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2013年08月09日
日銀の総裁が政府の政策決定に嘴を挟んだ。正直、異例な出来事だと思うが、言わんとしている趣旨はよく判る。黒田にしてみれば、俺は浜田や高橋(洋)のような短絡的リフレ派ではない、と言いたいのだろう。黒田はたしかに「デフレからの脱却、2%のインフレ」は約束したが、景気が良くなり企業や国民が潤うとは約束していない(笑)。国民生活が豊かになる等とは言っていない。それを約束したのは安倍晋三だ!
ダイアモンドのネット投票では、今後景気が上向き、給料が上がると予想した日本人は0%と云う結果に表れている。1割くらいは馬鹿がいるかと思ったが、全員否定的な結果を見ると、全員が、グローバル経済のシステム上のからくりと、潜在成長力の不在を認識しているようだ。なんとも心強い話である。アベノミクスが幻想だと知りながらも、自民党を支持している選挙結果を観察すると、マスメディアの論調とは異なり、自民党支持イコールアベノミクス支持ではないようだ。
逆に言うなら、他の政党はアベノミクスと云う幻想すら提示できない脳なし政党だった、と見る事も可能だ。奈落に落ちるのは判っているし、覚悟も出来ている。しかし、民主党のような素人政治家に政権を任せていたら、死期が早まると判断したのかもしれない。どれ程国民にとって悪辣が政治をされても、他の野党よりも延命措置には、自民党の方が長けていると云う高度な判断があったのかもしれない。そうか、国民は国家の死期を引き延ばす為に投票行動を起こしたのかもしれない(笑)。ところで、棄権した国民の選択は本当はどうだったのだろう?
どうにでもしてくれ、もう考えること自体疲れた、そんな感じなのか。それとも、小沢の言うように「受け皿さえあれば」と云う次元の問題なのか、そこのところは、判断が非常に難しい。いずれにせよ、輸出企業の一時の追い風が吹いたとしても、EU・中国・BRICs等々の経済も鈍化しているのだから、そうそう輸出が伸びる道理もない。その上、アメリカが金融緩和の縮小に舵を切ったら、目も当てられない事態に遭遇するに違いない。日本人が、そこまで腹を括っているとは思えないが、給料が上がるに違いない、と思っている人々が少ないことは、或る意味で光明である。物価が上がり、負担が増え、物価が上がっても国家延命のためなら、臥薪嘗胆頑張ります、と云うのだから見上げた国民である。これぞ、美しい国民だ。ゆえに美しい国家とはならない点にも留意しておこう(笑)。
≪日銀総裁「消費増税でも成長」 先送り、緩和効果そぐ 首相、秋に最終判断
日銀の黒田東彦総裁は8日、金融政策決定会合後の記者会見で、消費税率を来春に引き上げても「成長が続く」と強調した。政府の財政規律が緩めば「金融緩和の効果に悪影響がある」とも指摘。政府内でくすぶる来春の消費税率上げの先延ばし論をけん制した。安倍晋三首相は同日、増税が景気に及ぼす影響を慎重に検証 するよう関係閣僚に指示。10月上旬までに増税を最終判断する見通しだ。
消費税率は昨年8月に成立した社会保障・税一体改革関連法に基づき、2014年4月に8%、15年10月に10%へ引き上げられる予定。ただ政府内では増税が景気を腰折れさせる懸念があるとして、先送りや増税ペースの見直しなどの議論が浮上している。
黒田総裁は記者会見で、予定通りに来春から2段階で増税しても、14年度、15年度ともに1%台の実質経済成長率を保てるとの見方を披露。 「脱デフレと消費増税は両立する」と語った。
日銀は14年度の実質成長率が1.3%、15年度が1.5%とみる。消費税率上げ直前には住宅や大型の耐久消費財の駆け込み需要が生じやすく、14年度はその反動が出る。それでも日銀が0.5%程度とみる潜在成長率を上回る成長を維持し、デフレ脱却へ前進を続けるとの見立てだ。
一方、日本経済研究センターが8日まとめた民間エコノミスト約40人の予測平均では、14年度の実質成長率は0.56%まで落ち込む見込み。民間予測に比べ、日銀は消費税率上げが景気に及ぼす押し下げ圧力は小さいとみている格好だ。
黒田総裁は日銀が「2年で2%」の物価上昇率目標の達成に向けて進める巨額の長期国債の買い入れは「政府の財政再建と関連している」とも指摘した。
消費税率上げを巡る論議が混迷するなどして、「財政規律の緩みや財政ファイナンス(穴埋め)などが懸念されると、長期金利にはね返り、せっかくの金融緩和の効果が減殺される」との懸念を表明。政府が予定通りに消費税率を上げることへの期待をにじませた。
安倍首相は8日朝、閣議後の閣僚懇談会で、甘利明経済財政・再生相らに「消費税率の引き上げについて、この道筋が確かなものかきっちりと判断する必要がある」と指示。「デフレ脱却は安倍政権の最重要課題だ」として、増税が脱デフレを阻む恐れがないか慎重な検証を求めた。
首相指示を受け、政府は経済財政諮問会議のもとで数回、有識者から意見を聞く「今後の経済財政動向についての集中点検会合」を開く。ヒアリングを通じ、予定通り税率を上げた場合や、増税の時期・幅を見直した場合に、どんな影響が出るかを分析する。
首相は閣僚懇で、消費税率上げを判断する時期について、「あらゆる知見を吸収したうえで、この秋にはデフレ脱却、経済成長と財政再建の両方の観点から内閣の責任において私が最終判断したい」と強調した。≫(日経新聞)
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