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2013/7/29 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
来年1月にスタートする「NISA」(ニーサ=少額投資非課税制度)の顧客獲得合戦が熱を帯びてきたが、ここへきてニーサ導入の裏にアベノミクスの信じがたい出口戦略が絡んでいるという見方が浮上してきた。
◆個人投資家に金融緩和の尻拭い
「ニーサの専用口座を利用すると、株の配当金や売却益は非課税になります。1年間の購入上限が100万円とか、最大500万円までといった制約はあるものの、個人投資家には魅力でしょう」(市場関係者)
現行の優遇措置(売却益の課税20%→10%)は年内で終了。その代わりニーサを導入するというのが安倍政権の表向きの理由だが……。
「1人1口座のため、証券各社は必死に顧客を集めています。早期申し込みで現金プレゼントというキャンペーンもある」(証券アナリスト)
過剰気味の争奪戦は、安倍政権も大歓迎だ。政府は、何としてもニーサを成功させ、株式市場に資金を集めなければならない事情がある。
日銀の黒田総裁は「異次元緩和」の一環で、ETF(上場投資信託)の購入枠を巨大化させ、株価を下支えする手段に出た。日経平均が400円以上も下がった先週末(26日)は186億円、その前日も同額買っている。5月23日の大暴落以降、総額2696億円を投じた。14年末までの購入枠は3兆5000億円規模だ。
「買ったからには、いずれ売却しなくてはなりません。その受け皿が、ニーサを通じた個人投資家のマネーなのです」(株式ストラテジストの中西文行氏)
日銀のPKO(株価維持策)で、自民党は参院選に勝ち、成長戦略を実現させようとしている。一方、投じた資金の回収は、ニーサというエサでかき集めた個人マネーに頼ろうとする。なんともムシのいい話だ。
ニーサ残高の目標は25兆円(32年まで)。個人投資家が“アベクロPKO”の尻拭いをさせられるのだ。税制優遇に喜んでばかりはいられない。
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