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★「天木直人氏の視点ー(2013/08/17)★ :本音言いまっせー!
8月15日は終戦記念日の記事ばかりで埋め尽くされるが、この日は
経済の世界でも大きな記念日だ。
そう言って、ニクソンショックの影響がいかに今日の国際経済の混乱
の始まりであったかを浜矩子同志社大学教授が、きょう8月17日の
毎日新聞紙上(浜矩子の危機の真相)で書いている。
その要旨は次の如くだ。
つまり71年8月15日に米国は35米ドルと1オンスの金との兌換
を停止した。
その結果米国はドルをどんどんと発行しインフレ経済化をあおった。
物価が上がれば金利も上がる。
それでも米国は金融機関の無謀な預金金利引き上げ競争を阻止する
ため当初は金利に上限規制を設けていたが、一方で自由金利商品の
利回りはどんどん上がり、利ざやを求める資金は当然銀行から離れて
いく。
無い金は貸せない。銀行融資を目当てにしていた中小企業などは資金
枯渇で行き詰まる。かくして米国はやむなく預金金利の自由化を敢行
することになる。
そう指摘した上で、私が注目したのは、浜教授がこれが中国の
「影の銀行」を連想させると喝破するところだ。
中国もまた銀行の預金金利を規制してきた。銀行間の過当金利競争を
防いで銀行経営の安定を図る。しかし、これでは銀行に金は集まらな
い。その一方で資金を必要とする人々は融資を求める。これが中国に
おける「影の銀行」の原因であると。
つまり中国の「影の銀行」問題は、71年8月15日のニクソン
ショックから始まった米国の金融自由化の結果に過ぎないという
わけだ。
そして浜教授は次のようにその論説を締めくくっている。
「・・・果てしなき金融の自由化が進んだ挙句の果てがリーマン・
ショックに至る金融狂乱だった。中国も、ここは反面教師として米国に
学ぶところが大きい」と。
この文章を読んで私はすかさず週刊エコノミスト7月30日の
特集記事「アベノミクスが陥る中国的失敗」という記事のことを
思い出した。
当時は中国の「影の銀行」問題がメディアで大騒ぎされ、その取締り
で中国経済に蔭りが出る、その中国が日本や世界経済の足を引張ると
散々書かれていた時だ。
何でも悪いのは中国だといわんばかりの風潮の中だった。
しかし、そのエコノミストの記事は、アベノミクスはかつて中国が
金融緩和や割安の為替レート、大型投資などで経済成長を図った頃と
そっくりだと書いた。
その弊害に気づいた習近平の中国がバブル対策に転じたのに、
安倍首相の日本は大胆な金融緩和と消費税増税前の駆け込み需要に
浮かれていると書いた。
気がついたら財政の無駄遣いなどの緩みが横行する日本になっている
のではないか、行く末が案じられる、と中国よりも日本に警鐘を鳴らし
ている記事であった。
経済に素人の私でも、この浜教授と週刊エコノミストの記事をあわせ
読むと、アベノミックスはピント外れではないのかとと思わざるを得な
い。
米国もまた金融緩和の出口戦略のタイミングを必死で探っている。
このアベノミックスのピントはずれ振りは、私の関心領域である外交
分野においてもそっくり当てはまる。
日本の経済政策は、米国とも、中国とも、相手にされなくなりつつ
ある、ひとりよがりの安倍外交とそっくりのように思えてくるのである。
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