01. 2013年8月19日 16:03:13
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アングル:新興国株投資はバリューが鍵に、成長神話頼み終えん 2013年 08月 19日 15:52 JST [ロンドン 18日 ロイター] - 2000年のドットコム・バブル崩壊。これを先進国でみられた、ドットコムと付くものには何にでも投資する戦略の崩壊と説明するなら、2013年は新興国投資についてそんな年になるかもしれない。新興国市場投資家は、将来の成長を期待し、値上がりする資産に投資し続けた。まさに1990年代のドットコムブームの投資家と同じだ。しかし新興国の成長が急減速し株価は急落。成長神話に投資するモデルは失敗したかにみえる。 ここにきて聞かれるのが、今こそバリューに基づく投資にシフトする時という主張だ。ファンダメンタルズに照らして割安な銘柄に投資する。言いかえれば、将来消費が爆発的に増えることを前提に、予想PER(株価収益率)が50倍のインドやロシアの小売り株に投資するのは控えるということだ。 パイオニア・インベストメンツ(ミラノ)のジョルダーノ・ロンバルド最高投資責任者(CIO)はロイターに「新興国ポートフォリオには、バリュー投資の要素を取り入れている」と語った。 同氏によれば「投資家は、ファンダメンタルズの悪化を織り込む必要に迫られつつ、バリュエーション面では魅力が増しているという悩ましい状況に置かれている」。そういう状況下では、バリューの方を軸にし、依然割高と思える株、国の資産への投資は避けるのが戦略的に優れているとの見方を示した。 実際、大半の新興国株は非常に割安になっている。ドイツ銀行のデータによると、新興国のバリュエーションは平均で2009年と比べて25%以上下落。米欧市場はほぼ変わらず。 2007年のピークと比較すると、新興国は50%下落、先進国は28%下落となっている。 過去10年の平均と比較すると、ブラジル、ポーランド、インドは30%割安、韓国は25%割安な水準という。 <成長と株式リターン> 新興国投資について、かつて言われていた高成長と株式市場リターンの関係は、すでに多くの調査研究で相関性が乏しいと指摘されている。 比較的最近ではロンバー・オディエのレポートが、中国について、1993─2005年の間、年15%の成長を続けていたにもかかわらず、株式市場の総リターンはマイナス3.3%だったと指摘している。 ソシエテ・ジェネラルのアナリスト、アルバート・エドワーズ氏は、2008年以前の新興国株の2桁リターンは、高い成長がもたらしたものではなく、途上国が危機から回復し始めた2000年のバリュエーションが低かったからだとし「新興国投資で重要なのはバリュエーション。急成長ストーリーではない」と顧客に説明する。 もちろん成長と価値が相いれないわけではない。企業の成長見通しは価値の一部だ。問題は、しばしば、乗り遅れまいとする新規の市場参加者の過大評価によって、その価値が将来の成長をはるかに上回った場合に深刻化する。1990年代終盤のドットコム・ブームで起こったことは、それだった。新興国ブームも恐らくそうだ。 新興国株はかなり売り込まれた感がある。ソジェンのエドワーズ氏は悲観的なことで知られるが、そのエドワーズ氏にさえ、新興国株にはバリュエーションギャップが生じ「非常にリーズナブル」にみえている。 長らく新興国株について弱気姿勢をとってきたドイツ銀行のアナリスト、ジョン・ポール・スミス氏は、顧客に買い推奨する上で唯一の障害は中国で起こりそうな金融危機だという。「中国ファクターがなければ、長期バリュー投資家にとって新興国株は魅力的と言える」と語った。 <バリューの落とし穴> しかし、バリューというコンセプトを直ちに新興国株に適用するのは難しいかもしれない。新興国株というのは比較的新しい分野であるため、バリュエーションや債務などについて長期ヒストリカルデータを得にくいからだ。 また株価が低位にあるのは、利益の低い伸び、コーポレートガバナンスの乏しさ、国の過度な介入など、途上国企業のマイナス要因である問題が理由の場合が多い。 バリュエーションが魅力的で、かつ強固なファンダメンタルズを持つ銘柄を探し出すのは難しいと言える。 パイオニア・インベストメンツのロンバルドCIOは「バリュー戦略は、バリューの落とし穴にはまりさえしなければ、新興国市場投資に良い戦略」とした上で「バリュー一辺倒はリスクが高いかもしれない」とクギを刺した。 (Sujata Rao記者;翻訳 武藤邦子;編集 宮崎亜巳)
景気減速でも衰えない中国住宅需要、規制めぐり地方と温度差 2013年 08月 19日 11:17 JST [北京 18日 ロイター] - 中国の住宅価格が上昇している。国家統計局のデータによると、7月は調査対象の70都市中62都市で価格が上昇。(6月は63都市)北京と上海がともに前年比で今年最も高い伸びとなった。中国政府は約4年前から不動産市場の過熱抑制に乗り出している。
しかし、不動産の業況は多くの業種に影響を及ぼす。経済が減速する中、習近平指導部はいかに他分野に打撃を与えることなく不動産市場の過熱を抑えるかという課題に直面している。 国家統計局のデータに基づきロイターが算出した7月の平均新築住宅価格は前月比0.7%上昇、前年比7.5%上昇。前月比では4カ月連続で上昇ペースが鈍化したが、前年比は7カ月連続の上昇となり、ロイターが算出開始した2011年1月以来最も高い伸びとなった。 国家統計局は声明で「7月の主要70都市の住宅価格は、初めて住宅を購入する人々の強い需要と最近の地価上昇で引き続き上昇した」としている。 <中央と地方の温度差> 住宅価格の上昇に歯止めがかからない理由の1つに、中央政府の意向と地方政府のニーズがかみ合わないことがある。 土地の売却収入が重要な歳入源である地方政府にとって、不動産市場は活況であって欲しいもの。中央政府は3月、不動産規制措置として中古住宅売買にキャピタルゲイン税を課すと発表したが、導入したのは北京ぐらいで、大半の都市は「無視」している。浙江省温州市は、規制を緩和し2軒目を購入できるようにした。 ちなみに温州市の7月の住宅価格は前年比2.4%下落。70都市の中で唯一下落している。 <政策の微調整期待> 温州市の規制緩和について、アナリストは全国的な動きに発展するとはみていない。もともと温州市の規制は他の都市と比べて厳しく、規制緩和によって、3軒目を購入を禁止する他の都市並みになったという側面がある。一方、投資家は、中央政府が景気浮揚を目的に近く不動産規制を緩和する可能性に賭けている。 中国共産党政治局が7月の声明で不動産規制の継続に言及しなかったことも期待を後押しする。 不動産セクターは、減速する中国経済で数少ない明るい部分だ。国内投資家にとって投資の選択肢が乏しいという事情も不動産需要を押し上げる。 7月9日に発表された公式データによると、1─7月の不動産販売は前年比37.8%増加。1─6月(43.2%増)からは増勢が鈍ったものの、昨年の10%増を上回っている。 また1─7月の着工件数は8.4%増加し、1─6月の3.8%増から加速した。 UBSのエコノミスト、汪濤氏はこのデータが発表される前に出した顧客向けリポートで「今後数カ月は、(不動産)販売の伸びが鈍る一方、新規着工はセンチメント改善を考えると穏やかなペースで持ち直す」と予想し、「不動産市場の動きは引き続き内需の安定した成長にとって重要な源泉」と指摘している。
ドル97円後半、売買手控えで方向感に欠ける 2013年 08月 19日 15:44 JST [東京 19日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前週末のニューヨーク市場午後5時時点に比べ若干ドル高/円安の97円後半。手掛かり材料に欠ける中で、日経平均株価.N225とともに明確な方向感は出なかった。夏季休暇明けの実需筋の動きも静かだった。
<積極的な売買みられず> 午後3時までのドル/円は97円台で取引された。日経平均株価が上昇スタートになったことで、午前9時すぎに97.85円まで上昇したが、その後は利益確定売りが出て伸び悩んだ。日経平均がマイナス圏に転落して下げ幅を拡大させると、ドル/円も97.35円まで下落。その後も日経平均の上下に連動するにとどまり、積極的な売買は手控えられた。 市場では「97.80円アッパーは売り、97.30円アンダーは買いという状況で、あとは株の上下に振らされている。大きなフローは出ていない」(大手邦銀)との声が出ていた。 ドル/円をめぐっては、米10年債利回りが2年ぶり高水準をつけているにもかかわらず反応が鈍い。これについて、大手邦銀関係者は「中東情勢があまり良くなく、じわじわと原油価格が上がっている。リスクアセットにどんどんお金を突っ込めるような環境ではなく、質への逃避で債券がまた買われる可能性もある」との見方を示した。 金利・株価動向に不透明感が漂う中で、積極的なポジション構築には慎重なようだ。 夏季休暇明けの実需筋の動きも静かだった。輸出企業の売りは目立たず、また売り水準が下に降りてきていることもないという。 <輸出数量増は不透明> 財務省が朝方発表した7月貿易収支は1兆0240億円の赤字と、過去3番目の赤字額となったものの、輸出が数量ベースで14カ月ぶりに増加に転じるなど、変化の兆しも見え始めた。 もっとも、みずほ銀行国際為替部マーケット・エコノミスト、唐鎌大輔氏は「輸出数量を伸ばすものは為替要因もさることながら、結局は外需だ」と指摘。米国以外の外需に不透明感がある中で、「輸出数量の増加継続は個人的には厳しいと思っている」と慎重な見方を示した。 円安で輸出数量が増えれば、生産、雇用、賃金、物価への波及経路が期待されるが、「円安だけで生産が増えたり、雇用が増えたり、賃金が上がったり、物価が上がったりという姿は見通しづらい」という。 ドル/円JPY= ユーロ/ドルEUR= ユーロ/円EURJPY= 午後3時現在 97.64/66 1.3325/29 130.11/15 正午現在 97.47/49 1.3332/36 129.95/99 午前9時現在 97.67/69 1.3328/32 130.18/22 NY午後5時 97.51/54 1.3326/31 129.97/01 (ロイターニュース 志田義寧)
7月貿易赤字は過去3番目の1兆円台、輸出は数量ベースで増加に 2013年 08月 19日 10:46 JST [東京 19日 ロイター] - 財務省が19日に発表した7月貿易統計速報によると、貿易収支(原数値)は1兆0240億円の赤字となった。輸出が海外経済の回復などを背景に5カ月連続で増加したが、円安による燃料輸入の高止まりなどで、貿易収支は13カ月連続で赤字となった。 赤字額も、2013年1月(1兆6335億円)、2012年1月(1兆4907億円)に次ぐ、過去3番目の高水準を記録した。輸出は数量ベースでも14カ月ぶりに増加に転じ回復基調が確認された。 1兆円台の大幅な赤字となったが、財務省では、為替円安、原油価格、経済動向などいろいろな要因が影響しており、背景を特定することは難しいと指摘。先行きについても「動向を注視する」(財務省筋)と述べるにとどめた。 <対米輸出、4カ月連続で2ケタ増> 輸出は前年比12.2%増の5兆9620億円で、5カ月連続で増加。2010年12月(同12.9%増)以来の高い伸び率を記録した。数量ベースでも同1.8%増と14カ月ぶりに増加した。米国向け自動車がけん引した。 地域別では、米国向け輸出が前年比18.4%増で7カ月連続で増加した。2013年4月以降、4カ月連続で2ケタ増が続いている。 中国向け輸出は同9.5%増で4カ月連続で増加した。有機化合物(75.6%増)などが増加した一方、金属加工機械が55.8%減と大幅に減少した。低調だった欧州連合(EU)向け輸出も前年比16.6%増と2カ月連続で増加した。 品目では、自動車(14.3%増)、有機化合物(50.3%)、半導体等電子部品(14.7%増)などが増加した。 為替レート(税関長公示レート平均)は1ドル98.83円で、対前年比24.3%の円安だった。 <輸入は金額ベースで9カ月連続増、数量ベースでは3カ月ぶりに増加> 輸入は同19.6%増の6兆9860億円で、9カ月連続で増加。2010年6月(同26.5%増)以来の高い伸び率を記録した。数量ベースでも同2.4%増と3カ月ぶりに増加した。原粗油(30.2%)、液化天然ガス(16.9%)、半導体等電子部品(40.5%)などが増加に寄与した。 輸入原油単価は前年比27.1%上昇の6万5001円/キロリットルで、ドルベースでは同2.3%上昇の104.6ドル/バレルだった。 なお、7月貿易統計(速報)から貿易指数の基準年が2005年から2010年に改定されたが、貿易統計の金額、数量ベースに影響はないとしている。 <強弱入り混じる内容、市場への影響は限定的> 7月貿易収支は市場予想を上回る大幅な赤字となったが、市場では「輸出は自動車関連を中心に米国向けがけん引しており、貿易収支は見た目よりは悪くはないが、中国向けは景気に敏感な金属加工機械が減少が大きくなっていることを踏まえると、中国景気の鈍化懸念が気掛かりだ。強弱入り混じる内容で、円債への影響は中立だろう」(国内金融機関)との見方が聞かれた。為替市場に対する影響は限定的だった。 ロイターが民間調査機関を対象に行った調査では予測中央値は7856億円の赤字。輸出は前年比13.1%増、輸入は同15.4%増だった。 (吉川裕子;編集 内田慎一)
焦点:次期FRB議長、サマーズ氏ならイエレン氏より早期に利上げか 2013年 08月 19日 15:33 JST [ワシントン 19日 ロイター] - 新たな金融危機や景気後退入りがなければ、次の米連邦準備理事会(FRB)議長は金融政策の段階的な正常化を見守ることになりそうだ。 だが、もし2人の議長候補者の発言を指針にするなら、最初の利上げを含めてそのペースは、ローレンス・サマーズ元財務長官が議長に就任した場合の方が、ジャネット・イエレン副議長の場合と比べて幾分早まるだろう。 さらにサマーズ氏がFRBを率いた場合には、来年1月に任期切れを迎えるバーナンキ議長が採用した非伝統的な金融政策を延長したり拡大する可能性は低いと思われる。 サマーズ氏とイエレン氏の違いが最もよく表れているのは、4月に2人がそれぞれ別の場で行った発言だ。 バーナンキ議長の政策に対する強力な支持者であるイエレン氏は、ワシントンでの経済記者向けの講演で、仮に望ましい水準以上にインフレ率が上昇するという代償を払ってでも、FRBは失業率の低下に努力を傾注すべきだと熱心に説いた。 対照的にサマーズ氏は、同じ4月にカリフォルニア州で開かれた非公開の会合で、インフレ率が望まくない水準にならないうちに失業率が相当程度低下するかどうか疑わしいとの見解を示した。 サマーズ氏は、量的緩和策として知られるFRBの大規模な債券買い入れプログラムの有効性にも懐疑的な立場を取っている。 <継続性> JPモルガン・チェースのエコノミスト、マイケル・フェローリ氏は「イエレン氏とサマーズ氏はともに時期尚早の引き締め策を取ることはなさそうだが、どちらかといえばそのリスクはイエレン氏の方がサマーズより低い」と語る。 一方、セントルイス地区連銀のブラード総裁は15日、ケンタッキー州ルイビルで「多くの政策は継続性が保たれると思う。新議長が誰になろうと継続性を重んじるだろう。就任してすぐに事を荒立てるようなことは望まないだろうから、円滑な権限の移行を見込んでいる」と述べ、誰が議長になっても急激な政策変更はないとの見方を示した。 しかし、期待通りに景気回復が実現しなかったり、失業率がさらに低下しても事実上のゼロ金利政策をどの程度の期間継続するのかをめぐって論争になった場合、FRB議長の金融政策に対するわずかな考え方の違いが重要な意味を持つかもしれない。 バーナンキ議長の下でFRBは既に、失業率が6.5%まで低下するまで超緩和的な政策金利の水準を継続する方針を明言しており、幹部の1人は借り入れコストを低水準に抑えるために、失業率が5.5%に低下するまで超緩和的な政策を続けるべきだと主張している。 景気指標がまちまちの内容だった場合、サマーズ氏はこうした動きを支持することにあまり前向きにはならないだろう。 一方イエレン氏は、仮にそれがインフレ率の若干の上昇を招くとしても、長期の失業率を低下させる重要性を強く支持しており、こうした積極的な動きに出る可能性はより大きい。 イエレン氏はまた、長期失業が経済の健全性により大きなダメージを与えるとみており、長期の失業率を低下させるため、インフレ率がFRBの2%の物価目標を小幅に上回ることを許容する「最適な政策軌道」と呼ばれる政策を提示している。 結果的にイエレン氏は口頭や文書による多くの公式発言の中で、バーナンキ議長が定めた道筋から大きく逸脱せず、むしろさらにハト派的な政策を取る可能性があると明確に表明しているのだ。 <サマーズ氏はタカ派にあらず> 対照的にサマーズ氏の最近の発言は大半が政府の介入を支持する財政政策に関するものだが、FRBの緩和策を維持する用意があるとの姿勢をほのめかしているともいえる。 しかし、サマーズ氏は金融政策に関して昨年は少なくとも2度話す機会があった。インフレの到来を煽るようなFRBの劇的な政策行動を強く批判する者に対し、自身がタカ派ではないと明確に述べている。 実際に彼は2012年6月3日のロイターのコラムで追加の量的緩和策に賛成すると論じている。 さらにサマーズ氏は4月にカリフォルニア州のサンタモニカで開かれた会合で金融政策に関して最も包括的な発言を行い、インフレを懸念する必要はないとの考えを明確に示している。 <懐疑的な見方> ただ、サマーズ氏は追加の債券買い入れのメリットについて慎重な発言もしている。ロイターが入手した草稿によると、サマーズ氏は「私の考えでは量的緩和策は大半の人が想定しているほど景気にあまり有効ではない」と指摘した。 この考え方は、もし景気回復に失敗した際に重要な意味を持つ。 FRBは債券の買い入れ規模をことし中に縮小し、2014年半ばまでに買い入れプログラムを終了すると想定している。もし成長率が期待を下回った場合、縮小開始の時期を遅らせたり、月額850億ドルの買い入れ規模を増やすことを検討したいと思うかもしれない。 サマーズ氏は4月の会合で新興国市場に「小さなバブルの兆しがみられる」と示唆しており、議長に就任した場合には債券買い入れプログラムの拡大には恩恵があまりなく、多大なコストを伴うとして抵抗する事態もあり得る。 もっと言えば、サマーズ氏は景気が将来、過熱することなくどの程度のスピードで拡張していけるかに関してやや暗い見通しを示しており、自然失業率が上昇し潜在成長率が低下した可能性があるとしている。 サマーズ氏はカリフォルニア州の会合で「この考え方が受け入れられる限り、多くの人が考えるよりも引き締め局面の開始が予想より早く到来すると思わせる方向で政策運営すべきだ」と述べた。 この発言は、失業率が6.5%に低下して想定の水準に到達した後、経済が依然としてどの程度の弱さを抱えているかに関して、サマーズ氏が心の中で抱く疑念を示唆したものであり、失業率が6.5%まで下がった時点で早期の利上げ実施の準備は整うとの見方を示したと解することもできる。 FRB元理事のマクロエコノミック・アドバイザーズのローレンス・マイヤー氏は顧客向けのノートで「失業率が6.5%に達した直後のことを考えると、サマーズ氏はイエレン氏に比べてフェデラルファンド(FF)金利の引き上げを支持する可能性が高い。最初の利上げの後も、イエレン氏より早く追加利上げに積極的になるのではないか」と指摘した。 (Alister Bull記者) |