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2013年07月31日 世相を斬る あいば達也
まもなく八月を迎えるが、八月の季語は、「立秋、初秋、桐一葉、天の川、迎え火、精霊流し、花火……」であるが、夏と秋が混在した趣きを感じさせる。 筆者は既に夏バテ気味で、日々の本業をこなすことで精一杯、とてもブログのコラムにまで手が回らない。政治に関しては、永田町同様の長い夏休み入った気分だ。勿論、その間も日本の世間も、世界の世間も休みなく動いている。日本の政局だけに限れば、安倍政権を唯一支えている虚像のアベのミクスが、いつ明確に馬脚を現すか、それを待つばかりである。
アベのミクスで国民が幻想の虜になったのは、一に株高であり、二が円安である。株高の要因は色々言われているが、異次元の金融緩和と云うアナウンス効果が海外ファンドの標的として選ばれたことだろうし、円安現象も同じく海外ファンドの動きを加速させたのだろう。金融資本主義のメカニズムを知っている人間達による寸劇が演じられたわけだが、これらのメカニズムが動く原動力が世界的なマネーのバブルであることは、自明だ。
実体経済の動きが緩慢になりかけた状況を打破する為に、各国中央銀行が通貨を刷りまくった結果である。このマネー・バブルは、一時経済が好転したような統計上の数値をはじき出すのは、理屈の上で当然なのである。異次元の金融緩和策を打った、日本の経済が統計上経済が好転したような数値を出したのも、その理屈通りだった。しかし、金融政策と云うものが実体経済を永遠に改善させるものではなく、一時の手助けをする政策であることも、経済学の常識だ。そのバブルが起きている間に、本当に経済活動が活発化する政策を導入し、定着方向に導かなければならない。
安倍官邸は、その経済活動が活発化する政策を色々考えているようだが、国家の構造自体の問題を抱えている場合、右のモノを左に移動するような愚策ばかり考えても、なんら解決にはならないだろう。右のモノを左に移動すれば、右が手薄になるわけだ。経済なんて、そんな難しく考える必要はない。その国や地域に成長の糊代があれば、多かれ少なかれ成長するし、潜在成長力がなければ、成長などしないのである。潜在成長力とは、政府が太鼓など叩かなくても、民間の間で勝手に進むものである。なにせ彼らは金を稼ぐことが仕事なのだから、放置しても喰らいつく。
喰らいつく行動を阻害している国家による規制を排除すれば、その分だけ成長するに違いないから、それが潜在成長力だと学者達は言う。しかし、国家が歴史的な経緯を通じて作り上げた規制には、それなりの根拠があるわけで、その根拠となった問題が、今度は蘇生する問題が残される。TPPへの加盟の目的は、あらゆる規制で守られている既存権益構造の打破に向けられるのだろうが、国の成り立ちを大きく変貌させるリスクを伴っている。おそらく、米国を中心とする多国籍企業(日本の大企業も含む)が縦横無尽に動ける環境整備がなされるのだろう。
しかし、その多くは日本人の消費支出をどこが奪うかと云う問題であって、少子高齢化社会の社会構造を根本的に是正する効果は限定的だ。潜在成長力分野も掘り起こしと云うと聞こえが良いが、誰が日本人の消費支出をゲットするかと云う問題がメインである。或る一定の勢力が規制緩和により動きやすくなるだけで、特に成長分野や余力が増えると云う話には直結しない。経済のパイ自体は、一向に変わらないのは、子供でも判る。おそらく、成長力を大きく伸ばす為には、最終的に労働力の大量導入が必要になるのが必須だ。それ以外にパイが増える手段はない。
前述したように、世界の経済成長は総体的に鈍化している。グローバル経済等と云う世界に飛び込んだこと自体が、その鈍化を埋め合わせようとした行動なのだから、今さら虚構の中に身を捨てる意味合いは殆どないのだが、哲学のない民族や、その代表である政治家が目先の餌にしがみつく気持が起きても不思議ではない。しかし、愚衆や企業の飽くなき欲望を満足させる為政に走ることは、何時の日か、民族社会構造を失うのである。元も子も失う政策から、そもそも日本人の生活最低レベルをどの辺で維持するか、その辺の議論の方が喫緊の課題なのである。その点では、2,30代世代の生き方が、実は非常に参考になると、政治家は気づくべきである。
米国の金融緩和出口戦略の影響が表れているようだ。アベのミクスの根本的問題が、米国金融政策の影響で是正される動きも出てきている。ここ数日の海外勢の株式市場における動きは激しく迷走しているが、トレンドは売り指向だ。原油への資金流入も急激に撤退方向が顕在化している。安全資金へのシフトで、円が買われドルが売られている。米国や中国などは人工国家であり、経済の盛況が国民の求心力を得る最大の武器だが、自然国であり、島国である日本と云う国家は、異なる武器を様々に持っている。この様々な武器を忘却の彼方に置き去りにして、人工国家の真似事で生きようとする姿は浅ましい。
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