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テレビ広告市場の奪取に向けて動き出したフェイスブックとグーグル
http://www.asyura2.com/13/hasan81/msg/479.html
投稿者 金剛夜叉 日時 2013 年 8 月 02 日 07:15:43: 6p4GTwa7i4pjA
 

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/36587

米主要メディアによれば、フェイスブックがこの秋、テレビCM型の動画広告を始める予定という。

●"Facebook Said to Plan to Sell TV-Style Ads for $2.5M Each" bloomberg, Jul 31, 2013

●"Why Advertisers Are Warming to Facebook" The Wall Street Journal, July 26, 2013

上記報道によれば、フェイスブックが計画中のビデオ広告は15秒程度の長さで、ニュース・フィードの途中に挿入される。頻度的には、ニュース・フィード中を流れるステータス・アップデート(友人らによる情報更新)20本に1本の割合でビデオ広告が入る予定という。

テレビCMと似ているが、ターゲティングができる

それが実際、どのような形になるかは現時点で定かではない。従来のテレビCMのように、ユーザーがコンテンツ(ニュース・フィード)を見ている途中で強制的に動画が再生されるとすれば、色々な問題を引き起こすだろう。

たとえば会社のパソコンや、電車の中でスマホからフェイスブックを見ているとき、いきなり動画広告の音声が周囲に鳴り響いたとしたら、ユーザー本人も周囲の人たちも困惑するだろう。

従って、常識的に考えれば、ニュース・フィード中の動画広告はユーザーがクリックしたときだけ再生される形になるはずだ。ただし、そうなると、ユーザーが動画広告を見ないでスルーしてしまう可能性もある。

これに対しフェイスブックでは、ユーザーの性別や年齢など個人情報に基づくターゲティングを行うことによって、それらの動画広告をユーザーがなるべくクリックしてくれるように図ると見られている。要するに、ユーザーが是非とも見たいと思うような動画広告にする、ということだ。

冒頭の報道によれば、企業など広告主は、こうした動画広告を1日単位のタイム・スロットで購入できる。そのレート(広告料金)は、ターゲットとするユーザー層の規模(人数)に応じて、1日当たり100万ドル〜250万ドルの範囲に収まるという。これは明らかに、大企業を相手にした広告ビジネスだ。

いよいよテレビ局と対決するネット企業

フェイスブックが今、動画広告を始めようとする狙いは明白だ。それは巨大なテレビ広告市場を奪取することだ。フェイスブックは先週の決算でモバイル広告の大幅成長を発表し、それまで不振だった株価を急回復させた。これによって今後のインターネット広告市場で、グーグルに十分対抗できる潜在能力を示したと言える。

米国におけるインターネット広告の市場規模は売上ベースで年間362億ドルと、広告市場全体の22%を占める。これに対しテレビ広告の市場規模は年間639億ドル(同38%)に達し、インターネット広告を大きく引き離している。これを見る限り、フェイスブックが今後収入を増やすための最も手っ取り早い手段は、この巨大なテレビ広告市場を侵食することだ。

こうしたフェイスブックの動きは、テレビ局にとって大きな脅威になるだろう。昨今、DVR(デジタル・ビデオ・レコーダ)の普及によって、視聴者によるテレビCMのスキップ(飛ばし、スルー)が常態化する中、フェイスブックが計画中の15秒動画広告は、広告主にとって、むしろ現在のテレビCMより魅力的かもしれない。なぜなら(前述の)個人情報に基づくターゲティング機能によって、ユーザーが動画広告を見てくれる確率が高まるからだ。

グーグルは自前で番組製作者を育成

これと同じようなことは、当然グーグルも考えている。同社は先週、テレビのHDMIポートに差し込む小型スティックを発表した。これを使うと従来のテレビがインターネット端末に早変わりする。ただしスティックの価格は35ドルと少額なので、これをいくら売ったところで大した儲けにはならない。

ここでもフェイスブック同様、グーグルの狙いは明らかである。テレビ視聴者に向けてインターネットの動画コンテンツを大量に流し、これを動画広告と組み合わせることによって、従来のテレビ広告市場をテレビ局から奪うことだ。

この点において、グーグルはフェイスブック以上に用意周到だ。グーグルは以前から、人気のあるユーチューブ・クリエーターを資金的に援助したり、彼らに撮影スタジオを開放するなどして、質の高い動画コンテンツを作ろうとしてきた。これらを今後、ネット経由でテレビに流し、そこに動画広告を載せて、現在のテレビ広告市場を奪取する算段だろう。

ただし課題として残されているのは、インターネット上の動画広告の効果を測定する新たな指標だ。これまでテレビ局と広告主は、いわゆる視聴率に基づいて広告料金の合意を図ってきたが、これに代わるものがネット上の動画広告では開発されていない。

もちろん広告効果を測定する精度の高さでは、双方向的なインターネット広告の方に分があることは最初から明らかだ。が、広告主が今後、従来のテレビCMからネット上の動画広告に移行するためには、古い指標(視聴率)から新しい指標への変換アルゴリズムのようなものが必要とされているようだ。
 

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