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東京五輪が決定すれば、江東区の有明地区にアリーナなどの施設がつくられる。不動産市場は活気付くが…(写真はイメージ)
http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20130818/ecn1308180726001-n1.htm
2013.08.18 本当は教えたくないマンション業界の秘密 榊淳司
もうすぐ2020年のオリンピック開催地が決まる。今のところ、東京が最有力だそうだ。
以前、開催地が東京に決まると、もっともビビッドに街が変貌するのは「勝どき」と「晴海」周辺であると書いた。不動産の価格も上がるだろう。競技会場が集中する江東区の有明エリアでもマンションの販売に勢いが出てくる。
開催地が決定するのは9月7日。もし、東京になれば1〜2カ月は第1次の「湾岸ブーム」がやってくる。毎日のようにテレビの撮影クルーが湾岸エリアに押し寄せるだろう。雑誌も特集を組む。そうなると、人々の注目が集まる。「あんなところに住みたい」という人も出てくる。だから、湾岸エリアでは総じてマンションの売れ行きが良くなるはずだ。
しかし、だからといってこのエリアのマンションがすべて「買い」かというと、かなり疑問がある。
というのは、オリンピックの開催は7年後。「オリンピックが終わったら売ればいい」という気持ちで買う人は少ない。7年も住んでいれば街に愛着がわくだろうし、子供も大きくなって学校に行く。普通に考えれば、「オリンピックが終わったからマンションを買い替えよう」という発想にはならない。
それに住まいの購入は10年、20年先の人生設計まで考えて決めるべきだ。だから、オリンピック後に湾岸エリアがどうなるかについても、しっかり考えておかなければならない。
1万7000人の利用が可能となる選手村の施設を、大会後は「国際交流拠点」に再利用するとされる晴海エリアの発展と変貌は、ほぼ間違いないところ。「銀座へ歩ける」というそもそもの立地ポテンシャルも大きい。
ところがアリーナやベロドロームなど4つの競技会場が新設される江東区の有明エリアでは、大会終了後にそのうち3つが取り壊されてしまうという。どうやら「祭りの後」の寂しさが漂うことになりそうだ。
現在、中央区側から伸びる新たな道路、橋をつくる計画が進められている。また、オリンピックに間に合うかどうか分からないが、銀座方面から新交通システムを敷設するという計画案もある。少なくとも、今よりも発展することは間違いない。
しかし、そこは冷静に考えてみたい。開催されるからといって、江東区の湾岸エリアから銀座や大手町への絶対的な距離が縮まるワケではない。
さらに、東京といえども今後の人口減少の影響は避けられない。住宅は日々余剰感を深めている。今後、郊外のニュータウンではジワジワと空き家が増え、その波は次第に都心へ押し寄せてくる。
現在でもマンション供給が過剰気味な江東区の湾岸エリアも、その波から逃れることはできない。特に、オリンピック終了後は、その波が一気に押し寄せてくるのではなかろうか。
■榊淳司(さかき・あつし) 住宅ジャーナリスト。1962年、京都府出身。同志社大法学部および慶応大文学部卒。不動産の広告・販売戦略立案の現場に20年以上携わる。不動産会社の注意情報や物件の価格評価の分析に定評がある(www.sakakiatsushi.com)。著書に「年収200万円からのマイホーム戦略」(WAVE出版)など。
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