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郵政民営化の制度設計における高橋洋一氏と竹中平蔵氏の立ち位置の違いについて(神州の泉) 
http://www.asyura2.com/13/hasan81/msg/447.html
投稿者 かさっこ地蔵 日時 2013 年 7 月 31 日 14:02:34: AtMSjtXKW4rJY
 

http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2013/07/post-73c5.html
2013年7月31日 神州の泉


最近、東谷暁氏の本「郵政崩壊とTPP」(文春新書)を読んだ。
渾身の内容だった。
ほとんどは郵政民営化問題に費やされているが、神州の泉が今まで疑問に思っていたことが得心できたというか、そうとうに氷解できた凄い本である。

神州の泉は日本のエコノミストで最も根性のある人物は植草一秀氏だと確信している。
二度の国策捜査に見舞われても自説を曲げず、良いもは良い、悪いものは悪いと言い続けて絶対に崩さない。
エコノミストの東谷暁氏もそうとうな硬骨漢である。

東谷暁氏は日本文化チャンネル桜(チャンネル桜)代表取締役社長の水島聡氏が主宰する動画番組などにもよく出演されている。
TPP話題で、水島総裁が安倍晋三氏を擁護したとき、東谷暁氏は敢然とそれを否定し、TPPを推進する安倍首相を高く評価するのは間違っているとはっきり言い、一歩も引く構えがなかった。

全くその通りである。

ブログ「WJFプロジェクト」さんもはっきりと指摘されているように、TPP参加を決め、それに向かって猪突猛進する安倍首相を評価することは完全にダブルバインド(二重心理拘束)であり、ダブルスタンダード(二重基準)なのである。

この馬鹿な詐術に嵌った人々は、TPPは恐ろしい部分はあるのだが、アベノミクスで景気を少し上向き傾向にしてくれた安倍総理のことだから、ギリギリのところで何とか危険を回避してくれるだろうと、甘い期待や忖度を抱く。

この希望的観測はいたって危険である。
TPPはこのまま進むと絶対に回避できない。
米韓FTAで出てきている理不尽過ぎる韓国側のデメリットを見る限り、この日本もそこから数か月遅れて、さらに桁違いの大規模な不利益状況が生じることが確実となった。

早急に迫る心配は韓国の事例から、日本でもTPP批准締結前に国際法が数十もグローバル資本に都合が良いように改変される危険が目の前に迫っている。

そのことは「カレイドスコープ」さんに詳しく書かれている。

さて、その東谷暁氏の「郵政崩壊とTPP」だが、実に興味深いことが書かれている。
今日はそこから得た情報をもとに少し述べてみる。
まず、郵政民営化という構想そのものが米国の政権中枢とグローバル資本という、米国エスタブリッシュメントから出ていることは間違いないが、その実行に直接かかわった出先機関はUSTR(米国通商代表部)だった。

年次改革要望書からそれは確実に分かる。

郵政民営化が米国主導なのは変わらないが、その傀儡となってそれを日本国内で制度設計した人物が竹中平蔵氏であることはもはや周知の事実である。
しかし、東谷氏によるとこれは正確ではない。
郵政民営化におけるテクニカルな制度設計を担当していたのは高橋洋一氏であった。
このように言うと、いかにも高橋洋一氏がUSTRのお眼鏡にかなった黒い人物の一人、つまり売国奴の一人だったのかと思う向きもあるだろう。

全く違うのである。
高橋洋一氏がかつてコソ泥容疑で逮捕された時、いろいろな意味で違和感があり、これは権力筋に嵌められたと思っていた。
不思議なことだが、高橋洋一氏には奸計とか悪の仲間とか、そういうダーティなイメージがいっさいなかった。

なぜこの人は郵政民営化のテクニカルデザインの中心にいたんだろうと大きな疑念があった。
別に高橋氏を庇うわけではないが、彼は米国による対日戦略の中においては、真っ黒な竹中平蔵氏とはその立ち位置が異なり、国際政治、国内政治とは全く無関係な人である。(少なくとも主観的には。)

彼自身は数学の研究をした文脈から、テクニカルな制度設計には通暁(つうぎょう)するが、政治には全く興味がないそうである。
技術屋は技術を駆使できることが重要であり、そこから派生する政治的な出力には無頓着だったということになる。
ここから、あのコソ泥事件の背景が何となく見えてくる。
高橋氏には政治性がないから、当時の郵政民営化の内幕を何でもあけすけにしゃべってしまう危惧があったのだろう。
だから、権力筋はあのようなしょぼい事件をでっち上げて彼を口止めしたのである。


こういうことである。

郵政民営化のメカニカル、テクニカルな制度設計は高橋洋一氏が受け持った。
竹中氏はそれを利用して、郵政民営化を“政治的”な制度設計に置き換えただけなのである。

小泉政権が断行した小泉・竹中構造改革路線の基本設計図を描いたのは竹中平蔵氏であることが常識となっているが、実はこれは不正確である。
金融や財政における広範な分野の中で制度設計をやったのは高橋洋一氏であった。

高橋氏は金融・財政のデザインに関わっただけではなく、郵政民営化法という法律の中身にも深く関わっている。
東谷氏よれば、1992年に大蔵省と郵政省が金利を調整した「定額合意」の方程式のようなものを書いたのも高橋洋一氏であったという。

つまり高橋氏は、2008年のリーマンショック前に濫発されていた金融派生商品(デリバティブ)を設計していたシカゴ学派のような位置にあったと見なすべきだろう。

シカゴ大学と言えば、複雑系の科学研究などでよく知られているが、これらの超優秀な研究者たちが、おそらくシカゴ学派経済学者にそそのかされ、アルバイト的にその数学的な力量を動員させられ、いかがわしいデリバティブ商品を設計していたような気がする。

先進的な科学分野を切り拓いていた複雑系の科学者たちは、欲望にまみれたミルトン・フリードマンの弟子たちによって科学の精神を汚されたというのが、神州の泉の見立てである。

これと同じ位相によって、純粋なテクニシャンの高橋洋一氏は米官業利権複合体によってその力を利用されたのである。
1990年代から、政府中枢は財政・金融のテクニカルな問題が生じると高橋氏に意見を求めたようである。
高橋氏は郵政民営化についても、小泉首相や竹中氏には進言しなかった。

ただ、彼は郵政について彼らに問いかけられたとき、国営・公営化のままで税金を投入して維持していくか、完全民営化して国債以外の投資ができるようにするか、二者択一しかなく、その中間はない(これを彼はコーナー・ソリューションと言っている)と意見を言っただけだそうだ。

高橋氏がこの二者択一を提示したとき、小泉首相は民営化だと言ったそうである。
こうして郵政民営化は高橋氏を中心に広範な角度からデザインされたが、その設計書を竹中平蔵氏がパクって、自分なりに政治的な制度設計に焼き直したというわけである。

だから正確には郵政民営化の制度設計を中心的に行ったのは高橋洋一氏である。

「郵政崩壊とTPP」のほんの一端を参考に書いたわけだが、今、アフラックとの業務提携深化の問題は今後の郵政の命運を示しているから、十分に政治的な問題であり、竹中氏の罪業は強く指摘されなければならない。


 

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コメント
 
01. 2013年7月31日 18:20:43 : nJF6kGWndY

>米韓FTAで出てきている理不尽過ぎる韓国側のデメリット

また消費者の利益を無視したことを言っているが

米国の消費者は安く車が買え、韓国は不況の痛みを緩和できている

明らかに双方のメリットは大きい

http://jp.wsj.com/article/SB10001424127887323846104578423931451929910.html
2013年 4月 15日 16:05 JST
米韓FTA発効から1年―成果はまちまち 
By JOSH MITCHELL
 米オバマ政権は、1年が経過した韓国との自由貿易協定(FTA)を、こうした協定が輸出を増やせる証拠だと宣伝し、2期目の野心的な通商課題での支持を得ることを期待している。

 しかし、まちまちの貿易統計と一部の米産業界からの不満が政権の期待に暗雲を広げている。

 最も協定の影響を受けた品目の輸出入は増加した。ワシントンの韓国大使館によると、このような品目―航空機、自動車、ワイン、大豆、それにオレンジジュースなど―の韓国への輸出は、昨年3月15日に同協定が発効してからの12カ月間で4.1%増えた。一方で韓国からの輸入は10.4%拡大した。

 しかし、大使館の統計では、両国間の総貿易は12カ月間に3.2%減少し、米国の対韓赤字は拡大した。米国の当局者は、これは韓国での経済成長の伸びの鈍化や、一部農産物の輸出減少を招いた米国での干ばつなど、より広範な要因によるものだとみている。

 ホワイトハウスの当局者は、この初期の結果はこうした貿易協定が、自動車など外国との競争に弱い産業に打撃を与えることなく、米経済を支援できることを示したと指摘した。

 オバマ政権は11カ国による環太平洋連携協定(TPP)と呼ばれる自由貿易協定の締結に向けて作業を進めており、12日には12番目の交渉国として日本が参加することを歓迎すると発表した。同政権はまた、欧州連合(EU)との間でも「環大西洋貿易・投資パートナーシップ」(TTIP)の交渉開始を準備している。オバマ大統領は、米経済活性化政策で輸出の成長を重要項目に据えている。

 マランティス米通商代表部(USTR)代表代行は最近のウォール・ストリート・ジャーナルとのインタビューで、「米国は韓国でこれを成し遂げており、成功の実績を上げている」と語った。

 韓国はFTAのこれまでの結果を称賛している。同国の金起煥公使はワシントンの戦略国際問題研究所(CSIS)での最近の講演で、「これは明確に両国に利益をもたらしたようだ」と強調した。米議会調査局(CRS)によると、韓国は米国にとって7番目の貿易相手国で、昨年1年間の往復での貿易総額は1011億ドル(約10兆円)だった。

 オバマ政権の当局者は、協定が完全実施されれば、米国の対韓輸出額を年間110億ドル押し上げ、数十万の雇用を創出するとして、このFTAを宣伝している。ただ、通商専門家は、両国間のほとんどの関税を何年かで撤廃する協定の完全な影響を測るのは時期尚早だとしている。

 一方で自動車メーカーと鉄鋼労働者はFTAに不満を抱いている。自動車業界は、協定によって韓国のライバルははるかに規模の大きい米国市場でシェアを拡大し続けられると懸念していた。

 こうした懸念に対処して、同協定では米国の乗用車と小型トラックに対する韓国の関税が直ちに引き下げられ、韓国車に対する米国の関税は2016年まで維持されることになった。

 米商務省によると、同国の昨年の対韓自動車輸出台数は2万2600台で、約51%急増した。しかし、これは韓国からの対米輸出の70万4700台を依然大きく下回っている。

 ゼネラル・モーターズ(GM)とフォード・モーター、それにクライスラーのロビー活動をしている米自動車政策会議(AAPC)のマット・ブラント会長は、米自動車業界はこの協定から「明らかに少しばかりの利益を被っている」としながらも、「より自然な貿易関係を生み出す上で本当に効果があるのかどうかについては、まだ結論が出ていない」と指摘した。

 ブラント氏は、FTAが発効した後に韓国政府が規制に動いたことによって、米国車の韓国での販売は打撃を受ける可能性があると述べた。その上で、一定以上の炭酸ガスを排出する車への罰則や、米国の法律が定めた所とは別の所に車体番号を刻印するとの規則など、いくつかの例を挙げた。

 USTRのマランティス氏は、米自動車メーカーの扱いに関する懸念を韓国側に伝え、これまでの協議によって多くの問題を解決してきたと述べた。同氏は「韓国との間にはまだなすべきことがある」としている。

 韓国の通商当局者はコメントを控えた。

 全米鉄鋼労組(USW)は、過去1年間の対韓貿易赤字の増大は協定が米国の企業と労働者に打撃を与えている証拠だとし、USW法律顧問のリンダ・ランドロス氏は「1年たって、貿易不均衡が生じている」と指摘した。

 韓国のタイヤメーカー、ハンコックタイヤは、時間の経過とともに利益が得られると予想。上級副社長のPae Ho-youl氏は「まだ米国と協定を結んでいない日本や中国、それに欧州のライバル企業と比べると、われわれは競争力ある価格で受注できる、より良い位置にいる」と話している。


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