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◆円滑法終了ダメージが表面化
7月以降、倒産が急増している。
「ここまで耐え忍んできましたが、もう限界です。取引銀行から融資見直しを宣告されてしまった……」(自動車部品の零細メーカー)
中小・零細企業の資金繰りを支えてきた金融円滑化法が、今年3月末に終了した。
その影響で4月以降に倒産激増が予想されたが、意外なことに、倒産は増加するどころか、減少に転じた。6月(897件)まで8カ月連続で、前年同月を下回っていた。
ところが、7月に状況は一変した。
「年初来最悪レベルの倒産件数になる恐れがあります。7月は集計中ですが、軽く1000件を超えてくるでしょう」(東京商工リサーチ情報本部長の友田信男氏)
倒産が少なかったのには理由がある。参院選が終わるまで“封印”されてきたのだ。
「選挙前に倒産ラッシュが起きては大変です。だから、安倍政権は金融機関に対し、円滑化法が終わっても、即座に融資見直しを行わないよう指導してきたのです。
銀行は金融庁に睨まれてはたまりませんから、言う通りにしてきた。でも参院選が終わり、指導も終わった。これが倒産急増の背景です」(金融関係者)
先延ばしされてきた円滑化法倒産が、ついに表面化してきたのだ。
「金融機関の取引姿勢が厳しくなれば、事業再生の見込みのない中小企業は、廃業、M&A、倒産に追い込まれるでしょう。倒産件数の減少傾向も、秋口以降に潮目が変わる可能性があります」(友田信男氏)
円滑化法を利用した中小企業は約30万社。そのうち約2割が金利の返済すらままならず、経営が切迫している。ざっと6万社だ。8月、9月、10月……と中小の経営破綻は止まらなくなり、悪夢の倒産ラッシュが起きかねない。
安倍首相は、秋の臨時国会を「成長戦略実行国会」にすると大見えを切っているが、喜ぶのは株高で儲けた外資系ファンドと大企業だけ。それより、参院選のために“生殺し”にされた中小企業を救済する政策を早期に打ち出すのが筋だ。
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