http://www.asyura2.com/13/hasan81/msg/687.html
Tweet |
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MR5S406KLVRR01.html
2013/08/09 10:19 JST
8月9日(ブルームバーグ):「日本化」ほど、エコノミストや政策当局者を震え上がらせる言葉はあまりない。慢性的低成長とデフレ、不良債権という悪夢を恐れるあまり、バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長やドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁はじめ世界中の中銀総裁が、それぞれの失われた数十年を回避しようと市場にマネーをあふれさせている。
世界が恐れるこの病気の専門家たちが中国に目を向け始めているという事実を、同国は心配すべきだろう。1992年に日本の没落を予見した著書を出したブライアン・リーディング氏は最近、ロンバード・ストリート・リサーチ社の同僚、ダイアナ・チョイレバ氏と共同で「China’sChance to Avoid Japan’s Mistakes(中国が日本の過ちを回避するチャンス)」という40ページのリポートを執筆した。
JPモルガン・チェースも投資家の質問を受けて中国と日本の類似性について分析した。同行エコノミストのグレース・エン氏(香港在勤)によれば、現在の中国と1980年代の日本には、多様な債務が国内総生産(GDP)の2倍近くに膨らんだという共通点がある。
中国が日本化するリスクがどの程度高いかと言えば、実のところ非常に高いと言わざるを得ない。習近平国家主席と李克強首相の大胆で創造的な行動だけがこれを防ぎ得る。3月に始まった10年間という2人の任期は中国の運命を分ける10年と言えるだろう。
中国の債務残高
JPモルガンの計算では、中国の債務残高の対国内総生産(GDP)比率は2012年に187%と、2000年の105%から上昇した。これに対し日本の同比率は1990年に176%と、80年の127%から上昇。日本の債務は膨張し続け14年にはGDPの250%に近づく勢いだ。
日本と同様に高齢化が進む中国は、日本のような債務急増を乗り切ることはできないかもしれない。だからこそ、中国は今手綱を引き締める必要がある。高齢化が始まる前に豊かになった日本は準備する時間があったので、社会不安に陥ることなく20年間の低迷に耐えられた。とはいえ、日本は過剰投資と輸出、過剰債務に基づく経済モデルを迅速に改めることをせず、経常黒字と財政赤字、資産バブルに頼り続けた。
「中国はこれまでのところ、日本と同じ道を歩んでいる」とリーディング、チョイレバ両氏は指摘する。両氏は「しかし中国経済はまだ過剰債務を抱えてはいない。従って、方向を変えれば日本と同じ過ちを回避する時間がまだある」としながらも、あと20年バブルを膨らませている暇があるわけではないと警告した。
心配なことに、中国 政府がまだ十分時間があると考えている節がある。余剰生産設備を減らす、政府の借り入れを監査する、8%未満の成長率を容認するというそれぞれの約束に対して、過度の成長減速を容認しないということを付記している。
問題は政治
エマージング・アルファ・アドバイザーズのディレクター、マーシャル・メイズ氏のように長く日本を見てきた人々には、このような矛盾した発言が不気味なほど耳慣れたものに聞こえる。
問題の所在は経済というよりも政治だ。中国の地方の指導者たちは国中で、自分の街を世界地図に載せ、共産党内での自身の地位を高めようと競い合っている。このために高層ビルや国際空港、高速道路、5つ星ホテル、大学や文化センター、プラダやエルメスが出店するショッピングモールを建てようとし、そのために新たな借り入れを増やしている。
インフラ投資は地方と中央政府の両方で、既得権者の利益を膨らませる。債務の時限爆弾を取り除く方法はあるが、習主席と李首相は日本の歩んだ道を避けようとするなら、相当な勇気をもって取り組む必要があるだろう。両リーダーにそうした勇気があるのかどうかはまだ分からない。(ウィリアム・ペセック)
(ペセック氏はブルームバーグ・ビューのコラムニストです。コラムの内容は同氏自身の見解です)
原文:China’s Worst Nightmare Is Maybe Turning Japanese: WilliamPesek(抜粋)
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。