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2013/7/26 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
参院選は「日本を取り戻す」と訴えた安倍首相の自民党が圧勝した。だが、いったい、彼らは何を取り戻すと言っているのか。取り戻したあとの日本は、いったい、どんな姿になるのか。全体像が示されていないから、まったくイメージできない。
安倍政権は、これからも経済を最優先する方針らしい。だが、この問題についても、何をどう取り戻すのかがハッキリしない。
かつて、日本の高度経済成長を支えたのは製造業である。ものづくりの力だ。もしかしたら安倍首相は、「輸出立国」の復活を考えているのかもしれない。もしそうだとしたら、時代錯誤と言わざるを得ない。
財務省が発表した今年上半期の貿易統計速報によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は5兆円近い赤字で、半期として過去最大に膨らんでいる。6月単体としても過去2番目の赤字額。これで12カ月連続の赤字である。
輸出よりも輸入の方が外貨建ての取引が多く、円安になると輸入額が増える面もあるようだが、赤字の膨張は為替が原因ではない。国内生産が減っていることにある。いまの貿易赤字は、日本企業がつくっているのだ。
グローバル化の進展で、多くの企業が海外に進出した。同じ企業の製品でも、国内でつくって売るやり方ではなく、海外で生産して輸入するパターンに変化している。ブランドは同じでも、つくられる場所は日本ではない。中国や東南アジアにシフトしたのだ。
すでに日本は空洞化している。「輸出立国」の看板を「取り戻す」のは不可能だ。いまさら国内生産を「取り戻す」こともできない。貿易赤字は避けられない状況だ。経常収支をどうにかするには、日本企業の海外の儲けや旅行者の増加に期待するほかない。所得収支や旅行収支の黒字でやりくりするという姿である。
そんな中で、「輸出にプラスだから」とアベクロサンバで円をジャブジャブにすれば、輸入品の値上がりという負の側面が大きくなる。その結果、物価が2%上昇しても、国民生活にプラスはない。
ボワッとしたキーワードを繰り返して悦に入るのではなく、そろそろ明確なビジョンを示してもらいたい。
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