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ブラック企業のトンデモな実態 放っておけない!若き弁護団が立ち上がったワケ (東洋経済) 
http://www.asyura2.com/13/hasan81/msg/748.html
投稿者 赤かぶ 日時 2013 年 8 月 15 日 08:04:00: igsppGRN/E9PQ
 

ブラック企業のトンデモな実態 放っておけない!若き弁護団が立ち上がったワケ
http://toyokeizai.net/articles/-/17634
武政 秀明 :東洋経済記者


心身に異常を来しかねないほどの長時間労働やサービス残業、過重なノルマの押し付け、ひどいパワーハラスメント――。若い世代を中心に、労働者を使い捨てるような過酷な働き方を強いる企業が「ブラック企業」と呼ばれ、社会的な関心事となっている。株式を公開して、全国や広域に展開するような大手・有名企業などでもブラック企業と目されるケースが出ており、厚生労働省も実態調査や取り締まりなどの対策に乗り出している。

そんなブラック企業で、不当な扱いを受けている労働者を助けるため、法曹界から若手を中心に約50人の弁護士が立ち上がった(結成時。現在は、約100人の弁護士が弁護団に加入)。7月31日に結成された「ブラック企業被害対策弁護団」(代表・佐々木亮弁護士)がそれだ。同弁護団は相談者から受けた依頼を基に、実態を調べ、違法・脱法行為があれば訴訟など法的な手続きにのっとって、ブラック企業に対抗する。

一方、多かれ少なかれ労働環境の悪い企業は、昔から一定程度存在していた。なぜ今、それらがブラック企業と呼ばれ、にわかに注目を集めるようになったのか。ブラック企業の実態とは――。ブラック企業被害対策弁護団の事務局長を務める戸舘圭之(とだて・よしゆき)弁護士(第二東京弁護士会)に聞いた。


■映画・書籍化などをきっかけに認知

――ブラック企業が社会的な問題になっています。

ブラック企業はもともと、インターネット上での(俗語や隠語を意味する)スラングだったようです。それが、映画や書籍の題材となったことなどをきっかけに、社会的に認知されるようになった。最近では、若者の労働問題に取り組んでいるNPO法人POSSE代表の今野晴貴さんが書かれた新書「ブラック企業 日本を食いつぶす妖怪」 (文春新書)が話題になっています。

長時間労働をはじめとして、労働法に違反するような働かせ方をさせる劣悪な労働環境は昔からあり、そういった労働問題に私たち弁護士もかかわってきましたが、最近は少し毛色が違ってきているように思います。

――どう違ってきているのでしょうか。

成長大企業の中でも若い人たちを大量に採用し、労働基準法に違反するような過重労働によって、使い潰すような会社が出てきているのです。場合によっては過労死したり、うつ病になったりするような長時間労働や過重なノルマを、低賃金で強いて、入社まもない若者が次々と辞めていく。結果として、残った人たちだけで何とかする、というビジネスモデルになっている。過労死を生み出す原因の1つにブラック企業がある。

(弁護士として各社の)経営の詳しい中身まで言及するのは難しい面がありますが、低価格な商品やサービスを提供している企業ほど、ブラック企業と見られがちな傾向がある。人件費などの厳しい制約がある中で、どこかで帳尻を合わせなければならないからです。だから、若い人を無理に働かせる。

■「ブラック企業は労働問題」と認識できていない

――そうした情勢を受けて、全国から約50人の若手弁護士が集まり、ブラック企業被害対策弁護団が立ち上がったワケですね。

弁護士の労働相談窓口としては、日本労働弁護団という組織があります。私も所属していますし、電話をはじめとして、多数の労働相談が寄せられています。ただし、若い人たちの間には、自身に起きていることが労働法違反に該当したり、弁護士に相談するような労働問題であったりするという認識ができていないケースがあります。

たとえば新卒で入社したばかりの若者だと、どれだけひどい働かせ方をさせられても、長時間働くのも、ノルマをこなせないのも、その結果、上司から強い叱責を受けても、すべて「自分の能力不足」「自分のせい」だとみずからを責めてしまうようなケースがある。若い人の労働環境が厳しい中、せっかく入社した会社を辞めてもほかに行くところがなく、会社に楯突いてどうなるのかというような思いもあるかもしれません。

そういう人たちに、ブラック企業があるということを知らしめ、「自分たちの働いている会社はブラック企業なんじゃないか」と認識してもらう、気付いてもらう1つのきっかけになれば、というのがブラック企業被害対策弁護団を立ち上げた狙いです。ブラック企業に該当するようなことがあれば、相談してもらって、場合によっては労働条件を変えるために、会社との団体交渉ができる労働組合との橋渡しをしたり、裁判を起こしたりします。

――「ブラック企業被害対策」を目的とした弁護団を立ち上げた意義はどこにあるのですか。

弁護士として労働事件に取り組むという意味では通常の弁護士業務の一貫ですし、他の労働事件を扱う弁護士の団体(たとえば日本労働弁護団など)の取り組みと、変わらないといえば変わりません。しかし、「ブラック企業被害対策」というネーミングで定義づけした意味は大きいと思います。たとえば、パワーハラスメントを意味する「パワハラ」という概念も、少し前までは言葉すらありませんでしたが、企業内におけるひどいいじめというのは、昔から存在していました。ネーミングによる効用は大きいと思っています。

ブラック企業被害対策弁護団は、代表を務める佐々木亮弁護士や私のように30代前後の若手弁護士が中心になっています。われわれと同世代の人たちは、昔のように正社員で入社して定年まで安心して勤め上げられなくなっている一方で非正規雇用やブラック企業に就職せざるを得なくなっている。同年代として共感する部分は多く、だからこそ自分自身もブラック企業の問題を放っておけない。

■残業代の不払いを不当に“正当化”する

――ブラック企業の常套手段とは?

まずは、長時間労働の強制です。そのうえ正当な残業代を支払わない。たとえば、サービス業の場合は経験の浅い若者を店長に昇格させ、労働基準法上は残業代を支払わなくてもいい「管理監督者」と位置付けて残業代を払わないようにします。ただし、「名ばかり店長」「名ばかり管理職」という問題で語られるように、彼らは実は管理監督者ではなく、実際には残業代を払わなければならない。

若い人たちからすれば、全国や広域に展開している有名なチェーンの企業で店長になれるとカッコいいし、やりがいもある。自分の自信になります。ブラック企業はそこを利用します。店舗の総人件費は決まっている。そこでノルマを達成するために、アルバイトを雇うよりも店長がみずから働けばコストは抑えられる。際限なく働くようなこともある。

私が裁判を担当した事件では、3日間ほぼ寝ないで連続勤務を強いられた24時間営業の小売りチェーンの若い店長さんのケースがあります(SHOP99事件)。彼にとっては20代で初めて正社員になれた仕事で、半年そこそこの研修でいきなり店長を任された。初めは頑張ろうとやる気に燃えていても、やっぱり体が動かなくなり、うつ病になって休職に追い込まれました。裁判には勝利しましたが、企業側に反省の色は見られません。

最近は残業代を抑えるため、残業代は「固定残業代」として基本給に固定で含まれているということで労働契約を結ぶような企業もあります。それも労働契約を結ぶ前には明示しないのです。これは残業代の不払いを正当化しているように見えますが、原則として法的には認められません。裁判で争う例も増えてきています。

――ひどいパワハラも、ブラック企業の典型例と聞きます。

過重なノルマを課して、達成できなければ強い叱責によって精神的に追い詰めるケースがあります。上司からの叱責は時と場合によって、暴力になることもある。暴力は犯罪行為ですが、職場という密室の中で起きやすい現象でもあります。セクハラも同様です。立場が非対等な中で起きて、泣き寝入りする人が多い。到底こなせないような仕事を課されると、それが長時間労働やサービス残業につながっていくこともある。


ひどいのは、そんな職場環境に耐えられずに退職を願い出た労働者に対し、「今、辞めることで会社に損害を与えるので、高額な損害賠償を請求するぞ」と脅して辞めさせないケースです。辞めたくても辞められない。まれに会社が本気で辞める従業員を訴えることもあります。

最近の事例としては、卒業前の学生が職場体験がてら働くインターンで、ひどい目に遭った若者もいます。

■学生アルバイトよりも安く“こき使う”

――どんな事例でしょうか。

その本人が翌年4月から採用されるということで、内定をもらった東京都内の某コンサルティング会社で問題は起こりました。正式採用の前に「インターンで来い」「日給も払う」と言われて行ったら、日給を払わずに雑用や掃除などを押し付けたそうです。そのうえ、社会経験のなさをとがめ、何かあるたびに上司から叱責され、あざができるような暴力も受けたと。どうにもならないので、辞めたいと申し出たら、授業料を請求されたり、作業中に壁を傷つけたことを理由に損害賠償で訴えると脅されたり、といった目に遭ったそうです。

そのコンサル会社は、彼以外にも内定を出した学生にインターンを受けさせ、何人もやめさせているようです。企業側からしてみると、教育を受けさせるという名目で、学生のアルバイトよりも人手を安く雇える。足元を見ているワケで、非常に卑劣な行為です。

■昔ながらのブラック企業の問題が大手でも

――たとえば誰彼かまわず職場や自宅に電話をかけてきて、高額な商品を売り付けようとしたり、街中を歩いていて「名刺を交換してください」と呼びかけ、名刺を交換するとそれをきっかけに強引なセールスをしてきたり、といったようなことがありますが、ああいう会社こそブラック企業では?

そういう会社は、昔からブラック企業なんだと思います。ところが、今の問題は大手でも法律に違反するような行為に及んでいるところがあることです。若い経営者が立ち上げたベンチャー企業もそういうケースがあります。労務管理がむちゃくちゃで、下手をすると給料を払わないケースすらある。

――労働者が企業に立ち向かう手段の1つとしては、労働者が団結することで使用者(会社)側に対抗する労働組合がありますが、いわゆるブラック企業に労働組合はあるのでしょうか。

たいてい労働組合はありません。実はそれが問題の本質でもある。職場に労働組合が根付いていて、使用者(会社)側に言うべきことをキチンと言っていけば、企業はブラック化しないはずです。本来、労働者の権利は労働組合を通じた労働者たちの取り組みによって勝ち取られるべきものです。

会社に労働組合がなくても、最近は、一人でも入れる労働組合(ユニオン)が各地に広まっており、ブラック企業相手に団体交渉を通じて権利を実現している動きもあります。労働組合の活動は憲法、労働組合法によって守られていますので、これを活用しない手はありません。ブラック企業被害対策弁護団としても、労働組合の取り組みを積極的に応援していきたいと考えています。

(撮影:今井 康一)


 

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コメント
 
01. 2013年8月15日 11:56:21 : SdxOCGIYd6
社長さんの側に弁護士や税理士などが顧問契約しているので会社有利の抜け穴探しや体外的な法理論で使われる。

本来特に弁護士さんなどは労働組合と顧問契約を結んでいてもいいであろう。単体での組合ならば費用が大変かもしれないが、たとえばユニオンなだ上部組織の県単位で顧問契約を結んでその地域の紛争防止や社長さんがた経営者あての組合支援をしたほうがバランスがとれる。

社長経営者も労働法は無知な人が多いし、組合のほうも無知な人ばかりというのが実態である。学校で本来労働法は勉強を教えておくべきだろう。しかし学校には法知識をもつ教師などがいないのだ。


02. 2013年8月15日 17:38:48 : F1od2Vfq42

 学校で労基法など教えないのは自民党(資本代表)の方針です。

 労働者が賢くなると資本側が困るからです。

 


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