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2013/8/9 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
政治は歴史を変えられない
輸出産業の業績が急回復しているらしい。
代表格がトヨタで、今年4―6月期の税引き前利益は前年同期から7割以上も増えた。通期の利益見通しも、前期よりも4割以上多い2兆300億円と、従来予想に比べ1400億円の上方修正である。ほかの6社もそろって営業増益を記録。業界は好決算ラッシュに沸いているようだ。
それでも、かつてのように社員の給料がドカンと増えることはないだろう。自動車各社は国内生産をどんどん減らしている。今年の上半期は、ホンダの40・3%減を筆頭に、ほとんどがマイナス。国内生産を増やしたのは富士重工だけだ。
一方で、海外生産された乗用車は800万台を超え、過去最高を記録している。生産は海外にシフトし、そこで稼いだカネを日本に還流させ、利益を増やしている格好だ。海外での儲けが横這いでも、国内に持ち帰ったときに円安で利益が膨らむという為替環境も大きく寄与している。
これは自動車に特有の現象ではない。ほかの輸出メーカーも似たり寄ったりだ。国内の社員が国内で上げる利益は増えていない。むしろ減っているだろう。だから、給料が右肩上がりになることもないし、雇用の増大も見込めない。せいぜい、ボーナスがチョボチョボと上がって終わりである。
6月の失業率を見ても、3・9%と4%を割り込んだのは喜ばしいが、中身を見るとガッカリだ。非正規の社員が前月から19万人も増えた。1月に比べると77万人の増加である。安定した暮らしを確保できた人たちが増えているというような状況ではない。
日本企業は、グローバル化という世界史的な流れに猛烈な勢いで取り組んできた。その結果、会社が儲かっても社員への還元は少なくなり、正社員の数を増やすこともできなくなっている。ただ、時の勢いを止めるのは不可能だ。安倍首相は「日本を取り戻す」と言うが、歴史をねじ曲げようとすれば、自らが推し進めているTPPとの整合性が取れなくなる。ムリに引き留めようとして法人税を引き下げれば、さらなる消費税増税によって国民負担が増えることにもなりかねない。
どうも安倍首相は歴史を変えたがる傾向が強いようだが、まずは歴史を受け入れることだ。その上で、雇用や雇用者賃金の問題にどう対応すべきか考えるべきである。かつてのように、日本だけが高度成長を遂げる、という姿は100%不可能。取り戻すことよりも、未来をどうするかを示してもらいたい。
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