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コラム:危機を「無駄」にした国、しなかった国(ロイター) 
http://www.asyura2.com/13/hasan81/msg/369.html
投稿者 かさっこ地蔵 日時 2013 年 7 月 27 日 12:20:33: AtMSjtXKW4rJY
 

http://jp.reuters.com/article/jp_Abenomics/idJPTYE96Q00I20130727
2013年 07月 27日 11:47 JST


国際政治学者イアン・ブレマー

かつてジョン・F・ケネディ元大統領は「危機は中国語では2つの意味からできている。1つは『危険』で、もう1つは『機会』だ」と語った。世界的な経済危機から約5年が経った今、世界の主要国がそれぞれ危機にどう対応したかをここで振り返ってみたい。

危機の中身や対処方法を評価すると、大きく3つのタイプに分けることができる。(1)危機を無駄にしないで活かした国、(2)本当の危機はなかった国、(3)危機を無駄にしている国だ。

<タイプ1:日本とユーロ圏>

まずは、本物の差し迫った危機を味わった欧州から見てみよう。メディアや債券市場がユーロ圏の迫りくる崩壊を当然視していたのは、わずか1年半前であることを思い出してほしい。ユーロ圏では当時、債務問題で主要国と周辺国の間に溝が広がり、政治的・経済的な結びつきが脅かされていた。財政協調の欠如や政治・金融政策の鈍さにくわえ、強国と弱小国のバランスが崩れ、世界最大の経済ブロックは存続の危機に追い込まれた。

しかし、ドイツからの支援と欧州中央銀行(ECB)の大胆な金融政策、そして痛みを伴う緊縮策により欧州は健全さを取り戻し、ユーロ圏崩壊の心配は過去のものとなった。抜本的な改革を経て欧州は快方に向かっている。迫りくる危機そのものが、構造的変化を促した格好だ。ただ市場からの圧力と警報がなければ、ユーロ圏の周辺国は慢心から目を覚まさなかったかもしれず、ECBがより大胆な政策に踏み出すこともなかっただろう。

日本の危機は欧州とはかなり様相が異なる。「失われた20年」でも日本は行動を起こさなかった。日本は約20年にわたって景気が低迷し、デフレと低成長と膨れ上がる公的債務の渦に飲みこまれ、世界の主要国との競争から取り残されていた。そんな日本を叩き起こしたのは一体何だろうか。1つには、日本を抜いて世界第2位の経済大国となった中国が、日本に対する挑戦を強めていることが挙げられる。有権者が感じた中国からの経済上・安全保障上の脅威が、第2次安倍晋三内閣を誕生させる原動力となった。勢いに乗る安倍首相は、一気呵成に景気刺激策の策定や環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の交渉参加に動き、アベノミクスの「3本の矢」すべてが的に命中するよう動いている。安倍首相の意欲的な計画が成功するかどうかはまだ分からない。しかし、日本が「緩やかに進む危機」を「目覚ましい機会」に変えたのは間違いない。

<タイプ2:米国と中国>

ワシントンで債務上限問題が喧しかったのはわずか2年前だ。スタンダード・アンド・プアーズ(S&R)が米国債の格付けを引き下げ、議会はこう着状態に陥り、金融市場は急落した。その後どうなったか。債務上限問題は今も政治交渉の切り札のままであり、議会は歳出自動削減の発動を回避できなかった。しかし、米国は依然として元気であり、主要株式指数は史上最高値を更新し続けている。それは、米国が経験した正真正銘の緊急事態は金融危機だけであり、米政府は2008年と2009年に、ユーロ圏と同様に難問に対処したからだ。米国は足場が極めて頑丈であるため、日本や欧州で見たような構造的な危機に陥ることはあまりない。米国が今のような低金利で資金調達できる限り、債務問題はさほど問題にはならない。その点で言えば、米国が数年前の危機を活かせなかったのも事実だ。ただ、それは危機がそれほど差し迫ったものでもなく、大きくもなかったからだと言える。指導者に変化を迫るほど、国民は追い込まれてはいなかったのだ。

中国にも同様のことが言える。中国経済のハードランディングを懸念する人は多い。経済成長の鈍化が持続不可能な失業状態を生み出し、中国の政治システムそのものが脅かされるというものだ。しかし、中国は今も安定している。成長は減速しているが管理可能な範囲であり、国家資本主義の経済モデルは非効率だが、当面は堅調さを維持するだろう。中国が経験しているのは、国家システムが差し迫ったショックに直面していない時に見られる「一時的かつ緩やかな」変化だ。中国が未来に向けて大きな課題を抱えているのは間違いない。人口動態は悪化しつつあり、国家資本主義は永遠には持たない。国民は政府の透明性向上を強く求めるようになるだろう。しかし、これらはいずれも、現段階で中国政府を危機管理モードに突入させるほど急を要する問題ではない。差し当たり中国は、諸々の問題に非効率ながらも緻密に対応していくのだろう。

<タイプ3:フランス>

最後の「危機を無駄にしている国」はフランスだ。フランスは失業率が10%を超え、低い労働生産性や財政不均衡を抱え、社会保障や年金に持続不可能な拠出を続けるなど、根深い構造的問題に直面している。フランスの歳出規模は対国内総生産(GDP)比で57%にまで達した。歳出の対GDP比は15年前にはドイツと肩を並べていたが、今ではユーロ圏でも1位を争う水準だ。しかし、フランス国民もオランド大統領も危機に本気で取り組もうとしているようには見えない。オランド氏は、フランスが真に必要としている緊縮策の多くを先送りする選択肢を国民に示して大統領に選ばれた。7月8日には「欧州の危機は終わったと理解する必要がある」と宣言した。多かれ少なかれ、それは当たっている。しかし、それこそが問題なのだ。フランス以外のユーロ圏諸国は危機をテコに構造改革に動き、ユーロ圏周辺国はすでに軌道も修正している(社会的にも経済的にも痛みを伴うコストを払ったが)。

危機管理に熟達している国もあれば、そうでない国もある。本当の危機に直面していない国もある。ただ、いずれにせよ、危機の芽を早い段階で摘み取る努力をしていれば、上のいずれのタイプにも属さないはずだ。

(25日 ロイター)

*筆者は国際政治リスク分析を専門とするコンサルティング会社、ユーラシア・グループの社長。スタンフォード大学で博士号(政治学)取得後、フーバー研究所の研究員に最年少で就任。その後、コロンビア大学、東西研究所、ローレンス・リバモア国立研究所などを経て、現在に至る。全米でベストセラーとなった「The End of the Free Market」(邦訳は『自由市場の終焉 国家資本主義とどう闘うか』など著書多数。

*本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

 

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コメント
 
01. 2013年7月27日 12:52:07 : dmkMWIGdew
>日本が「緩やかに進む危機」を「目覚ましい機会」に変えたのは間違いない

 ロイター通信か。能天気な報道だな。政治経済に無知無能な売国奴・安倍晋三は無責任にも,「もしTPP参加で日本復興が失敗しても後の始末は誰かがする」と“目覚ましい破壊”に突き進み出したのだよ。


02. 2013年7月27日 15:03:50 : yy7D5jhcis
欧州の大手銀行はすべて実質破綻状態だと断言する人もいるからねえ。表面だけじゃわからん。中国はもっとヒドイかも

03. 2013年7月27日 15:14:25 : niiL5nr8dQ
>ユーロ圏崩壊の心配は過去のものとなった。抜本的な改革を経て欧州は快方に

焦点:「ドラギ発言」から1年、口約束だけで通じた局面終了か
2013年 07月 27日 10:07 JST
[フランクフルト 25日 ロイター] - ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁が、ユーロを守るために「必要なことは何でもする」と宣言してから1年。総裁は大惨事を防いだと胸を張って良いだろうが、ほどなく言葉を行動で裏付ける必要に迫られるかもしれない。

投資家がユーロ圏の崩壊に賭ける取引を膨らませていた1年前、ドラギ総裁は夏のロンドン講演で即興で発したわずか23の英単語により、ユーロ圏債務危機の潮流を覆した。「ECBはその使命において、ユーロを守るために必要なことは何でもする。私を信じてほしい。それは十分な措置となるはずだ」

この言葉だけで市場を落ち着かせるには十分だったが、その後6週間にわたる舞台裏の激しい外交駆け引きや表立った口論を経て、ECBは厳しい条件を飲んだ国の国債を無制限に買う国債買い入れプログラム(OMT)を発表するに至った。

それから1年が経過したが、ECBはまだOMTに手を付けていない。

OMTは市場にとって核抑止力のようなものだ。利用をちらつかせるだけで、ぎこちない平和を達成するだけの効果を持つ。ドラギ総裁は先月「OMTはおそらく最近導入された中で最も成功した金融政策措置だったと言わざるを得ない」と自賛した。

投資家もこれには同意する。ユニオン・インベストメントのマイケル・ハーザム氏は「ドラギ総裁の講演は状況を一変させた。ユーロ圏崩壊の確率を大幅に抑えることで、市場からシステミックリスクを取り除いた」と述べた。

講演当時にはユーロ圏周縁国の国債相場が急落していただけでなく、ユーロ自体も講演前の1年間に対ドルで15%下落していた。その後状況は反転し、過去1年間で9%上昇している。

欧州の優良株指数.FTEU3 は以来、約20%上昇。イタリアとスペインの2年物国債利回りは講演前にそれぞれ5%と6.4%だったが、今では2%を割り込み、両国は多額の利払い費を節約できることになった。

<フォワード・ガイダンス>

24日に発表された7月のユーロ圏購買担当者景気指数(PMI)は約1年半ぶりに景気の拡大を示す数字となった。

しかしすべてが解決したと言うのは早すぎる。ユーロ圏の重債務国は依然、不人気な予算カットと改革に取り組む必要がある。危機で明らかになった通り、市場は気まぐれで一国への信認はあっという間に失われ得る。

市場が沈静化したため、ECBはOMTの発動条件を厳しくしてゴールポストを遠ざけた。発動しない可能性が高まった兆しだ。

ダンスケ・バンクのエコノミスト、フランク・オランド・ハンセン氏は「金融市場が落ち着き、景気が緩やかに回復に向かおうとしている今、彼らは本当はこの道具を使いたくない」と話す。

ドラギ総裁は今月、OMTの法的条件はこれまで公表されていないし、実際に発動準備が整うまで公表されないだろうと述べ、発動条件をめぐる不透明感が一層高まった。

ユニオン・インベストメンツのハーザム氏は「ドラギ総裁は約束を果たさずに済むことを望んでいる。ECBが『最後の貸し手』になるかどうかは講演の前まで不明だったが、今では総裁の約束に拘束されている」と語る。

しかし大規模な国債買い入れを余儀なくされた場合には、法的な影響が生じかねない。ドイツ憲法裁判所は既に、ECBがOMTの導入により権限を逸脱した可能性を検証中で、無制限の買い入れが始まれば同裁判所が行動を起こすかもしれない。

ドイツ政府の経済諮問委員会のラルス・フェル委員氏は「憲法裁判所は『限界を設けるべきだ』と言うしかないだろう。そうなればOMTはもはやバズーカではなく単なる機関銃になってしまう」と述べた。

ECBはもっと小さな戦いに勝利するため、武器の種類を広げようと試みた。

米連邦準備理事会(FRB)が資産買い入れ縮小計画を示すと、ECBはすかさず今月、市場の沈静化に動いた。政策金利は長期間にわたり、現行かそれを下回る水準に維持される見通しだと表明したのだ。

しかしながら、複数の政策当局者から矛盾するコメントが出て、ECBは低金利維持を約束したのではなく基本シナリオを示したに過ぎない、という見方が市場で醸成されると、この「フォワード・ガイダンス」の効き目は衰えた。

エコノミストは、こうした文言では市場を長期間にわたって落ち着かせるには弱すぎると見ている。

米コロンビア大学のマイケル・ウッドフォード教授はフォワード・ガイダンスについて、「声明を発表しない場合に想定されるのとは異なる、特定の行動様式を今後採っていくという約束を含んでいると受け取られない限り、効果を発揮しないだろう」と指摘。約束ではなく単なる予測を示すのでは「フォワード・ガイダンスの意図があいまいになり、逆効果を生む可能性さえある」と付け加えた。

フォワード・ガイダンスによって望ましい結果を得るには、ECBは「必要なことは何でもする」という口約束を超え、実際に行動を起こす必要があるのかもしれない。

(Sakari Suoninen、Andreas Framke記者)



英バークレイズ、資本増強へ転換社債など発行か=報道
2013年 07月 27日 08:35 JST
[26日 ロイター] - 英銀バークレイズ(BARC.L)は資本増強に向け、転換社債などを発行する可能性がある。米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が26日、関係筋の話として報じた。

WSJ紙は、バークレイズが30日の第2・四半期決算発表に合わせ、資本増強策を発表する可能性があるとしている。転換社債のほか、普通株も発行する可能性もあるという。

バークレイズは英当局から70億ポンドの資本不足を指摘されているが、これを穴埋めし、同行の資本状況に対する疑念を払しょくすることが狙い。

ただ、バークレイズの経営陣はイングランド銀行(英中央銀行)傘下のプルーデンス規制機構(PRA)と、検討中の資本増強策でPRAが求める新たな資本基準を満たすことができるか現時点でも協議しているため、増強策の内容は今後変わる可能性もある。

バークレイズの広報担当者はこの報道に関するコメントを控えた。

PRAは6月、国内銀行に対するレバレッジ比率基準を3%に設定すると発表。バークレイズいついてはリスク調整後のレバレッジ比率が2.5%とこの基準に満たないと指摘し、7月末までに改善策を提示するよう求めている。


04. 2013年7月27日 15:20:29 : k1eT2bsObo
呑気だね。国土が放射能で汚染され人もいなくなったら経済危機だの経済成長だの関係ねえだろ。

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