社会福祉」って何時の時代の何処の国の話ですか?
少なくとも2010年代の日本ではないでしょう。

特別養護老人ホームや介護付有料老人ホームの総定員は一応増えてはいます。
でも、要介護老人の増え方には全然追いつかず、介護保険が使える「特別養護」
の方はまだまだ最低半年待ち。

「介護付有料」の方はカネさえ払えば入れるらしいですが、介護度が一定限度を
超えるとあっさりと追い出されてしまい、その際、入居時に払わされた多額のお金
をどうするのかトラブルになる場合も多いです。

在宅介護を担う介護ヘルパーなんかはビックリするほど安月給の上に3K職場の代表。
雇う端から辞めていく、というのが現状です。

消費税分の税金がちゃんと福祉に投入された形跡なんて全然ありません。
シロアリ君がみんな食べちゃったんじゃないですか?


04. 2013年8月19日 19:38:47 : ArLVW38Mhw
1さん
「QEを止めるだけでも、国債は暴落し、多くの弱小銀行が破綻し、特に地域経済は崩壊する」
それは即ち国債バブルが崩壊するということ。中銀が国債を買い支えるというのは正に直接的なバブル生成行為。中銀が買い支えるのを止めることにより、金利が打ち上げ花火状態になり価格が暴落するということは、それだけ市場に買い手がいなくなっている(需要が低下している)ことの証左であり、本来の市場価格に急激に引き戻されるということ。バブルが崩壊するというのは、中央権力の市場介入によってつり上げられた商品の価値が、本来の経済実態に見合ったレベルに戻ること。その点株価であれ国債であれ同じ原理。つり上げられた資産に依存しきった日本経済が国債バブル崩壊によって金融恐慌に陥るのは、それまでのツケを一気に払うに等しく、まったくの自業自得である。そして未だに債務を積み重ねる政府を諌めるどころか助ける役目を果たしているのが黒田日銀。景気がよくなってから緩和出口云々というのは空論で、緩和している限り資産バブルと政府債務が膨張するのみで、実体経済はますます脆弱になって行くだけ(バブル=真の好景気ではない)。つまりいったん財政ファイナンス的緩和に踏み出したが最後、ある時点で引き返して自らバブルの圧力を抜き、一時的後退(遅ければ恐慌)へ導き自律再生を促すか、完全に破綻するまで続けるかのどちらかしか道はなくなる。現在の米国も全く同じ状況に陥っているのは言うまでもない。因果応報である。

05. 2013年8月19日 21:11:55 : nJF6kGWndY

>>03 いったん財政ファイナンス的緩和に踏み出したが最後、ある時点で引き返して自らバブルの圧力を抜き、一時的後退(遅ければ恐慌)へ導き自律再生を促すか、完全に破綻するまで続けるかのどちらかしか道はなくなる

いや、かっての英国のように、経済成長によって、巨額のGDP比債務を低下させることも十分可能だが

そのためには、生産性の上昇(つまり規制改革、労働大移動、TPPなど貿易自由化・・)と、社会保障・公共投資改革など歳出効率化を、劇的に進める必要がある


残念ながら、今の超少子高齢化した日本では、どの政党になっても、非常に難しいから、

現実的には10年以内には実質財政破綻(国債暴落、円安インフレによる長期間のスタグ)に至る確率が最も高いだろう

逆に言えば、そういう外的な強制が無ければ、日本の既得権者は強く、構造改革と経済再建は政治的にほぼ無理そうだ


06. 2013年8月19日 22:03:15 : GRSLjrL5Vc
未だ収まらぬ原発事故抜きに政治経済を語っても意味が無いだろう。

07. 2013年8月19日 22:14:59 : niiL5nr8dQ
アングル:消費増税によるショック、家計に9兆円負担の試算
2013年 08月 19日 18:39 JST
[東京 19日 ロイター] - 来年4月に予定されている3%の消費増税の影響について、民間調査機関では家計負担が9兆円にのぼるとの試算や、14年度成長率がほぼゼロとなるなどの見通しが相次いで公表された。

景気の落ち込みは相当大きく、補正予算で5兆円規模が必要との見方や、金融緩和の一層の強化などにより、新規の対策を求める声が浮上しつつある。

JPモルガン証券は、政府や日銀が考えているより景気は大きく落ち込む可能性は高いとみている。

消費税率3%分の8.1 兆円と厚生・国民年金保険料の引き上げ0.8 兆円を合わせると9兆円(対GDP対比1.9%)の負担が家計に生じると試算した。

ただ、影響は大きいものの「土壇場での消費税引き上げの見直しは、財政健全化の観点からも、痛みを伴う改革推進の観点からも、安倍政権に対する悪い印象を与える」と指摘する。

このため増税にあたっては、安倍政権から新機軸の政策が打ち出される必要性を指摘する。具体的には金融緩和のさらなる強化や、補正予算編成、成長戦略などを挙げている。

中でも財政健全化と経済成長を同時に促進させるための税制改革(特に法人税率の引き下げと資産課税の拡大・消費税率の更なる引き上げ)と、社会保障改革に本格的に取り掛かることが望ましいとしている。

他方、SMBC日興証券は、予定通り3%増税で何らの対策も打たれない場合、14年度成長率が前年比プラス0.1%になると試算した。

民間消費の駆け込み需要の反動減が3.3兆円、所得低下による消費減少が2.3兆円とみている。

また、13年度からの政府純支出の減少分が約4兆円程度、耐久財の買い控えなどが0.95兆円と試算する。住宅投資に4750億円程度、反動減が生じる見通し。

こうした景気の落ち込みに対し、約5兆円規模の補正予算が必要とし、その場合には予定通りの増税実施でも成長率は1%程度を確保できるとみている。

毎年小刻みに増税する場合には14年度成長率は0.6%と、落ち込みは緩和すると見ているが、予定通り3%実施したうえで5兆円規模の財政出動を行う場合の1%成長には及ばないとみている。

また、大和総研では、予定通りの増税実施により14年度はGDPを0.9%押し下げると試算。真水ベースで3兆円規模の補正予算を前提とするなら14年度1.2%程度の成長が実現できると見ている。

毎年1%ずつ増税する場合には、14年度は0.2%の押し下げにとどまるとするが、5%分全ての増税が終了した段階の19年度には、予定通りの実施でも小刻み増税でも、成長率への下押し圧力は変わらなくなるとしている。

日銀は14年度GDP成長率を1.3%、政府は1.0%との見通しを公表している。

一方で民間調査機関の平均(フォーキャスト調査)では0.5%程度と見ており、増税の影響やいわゆる財政の崖の影響の大きさへの認識にギャップが見て取れる。

このため政府部内にも、予定通りの消費増税実施なら何らかの財政的な手当が必要になると見解が根強くあるほか、日銀に対して追加的な金融緩和対応を求めるべきだとの声もくすぶっている。

消費増税をめぐり、どのような実施方法を選択するかで、その後の政府・日銀の対応にも大きな差が出てきそうだ。

(ロイターニュース 中川 泉 編集;田巻 一彦)


08. 2013年8月19日 22:44:11 : tdIIA4WpHw
☮〖国内政治〗どうなるか消費増税、国民の満足感、安倍総理の歴史的使命[桜H25/8/12]
http://www.youtube.com/watch?v=muf6s_eZ5P8
☮〖米中日〗似たもの同士の人工国家、消費増税とメディアの悩み[桜H25/8/15]
http://www.youtube.com/watch?v=biX0c3-uY2E

  拍手はせず、拍手一覧を見る

フォローアップ:

この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
  削除対象コメントを見つけたら「管理人に報告する?」をクリックお願いします。24時間程度で確認し違反が確認できたものは全て削除します。 最新投稿・コメント全文リスト

 次へ  前へ

▲上へ      ★阿修羅♪ > 経世済民81掲示板

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。

▲上へ      ★阿修羅♪ > 経世済民81掲示板
 
▲上へ       
★阿修羅♪  
この板投稿一覧