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麻生太郎財務相が消費増税への前のめり発言を繰り返している。副総理でもある麻生財務相は安倍晋三首相の「盟友」でもあるから、その発言は安倍首相の意向に全く反するとは考えにくいと市場関係者はみる。だから、市場では「消費増税はもはや織り込み済み」となって、円と国債が買われ、株価が下がり気味になるのが、最近の姿だ。消費増税不可避モードの円高・株安は明らかに、増税後の日本のマーケットの低迷をまるでジプシー占いの水晶玉のように映し出している。
いったい、財務官僚、それにくみする主流メディアは消費増税で脱デフレに失敗したとき、責任をとる覚悟があるか、どうか。実は、権力者・エリートたちの無責任さこそが、安倍首相の言う「戦後レジーム」の副産物である。政策を間違えても、「無謬」の理屈付けに徹する財務官僚、その理屈付けに手を貸す御用経済学者の数々、御用経済学者の言説を重用し続ける日経新聞など主流派メディア、そして増税デフレを全く意に介さない政治家たち。増税翼賛会グループこそが「戦後レジーム」を形成している。
消費増税翼賛会グループの欺瞞(ぎまん)を象徴するのが、「消費増税は国際公約」という見解である。麻生財務相はモスクワでの20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議後、「消費増税は国際公約に近い」と言い、日経などはさらに増税やむなしの論拠として「国際公約だ」と言い切っている。その実、このG20会議の眼目は「財政健全化より成長を優先」だったのだが、日本だけは増税を優先するという。2011年11月のカンヌでのG20首脳会議の「行動計画」で、日本は野田佳彦前首相がわざわざ増税を盛り込んだ。安倍政権がそれを国際公約として踏襲するとでも、麻生氏は言い張るのだろうか。
金融面での国際協調の内実は国益をかけただまし合いゲームである。米欧が自国の利益を優先する範囲内で合意を図るのに、日本は自国民を犠牲にしてでも増税を公約してしまう。
日本がデフレである限り、日本国民の巨大な余剰資金は国内生産に使われずに、海外に出ていかざるをえず、米国債投資に回る。ウォール街にとってドルに対して価値が上がるデフレ下の円建て金融資産はラスト・リゾート(最後のよりどころ)となる。
消費増税ともなれば、日本の消費者の負担増を担保にする日本国債は高い価値が保証される。これがワシントン主導の国際通貨基金(IMF)が日本の財務官僚と組んで盛んに消費増税を日本に催促してきた背景である。
他方では、「財政再建よりも経済成長を優先すべし」とIMF、G7、G20ともうたっている。くすぶり続ける欧州債務不安に加え、中国のバブル崩壊不安もあり、世界は何よりも成長を渇望する。にもかかわらず、世界最大の債権国、つまり最大の貸し手である日本だけが緊縮財政を優先するというのは、倒錯としか言いようがないではないか。(産経新聞特別記者・田村秀男)
http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20130802/ecn1308020745005-n1.htm
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