http://www.asyura2.com/13/hasan81/msg/731.html
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http://bylines.news.yahoo.co.jp/kandatoshiaki/20130813-00027243/
2013年8月13日 18時29分 神田 敏晶 | ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント
2013/08/09 財務省は、国債と借入金、政府短期証券を合計した「国の借金」残高が1008兆6281億円になったと発表した。1億2735万人を元に単純計算すると国民1人当たり792万円の借金を背負っていることになる。
借金の内訳は普通国債が3月末に比べ11兆3470億円増の716兆3542億円、一時的な資金調達で発行する政府短期証券が同8兆1007億円増の123兆3683億円、借入金は54兆8071億円。
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/130810/mca1308100601000-n1.htm
■国債とは何なのか?
ボクは、いつも、この「国の借金」と「国民1人当たり」の発表を聞くと違和感を感じざるをえない。
まず、国債の正しい理解が必要だ。
【1】政府は、国債(国家が発行する公債)を発行し、国債(利息つきで)を銀行等に売り、資金を調達する。
【2】銀行はその国債を日本銀行に売り(日銀による買いオペ)、日本銀行は「印刷した日本銀行券」という資金を銀行に調達する(通貨量が増加)。
【3】銀行等はその資金を使って、広く融資に回すというのが基本的な国債の流れ。
【4】政府は資金(現金)を手にし、銀行も資金(現金)を手にし、日本銀行は国債(紙きれ)と日本銀行券(紙きれ)を交換する。
なので、この流れでいうと「国の借金」は完全に間違いであり、「政府の借金」とすべきだろう。
さらに、それを国民の人口1億2735万人で割り、一人当たり792万円という家計簿的な発想はどう考えてもおかしい!この数字のマジックは、なんだか、国民が悪いような気さえしてくる。
国民には国債を発行するチカラもなく、ましてや国債で資金を調達することもできず、その資金の使い道さえも決めることしかできないのに。もちろん、1人当たり792万円も借金があるんだから消費税しかたないなぁ…という発想にも置き換えられえてしまう。
■1議員あたり1兆3969億円の借金
であれば、政府の借金は、わかりやすく政府の代表として、舵取りをしている人たち、例えば国会議員の責任にしてしまうのはどうだろうか?
衆議院は480人(小選挙区300人・比例代表180人)
参議院は242人(選挙区146人・比例代表96人) 合計722人
722人で割ると…。
1議員あたり1兆3969億円となる。
こうなると、選挙で、さらに慎重に選びたくなる(笑)。
国民の負担は一気にラクになった。
また、借金というならば、貸した側には、資産が同額残っていなければならない。
日本の場合、公共投資の成果など、それらが国内に残っているので、国内に借金同等の1,008兆円分もの資産を生んでいると考えるべきだろう。
その大半が、公共建造物や国家システムの道路など、営業利益を一銭も産まないようなもの。
それらを作った費用を「借金」といってしまっては、語弊がある。
「債権」もしくは、「国家システムへの投資」と考えてみたらどうだろう。
本来は、徴税した税金の中でやりくりすべきものが、国債を発行し続け、さらにそこから利息も払い続けなければならなくしたのは誰の責任なのだろうか?
これらを素通りして、国民一人当たりの借金、792万円と言い切ってしまうのはあまりにも乱暴すぎる。
なぜならば、国民が個人で道路を作ったり、警察署や消防署を作ったりする人はいないからだ。
国債の債権額の増加と共に、国家の資産も同時に増えているのと、国債と交換にお札をじゃんじゃん刷っていても、インフレターゲットは2%目標であることだ。
■日本に残るお金は借金1008兆円以上!
また、国債の返済に使える用途の資金ではないけれど…日本にはお金がしっかりあるじゃん!
政府の資産は647兆円ある。
http://www.mof.go.jp/faq/seimu/03.htm
外貨準備高は、123兆円ある。1兆2387億1300万ドル
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGC05002_V00C13A7EB2000/
日本の海外純資産 296兆3200億円
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/130528/fnc13052810090003-n1.htm
対外資産残高:661兆9,020億円
http://www.mof.go.jp/international_policy/reference/iip/2012_g.htm
日本が保有する株式や資産担保証券、米国債など米証券の総額は1兆8400億ドル(約184兆円)
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MIY85F6KLVS701.html
これだけあれば、デフォルト危機の声は海外からはでてこないだろう(笑)
■いっそ、国民一人当たり792万円還元しよう!
むしろ、国家インフラとしての資産を増やす公共投資で雇用や景気を引き上げる方策を思いっきり、転換してみて、大胆に、本当に国民ひとりあたり792万円の債権を国が買取るとしたらどうだろう?
極論なのは承知の上だ。あくまでも仮説だ。
これだけまとまると、大胆な行動を取る人が増えるだろう。
マンションの頭金に使えるだろうし、結婚して子どもが作れる人もいるだろう。クルマを買う人も増える。株式投資にも流れるだろう。会社を作って起業する人もいるだろう。海外旅行も増える。景気は確実に変わる。問題はインフレだろう。
同じ国内に投資するならば、資金がワンウェイの公共投資ばかりではなく、個人投資を行い、そこからの直接消費による景気発展の方が近道ではないだろうか?それくらいの大胆な大きな意味での公共投資がないと末端にまで、公平に投資は行き渡らない。
消費税が上がる、国民の借金は増える…という暗い話ばかりでなく、明るいお金の話題がなくて景気向上は、ありえないと思う。経済理論としてではなく、景気の「気運」があがるようなストーリーが必要だ。
神田 敏晶
ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント
神戸市生まれ。ワインの企画・調査・販売などのマーケティング業を経て、コンピュータ雑誌の編集とDTP普及に携わる。1995年よりビデオストリーミングによる個人放送局「KandaNewsNetwork」を運営開始。早稲田大学大学院、関西大学総合情報学部で非常勤講師を兼任後、ソーシャルメディア全般の事業計画立案、コンサルティング、教育、講演、執筆、政治、ライブストリーム、活動などをおこなう。
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