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2013/8/16 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
上がっているのは輸入エネルギー価格だけ
増税のためなら何でもアリか。この政府は平気で“ウソ”をつくから恐ろしい。
政府がきのう(15日)発表した8月の月例経済報告で、物価動向について「デフレ状況ではなくなりつつある」と踏み込んだ表現をした。
判断の根拠になっているのは、総務省が先月26日に発表した6月の全国消費者物価指数だ。価格変動の大きい生鮮食品を除く総合指数(コア指数)が、前年同月比0・4%上昇と1年2カ月ぶりにプラスになった。それで、「デフレ状況ではなくなりつつある」というのだが、この数字にはカラクリがある。
「生鮮食品を除く『コア指数』が上昇したといっても、これはエネルギー価格の高騰が押し上げている。食料及びエネルギーを除いた『コアコア指数』を見ると、マイナス0・2%で、デフレ基調は変わっていません。つまり、円安の影響で、ガソリンや電気料金、輸入食材が値上がりしているだけなのです。『悪いインフレ』の典型と言えます」(経済アナリスト・菊池英博氏)
所得の増加によって消費が活発になり、その結果、物価が上昇するインフレならいいのだが、現状は、そうなっていない。
所得が上がらないのに、輸入物価が一方的に上がれば、消費者は生活防衛のために、ますます安いものを求めるようになる。デフレ脱却どころか、デフレに拍車がかかる可能性がある。しかも、物価上昇分は輸入コストとしてすべて海外に流出しているのだから最悪だ。
第一生命経済研究所首席エコノミストの熊野英生氏もこう言う。
「アベノミクスの効果をアピールする狙いがあるのでしょうが、『デフレ状況ではなくなりつつある』という月例経済報告の表現は、ちょっと“盛り過ぎ”という気がします。確かに、4―6月期のGDP速報値は3期ぶりに名目が実質を上回った。ただ、デフレ脱却を宣言するには、これが瞬間風速ではなく、持続する必要があります。なにより、家計の所得が上がらないことには、デフレ脱却とは言えません」
甘利経済再生相は、15日の会見で、デフレ脱却について「今は富士山の7合目」とか言っていたが、自分が歩いているのが登り道か下り道か分かっているのか。デッチ上げの景気回復では、いつまでたっても山頂にたどりつけない。
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