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日本経済 長期停滞トンネルに突入 経済指標悪化 株価乱高下 (日刊ゲンダイ) 
http://www.asyura2.com/13/hasan81/msg/460.html
投稿者 赤かぶ 日時 2013 年 8 月 01 日 00:01:01: igsppGRN/E9PQ
 

http://asumaken.blog41.fc2.com/blog-entry-9459.html
2013/7/31 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ


◆失業率の改善もうわべだけ

参院選が終わっても、日本経済に明るい兆しは見えてこない。株価は乱高下し、29日に500円近く下げたかと思ったら、きのう(30日)は200円以上も反発。カジノ相場の再出現だ。

「8月は株価を動かす材料がほとんどありません。しかも為替相場は円高傾向です。海外のヘッジファンドは1どる=95〜96円をターゲットにしているという情報があります。ただでさえ夏枯れの市場に、円高が追い打ちをかける危険性があるのです」(株式評論家の杉村富生氏)

直近で1どる=95円前後をつけたのは6月12〜18日。この時期、株価は低空飛行だった。市場関係者は、「6月13日には一時1万2415円まで下落した。その水準まで下がるリスクがある」という。

そして、こう続けた。

「いまは調整局面だという見方があります。でも本当にそうか。さまざまな経済指標を見ると、日本の景気は長期停滞に突入してしまったのではないかと思えてなりません。30日に発表された6月の完全失業率は前月比で0・2ポイント改善し3・9%でしたが、額面通りには受け取れません」

中身が問題だ。労働力人口(仕事を探している人)が前月比で15万人減った。そのおかげで失業率が回復した可能性は高いのだ。

「女性の失業率は3・9%から3・5%に改善しました。その理由は、非正規雇用の増加です」(第一生命経済研究所エコノミストの星野卓也氏)

非正規は9万人も増えている。何のことはない、輸入インフレで生活を圧迫された主婦たちがパートに出ているのだ。

30日に公表された6月の家計調査が、そのことを裏付ける。消費支出は前月比で2・0%減だった。

「ブレが出やすい統計ですが、今回の調査では理美容用品やたばこを含む諸雑費の実質消費指数(季節調整値)が5%のマイナスでした」(星野卓也氏)

財布のヒモは固くなっている。6月の景気ウオッチャー調査には、こんな悲鳴があった。「仕事量が減少気味。電気やガス、油等の物価上昇分を転嫁できず、売り上げが減少している」(金属製品製造業)、「株のみが独り歩きし実態は決して良くないとの声が多い」(スナック経営)。

アベノミクス相場で大儲けしたのは海外のヘッジファンドだけだ。経済指標をよく分析すれば、日本経済は再び長期停滞の入り口に立っていることが分かるのだ。


 

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コメント
 
01. 2013年8月01日 01:16:01 : niiL5nr8dQ
【第15回】 2013年8月1日 野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]
異次元緩和措置は機能しえない
――銀行貸出や設備投資との関連で考える
 日本銀行が4月に導入した異次元緩和措置は、そもそも機能するものなのだろうか? 以下では、この問題を、銀行貸出や設備投資との関連で考えることとしたい。

銀行貸出が毎年60兆円の数倍増加する必要がある

 金融緩和政策は、つぎのようなルートを経て、設備投資の拡大をもたらすと考えられている。

 マネタリーベースの増大 ⇒ マネーストックの増大 ⇒ マネーに対する需給関係が緩和 ⇒ 実質金利の低下 ⇒ 設備投資の資金コストの低下 ⇒ 設備投資の増加

 日本銀行は、異次元金融緩和において、マネタリーベースを年間60兆円程度増加させるとした。この大部分は日銀当座預金と考えてよい。

 教科書的な説明によれば、マネタリーベースが拡大すると、それに数倍する規模でマネーストックが増大する。マネーストックの大部分は銀行預金である。そして、銀行預金の増加は、銀行貸出の増加によって引き起こされる(信用創造メカニズム)。

 したがって、異次元緩和措置が機能するためには、銀行貸出が、年間60兆円の数倍のオーダーで増加する必要があるわけだ。

 では、どの程度の貸出の伸びがあれば、この目標が達成できるだろうか?

 現在、銀行貸出平均残高は、銀行計で約400兆円である。これが15%増加すれば60兆円の増加となるし、20%増加すれば80兆円の増加となるわけだ。

 貸出の現実の推移は、図表1に示すとおりである。

 総貸出平残(銀行計)の前年比は、2009年頃には4%程度にも達したことがある。最近でも、異次元緩和策導入前に2%近くになっていた。しかし、これでは不十分とされていたわけだから、これを顕著に上回る伸びを実現することが必要だろう。

 なお、総貸出平残の対前年比は、13年4月以降2%を超えている。これは、異次元緩和策のためであるように見える。

 しかし、そうではない。残高はすでに1月頃までにかなり高くなっていたのであり、この影響で4月以降の対前年比が高い値となったのだ。残高は、3月末〜4月末をピークとしてむしろ減少しつつあることに注意が必要だ(図表2参照)。


 図表3に見るように、製造業の金融機関借入金(当期末固定負債)残高は、13年3月期末で47兆1829億円であり、後の図表4に見るように、この数年はほぼ不変だ。仮に顕著に増えるにしても、2年間で5兆円程度が限度だろう。


 非製造業では、13年3月期末で156兆7228億円だ(図表3)。そして、借入残高が増加傾向にあるわけではない。仮に増えても、2年間で10兆円程度が限度だろう。

 製造業と非製造業を合計すれば、2年間で15兆円程度であり、年間で8兆円弱だ。これは、「毎年60兆円の数倍」という目標に遥かに及ばない。

 なお、流動負債も加えると、13年3月期末の残高は、製造業で75.2兆円、非製造業で227兆3640億円だ。

 この範囲で考えても、1年間の増加額は10兆円程度が限度だろう。つまり、マネタリーベースの増加額目標には、遥かに及ばない。

 しかも、過去において借入残高が増えたのは、リーマンショック後のことである。このときには、設備投資はむしろ減少しているのだ。

 以上から考えると、貸付が目標値まで増えることは、まずありえない。

 したがって、マネーストックが目標値まで増えることもないだろう。つまり、異次元緩和措置が機能する可能性は、ほとんどない。

 量的緩和政策の際には、マネーストックの増加額は、マネタリーベースの増加額より若干大きかった。それでも、経済に影響を与えることはできず、批判がなされたのである。異次元金融緩和政策の成績は、いまのところ、過去の緩和政策よりも悪い。

 円安も物価上昇も、仮に生じるとしても、それは金融緩和政策のためではない。円安は世界的な投機資金の流れによって引き起こされている面が強いし、消費者物価上昇は、ほとんど円安だけによって生じている。

 なお、日銀の統計で「国内銀行」を見ると、貸出種類別の残高は、図表3のとおりだ。

 総額が300兆円程度であり、非製造業が製造業の3倍程度、というのは、日銀統計でも法人企業統計でも同じだ。総貸出は、法人企業統計が1割程度大きい(製造業での値が大きいため)。法人企業統計における固定負債は、日銀統計における設備資金貸出よりかなり大きい。

リーマンショック前後からの設備投資の推移

 以下では、法人企業統計によって、設備投資と銀行借入の推移を分析しよう。

 法人企業統計における「設備投資」とは、「有形固定資産及びソフトウエアの新設額」である。土地の購入費は除いているが、整地費・造成費は含んでいる。

 金融業、保険業を含まない場合、全産業で2012年10−12月期が9兆767億円(ソフトウエアを除くと、8兆3137億円)、13年1−3月期が11兆3928億円(ソフトウエアを除くと、10兆2396億円)である。金融業、保険業を含むと、全産業で12年10−12月期が9兆4798億円、13年1−3月期が12兆234億円である。

 なお、GDP統計における民間企業設備投資は、12年10−12月期が14兆6157億円、13年1−3月期が17兆5179億円である。

 銀行借入と設備投資の推移を産業別に見ると、つぎのとおりだ。

 まず、製造業の設備投資は、リーマンショック前には、四半期あたり5兆〜6兆円程度であったが、リーマン後には3兆円程度と、ほぼ半減した(図表4参照)。

 しかし、製造業の金融機関借入金(当期末固定負債)は、リーマン前の40兆円程度から50兆円程度へと、むしろ増大した。

 この傾向は、輸送機器においてより顕著に見られる(図表5参照)。

 非製造業の設備投資は、07年に8兆円を超えていたのを除くと、ほぼ6兆円程度で安定的だ。銀行借入も、リーマンショック後に高まったのを除けば155兆円程度で安定的だ(図表4参照)。

 このように、製造業と非製造業の設備投資は、リーマン前にはほぼ同じだったが、リーマン後には、非製造業が製造業の2倍になったのだ。

 不動産の設備投資は変動が激しい(図表5)。ピークが、07年1−3月、08年1−3月、10年1−3月、12年1−3月に観測される。13年1−3月もそのような変動の一つかもしれない。

 借入はリーマン後に増大し、その後徐々に減少している。

最近での設備投資の動向

 2013年1−3月の製造業の設備投資は、3兆8519億円で、対前期比では26.0%の増加だ。これは円安で収益が増加した影響だろう。しかし、対前年比では8.3%減である。

 輸送用機械器具製造業では、13年1−3月の設備投資は、6874億円で、対前期比では8.56%増、対前年比では54.2%増だ。これは、円安の影響というより、12年に大震災の影響で生産が落ち込んだことの結果だろう。

 非製造業の13年1−3月の値は、7.54兆円と製造業の倍近い。輸送用機械器具製造業の10倍を超える。

 対前年比では1.4%減だが、対前期比では25.2%増だ。これは、不動産の設備投資が増えたからである。

 不動産業の設備投資は、13年1−3月で5985億円であり、輸送用機械器具製造業と同程度だ。対前期比では38.7%という極めて高い伸び率を示している(ただし、対前年比では3.0%増)。

自己資本比率が高いと、投資が増えない可能性

 日本企業の自己資本比率は上昇している。このことは、つぎの2つの結果をもたらす。

 第1に、仮に企業が設備投資を増加させるにしても、金融機関からの借入に頼る必要がない。

 第2に、仮に金融緩和政策によって実質金利が低下したとしても、投資が増えない可能性がある。

 まず、第2点について論じることとしよう。

 本稿の最初に述べたように、金融緩和政策は、つぎのようなルートを経て、設備投資の拡大をもたらすと考えられている。

 マネタリーベースの増大 ⇒ マネーストックの増大 ⇒ マネーに対する需給関係が緩和 ⇒ 実質金利の低下 ⇒ 設備投資の資金コストの低下 ⇒ 設備投資の増加

 これまで行なった議論は、「マネタリーベースを増やしてもマネーストックが増えず、したがって、実質金利が下がらないだろう」というものであった。

 ところで、仮に実質金利が下がっても、以下に述べる事情を考えると、投資が増大しない可能性がある。

 実質金利の低下が資金コストを低下させ、これが設備投資を増加させるというメカニズムは、自己資金によって賄われる投資についても等しく成り立つはずである。これが、ファイナンス理論の立場だ(WACC:加重平均資本コスト理論)。

 しかし、現実の企業決定においては、自己資本で賄われる投資については資本コストの概念が考えられておらず、したがって、実質金利の低下が投資を増加させない可能性がある。

 図表6に見るように、現在の日本では、とくに製造業において、自己資本比率がかなり高くなっている。

 したがって、仮に実質金利が低下しても投資が増加しない可能性がある。

 なお、図表7に見るように、自己資本比率と借入依存比率の間には負の相関が見られる。

http://diamond.jp/articles/print/39618


02. 2013年8月01日 02:06:43 : niiL5nr8dQ
4指標が示す「デフレ脱却宣言」のハードルの高さ

安倍政権は苦渋の「消費税増税」判断へ

2013年8月1日(木)  上野 泰也

 先の参院選で勝利した安倍晋三政権はデフレ脱却に向けた取り組みを加速させる構えだ。ロイター通信が7月9日に伝えたところによると、政府は消費者物価指数(CPI)のうちエネルギー関連を除いた「コアコアCPI」で物価情勢を判断する方針だという。また、デフレから脱却したと判断するハードルは高くなるだろうとも報じた。

「デフレ」の基準設定には変遷の足跡

 市場参加者もマスコミの記者も、これまでの「失われた20年」の間に世代交代がずいぶん進んだ印象がある。「デフレ脱却」について、政府が過去にどのような判断基準を設けたのかを、あまり知らない人も少なくないだろう。この問題に関連する過去の動きを時系列で簡単に振り返ると、以下のようになる。

(1)
 政府は2001年3月16日、「現在の日本経済は緩やかなデフレにある」として、戦後初のデフレ(物価の持続的な下落)であると認定。
(2)
 速水優総裁(当時)率いる日銀が2001年3月19日に量的金融緩和政策を導入。
(3)
 2005年12月15日の自民党の会合で、日銀側の出席者はデフレ克服の定義について、「景気回復が続くなかで物価が基調として上昇すると見込まれる状況」とした上で、「(量的緩和を解除する条件である)消費者物価の安定的なプラスはデフレ脱却の通過点」と説明した。ほぼ同じ時期に、日銀の福井俊彦総裁(当時)は、デフレ脱却の定義は難しいと発言。
(4)
 政府が2006年1月20日に閣議決定した「構造改革と経済財政の中期展望(2005年度改定)」に、以下の記述が盛り込まれた。
 「また、デフレからの脱却の判断にあたっては、消費者物価のみならず、GDPデフレーター(物価変動指数)等種々の物価統計を総合的に見るとともに、原油価格上昇の影響等一時的要因や各種統計の特性を勘案するなど、物価の基調やその背景を考慮し、慎重な判断を行うことが必要である」
 「中期的には、再びデフレに戻らないよう、民間需要主導の持続的な成長と両立するような安定的な物価上昇率を定着させることが、マクロ経済財政運営の基礎となる」
(5)
 政府・自民党と日銀でデフレ脱却の定義を共有できない状態のまま、日銀は2006年3月9日に量的緩和政策を解除。
(6)
 政府(内閣府)は2006年3月28日、「デフレ脱却」の定義とその判断基準を公表した。「デフレ脱却」の定義は、「物価が持続的に下落する状況を脱し、再びそうした状況に戻る見込みがないこと」。脱却したかどうかの判断に利用する4つの指標は、@CPI、AGDPデフレーター、B需給ギャップ、C単位労働コストであり、これらを踏まえ、「物価の基調や背景を総合的に考慮し慎重に判断する必要がある」、「ある指標が一定の基準を満たせばデフレを脱却したといった一義的な基準を示すのは難しく、慎重な検討を必要とする」とした。なお、CPIについては基調を的確に判断すべく、特殊要因による変動を除いたCPI(いわゆるコアコアCPI)を内閣府が独自に作成して、「月例経済報告主要経済指標」に掲載している。ちなみに、CPIを作成しているのは総務省である。
(7)
 政府内に、小泉純一郎内閣(当時)による5年半の経済政策の総決算として、「デフレ脱却宣言」を模索する動き。しかし、CPIの下振れや米国経済の減速といった内外の経済動向に加え、小泉首相(当時)が「政治的な宣言は必要ない」との考えを変えなかったため、2006年9月の月例経済報告での「デフレ脱却宣言」は見送られた。
(8)
 菅直人副総理・経済財政担当相(当時)が2009年11月20日の閣議後会見で、「日本経済はデフレ状況にある」との認識を表明。事実上のデフレ宣言にあたると報じられた。政府は2001年3月〜2006年8月の月例経済報告でデフレを認定していたが、その後はデフレ脱却宣言に踏み切れないまま宙ぶらりんになっていた。
今の判断基準は2006年から変わらず

 冒頭のロイター電には、「一時的ではなく、後戻りしない物価上昇でなければデフレ脱却とは言えない」との政策当局幹部の発言も引用されていた。そうしたことも考え合わせると、「デフレ脱却宣言」に関する政府(内閣府)の基本方針は、2006年3月28日に公表した「デフレ脱却」の定義とその判断基準から変わってない可能性が高い。

 上記(6)にあるように、デフレの判断に用いられる4つの指標のうち、AのGDPデフレーターは1〜3月期分が前年同期比マイナス1.1%(うち民間最終消費支出デフレーターは同マイナス0.9%)。Bの需給ギャップは内閣府の推計で1〜3月期がマイナス2.2%。Cの単位労働コスト(名目雇用者報酬/実質GDP)は、筆者の試算で1〜3月期分が前年同期比マイナス0.4%(5四半期連続マイナス)である(図1参照)。

図1:単位労働コスト

出所:内閣府資料より筆者作成
 そして、@のCPIについては、内閣府が独自に算出して「月例経済報告主要経済指標」の中の表・グラフに掲載している「生鮮食品、石油製品及びその他特殊要因を除く総合」(生鮮食品を除く総合から、石油製品、電気代、都市ガス代、米類、切り花、鶏卵、固定電話通信料、診療代、介護料、たばこ、公立高校授業料、私立高校授業料を除いたもの)、すなわち「コアコアCPI」が、最も重要な指標だと考えられる。

弱い数字が相次ぎ安倍政権は苦しい判断へ

 7月23日に公表された直近の「月例経済報告主要経済指標」で、「コアコアCPI」の5月分は前年同月比マイナス0.4%だった。この数字は生鮮食品のみを除いた通常のコアCPIの5月分(前年同月比 0.0%)よりも低く、「欧米型コアCPI」、すなわち「食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合」の5月分とは同じ数字である。

 そして、7月26日に発表された6月のコアCPIは前年同月比プラス0.4%となり、14カ月ぶりにプラスの数字が記録された。ただし、前年同月比を押し上げる方向にもっぱら寄与したのは「ガソリン」と「電気代」で、いずれもエネルギー関連品目である。欧米型コアCPIは前年同月比マイナス0.2%で、小幅ながら依然としてマイナス圏。そして、内閣府が作成しているコアコアCPIの6月分は前年同月比マイナス0.4%で前月と同じ数字にとどまったと、ロイター通信が報じた。

 このように、「デフレ脱却」の判断に際して内閣府が用いる4つの指標をチェックしてみると、いずれもまだ弱い数字である。そして、デフレ脱却を政府が宣言するまでには、デフレに「逆戻りしない」と確信できるほど十分にプラスの数字に持続性が伴うという、きわめて高いハードルも控えている。

 政府としてデフレからの脱却を宣言することができないまま、安倍首相はこの秋に、1回目の消費税率引き上げを予定通り14年4月に実施するかどうかについて、苦しい政治判断を迫られることになりそうだ。

このコラムについて
上野泰也のエコノミック・ソナー

景気の流れが今後、どう変わっていくのか?先行きを占うのはなかなか難しい。だが、予兆はどこかに必ず現れてくるもの。その小さな変化を見逃さず、確かな情報をキャッチし、いかに分析して将来に備えるか?著名エコノミストの上野泰也氏が独自の視点と勘所を披露しながら、経済の行く末を読み解いていく。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20130729/251649/?ST=print


03. 2013年8月01日 02:09:29 : niiL5nr8dQ
夏場に揺らぐ市場:8月のメルトダウンはあるか?
2013年08月01日(Thu) The Economist
(英エコノミスト誌 2013年7月27日号)

市場は再び夏場に大揺れする可能性がある。

NYダウ急落、419ドル安 新たな景気後退懸念で
8月は過去に多くの危機を見届けてきた〔AFPBB News〕

 8月半ばには気をつけた方がいい。(特に欧州では)休暇と長い週末休みに関係した月にしては、8月は数多くの金融危機を経験してきた。

 1993年8月には欧州為替相場メカニズム(ERM)が崩壊した。1998年8月には、ロシアが通貨ルーブルを切り下げ、一部債務をデフォルト(債務不履行)した。

 2007年8月には信用収縮が初めてメディアの見出しを飾った。米国がトリプルA格付けを失い、ユーロ危機が激しさを増した2011年8月は、株式市場が再び動揺した。

 この中には、偶然の一致もある。だが、なぜ8月に急激な価格変動が生じることがあるのかを説明するもっともらしい理由がある。ヨーロッパ人は、蒸し暑くて気持ちの悪い都心を避けるため海辺に向かう。普段はオフィスに顔を出すことで頭がいっぱいの米国人でさえ、臨時の休暇を取る危険を冒す。

市場の流動性が低くなる夏場は要注意

 トレーダーやヘッジファンドマネジャーのようなアクティブな投資家は、最もリスクの高いポジションを手仕舞い、利益を確定したい気持ちになる。若手のディーラーは、上司が留守の間は大きな賭けを一切するなという厳しい指示の下で銀行のマーケットメイキングデスクを任される。

 こうした状況が相まって、市場はほとんど流動性のない状態になり、その結果、悪いニュースが伝えられた場合、大量の売りを吸収できなくなる。

 今年、8月のメルトダウンが起きる可能性はどれくらいあるのだろうか。メルトダウンが生じる必然性は全くない。米連邦準備理事会(FRB)が資産購入を「徐々に縮小」し始めるという考えに投資家が適応する中で、市場は既に5月下旬と6月に動揺を経験したと主張する向きもあるだろう。

 FRBの調査で投資家の93%が年末までの緩和縮小を予想していることを考えると、そのリスクは既に市場に織り込まれている。

 中国経済の減速に関する懸念も、当たり前になっている。ファンドマネジャーを対象としたバンクオブアメリカ・メリルリンチ(BAML)の調査では、中国の成長鈍化を予想するファンドマネジャーの数が好転を予想するファンドマネジャーの数を65%上回っていることが判明した。つい12月までは、楽観主義者の数が悲観主義者の数をほぼ同じだけ上回っていた。

世界経済の成長見通しの甘さ

 だが、投資家は世界経済の成長見通しについて慢心しているように見える。BAMLの調査では、正味52%のファンドマネジャーが今後12カ月間で成長が早まると予想していることが分かった。これは、下方修正されているエコノミストの予想の一般的な方向とは食い違っている。

 このような楽観的な見方を背景に、投資家は平均以上にリスクを選好する状態にある。正味で52%の投資家は株式でオーバーウエイトのポジションを取っている。

 そのため、8月の動揺の1つの発生源は、世界経済の成長見通しに関する遅まきの懸念かもしれない。

 世界最大の経済大国である米国の今年1〜3月期の名目国内総生産(GDP)は前年同期比で3.3%拡大しただけだ。投資顧問会社ホイシングトン・インベストメント・マネジメントのレイシー・ハント氏によると、この成長率は年間の伸びとしては1948年以来最も遅いペースだという。個人消費支出価格指数で見たコアインフレ率は、50年ぶりの低水準にある。

 低成長とインフレ率の低下は、普通なら国債市場にとって朗報だが、国債市場は最近、大幅な下落を経験した。BAMLの調査では、正味55%の投資家が債券をアンダーウエイトにしていることが分かった。そのため、低調な経済ニュースに直面した場合、株式から債券への急激なシフトが起きることは想像に難くない。

まだ残る欧州リスク

 もう1つのリスクは、欧州に関係している。経済指標はやや改善している。ユーロ圏の最新の購買担当者景況指数(PMI)は、2012年1月以来初めて上昇を示した。だが、ユーロ圏の政治家は、まだこの地域の問題に対する持続的な解決策にたどり着いていない。ユーロ圏の銀行は依然として弱い。

 誰もが9月にドイツで行われる選挙を待っている。その後であれば、ユーロ圏の指導者たちは改革に取り組む余地が増えるかもしれない。

 だが、その間にも、ひどいサプライズが生じる余地は十分にある。

 スペインの首相はスキャンダルに悩まされている。ポルトガルとイタリアの連立政権は脆弱なように見える。何かと物議を醸すイタリアの元首相シルビオ・ベルルスコーニ氏は、税金詐欺の有罪判決が7月30日に最高裁で支持された場合、政治活動の禁止に直面するかもしれない*1。そうなれば、混乱に拍車をかけるだろう。

金融市場が正常な状態への回帰に耐えられない恐れ

 投資家にとって根本的な問題は、各国中央銀行による多大な努力によって、金融情勢が安定しており、その結果ユーロ圏が崩壊するというリスクが回避され、1930年代のようなGDPの落ち込みが食い止められているということだ。

 だが、普通なら景気後退の後に続く力強い景気拡大はまだ実現していないし、2007年から2008年にかけて危機の引き金になった債務負担の大幅な軽減も見られない。

 実際、金融市場は正常な状態に戻ることに耐えられないかもしれない。資産運用会社GMOのベン・インカー氏は、次のように表現する。「現在のバリュエーションは、予想される低い(短期)金利を踏まえた場合にのみ意味を成す。その期待がなくなれば、ほぼすべての資産は全面的に価格下落に対して脆弱だ」。休暇中に思いを馳せるには、酔いも覚めるような考えだ。

*1=イタリアの最高裁は7月30日に同事件の審理を開始し、8月1日に評決が下されると見られている


04. 2013年8月01日 09:57:20 : niiL5nr8dQ
 

ドル・円は97円後半、円買いやや優勢−FOMC声明はハト派的との声 (08:12)
米4−6月GDPは1.7%増−在庫伸び、消費減速−前期下方修正 (01:36)
トヨタ:4−6月の純利益はGMの3倍の可能性−アベノミクス効果 (09:06)
邦銀3メガ決算:アベノミクスが押し上げ、銀行本業では効果まだ薄い (00:01)
 


米FOMC声明、緩和縮小の手掛かり示さず:識者はこうみる
2013年 08月 1日 06:13 JST
[ワシントン 31日 ロイター] 米連邦準備理事会(FRB)は31日、米連邦公開市場委員会(FOMC)後の声明で、景気回復は続いているものの依然として下支えが必要との認識を示し、9月の次回会合で買い入れ縮小に着手するかどうかについて何ら手掛かりを与えなかった。

市場関係者のコメントは以下の通り。

●QE縮小は第4四半期開始、来年終了の公算

<ウェルズ・ファーゴのエクイティ調査戦略部門責任者、ポール・マンガス氏>

率直に言って声明に新しい点はない。連邦準備理事会(FRB)が歩み始めた道筋に変化はないと思う。

今朝発表された経済指標は良好だった。量的緩和の縮小計画については、経済指標の内容改善を受けて今年の第4・四半期に一部縮小が始まり、2014年のある時点で終了する可能性があるといえるだろう。

●緩和縮小の手掛かりと政策指針修正、9月に先送り

<パシフィック・インベストメント・マネジメント・カンパニー(PIMCO)のモハメド・エラリアン最高経営責任者(CEO)>

米連邦準備理事会(FRB)は、(資産買い入れ)縮小の時期と方法をめぐる新たな情報提示と、フォワードガイダンスの修正という2つの重要な問題を9月に先送りした。

過去に縮小に言及した際の市場の著しい混乱や、FRBによる景気刺激策の縮小は時期尚早との意見がなお広く聞かれることを踏まえ、FRB当局者が現時点で先送りを決定したことは理解できる。

次回会合まで最終発表を延ばすことで、より急速な景気回復を裏付ける経済指標によって投資家の懸念が和らぐことをFRBは期待している。

●9月の緩和縮小の可能性遠のく

<ウエルズ・ファーゴ・ファンズ・マネジメント(ウィスコンシン州)の首席ポートフォリオ・ストラテジスト、ブライアン・ジェイコブセン氏>

米連邦準備理事会(FRB)は金融緩和の規模縮小時期に関して時間を稼いだといえる。景気認識は当初の「緩やか(moderate)」から「控えめ(modest)」にわずかながら下方修正された。これにより、FRBは今後、買い入れ資産の構成を変更する口実が得られたのでないか。FRBは住宅ローン金利上昇への警戒を正式に認めていることから、単純にモーゲージ担保証券(MBS)の買い増しもあり得る。

今回の会合での勝者はブラード米セントルイス地区連銀総裁だ。総裁は、過度に低いインフレに対してFRBはきちんと対処していないと不満を表明していた。今回、インフレが継続的に2%を下回る場合、FRBは行動可能との内容が声明に盛り込まれたのはブラード総裁の働きといえる。

声明全体を受け、経済指標が大きく変わらない限り、9月の金融緩和縮小の可能性は遠のいたと考える。

●景気認識に関する表現の変化が重要

<大和証券キャピタル・マーケッツ・アメリカの首席エコノミスト、マイケル・モラン氏>

連邦準備理事会(FRB)の政策スタンスに大きな変化はない。QE(量的緩和)の道筋はこれまで通りだ。(低水準の政策金利を維持する)数値基準も維持した。

変化したのは景気に関する認識だ。成長ペースに関する表現が前回の「緩やか」から「控えめ」になった。大きな変更ではないが現在の状況下では重要だ。成長を「控えめ」とみれば資産買い入れペースは縮小しないだろう。

同様に、住宅ローン金利の上昇を強調しており、金利上昇が住宅市場に及ぼす可能性のある下方リスクにFRBが神経をとがらせていることを示唆している。ここもQEに関わってくる部分だ。住宅部門は成長をけん引しているセクターであり、住宅市場への下向きリスクを懸念していれば、こういったリスクに耐えられるという確信が持てるまで買い入れを縮小することはないだろう。

●ディスインフレ圧力注視を明示、FRBの政策余地は先細り

<ダブルライン・キャピタルのグローバル・ディベロップド・クレジット部門責任者、ボニー・N・バナ氏>

米連邦準備理事会(FRB)が現在の経済環境の中で最も注視しているのはディスインフレ圧力であるということが明確に示された以外、新鮮なものはなかった。

ディスインフレが現実にデフレに移行した場合、明白なインフレよりも修正が難しくなる。増税や歳出削減はすでに経済成長率に弊害をもたらしており、FRBの政策余地は残り少なくなりつつある。

●利上げ観測をけん制、資産購入縮小方針には影響なし

<TDセキュリティーズの金利ストラテジスト、ジェナディ・ゴールドバーグ氏>

(目標を持続的に下回っている)インフレのリスクを強調すると同時に、経済が上期に「控え目な」ペースで拡大したと指摘し、これまでの「緩やかな」ペースとの見解から景気判断を引き下げた。ハト派的なトーンが強い内容と言える。

インフレに関する言及が、今回の声明で見られた大きな変化だろう。ハト派的な姿勢を維持し、利上げ観測をけん制することが狙いと考える。さらに、インフレが低水準にとどまっていることから、金利を長期間にわたり低水準に維持することが適切との立場を鮮明にした。ただ、これが資産買い入れ縮小の道筋に影響が及ぶとは思わない。

また、懸念要因として住宅ローン金利の上昇に言及した。ただ、成長への著しい阻害要因となる恐れがあるとは言明しなかった。

●ディスインフレリスク認識、緩和縮小の時期・ペースに影響も

<バイニング・スパークスの首席経済ストラテジスト、クレイグ・ディムスケ氏>

ディスインフレリスクに対する重大な認識が示された。インフレ率は連邦準備理事会(FRB)の目標を大幅に下回っており、経済に有害となる恐れがある。このことは、FRBが資産買い入れ規模の縮小に着手する時期、および縮小のペースに影響を及ぼす可能性がある。

ただ事態を一転させるものではない。FRBは利回りを引き下げようとしている。債券と株価にとり、支援要因となるとみている。

●9月にQE縮小する理由見当たらず

<カルバート・インベストメンツの債券ストラテジスト、スティーブ・バン・オーダー氏>

インフレが持続的に2%を下回ることのリスクについて文言を追加し、ブラード委員の懸念に配慮する格好となった。

経済指標から判断して、米連邦準備理事会(FRB)が9月に資産買い入れを縮小する理由は見当たらない。仮に9月に縮小に踏み切るとすれば、量的緩和(QE)の規模が大き過ぎるとの懸念か、効果が薄れつつあるとの見方、あるいはレポ市場にゆがみを生じさせているとの懸念が理由になるだろう。
 

 


 


 
FOMC:850億ドルの資産購入維持、ディスインフレのリスク 

  7月31日(ブルームバーグ):米連邦準備制度理事会(FRB)は30−31日に開催した連邦公開市場委員会(FOMC)終了後に声明を発表し、毎月850億ドルの債券購入 を継続していく方針を維持した。継続的な低インフレが景気拡大の妨げになる可能性も指摘した。
FOMCは「インフレ率が長期にわたり目標の2%を下回れば経済にリスクとなり得ると認識しているが、中期的に目標水準に戻っていくとみている」と指摘した。
声明では資産購入ペースを維持する条件に関する文言は変わらなかった。FOMCは労働市場の見通しが大きく改善するまで資産購入を継続するという昨年9月以来の方針をあらためて表明した。
ウェルズ・ファーゴ・セキュリティーズのシニアエコノミスト、マーク・ビトナー氏は「9月の緩和縮小表明はなお可能性が高いようだ」と話した。FOMCの次回会合は9月17−18日。
同氏は「FOMCにとって肝心なのは景気の下振れリスクが弱まることだ」と指摘。「物価上昇率がデフレを懸念するような水準に減速すれば、緩和縮小をためらう可能性もある」と語った。
物価上昇率は当局の目標である2%を1年以上にわたって下回っている。バーナンキFRB議長は17日の議会証言で、低インフレが景気にリスクとなっていると指摘し、目標に向けて上昇することを確実にするため「必要に応じて行動する」と言明した。
ブラード総裁に配慮か
セントルイス連銀のブラード総裁は前回会合で、「ここ最近の低いインフレ指標を踏まえ、委員会はインフレ目標を堅持する意欲をより強く示すべきだと主張」し、反対票を投じた。今回の会合では反対しなかった。
ビトナー氏は低過ぎるインフレ率に関する新たな文言が声明に加えられたことについて、ブラード総裁の懸念に配慮した可能性があるとの見方を示した。
債券購入の内訳は引き続き住宅ローン担保証券(MBS)が毎月400億ドル、米国債が同450億ドルとなっている。政府機関債と住宅ローン担保証券の償還元本を住宅ローン担保証券に再投資する現行方針も維持した。
FOMCは失業率が6.5%を上回り、今後1ー2年のインフレ率が2.5%以下にとどまると予想される限り、政策金利をゼロ近辺にとどめる方針も維持した。
「緩やか」から「緩慢」に変更
FOMCは経済活動について、「今年上期に緩慢なペースで拡大したことが示唆された」と指摘した。前回の声明では「緩やか」と表現されていた。
住宅セクターについては「力強さを増した。ただ住宅ローン金利はやや上昇し、財政政策が経済成長を抑制しつつある」と指摘した。
カンザスシティー連銀のジョージ総裁は5会合連続で反対票を投じた。声明によると、同総裁は「大規模な金融緩和の継続で将来的に経済と金融に不均衡が生じるリスクを高めるほか、今後時とともに長期のインフレ期待を引き上げる要因になりかねないとの懸念を示した」。
ブルームバーグ・ニュースが18−22日に実施したエコノミスト調査(54人)によると、この日の会合で資産購入のペースが変更されるとの予想はなかった。9月17−18日の会合で緩和縮小に踏み切るとの回答は50%となっている。
原題:Fed Sees Risk of Disinflation, Keeps $85 Billion QE Pace(2)(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ワシントン Jeff Kearns jkearns3@bloomberg.net;ワシントン Joshua Zumbrun jzumbrun@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Chris Wellisz cwellisz@bloomberg.net
更新日時: 2013/08/01 05:49 JST


05. 2013年8月01日 10:04:36 : niiL5nr8dQ
イエレン氏がサマーズ氏より政策活用に積極的−ハッチウス氏 
  7月31日(ブルームバーグ):米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン副議長が次期議長に就任した場合、ローレンス・サマーズ元財務長官よりも金融政策を景気浮揚のために活用することに積極的になるだろうとの見方を米ゴールドマン・サックス・グループのチーフエコノミスト、ジャン・ハッチウス氏が示した。
ホワイトハウスの事情に詳しい元政府高官は今月、イエレン、サマーズ両氏が次期FRB議長の有力候補だと述べた。
ハッチウス氏はブルームバーグテレビジョンの番組「マーケット・メーカーズ」のエリック・シャツカー、サラ・アイゼン両司会者とのインタビューで、イエレン氏は「景気回復の後押しに金融政策を活用する最前線に立ってきた。特にフォワード・ガイダンスに関してはそうだ」と発言。「この点については恐らくイエレン氏の方が若干積極的だろう。サマーズ氏はそれほど積極的ではない」と語った。
ハッチウス氏はまた、「両候補は米経済の基本認識に関してはかなり近い」と述べ、「大きな差はない」と指摘した。
原題:Hatzius Sees Yellen ‘More Aggressive’ With Policy ThanSummers(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ワシントン Jeanna Smialek jsmialek1@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Chris Wellisz cwellisz@bloomberg.net
更新日時: 2013/08/01 08:44 JST

 


 

 
FOMC:これ以上ハト派的になり得ない-市場関係者コメント 
  7月31日(ブルームバーグ):米連邦準備制度理事会(FRB)は30−31日に開催した連邦公開市場委員会(FOMC)終了後に声明を発表し、毎月850億ドルの債券購入を継続していく方針を維持した。継続的な低インフレが景気拡大の妨げになる可能性も指摘した。これについての市場関係者のコメントは以下の通り。
◎FOMC声明は「これ以上ハト派的になり得ない」−サクソ・バンク:  FOMCは「これ以上ハト派的になり得ない」とサクソ・バンクのチーフエコノミスト、ステーン・ヤコブセン氏はリポートで指摘した。  条件付けが「当局のカクテル」で今の主成分になっている。
◎FOMC声明、9月の緩和策縮小見通しに変化なし−キャピタルE:  FOMC声明で当局者がQE縮小を9月に始める考えを変えたことは示唆されなかった。キャピタル・エコノミクスのエコノミスト、ポール・アシュワース氏が顧客向けリポートで指摘した。  ブラード総裁はインフレ率が2%を下回る水準にとどまるリスクを当局が認識しているとの文言を加えるよう強く求めた可能性が高い。  現在の低インフレはQE縮小の妨げにならないだろう。
◎FOMCのハト派的声明、9月縮小の可能性排除せず−バークレイズ:  今後2回の雇用統計がかなり強い内容である限り、9月のFOMCで量的緩和策の縮小が決まると引き続き予想されると、バークレイズのエコノミスト、ディーン・マキ氏は顧客向けリポートで分析した。
◎FOMC声明、前回よりも「わずかにハト派的」に修正−CRT:  FOMC声明で経済成長のペースに関する表現が前回の「緩やか」から「緩慢」に変わったのは下向きの修正だと、CRTキャピタルのストラテジスト、デービッド・エーダー氏は顧客向けリポートで指摘した。  変更は「軽めの下方修正」であり、声明は「わずかにハト派」的になった。
◎FOMC声明は5〜7年物米国債にプラスの内容−TD:  MBSへの注目を考慮すると5−7年物米国債のアウトパフォームが予想され、来週の160億ドルの長期債供給を前に雇用統計後の利回り曲線のスティープ化が引き続き見込まれる。TDセキュリティーズのストラテジスト、リチャード・ギルフーリー氏は顧客向けリポートで指摘した。  住宅市場と住宅ローン金利の上昇への言及は経済の新たなリスクを示唆するものだ。
◎バーナンキ議長はブラード総裁を「群れに戻した」−ラボバンク:  バーナンキFRB議長はインフレ率が2%を下回る水準にとどまるリスクをFOMC声明に加えたことで、セントルイス連銀のブラード総裁を「群れに戻した」と、ラボバンクのストラテジスト、フィリップ・マレー氏はリポートで指摘した。  反対票を投じたのはカンザスシティー連銀のジョージ総裁だけになった。  最初の緩和策縮小を発表する日として最も可能性の高いのは引き続き9月18日と12月18日。  FOMC声明のハト派的トーンを受けて、10年債利回りはそれまでの上昇基調から低下に転じた。
原題:Fed Statement ‘Can Hardly Get More Dovish’: Saxo Bank(抜粋)原題:Fed Statement Doesn’t Change Sept. Tapering: CapitalEconomics(抜粋)原題:Fed’s Dovish Statement Doesn’t Preclude Sept. Taper:Barclays(抜粋)原題:FOMC Statement ‘Marginally Dovish’ Than Before, CRT Says(抜粋)原題:RATES: FOMC Constructive for Intermediate Sector, TD Says(抜粋)抜粋:Bernanke Brought Bullard ‘Back to the Herd’: Rabobank(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:サンフランシスコ Vivien Lou Chen vchen1@bloomberg.net;ニューヨーク Madeleine Lim mlim131@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Vivien Lou Chen vchen1@bloomberg.net;James Holloway jholloway8@bloomberg.net
更新日時: 2013/08/01 08:29 JST


06. 2013年8月01日 10:09:13 : niiL5nr8dQ
米大統領、次期FRB議長で多くの候補いると発言=下院議員
2013年 08月 1日 07:29 JST
[ワシントン 31日 ロイター] - 米民主党議員によると、オバマ大統領は31日、バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長の後任をまだ決定していないことを明らかにするとともに、有力候補と目されているローレンス・サマーズ元財務長官に対する批判に否定的な見方を示した。

サマーズ氏に対しては、2009年に議会で承認された景気刺激策について、強い姿勢でより大規模な財政出動を求めなかったことへの批判がリベラル派を中心に出ているが、オバマ大統領はこの日開かれた民主党議員との会合で、こうした指摘に否定的な見方を示した。

ただ議員によると、大統領はバーナンキFRB議長の後任を決定していないことも明確にし、複数の候補を面接していると明らかにした。

オバマ大統領はこの日、民主党の下院議員と上院議員と相次いで会合を開いた。

下院議員との会合では、2009年の景気刺激策をめぐるサマーズ氏の対応に関する質問に対し、同氏を擁護する姿勢を示した。

会合に出席したキャロリン・マロニー下院議員によると、大統領は「当時は危機の最中にあり、月80万の雇用が失われるなか、刺激策が必要だった」と主張し、「より大規模で強力な刺激策が必要だったと言うことはできるが、当時は8000億ドルを確保することにも苦慮した」と述べた。

またスティーブ・イスラエル議員によると、大統領はサマーズ氏の能力を評価しつつも、他にも多くの候補者がいると述べたとし、会合で誰か特定の候補者を支持したり、不支持を表明したりすることはなかったと語った。

リード民主党上院院内総務は、オバマ大統領が適切な人物を選ぶことを確信しているとし、党として大統領の人選を支持する考えを示した。

サマーズ氏については「非常に有能な人物」とした上で、他の民主党議員が懸念を表明していることも認めた。

リード院内総務によると、オバマ大統領は上院議員との会合で、「連絡を取っている候補の長いリストがある」と述べた。また「全候補の間には紙一枚の差もない」との大統領の発言に言及し、大統領はすべての利点と欠点を検討しており、米国にとって最善の決定を下すだろうとの見方を示した。
 


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