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中国の貧富の差は拡大の一途だ
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20130818/frn1308180725001-n1.htm
2013.08.18
北京大学の研究グループが2012年に、中国都市部の最富裕層上位5%と最貧困層下位5%の世帯年収を比較したところ、242倍の格差が存在することが判明した。10年に同じ世帯を戸別訪問して聞き取り調査したときは、約82倍だったという。わずか2年間で約3倍に急速に拡大したわけだ。
中国の最高指導者だった●(=登におおざと)小平氏は、かつて「豊かになれる人から先になりなさい。貧しい人は後で追いつけばいいでしょう」と語っていた。しかし、貧しい人は豊かにはなれなかった。持てる者がさらに持つという、アメリカ型社会のような状況になった。
●(=登におおざと)小平氏の改革開放路線以降、矛盾がさらに広がり、後ろで待っている貧しい人たちに対する救済がまったく追いつかない。かつて中国の共産党革命が起こったとき、貧富の差は80倍ぐらいだといわれていた。現在は、それ以上に格差が広がっている。
もし7億人とも8億人ともいわれる都市戸籍を持たない貧困層がフラストレーションを爆発させると、1917年にロシアの首都ペトログラード(後のレニングラード、現在のサンクトペテルブルク)で始まった、いわゆる武装蜂起によるボリシェヴィキ革命が再び起こる危険性もある。胡錦濤前国家主席はこのことを非常に気にし「和諧社会」を作ろう、と提唱していた。
しかし、習近平国家主席の新政府は、「貧富の格差を縮める」というスローガンを掲げるものの、それよりも腐敗の撲滅や倹約に力を入れている。倹約といっても、表面上、官僚にぜいたくをつつしんでもらい、貧しい人たちの怒りを買わないようにしよう、ということではあるが…。つまり見かけ上の政策が中心で、本格的に格差是正をしようという政策は打ち出していない。
このように、中国は確かにひどいことになってはいる。ただ、世の中にはもっとひどい国が多数あって、南アフリカなどは所得上位10%の人間で国の総所得の50%を占めている。ザンビア、コロンビアも50%に近い。
中国は25%ぐらいで、国連加盟189カ国のなかでは上位(25位)に位置するが、最悪ではない。一方、日本はこういう統計では、優秀な北欧型になってきている。資本主義社会の日本や北欧がより社会主義型になっている、ということは「一国二制度」などという言葉のまやかしでお茶を濁している一党独裁の共産主義国家中国もいよいよ追い込まれていくだろう。
先日、私の親しい中国の経営者一行を長野と群馬の温泉地に案内した。中国では最近、温泉への関心が高い。彼も雲南省でかなり大きな温泉を見つけたので、日本の温泉業者と一緒に開発をしたいということで来日した。
そのとき彼らは「どこに行っても道路がきれいだし、ゴミもない。農民も豊かなようだ。中国人にこういうところをもっと見てもらいたい」と緑豊かな日本を絶賛していた。規模だけ大きくなった中国の抱えている「質の問題」は実に深刻で日本と中国の差が最も顕著に出ているところではないだろうか。
■ビジネス・ブレークスルー(スカパー!557チャンネル)の番組「大前研一ライブ」から抜粋。
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