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http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20130807-00000500-biz_fsi-nb
SankeiBiz 2013/8/7 06:00
主要メディアが銀行の経営危機を真剣に伝え始めるなど韓国経済が悲鳴を上げている。こうした中、朴槿恵(パク・クネ)大統領の肝煎りで5年ぶりに復活した経済の司令塔ポスト「経済副首相」兼企画財政相に抜擢(ばってき)されながら、効果的な経済浮揚策を打ち出せない玄●錫(ヒョン・オソク)氏が厳しい批判にさらされている。玄氏はことあるごとに安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」を激しく批判してきた人物。韓国の経済難は国内の構造的な問題に起因するが特効薬はない。政権への経済運営への批判が強まれば、それはそのまま「反日」に絡めて日本経済への攻撃に向かうことは確実だ。
7月以降、韓国メディアや経済有識者の間で、銀行の危機が相次いで取り沙汰されている。韓国紙中央日報は、韓国シティ金融ホールディングス会長の話を引用し、「韓国経済はかつて一度も体験したことがない危機的状況だ」と警告を発した。
実際、銀行の経営危機を示す証拠も相次ぐ。中央日報(7月25日付)によると、韓国の銀行の最終利益は2012年に8兆7000億ウォン(約7700億円)と前年比約30%減となったが、13年第1四半期は前年同期の半分に激減。最終利益は2年連続で急落傾向だという。韓国の財閥系経済シンクタンクの代表は「このままなら銀行のいくつかが突然死してもおかしくない」と本音を漏らす。
危機は銀行だけではない。あらゆる指標が“悪化”を示す。たとえば税収だ。今年5月に約82兆1300億ウォンだったが、これは前年同月比9兆ウォン減だ。法人税は約24兆2800億ウォンで約5兆ウォン減少した。各国の格付け機関や投資筋も韓国の経済成長率予測を一斉に下方修正。ムーディーズは3.0%から2.5%へ、BNPパリバ銀行も2.7%から2.1%に引き下げた。ただ経済の死活を握る銀行の経営改革をはじめ経済再生に必須の強力な政治的リーダーシップは今のところ空転している。
こうした中、今年2月に発足した朴槿恵政権は具体的で有力な対策を「一つも打ち出していない」との批判が与党やメディア、経済界から出始めている。ターゲットは玄氏に集中している。批判は総じて「期待外れだった」というものだが実際には朴大統領が提唱した「創造経済」という構想を忠実に実現しようとするあまり手足を縛られているという現実がある。
「創造経済」とはなにか−。実は当の韓国でもよく分かっていないようだ。朴大統領は構想実現のための部署として未来創造科学省を新設したが、6月に韓国国会立法調査処が示した報告書では、その問題点を「さまざまな部署から多様な室や局がそのまま移されただけ」と指摘。「効率的な組織体系を整えられていない」と批判した。要は人材を寄せ集めただけで、何をするための組織なのか不明なのだ。
外交と安全保障に自信をもっていた朴大統領は、経済については経済副首相と未来創造科学省、さらに大統領府の未来戦略首席秘書官の“経済ライン”に丸投げした感が否めない。朴大統領は戦略通り訪米、訪中で「史上最大の歓待」(韓国メディア)を受け、ワシントンと北京から歴史問題で日本を痛烈に批判。韓国内はこれを「日本に対してぶれない姿勢」として好感し、政権は支持率を伸ばしている。
しかし、朴大統領は新たな省庁を創設し経済副首相まで復活させておきながら経済の苦境については沈黙している。メディア、経済界、与党などから批判の集中砲火を浴びる玄氏に対して朴大統領は7月末の閣議で「4カ月にも満たない時間だが熱心に仕事をしてきた」と慰労。「経済司令塔の役割を一層、熱心に行うよう望む」と激励した。
だが日本の外交筋は「今の韓国経済は玄氏が一人で担うには悪すぎるし、その権限は各省庁や財閥の既得権益の壁を壊すほど無限ではない」と指摘する。玄氏が繰り返し、世界の経済外交の舞台で日本のアベノミクス批判を展開していることから「今後さらに、日本批判を強めることは間違いない。日韓経済は韓国側の経済反日攻勢で、その距離はますます遠くなるだろう」と悲観的に見通した。(ソウル 加藤達也) ●=日へんに午
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