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http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20130803/ecn1308031532000-n1.htm
2013.08.03
イオンは8月下旬、ダイエーを子会社化する。両社の合計売上高は6兆円を超え、ライバルのセブン&アイ・ホールディングスを約1兆円上回る巨大流通グループが誕生する。郊外型店を中心に発展してきたイオンは、ダイエーを傘下に収めることで手薄だった都市部の営業基盤を強化できる。だが、かつては「業界の盟主」とあがめられたダイエー社員たちは、イオンの戦略を唯々諾々と受け入れるのだろうか…。
■ダイエーのプライド
ダイエーの“落日”は甚だしい。
バブル崩壊後、オーバーストア(店舗過剰)や多角化の失敗で経営が悪化。平成16年に産業再生機構の支援で倒産を免れ、丸紅やイオンの支援を受けた。
しかし、業績不振に歯止めがかからず、25年2月期は5期連続の赤字を余儀なくされた。長引く経営不振で、優秀な人材の流出がおこったことも、再建の足かせとなった。
今後、経営のかじ取りはイオンへと委ねられる。しかし、あるイオン幹部は「かつて業界の盟主として君臨したダイエーの社員はプライドが高く、すぐに、『イオン流』に順応した傘下のマイカル社員とは随分違う。だからなかなか立て直せない」と手厳しい。
振り返れば昭和30年代、「価格破壊」で流通革命を起こした中内功率いるダイエーは、瞬く間に規模で百貨店を上回り、「小売業の盟主」に駆け上がった。
当時、ダイエーは人口30万以上の都市に続々進出し、イオンの前身であるジャスコはダイエーとの安売り競争に敗れ、都市部の一部店舗を閉鎖せざるを得なかった。
イオンの創業者、岡田卓也氏は「タヌキやキツネの出る場所に出店せよ」と号令し、人口3万〜5万人の小都市に狙いを絞ったのだ。
こうした“過去の栄光”があるため、ダイエー社員には、「イオンに負けたことを認めたくないというプライドがある」(関係者)とみられる。
その一方、イオンの社員たちも「勝ち組」という意識が強すぎて、ダイエー社員の反感を買っている側面があるようだ。
■郊外のイオン、都市部のダイエー
イオンの現在のダイエーへの出資比率は約20%。8月21日まで、ダイエーへのTOB(株式公開買い付け)を実施中で、ダイエー筆頭株主で約29%を出資する丸紅は約24%分を応募する予定だ。ただ、取得価格は1株270円と市場価格(7月24日終値359円)を下回るため、過半数の株式を取得できない可能性もあるが、イオンは取締役の過半数をダイエーに派遣済みのため連結子会社になる。
もともと、イオンは郊外に総合スーパー(GMS)や大型ショッピングセンター(SC)を出店し業績を伸ばしてきた。だが、人口の都市回帰が進んだことから、現在の中期経営計画(平成23〜25年)の柱の一つとして「大都市シフト」を掲げた。
すでに、生鮮食品を販売する小型店舗「まいばすけっと」を首都圏で展開。今年1月には、首都圏を中心に小型スーパーを手がける英テスコの日本法人、4月にはJ.フロントリテイリング傘下の食品スーパー、ピーコックストアを次々と買収した。
最後の総仕上げとして、目を付けたのがダイエーの子会社化だった。ダイエーは関東や関西の都市部に店舗を集中させており、その販売網が魅力となった。
■第1弾はPB統一
子会社にした段階で、イオンの6000品目にも及ぶ自社のプライベートブランド(PB=自主企画)「トップバリュ」のダイエー店舗での販売を拡大する。
大手メーカーのナショナルブランド(NB)より10〜30%安いのが特徴で、来年4月の消費増税をにらんで品ぞろえを強化。25年度のPB売上高を前年度比40%増の約1兆円に引き上げる計画だ。
イオンは19年にダイエーの2位株主となって以降、ダイエー店舗でトップバリュ商品を販売しているが、ダイエーは独自のPB「おいしくたべたい!」を展開。このため、ダイエー店舗に並ぶトップバリュ商品は、焼酎やランドセルなど競合しない商品に限られていた。
イオン広報担当者は「1つの会社に2つのPBは考えにくく、今後、一本化することになるだろう」と説明しており、「おいしくたべたい!」の一部はトップバリュに衣替えする案が有力視されている。
また、ダイエー店舗では今後、イオンの自転車専門店「イオンバイク」の出店、電子マネー「WAON」の利用なども進められる方針で、ますます「ダイエーのイオン化」が強化される。
ただ、企業のDNAは、伝票のつけ方や納入業者との付き合い方など細部に宿る。イオン流をダイエーに「移植」するのは結構手間と時間がかかりそうだ。
(織田淳嗣、粂博之)
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