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http://www.amakiblog.com/archives/2013/08/18/
2013年08月18日 天木直人のブログ
きょう8月18日の朝日が一面トップで、「官製ファンド乱立 民業圧迫批判も」という見出しの記事を掲げていた。
その要旨は次の如くだ。すなわちアベノミクスの成長戦略を進める官製ファンドが乱立しているという。たとえば経済産業省が日本のアニメや音楽などの海外展開を進めるファンドを運営する「クール・ジャパン推進機構」を今秋にも設立するという。 内閣府も、民間資金を生かして公共施設の建設・運営を促進するファンドを持つ「民間資金等活用事業推進機構」を立ち上げる。 文部科学省は、東大や京大など大学発ベンチャーに投資するファンドを検討中であるという。 ざっと九省庁にのぼり、その資金は総額約4兆円という。
この巨額の資金量を背景に国が投資ビジネスに参入すれば、全体で1兆円に満たない民間の投資ファンドは歯が立たない。このため民間ファンド側は「民業圧迫」にならないよう官製ファンドの投資基準の明確化を求めている、という記事だ。
何気なく読み過ごしそうになっていた私は、やがてこの記事の中に見逃せない深刻な問題が潜んでいる事に気づいた。
この官製ファンドこそ、国家予算を使って天下り先の確保をはじめとした数々の税金泥棒を行なう官僚たちのあらたな手口なのだ。
その記事はこう書いている。
官製ファンドの乱立の背景には、各省庁がまとまった資金をプールでき、しかもOBや現役の受け入れ先に活用できることがある。出したら戻らない補助金と違って、投資なら見返りも期待できる。だが投資に失敗すれば国民負担となって跳ね返ってくる・・・
これこそが年金の流用をはじめとしたこれまでの官僚たちのシロアリぶりの典型だった。
それを退治することこそが政権交代以来のこの国の公務員改革や行政改革の目的だったはずだ。
ところが、それが腰砕けに終ったと思ったら、いまアベノミックスの成長戦略に悪乗りし、「官製ファンド」の名の下で、より大規模に、公然と増殖しているのである。
このおぞましい実態は、アベノミクスの下で、増税や社会保障・医療保険切捨てがどんどん進む事を考えると絶対に許されないことだ。
国民間の不平等、不公平が犯罪的とも言える形で進んでいるということである。
「官製ファンドの乱立」問題は、今後メディアによって白日の下にさらされ、世論によって早急に糾弾されなければいけない問題なのである(了)
◇
官製ファンド乱立 総資金4兆円、民業圧迫批判も
http://www.asahi.com/shimen/articles/TKY201308170461.html?ref=twitter
2013年8月18日 朝日新聞
国が中心となり、民間の事業や企業に投資する官製ファンドの設立が相次いでいる。安倍政権の経済政策アベノミクスの成長戦略を進める名目で、今秋以降、新たに3ファンドが立ち上がり、九つの主な官製ファンドの資金量は4兆円を超える。官の投資の膨張には「民業圧迫」との批判も出ている。
経済産業省は今秋、日本のアニメや音楽などの海外展開を進めるファンドを運営するクール・ジャパン推進機構を設立する。
内閣府も、民間資金を生かして公共施設の建設・運営を促進するファンドを持つ民間資金等活用事業推進機構を立ち上げる。文部科学省は、東大や京大などの大学発ベンチャーに投資するファンドを準備中だ。3ファンドで計5千億円規模になる。
1月の安倍政権の緊急経済対策を受けて、農林水産省が、異業種との連携で第1次産品の輸出促進などを図る農林漁業成長産業化支援機構を拡充するなど、今年すでに三つのファンド(計5千億円規模)が発足している。
官製ファンドの資金源は、NTT株やJT株の配当収入による財政投融資特別会計や、政府保証をつけた民間金融機関からの借り入れなどだ。これまでにできた産業革新機構などを合わせて、九つの主な官製ファンドの総資金量は合計4兆円超となる。
潤沢な資金量を背景に投資ビジネスに参入すれば、全体で1兆円に満たない民間の投資ファンドは歯が立たない。このため、民間ファンドでつくる日本プライベート・エクイティ協会は「民業圧迫」に陥らないよう、官製ファンドの投資基準の明確化を求めている。
各省庁からすると、官製ファンドは、投資先企業などを明確にしなくても多くの資金を確保できる。官僚OBの新たな天下り先に活用される可能性もある。
だが、投資が回収できなければ焦げつく恐れもある。政府は「官民ファンド総括アドバイザリー委員会」(座長・世耕弘成官房副長官)を首相官邸に設けて、運営状況のチェックなどに乗り出している。(大鹿靖明)
◆キーワード
<官製ファンド> 民間の資金を呼び込むため、国が中心となって資金を出し、民間の企業や事業に投資するファンド(基金)のこと。投資した資金は、投資先企業の株式公開や他企業への転売などで回収する。小泉政権時代、不良債権処理を進めるため設立され、ダイエーやカネボウに出資した産業再生機構(解散)が代表例。
■主な9ファンド
主な担当省庁/設立時期/総資金量
*
◇中小企業基盤整備機構
経済産業省/2004年7月/5191億円
◇産業革新機構
経産省/09年7月/最大約2兆円
◇地域経済活性化支援機構
内閣府/09年10月(13年3月名称変更)/約1兆2千億円
◆農林漁業成長産業化支援機構
農林水産省/13年1月/最大約2千億円
◆環境不動産普及促進機構
国土交通省・環境省/13年2月/350億円
◆日本政策投資銀行・競争力強化ファンド
財務省/13年3月/最大3千億円
◆クール・ジャパン推進機構
経産省/13年秋(予定)/最大600億円
◆民間資金等活用事業推進機構
内閣府/13年秋(予定)/最大3200億円
◆官民イノベーションプログラム
文部科学省/準備中/1千億円
(◆は、昨年12月の安倍政権誕生後に設立または設立予定のファンド。総資金量には、政府保証枠や今後あてにしている民間からの拠出分なども含む)
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