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中国「影の銀行」 GDPの55%、約462兆円に及ぶとの試算も (週刊ポスト) 
http://www.asyura2.com/13/hasan81/msg/404.html
投稿者 赤かぶ 日時 2013 年 7 月 29 日 10:23:00: igsppGRN/E9PQ
 

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20130729-00000000-pseven-cn
週刊ポスト 2013年8月9日号


 参院選前日の7月20日に閉幕したG20財務相会議の共同声明の中に注目すべき項目がある。中国の不透明な金融取引である「影の銀行(シャドーバンキング)」問題の規制・監視の強化を要請したことだ。大手証券会社の経営幹部がこう指摘する。

「『影の銀行』の問題はG20開催前から各国金融当局の関心を集めていた。対策を誤れば“第2のサブプライムローン危機”となる、つまり世界的な経済危機のトリガーになりかねない。影の銀行は、リーマン・ショック後に世界経済を引っ張ってきた中国のバブル経済の源泉であって、放置しても規制しても、いずれにせよバブルは崩壊する。極めて深刻な問題だ」

「影の銀行」とは、ごく簡単にいえば、当局の規制下にある通常の銀行とは異なる金融業態の総称だ。一部には、日本でいえば“闇金融”に近いものもある。金融機関や財政面で余裕のある企業は、影の銀行を通じて、信用力の低い中小企業や事業に高金利でお金を回すことができる。

 製造業などの実業ではなく、投資先行で成長してきた中国経済の原動力として、影の銀行の規模は特にリーマン・ショック以降に急拡大。中国メディアによると、2007年以降に約20倍に膨らんだという。影の銀行の融資手段は主に2つある。

 1つ目は「理財商品」と呼ばれる財テク金融商品だ。運用会社が組成して、銀行窓口で販売され、主に個人が購入する。集まった資金は、中小企業や、不動産やインフラ開発を行なう地方政府のダミー会社「融資平台」に融資される。

 2つ目は「委託融資」と呼ばれるものだ。お金が余っている大手国有企業が余剰資金を銀行に預金し、そのお金が銀行の紹介で中小企業や「融資平台」に融資される。金融ジャーナリスト・永山卓矢氏が解説する。

「委託融資は事実上、銀行の“迂回融資”であるケースが多い。まず銀行が大手企業に非常に安い金利で過剰融資をします。そのカネは本業の設備投資には回されずに、銀行に預けられることになる。それが高金利で中小企業や『融資平台』に融資されるやり方です」

 いずれにせよ、融資先である中小企業は信用力が低く、地方政府は無謀な開発を行なっているため、将来、焦げ付く危険性が非常に高いのだ。

 影の銀行は、まさに「地下経済」。実態や規模は中国政府でも正確には把握できない。国際通貨基金によれば国内総生産の55%(約462兆円)とされ、米金融大手のJPモルガン・チェースによると、36兆元(約580兆円)ともいわれる。

 中国問題評論家で拓殖大学客員教授の石平氏が話す。

「たしかに影の銀行が中国の成長を支えてきた面は否めません。しかし、それが泡のように膨らみ、膨大な不動産在庫と企業の生産過剰を生み出してきた。危険水域はとっくに超えている。迫り来る影の銀行の破綻により、中国経済は果てしない転落に陥るでしょう」


 

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コメント
 
01. 2013年7月29日 11:15:02 : niiL5nr8dQ
JBpress>海外>The Economist [The Economist]
世界経済:新興国の大減速
2013年07月29日(Mon) The Economist
(英エコノミスト誌 2013年7月27日号)

新興国の減速は世界的な不況の始まりではない。だが、世界経済のターニングポイントになるだろう。

 短距離走のチャンピオンが自己記録を出せなくなった時、それが一時的なフォームの乱れのせいなのか、それとももう力が衰えてしまったせいなのかを判断するには、しばらく時間がかかる。

 同じことが、21世紀の世界経済の短距離走者たる新興国にも言える。10年にわたり急成長を続けてきたいくつかの新興経済大国は、世界の経済発展を先導し、金融危機のさなかに世界経済を牽引してきたが、いまや急激に減速している。

国際通貨の多様化の必要性を強調、BRICs初の首脳会議
BRICs諸国の台頭が騒がれ、年次サミットまで開かれるようになったが・・・〔AFPBB News〕

 中国については、2013年に7.5%という政府の目標成長率を達成できれば、幸運と言えるだろう。2000年代に中国が当然のように期待するようになった2ケタ成長にはほど遠いレベルだ。

 経済成長率は、インド(約5%)でも、ブラジルやロシア(ともに2.5%前後)でも、ピーク時の半分に届くかどうかだ。新興国全体では、5%という昨年の成長率に(どうにか)並ぶ程度だろう。

 低迷する先進国に比べれば高く見えるかもしれないが、新興国経済の成長率としては、先進国が不況に陥った2009年を除き、過去10年で最低の数字だ。

 このことは、「新興国の時代」のドラマチックな第1期の終わりを示している。過去10年の第1期の間には、世界の総生産高の中で新興国が占める割合は38%から50%へと急増した(購買力平価=PPP=ベース)。向こう10年では、新興国の成長は続くものの、そのペースはもっと緩やかになる。

 この減速の短期的な影響には、間違いなく対処できる。だが、世界経済に及ぼす長期的な影響は甚大なものになるだろう。

息切れする新興国

 過去の例を見ると、新興国は急成長の後、不況に沈む傾向がある(貧困国から富裕国になる例がこれほど少ないのもそれが一因だ)。筋金入りの悲観論者なら、今回についても心配する理由をいくつも見つけ出せるはずだ。特に、中国の減速がさらに急激に進む恐れや、世界規模の金融引き締めが突然実施される可能性を指摘するだろう。

 だが、今回の場合、新興国が広範に不況に陥る可能性は低いと思われる。

 中国は現在、投資主導の成長から、バランスの取れた消費主導の成長へと変わる、不安定な移行期にある。中国の投資の急成長は、大量の不良債権を生んだ。だが、中国政府には、損失を吸収し、必要に応じて経済を刺激するだけの財力がある。これほど恵まれた力を持つ新興国は、これまでほとんどなかった。その力のおかげで、中国が最悪の事態に陥る可能性は、ずっと低くなっている。

 また、先進国の経済がいまだに弱々しい現状では、金融引き締めが突然行われる可能性はほとんどない。実施されたとしても、ほとんどの新興国は、変動為替相場、多額の外貨準備高、比較的少ない負債(そのほとんどが自国通貨建ての負債)など、以前よりも効果的な防御策を備えている。

 ここまでは良いニュースだ。悪いニュースは、記録破りの成長の時代が終わったということだ。猛進してきた中国の投資と輸出のモデルは、息切れしている。中国では高齢化が急速に進んでいるため、今後は労働者が減少していく。また、国全体が豊かになっているため、「キャッチアップ(追いつき)成長」の余地も小さくなっている。

 10年前には、中国の国民1人当たり国内総生産(GDP、PPPベース)は、米国の8%だったが、今では18%になっている。中国の追い上げは続くだろうが、そのペースは遅くなる。

 このことは、他の新興大国でも足かせとなる。ロシアの急成長の推進力となっていたのは、中国の成長に牽引されたエネルギー価格の高騰だった。ブラジルのハイペースでの成長を支えていたのは、好調なコモディティー(商品)市場と国内信用の急拡大だった。現在のブラジルに見られる根強いインフレと成長の減速は、基盤となる経済成長速度の上限が、ほとんどの人が考えていたよりもずっと遅かったことを示している。

 同じことはインドにも言える。インドでは、2ケタ近いGDPの年間成長率のせいで、政治家も、多くの投資家も、急速な追い上げの可能性(人口が若く、貧しい)を、必然的なものだと勘違いした。インドの成長率を再び押し上げることは可能だろうが、そのためには抜本的な改革が必要だ。それでも、2000年代のピーク時のペースに戻すことは、ほとんど不可能だろう。

何周も先を行く国は・・・

 今回の「大減速」は、もはや新興国経済の急成長では、先進国経済の弱さを補えないことを意味する。米国か日本がもっと力強く回復するか、あるいはユーロ圏が復活しない限り、世界経済が現在の3%という冴えない成長率を大幅に上回るペースで成長する可能性は低い。今後は、むしろ停滞ムードが漂うことになる。

 また、過去10年がいかに異例だったかが、ますます明らかになっていくだろう。過去10年は、規模の大きな中国の急成長に支配されていた。その異常なまでの破壊力は、中国という国のとてつもない大きさだけではなく、輸出の急増や、コモディティーへの大規模な需要、外貨準備高の増加から生み出されていた。

 今後、様々な国のよりバランスの取れた成長が、世界中にもっと小さな影響を及ぼしていくことになる。中国とインドの後に控えるインドネシアやタイといった次の新興国10カ国の人口は、合計しても中国1国よりも少ない。成長は今よりも幅広くなり、BRICs諸国(ゴールドマン・サックスがつけたブラジル、ロシア、インド、中国の総称)への依存度も小さくなるだろう。

 新興国が成長の道を猛スピードで一直線に歩んでいると考えていた企業の戦略担当者は、スプレッドシートを見直す必要があるだろう。今後は、シェールガスを燃料にして回復した米国の方が一部のBRICs諸国よりも活気のある有望株になる年もあるかもしれない。

 だが、最大の難問に直面するのは、新興国の政治家たちだろう。成長を促進するか遅らせるかは、彼らの手腕次第だ。

 これまでのところ、最も機敏に改革に力を注いでいるのは、恐らく中国の政治家たちだ。それに対して、ウラジーミル・プーチン大統領率いるロシアは、天然資源に頼った鈍重な政治により、一握りの権力者が私腹を肥やしているが、その顧客はシェールガスに流れつつある。

 インドには人口動態の利があるが、インドとブラジルはいずれも、改革への熱意を取り戻す必要がある。そうしなければ、最近デリーやサンパウロの街頭に結集したような、急拡大する中流層を失望させることになるだろう。

「北京コンセンサス」からの揺り戻しはあるか?

 経済を取り巻くムードにも変化があるかもしれない。1990年代には、「ワシントン・コンセンサス」が新興国に、経済の自由化と民主主義を(時に横柄に)説いた。ところがここ数年、中国が台頭し、ウォール街が危機に陥り、米国政治が行き詰まり、ユーロ圏が自らの首を絞める中で、旧来の自由主義的真理に疑問が投げかけられた。流行したのは、国家資本主義と現代的な独裁制だ。

 独裁者にとっても民主主義者にとっても、「北京コンセンサス」が自由主義的改革を放棄する言い訳になった。成長が必要になったことで、自由主義的改革への関心が、再び高まることも考えられる。そうなれば、欧米も多少は自信を取り戻せるかもしれない。


02. 2013年7月29日 14:39:22 : yy7D5jhcis
中国の不透明な金融取引である「影の銀行(シャドーバンキング)」問題の規制・監視の強化を要請したことだ
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この問題は今に始まった訳では無い。この連中がなぜ今頃騒ぎ始めたのか、この問題を今まで放置していたのはなぜか?もうこれ以上は無理と言う限界点まで「これからは中国だ。 21世紀は中国の世紀だ」と世界中の小金持ちを囃し立ててバブルを煽り散々甘い汁を吸った悪党連中が、自分たちの資金を無事撤退させた上で、これからバブルの大爆発を仕掛ける準備が完了した証拠である。攻撃開始の狼煙と言うこともできるだろう。 2桁金利で廻す事実上のサラ金残高が500兆に上っている経済が存在していたとしたら、低金利にあえぐ世界中から、まるで電気掃除機のように資金を吸い寄たであろう事は想像に難くない。要は自国内で稼ぎ出した金ではなく、投機資金が世界中から集中していたための見せかけだけの成長であった可能性が非常に高い。これほどの大規模の不安定な短期的投機資金が一気に引き上げられたとしたら、今後の中国経済がどういう末路を辿るか、火を見るより明らかである。それにしてもなぜ8%の成長率が絶対に譲れない最低線であったかはこれでか説明がつく。それにしてもシャドーバンキングをここまで放置していた中国共産党の幹部と欧米金融資本は裏でツーカーだったはずだ。 15億人のうち100万人くらいは甘い汁を吸い放題だったのだろう。残りの14億9,900万人は良い様に使い捨てされるということだ。怒り狂う事は間違いない。第二文化革命になってもおかしくない。

03. 2013年7月29日 15:29:41 : KO4C9oEhYU
>02
何でもアメリカが悪いとは言いたくないが、後発のアメリカがいつの間にか投資額が一番になったと聞くが中でも金融が大きな割合を占めている事だろう。アメリカがバカな中国人に悪知恵を付けてやったのがシャドーバンキングではないかと想像する。まんざら当たらずともとうからずだと思う。

04. 2013年7月29日 15:34:40 : niiL5nr8dQ
 
焦点:中国株は売られ過ぎか、買いのチャンス探る投資家も
2013年 07月 29日 14:00 JST
[ニューヨーク 28日 ロイター] - 中国の景気減速は今年、金融市場に大打撃を与え、ファンドマネージャーは中国へのエクスポージャーを縮小したが、今こそ資金を戻すタイミングだとみる投資家もいる。

中国経済の低迷を世界中が実感している。エネルギー株や素材関連株が痛手を負い、コモディティ価格は下落し、中国の貿易相手国であるオーストラリア、台湾、韓国の通貨は急落した。

上海・深セン株式市場の主要A株で構成する滬深300指数.CSI300はことし11.8%下落し、上海総合指数.SSECは11.4%落ち込んだ。ロイター傘下の投資情報サービス会社リッパーによると、中国株式の投資信託からは5カ月連続で資金が流出している。

バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチの最近の調査によると、中国の景気減速は大手ファンドマネージャーの最大の懸念事項となっている。中国工業情報省は26日、19業種に対して老朽化設備を9月末までに閉鎖するよう命じた。

しかし、中国当局の需要拡大策で株価の下落は終わりが近いとみる投資家もいる。

新興国・フロンティア市場に約2億ドルを投資するFMG(マルタ)のジョン・ポルテーリ最高投資責任者(CIO)は「6兆ドルの国民貯蓄を持ち、先進国に比べ債務の規模がわずかな中国は、アジア諸国では最も割安な投資対象の1つ」と話す。

ポルテーリ氏によると、中国のPER(株価収益率)は10倍で、S&P総合500種.SPXの15倍に比べて割安だ。

FMGの中国投信は滬深300指数を構成するA株を投資対象とする。ことしの運用成績は現時点で約3.8%のマイナス。

ポルテーリ氏は、FMGは3─5年の視野で投資を行っており、滬深300指数が長期間2100ポイントを下回る状況が続けば、持ち分を一部現金化する方針。それでも「中国の2けた成長が止まったということは、当社にとって材料ではない。世界第2の経済大国で世界最大になる潜在能力がある国に顧客は投資すべきだと信じている」と話した。

<ハードランディングは回避か>

投資家の多くは、中国の国内総生産(GDP)成長率が6%以下に落ち込む経済の「ハードランディング」の懸念に組していない。ソシエテ・ジェネラルは6%の経済成長は雇用の伸びを維持し、金融システムのリスク顕在化を避けるのに最低限必要な数値だとみている。

李克強首相は、ことしのGDP成長率の公式目標は7.5%で7%を下回ることは容認できないとの立場を示しており、中国はハードランディングの懸念を和らげるために財政拡張に乗り出す可能性がある。

ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント・インターナショナル(ロンドン)のアンドリュー・ウィルソン最高経営責任者(CEO)は「中国が7.0─7.5%成長を続けるのはわれわれにとって心地よい状況で、政府が持続的な成長を目指して小規模な政策行動に出ることには賛成だ」と話す。

しかしウィルソン氏によると、5000億ドルの資産を運用するゴールドマンは、人民元相場が景気減速で軟調な値動きになると予想してノンデリバラブル・フォワード(NDF)市場では売り持ちのポジションを取っている。

直近のドル/人民元は年初から1.5%高い6.1316元で推移している。

中国政府はこのほど、国内の金融機関の貸出金利の下限を撤廃すると発表したほか、地方政府に対し成長加速に向けた歳出拡大を促した。

アブソリュート・アジア・アセット・マネジメント(シンガポール)のビル・サンCIOは、消費主導の経済に移行させるための経済改革が成功すれば「中国は長期にわたり力強さを取り戻すだろう」と指摘した。

同社は一時的に中国の投資比率を引き下げているが、米連邦準備理事会(FRB)の量的緩和縮小をめぐる思惑から価格変動幅が拡大していることが主な理由だとしている。

<織り込まれる景気減速>

リッパーによると、年初からの中国の株式投信からの資金流出は36億5000万ドルに上る。株式相場の下落は中国の香港上場H株値下がりの引き金ともなった。ハンセン中国企業株指数(H株指数).HSCEはことしに入って14.7%下落し、6月末には一時8640ポイントまで下落している。

ソシエテ・ジェネラルによると、中国のH株のPERは現在8.2倍で、1990年と2008年につけた7.1倍に近づいている。ムンバイ在住の同社のアジア株ストラテジスト、ビベク・ミスラ氏は、ハンセン中国企業株指数が8000の水準を割り込んだら投資家はH株の買いを検討すべきだと指摘。「指数が8000ならPERは6.95倍になり、アナリストが一株当たり利益が今後3年間、複利ベースで年率11%増加すると予測する水準だ」と語った。

バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチのデータによると、中国の素材セクターは25%、金融セクターは9%それぞれ売られ過ぎの状態で、割安な銘柄もある。

一方、3000億ドル以上の預かり資産を持つアバディーン・アセット・マネジメント(スコットランド)のような投資家は、企業収益が低く金融政策が引き締め傾向にある中国への慎重な見方を変えていない。同社は一定の防御策を講じ、対香港投資を通じて中国への投資を維持している。

香港も中国の景気減速の影響と無縁ではないが、ハンセン指数.HSI のことしの下落率は3.3%にとどまっている。

アバディーンの中国・香港株責任者ニコラス・イェオ氏は、設立から比較的年数が経っておらず経験の浅い中国本土企業に比べて香港企業のバランスシートは健全で景気低迷に対する抵抗力も上回ると指摘する。

アバディーンの中国ファンドは7割を香港、3割を中国本土に投資している。6月25日までの1年間に同社のグレーター・チャイナ(大中華圏)ファンドは10.5%下落した。

それでもイェオ氏は、長期的には中国に過度の懸念は抱いておらず、「低成長は金融システム浄化のための前提条件だ。中国政府には潤沢な財源があり、問題に対処できる」とした。

(Gertrude Chavez-Dreyfuss記者) 


05. 2013年7月29日 18:16:47 : w0VW2a1hs2
>>02
以前2ちゃんねるで、米中は通貨のキャッチボールをしながら金融拡大してきた。
と言うフレーズを書いてた人がいて、なかなかいいフレーズだな、と思ったんだよ。
間違いなくグルだ。
そして中国は一枚板じゃないんだよな、各派閥間の権力闘争が物凄い、前胡政権だな完全にグルだったのは。
今度の政権は前政権のやりたい放題政策の後始末と言う役回りだろう、影子銀行問題も前胡政権の時には事実上破綻状況だったんだろうが、なんとか金融拡大で先送りした、ところが習政権になって行き詰まりどうにも先送りが出来なくなった、って事だろう、9割方責任は前胡政権だろう。
ゴールドマンが直前に逃げたのがいい証拠、あのタイミングで逃げれるのはインサイダーしかいない。
彼らは中国の完全に内容を把握してるんだろう、これこそグルだよな。

06. 2013年7月30日 00:29:07 : niiL5nr8dQ
【第288回】 2013年7月30日 真壁昭夫 [信州大学教授]
“李コノミクス”は世界的なリスクオフを招くか?
大胆なシャドーバンキング封じ込め作戦の妙薬と毒薬
成長率が7%台まで鈍化する中国
思い切った変革を進める“李コノミクス”

 現在、中国経済が曲がり角を迎えている。かつて2ケタの成長率を誇っていた中国経済は、足もとで7%台の成長に鈍化しており、非効率な経済構造、過剰な生産能力、シャドーバンキングなどの未成熟な金融システム、政治の腐敗など、深刻な問題に直面している。

 共産党の最高指導者である習近平・李克強のコンビは、こうした問題に正面から対応する姿勢を示している。特に李克強首相は、主に経済・金融の分野でかなり思い切った変革を実施しており、同氏の政策は“李コノミクス”と呼ばれている。

 同氏の改革の基本は、「規模の大きな経済は、自由な価格形成メカニズムによって効率的に運営されるべきだ」との考えに基づいている。

 7月20日にも、規制管理下にあった貸出金利の下限金利を撤廃することで、金融の自由化に向けた一歩を踏み出した。その措置の狙いは、無秩序に拡大しつつあるシャドーバンキングを縮小することにある。

 思い切った変革は、短期的には様々な分野で軋轢をもたらすことが予想される。しかし、そうした痛みを伴う改革は、中長期的には経済の効率化に寄与するはずだ。

 問題は、中国の政治・経済情勢が、“李コノミクス”の当面の痛みに耐えることができるか否かだ。“李コノミクス”を推進してそれなりの成果が上がれば、行き詰まりつつある中国経済を蘇生することができるだろう。

 逆に、“李コノミクス”が道半ばで放棄されると、中国経済は一段と厳しい状況に追い込まれる。それは、世界経済にとっても重大なリスク要因だ。

社会の“分配”がうまくいかない中国
李克強は経済大国の救世主になれるか?

 現在の中国経済の特徴を言葉で表すとすれば、“規制”“管理”という表現になろうか。そして、規制・管理を行う主体が共産党幹部というのが、中国経済の基本構造だ。

 もともと共産党は、共産主義を教義とする政治集団だ。そのため、共産党幹部の中には、経済合理性や効率を重視する人ばかりではない。そうした人々が、世界第2位の経済大国を運営しているのである。

 中国経済の規模が小さいときは、それでも何とか回っていたのだが、中国が世界有数の経済大国となった現在、そうした仕組みで経済全体をうまく運営することは難しい。最も重要なポイントは、社会の中の“分配”がうまく行かないことだ。

 たとえば、人、モノ、金の経済資源が、社会の中で効率的に分配されているのだろうか。実際、潤沢な経営資源が、国有企業などの一部に配分される一方、中小企業などには十分な資金や人材が回っているとは言いがたい。

 また、経済活動によってつくり出した果実(富)も、社会全体に公平に分配されてはいない。一部の共産党や国営企業の幹部には有り余る富が配分されるのに対し、農村部の人々への配分は極めて限られている。

 その規制の経済体制が、今限界を迎えようとしている。配分のメカニズムが上手く働かないため、中国経済は莫大な過剰供給力を抱え、金融市場では、銀行を通さないシャドーバンキングがほとんど管理不能になるまで拡大してしまった。さらに、国民の間の貧富の差は修復が不可能なほど広がってしまった。

 多くの人々は、そうした中国社会の歪みに疑問を持ち、それが社会問題になる可能性も高まっている。共産党幹部としても、そうした状況を放置すると、共産党による政権を長期間維持することが難しいとの認識になっている。中国は、そこまで追い込まれているということだ。

 そこに出現したのが、習近平・李克強の新コンビだ。昨年、前政権からバトンタッチを受けた両氏は、それまでに貯まってきた経済の歪み(膿)を正すべく改革に着手している。その1つが金融市場の改革だ。

 中国の政策当局は、7月20日から貸出金利に関する規制を解除し、金利を自由化することで、資金が中小企業などに回り易くする政策を発表した。具体的には、基準金利6%の0.7掛けである4.2%という貸出金利の下限を撤廃する措置だ。これは、今までの規制金利体制に風穴を開けて、今後徐々に金融自由化を進める第一歩である。

シャドーバンキングを封じ込めろ!
“李コノミクス”の大胆な金融自由化策

 従来の中国では、多くのケースで預金・貸出金とも基準金利が適用されている。銀行が資金を貸し出す場合、どの企業に貸しても金利が同じだとすると、どうしても規模が大きく信用力の高い国営企業などに貸し出すことになる。その結果、国営企業などには潤沢な資金が回ることになる。

 一方、銀行は中小企業への貸し出しを行い難く、結果的に資金需要の旺盛な中小企業などは、非正規のシャドーバンクなどに頼らざるを得ない。あるいは、大規模な不動産投資を行う地方政府なども、同様にノンバンクなどに依存することになる。それが、シャドーバンクを拡大させる重要な原因の1つになっていた。

 シャドーバンクを通って貸出金(信用創造)が無秩序に拡大すると、いずれそれが管理不能な状況になることは、目に見えている。それを阻止するために李克強首相は、高利貸しなどの経営者に厳罰を与えると同時に金融の自由化を進めて、徐々に金融の正常化を図ろうとしているのだ。

 最近、経済専門家の間で、中国の李克強首相の経済政策に対する注目度が高まっている。同氏の思い切った政策転換が、これからの中国経済をどのように改革できるかが重要になっているからだ。

 李克強首相の基本は、それまでの成長重視を180度転換して、中国経済が抱えている歪みや問題を解消することに軸足を置く。その結果、成長率が低下することは避けられないと考える。

景気刺激策をせず信用を圧縮
金融改革の副作用と世界経済

“李コノミクス”の具体的な内容は、@大規模な景気刺激策を実施しない、A信用を圧縮する、B経済の構造改革を推進する、の3つだ。

 今回、李克強首相が金融自由化の第一歩を踏み出したことで、今までの中国の金融システムが変革されることになる。それは長期的に見れば、避けて通れないプロセスであることは間違いない。

 しかし短期的には、様々な軋轢が起きるだろう。たとえば、高金利の理財商品などの返済不能(デフォルト)などの事態が発生することが考えられる。それは、シャドーバンキング潰し、つまり金融の正常化の副作用と言える。

 問題は、その副作用がどの程度のマイナス効果を中国経済に与えるかだ。仮にそのマイナス効果が過大で、中国経済の成長を大きく阻害すると、中国のみならず、わが国をはじめ世界経済に重大な痛手を与えることになりかねない。

 それが現実のものになると、世界経済に下押し圧力がかかることになる。その場合、主要国の株式市場は不安定な展開を余儀なくされる。多くの投資家はリスクを軽減(リスクオフ)するだろう。株式市場がさらに不安定になり、為替市場も大きく振れることになると懸念される。

 いずれにしても、中国経済の先行きは、李克強首相の経済政策(李コノミクス)の成否にかかっている。それと同時に、世界経済にも重要な影響を与えることは間違いない。


07. 2013年7月30日 00:58:16 : niiL5nr8dQ
日本と比べ際立って短い中国の人口ボーナス期

「ルイスの転換点」から見える中国経済の構造変化(前編)

2013年7月30日(火)  須賀 昭一

 今年の1月、中国の国家統計局は、2012年の中国の労働年齢人口(15〜59歳)が初めて減少したと発表、このニュースは国内外で大きく報道された。それにともない中国国内では、安価な余剰労働力が枯渇して、賃金上昇が引き起こされるいわゆる「ルイスの転換点」を中国が通過したかについての議論も再燃している。

 日本の高度経済成長も、当初は余剰労働力を活用した労働集約型産業によるものだったが、60年代に「ルイスの転換点」を通過してからは、賃金上昇、産業構造高度化、地域間格差縮小などによって、持続的な経済成長がもたらされた。中国が「ルイスの転換点」に差し掛かっているとすれば、今後の中国経済の発展は、産業構造も含めた経済構造の転換が実現できるかどうかにかかっている。

 すなわち、構造転換が実現できればさらに持続的な経済成長が可能となるが、実現できずに従来型の成長パターンを続けるならば経済成長のスピードは失速する可能性が高くなる。

 ここでは、「ルイスの転換点」をめぐって供給側(余剰労働力)と需要側(産業)にそれぞれ起きている経済構造の変化を代表的な統計データから紹介するとともに、それらが中国経済、ひいては中国に進出する日本企業にどのような影響を及ぼすのか考えてみたい。

「ルイスの転換点」とは?

 そもそも、「ルイスの転換点」はどのようにして引き起こされるのだろうか。近代的工業部門と伝統的農業部門から構成される発展途上国の経済においては、農業部門における余剰労働力を工業部門に供給し続けることによって、雇用は拡大し、労働者の賃金を低水準(生存水準)に維持したまま経済成長を続けることができる。しかし、余剰労働力の供給が減少し、完全雇用が達成されると、賃金水準が上昇しはじめる。

 この転換点がいわゆる「ルイスの転換点」で、ノーベル賞受賞経済学者のアーサー・ルイスが最初に提唱したことからこのように呼ばれている。

 縦軸に賃金、横軸に労働力人口をとった概念図でみると、農村の余剰労働力が工業部門に移るにつれて工業部門の限界生産性(労働者を一人投入した場合の生産量)MIは右に移動する。生存水準賃金aと工業部門の限界生産性MIが交わる点bと、同じく生存水準賃金aが農業部門の限界生産性MAが交わる点cとの間が余剰労働力である。MIが右に移動するにつれて、bはcに接近するが、両者が交わるまでは余剰労働力が存在し、賃金は生存水準に抑えられた状態が続く。そして、両者が交わる時点が「ルイスの転換点」である。そこにおいて、余剰労働力部分はなくなって、完全雇用が達成される。さらに、MI’が右に移動していくにつれて、cはc’へ向かって移動する。そして生存水準賃金aはa’へ移動し、賃金は上昇する(図1)。

図1「ルイスの転換点」概念図

 このように、「ルイスの転換点」を通過すると、安価な労働力に依存した経済発展は持続不可能となる一方で、労働生産性は向上するとともに、賃金が上昇することによって都市・農村間の格差は縮小する。

 中国が抱える最大の問題のひとつが地域間・都市農村間の格差問題であるが、「ルイスの転換点」はそれを解消させる転機ともなるとともに、中間層の拡大や消費の拡大なども期待される。ただし、同時に経済成長を続けるためには産業構造を現在の労働集約型から脱却し、高度化させることがその条件となる。

中国における「ルイスの転換点」の議論

 中国では、2004年頃に沿海部地域の一部で安価な農村の余剰労働力である農民工が不足し、賃金が上昇しているとメディアを中心に波紋が広がった際、「中国はルイスの転換点に達したのではないか」という議論に火が付いたといわれている。

 農民工とは、いわゆる農村出身の出稼ぎ労働者のことを指し、12年末で約2.6億人(総人口の2割程度)いるとされる。中国では、厳格な戸籍制度が存在するため、農村戸籍を都市戸籍に転換するのは容易ではない。都市に出稼ぎに出てきた農村戸籍保有者は、都市戸籍保有者が享受できる教育、医療、社会保障等の行政サービスを受けることができないまま、農民工として建設業や製造業に従事している。

 中国国内外では、2000年代半ばから労働者の実質賃金の上昇や沿海部での労働者不足が発生していることなどから、中国は「ルイスの転換点」をすでに通過しているという主張もある一方で、それらは一部地域のみに見られる現象であるうえに十分な実証もされていないことや、農村に余剰労働力はまだ存在していることなどから、「ルイスの転換点」はまだ通過していないという主張まで広く議論されている。

 私の見方は後者であり、正確に言えば、中国は今まさに「転換期」にあるものと考える。局所的に労働力が枯渇して賃金コストが上昇している地域は存在すると考えられるが、中国においては、いまだ地域経済や労働市場が分断化されている面があり、現時点で一律に「転換点を通過した」と断言することは困難である。ただし、いまだ転換点を通過していないとする論者も、趨勢としては中国経済が「ルイスの転換点」に向かいつつあり、2020年代には転換点を過ぎるであろうことはおおむね認めているようである。

 以下では、「転換期」の到来を示唆する経済指標をいくつかみてみたい。

 100前後の都市をサンプルとした求人倍率の推移をみると、全体では緩やかに倍率が上昇している。また、業種別でみると、事務職や管理職よりも特に単純労働業種の需給がひっ迫していることが分かる(図2)。

図2 求人倍率の推移

(備考)中国国家統計局より作成。
 また、都市部労働者の平均賃金も前年比10%以上の伸び率で推移しているが、とりわけ、農民工が主に従事している建設業や製造業の賃金はここ数年では都市部労働者の平均を上回るスピードで伸びていることが分かる(図3)。

図3 農民工と都市労働者の平均賃金の比較

(備考)1.中国国家統計局より作成。
2.前年比は名目額の前年比−消費者物価上昇率の前年比で実質化したもの。
 内陸部と沿海部、さらに大都市と中小都市とでは異なる状況が存在するであろうことには留意が必要であるが、このように全国的なマクロ経済データをみれば、「転換期」の到来を示唆する低賃金(非熟練)労働者の需給ひっ迫と賃金上昇が中国において確実に発生しつつあることが分かる。これは、先述のように日本をはじめ、いかなる国においても経済発展が進む過程で通過する普遍的な現象であるが、中国の場合、他と大きく異なる点がある。それが、人口構造の問題である。

 一般には生産年齢人口が増加から減少に転じる時期と、不完全雇用から完全雇用が達成される時期は異なる。日本の場合、前者は1995年頃であり、後者は60年代であったといわれる。しかし、中国の場合は「一人っ子政策」という特殊な事情によって、生産年齢人口の減少期が人為的に早められ、完全雇用達成時期とほぼ同時に到来すると考えられることから社会的・経済的インパクトはより大きいものとなる。

「ルイスの転換点」の到来を早めた人口構造の変化

 中国経済は、改革開放後から30年以上にわたって飛躍的な経済発展を遂げてきたが、それを支えてきた要因のひとつが豊富な労働力である。中国は、70年代から従属人口指数((幼年人口+老年人口)/生産年齢人口)が低下するいわゆる人口ボーナス期に入った。人口ボーナス期は、総人口に生産年齢人口が占める割合が大きくなることから、経済成長に追い風となる。

 しかし、「一人っ子政策」などの影響から、人口構造が大きく変化し、この人口ボーナス期も2010年代半ば頃に終了し、その後は人口負担期を迎えることが見込まれている。以下で見られるように、中国の人口ボーナス期は、日本と比べると際立って短いことが分かる(図4)。

図4 従属人口指数の推移と人口ボーナス期間

(備考)国連人口推計(中位推計)及び国立社会保障・人口問題研究所(1950年以前のデータ)より作成。
 いわゆる「一人っ子政策」は、一組の夫婦に子供一人を提唱する人口抑制策で、1979年から実施されている。達成した夫婦には奨励金や学費医療費の補助が支給され、違反した夫婦には罰金が科されるが、80年代以降、農村で第一子が女児の場合は、間隔を置いて第二子出産可など、地域や民族等に応じて個別に例外が設定されている。

 全国レベルでは、依然として一人っ子政策は国策として実施されているが、見直す動きもある。生産年齢人口の回復という観点からは、さらなる緩和が必要であるが、仮に実施されたとしてもどこまで回復するかは疑問である。その効果が顕在化するには数十年かかると見込まれることに加え、大都市では実質的に第二子出産が許可されても産まないことを選択する夫婦も増えるなど、生活意識が先進国化する現象も見られつつあるからである。

農民工を生み出した背景とその質の変化

 上述のような人口ボーナス期初期に改革開放政策が始まり、農村の余剰労働力が大挙して都市に出稼ぎに出て行った。しかし、これには需要側の要因もさることながら、供給側にも余剰労働力を都市部に送り出さざるを得なかった背景がある。

 労働生産性を産業別にみると、第一次産業の生産性は極めて低く、改革開放後、第二次産業や第三次産業との生産性の差は大きく開いた状態となっている(図5)。

図5 労働生産性の比較(産業別)

備考)1.中国国家統計局より作成。
2.各産業ごとに名目GDP/就業人口で試算。
 また、80年代前半には都市住民の可処分所得は農村住民の純収入の2倍程度であったが、その差は拡大し、近年では3倍以上となっている。農村住民の所得も着実に増加しているが、都市住民の所得の増加ペースが速すぎる状況が続いている。言い換えれば、国全体の経済成長の恩恵が都市に偏って配分されており、その傾向は改革開放後加速されていることを表している(図6)。

図6 都市部と農村部の所得水準の推移

(備考)中国国家統計局より作成。
 さらに、農村住民の純収入の内訳をみても、純粋な農業収入のシェアは縮小しており、出稼ぎなどから得られる賃金収入のシェアが拡大しているのが分かる。しかし、上記の都市住民所得との比較も踏まえれば、出稼ぎなどで賃金収入を得たとしても、この程度しか純収入を得られないという現状を表している(図7)。

図7 農民の純収入内訳の推移

(備考)中国国家統計局より作成。
 こうした農村状況が、改革開放後、農村が余剰労働力である農民工を都市に送り続けてきた背景にある。政府も農業の生産性向上や、農民の待遇改善などを進めているが、顕著な進展は見られていない。

 このような農村側の事情もあって誕生した農民工であるが、近年になってその質的な変化がみられるようになっている。農民工の年齢構成をみてみると、現在、30歳未満が全体の5割以上を占めている。一方で、農村で農業に従事する30歳未満の若年人口は2割強にすぎない。これは、一般的にいわれている「農村に存在する余剰労働力は中高年が多い」ということの裏付けにもなる。

 こうした30歳未満の農民工を、「新生代農民工」という。家族を農村に残して都市で肉体労働に従事して仕送りをしつつ、いつか農村に戻るというのが従来の農民工のスタイルであった。しかし、農村での生活や農業経験も少ない「一人っ子政策」世代の「新生代農民工」は、従来の農民工と比べて学歴が高く、意識の上では都市戸籍の若者と変わらないという。

 彼らは総じて、辛い肉体労働や農民工としての地位を嫌い、向上心が強く、賃金等の待遇に敏感で短期間で仕事を変え、都市での定住を希望し、権利意識も強いとされている。一部では、都市農村間の格差問題に彼らが一定の役割を果たすことを期待する声もある。いずれにしろ、このような「新生代農民工」を従来のような安価な余剰労働力として扱うことは難しくなり、雇用のミスマッチが拡大し、余剰労働力不足に拍車をかける可能性もある。

 日本においても「ルイスの転換点」を通過したとされる60年代に、労働者の権利意識は高まり、賃金交渉が活発化した。その結果、実質賃金は上昇し、家計所得の伸びは高まり、消費に貢献した。こうした観点からすれば、1億人以上存在する「新生代農民工」は労働者として、あるいは消費者として中国経済の新たな主役となる潜在性も兼ね備えているともいえる。

図8 農民工の年齢構成と学歴構成(2009年)

(備考)中国国家統計局より作成。
 このように、中国の高度経済成長を支えてきた余剰労働力をめぐる量・質・コストに変化が起きつつある。こうした経済構造の変化は、中国経済にどのようなインパクトを与えるのだろうか。また、こうした変化に対応して、日本は中国との経済関係をどのように変化させればよいのか。次回は、こうした問題について、関連する経済データを紹介しながら見ていきたい。

(後編に続きます)

(本コラムの内容は筆者個人の見解に基づいており、内閣府の見解を示すものではありません)

このコラムについて
若手官庁エコノミストが読む経済指標

内閣府の若手エコノミストがさまざまな経済指標を読み解き、日本経済や日本経済を取り巻く状況について分かりやすく分析する。多くの指標を精緻に読み解くことで、通り一遍の指標やデータだけでは見えてこない、経済の姿が見えてくる。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20130719/251295/?ST=print


08. 2013年7月30日 14:30:57 : niiL5nr8dQ
焦点:中国経済は日本型の長期停滞に陥るリスク、多くの類似点が存在
2013年 07月 30日 14:15 JST
[香港 30日 ロイター] - 中国は長年、輸出主導で奇跡的な経済成長を実現した日本を見習い、本家をしのぐまでになったが、今度は日本が20年経過してようやく覚醒に努めている経済的な昏睡状態と同じ局面に突入する危険があるように見える。

中国が脱皮に苦労しているのは、銀行貸し出しを支えにした投資と輸出に依存した成長モデル。このためエコノミストによると経済の不均衡が是正されず、不動産に過剰な投資が行われ、鉱業から電子機器、自動車、繊維に至るまでの産業は急速にコスト面の優位を失いつつある。賃金は上昇し、投資収益率は下がり続けている。

一方で習近平国家主席と李克強首相は、経済成長が減速する中で、米国で起きたような多くの銀行破綻や雇用喪失を伴う金融危機を絶対に避ける決意だ。

だがこうした危機を阻止すれば、不健全なセクターを延命させかねない。より持続的な成長に向けた取り組みが損なわれ、その代わりにかつて日本経済の活力を奪ったような「ゾンビ銀行」や「ゾンビ企業」が生まれてしまう。

さらに中国は日本よりも急速に高齢化が進んでいることから、エコノミストは中国が不可能な課題の達成を試みているのではないかと懸念している。

モルガン・スタンレー(香港)のチーフ・アジア・エコノミスト、チェタン・アーヤ氏は「わたしはデフレのリスクを心配している」と述べた。

なお7.5%の成長ペースを維持し、消費者物価の前年比上昇率が2.7%という経済では、デフレなど起こりそうもないように思われる。しかしエコノミストによると、中国は多くの面で、バブル崩壊直前の1989年当時の日本に似通っているという。

中国は日本と同じく、銀行に依存して輸出企業に投資資金を供給し、雇用の創出や開発のファイナンスを行い、その見返りとして銀行が大きな利益を得られるように金利を規制してきた。そして最も収益性の高い貸し出しは最低リスクの借り手に対するものであるので、銀行は大手国営企業に融資を集中した。

1980年代の日本のように、中国もこうした問題に金融セクターにおける部分的な自由化で対応しようと考え、新たな金融手段や債券市場などを創出。ところが日本と同様、これが銀行により賢明な行動を取らせることはなく、逆に不動産バブルを助長する結果になった。2009年に中国が世界金融危機を受けて銀行貸し出しをてこにした4兆元規模の経済対策を打ち出すと、事態はさらに悪化した。

JPモルガン・チェース(香港)によると、日本の銀行貸し出しの対国内総生産(GDP)比が1980年から90年の間に127%から176%に拡大したように、中国も2000年の105%から昨年には187%まで膨らんでいる。

<銀行貸し出しに絡むリスク>

中国が現在抱える問題は、新規投資が生み出す付加価値が減少を続けていることだ。経済の減速は既にデフレ圧力の兆しを生み出しており、生産者物価は1年4カ月連続でマイナスを記録。モルガン・スタンレーは、実質借り入れコストが8.7%で成長率を上回っている点を指摘する。

それゆえに中国政府が推進する改革が、金融システム全体を揺るがすようなデフォルトが相次ぐ事態を誘発するほどに成長率を押し下げてしまうリスクがある。

JPモルガン(香港)のシニア中国エコノミスト、Grace Ng氏は「銀行貸し出しの伸びを抑えるのは非常に重要だ。ただ、貸し出し抑制やデレバレッジをやり過ぎれば、実体経済に過大な下振れリスクをもたらす恐れがある」と述べた。

同氏やその他のエコノミストが警告する最大のリスクは、中国政府が社会不安の発生を避けるためにそうした痛みを受け入れるのを拒絶し、経営難に陥っている借り手に銀行が貸し出しを続けるよう求める事態だ。これは90年代に日本の銀行がやったことで、再び経済成長を高めてくれるかもしれないような利益を生む新規ベンチャーへの貸し出しを妨げることになる。

こうした中で中国政府が最近打ち出した成長鈍化を和らげる措置については評価が分かれている。李首相が先週明らかにした中小企業向け減税や輸入業者に対する行政手続きの簡素化は歓迎すべき構造改革と受け止められているが、貿易金融の拡大や鉄道の投資促進は小型の政府救済の気配が漂う。

人民銀行(中央銀行)が今月発表した銀行貸出金利の下限撤廃方針に対しても、一部エコノミストはリスクに応じた貸出金利設定ができるようになる前向きの動きとみなす一方、これは銀行がより困窮した借り手に資金を回せるようにするのを後押しする日本的な規制当局の裁量だとの見方も出ている。

大阪経済大学経済学部の高橋亘教授は、貸出金利の下限撤廃に関して「銀行は利ざやが縮小するので、融資基準を緩和して貸出量を増やそうとするだろう。これは80年代終盤の邦銀にまつわるストーリーだ」と話した。

<解決策も日本に存在>

エコノミストの中には、中国の事態を日本になぞらえるのは行き過ぎだとの声もある。アジア開発銀行(ADB)のチーフエコノミスト、イ・チャンヨン氏は「90年代の日本に中国を対比させるのはいささか大げさ過ぎる」と主張。同氏など一部の専門家は、日本に比べて中国は開発度が低く、潜在的な需要が存在するとしている。

中国の貧しい内陸部は過剰設備とは無縁で、ほどなくインフラ投資プロジェクトが必要になる。農村部の人々の都市への流入も経済成長の源といえる。

それでも都市化はかつてほどの成長押し上げ効果はないかもしれない。既に全人口の半数以上が都市部に移っており、農村部人口の年齢は中央値で約40歳と、新たな職に適用しやすい層ではなくなっている。

最終的には、中国の人口動態こそが同国を日本のようなデフレの道に着実に向かわせる可能性がある。一人っ子政策のため中国の労働力人口は既に減りつつあり、日本では同人口減少が90年代に起きて、消費の減退を通じて成長率の急速な落ち込みにつながった。

こうした問題の解決策もまた日本に存在するだろう。日本政府は大胆な金融緩和、財政支出拡大、そしてまだほとんどは実行されていないが経済成長の制約を取り除く措置を打ち出すことで、デフレと闘っている。

モルガン・スタンレーのアーヤ氏は「貸し出しブームの後のデフレを回避するためには2つのことが必要になる。1つは適切な財政金融政策、もう1つは構造改革だ」と語った。

(Wayne Arnold記者)


09. 2013年7月30日 22:27:44 : niiL5nr8dQ
総合商社の眼、これから世界はこう動く
2013年07月30日
第 67 回 中国は中速成長時代に突入

中国の経済成長率は、5四半期連続で7%台に留まっている。本来、新政権は発足する年では、景気を持ち上げていい滑り出しにするインセンティブがある。しかし、3月に発足した新政権は、高成長追求よりも構造改革優先の政策スタンスを貫いてきた。新政権の予定任期10年という時間軸で俯瞰すれば、山積する課題を個々撃破していかないと、安定した経済成長の維持は難しくなるわけは、明白である。

20130730_marubeni_graph1.jpg

まず喫緊の難題は、4兆元景気対策の弊害を取り除くことである。リーマンショック後に中国は世界最大規模の景気対策を実施することで、いち早く経済成長を取り戻した。しかし、その大半はインフラ建設に投入され、従来からある鉄鋼などの過剰設備問題や、地方政府の債務問題をより深刻化させた。さらに、これらの投資に銀行は積極的な投融資を実施し、理財商品(インフラプロジェクト等を原資産とした資産運用商品)を中心としたシャドーバンキングの膨張といった新しい難題も出てきた。

新政権は、足元では具体的な対策として、過剰な投資を抑制するほか、@融資平台や過剰業種をリスト制による管理を強化し融資抑制や債権回収状況などを監視監督する、A過大な理財商品の規模を銀行総資産の6%弱から4%程度に縮小する、B理財商品の充分なリスク開示・銀行貸出本業からの切り離しなど正常化を図る、C金利自由化によって銀行業のリスク審査の厳格化を促す、ことを着々と実施している。

中長期で見れば、「国内消費拡大、投資・輸出依存の是正」を構造転換の目標にしている。経済構造のアンバランスを助長した現行の推進体制を中心に、@行政改革、A国有企業の民営化、B銀行の健全化の『三大改革』を断行することで、安定した経済成長の維持を図っていくと見られる。

中国の潜在成長率については、労働人口の伸び鈍化とテクノロジージャンプなどの後発性優位の逓減により、2015年当たりを境に減速が早まるシナリオが一般的に指摘されている。新政権にはこうした改革を通して、任期前半で力を蓄え後半で持ち上げる、というふうに任期中において7%台の安定成長を図る狙いが、深層にあろう。すべての改革は未曾有のビッグミッションで、既得権益層からの反発も大きいだろうが、背水の陣の覚悟で成し遂げないと成長が止まり社会不安に陥りかねないという強い危機感を新政権は持っている。

7%台の成長は、「これまでに比べ物足りない成長」であり、中国10%成長を想定した資源供給能力では過剰となる。足元では、全般的なコモディティ市況は軟調な地合いが続く。ただし、こうした「中成長」が中長期的に維持できれば、資源供給はそれに順応した形で調整されるため、市況は安定して来るであろう。

20130730_marubeni_graph2.jpg

コラム執筆:シニア・アナリスト 李 雪連/丸紅株式会社 丸紅経済研究所

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前の記事:第 66 回 シェールガス革命? −2013年07月16日
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