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ワタミ、庄や…過労死ラインを超える長時間残業、なぜ“合法的に”横行するのか?(Business Journal) 
http://www.asyura2.com/13/hasan81/msg/340.html
投稿者 赤かぶ 日時 2013 年 7 月 26 日 07:44:00: igsppGRN/E9PQ
 

                 ワタミ本社(「Wikipedia」より)


ワタミ、庄や…過労死ラインを超える長時間残業、なぜ“合法的に”横行するのか?
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20130726-00010002-bjournal-bus_all
Business Journal 7月26日(金)2時30分配信


 とあるジャーナリストの、次の一言が印象に残っている。

「日本の社会は、どこで線を引くかという議論は好きだけど、実際に線を引く人(決断する人)はいない」

 まさにその通りであり、昨今盛況を呈しているブラック企業の議論にも当てはまるポイントだ。例えば4月上旬、「日経ビジネスオンライン」(日経BP社)上で立て続けにユニクロを展開するファーストリテイリングの柳井正社長、ワタミの桑原豊社長が登場し、自社がブラックだと言われていることへの反論を述べていた。それに対し、労働問題の論者からも賛否両論の意見が噴出していた。

 その論調はおおむね、次のように分けられる。

<賛成派>

 厳しい労働環境であろうが、合意の上で入社した分には問題ない。それくらい高いハードルを要求して仕事をさせているからこそ、成果も挙げられるのだ。

<反対派>

 そもそもそんなに働かせてる時点で労働基準法に違反している。成果を挙げていようが、社員が納得ずくであろうが、まずは適法に経営するところから始めるべきだ。

 こうした議論は、「どこで線を引くか」という観点で考えてしまうと結論に至らないだろう。では、筆者なりに線を引いて論じてみたい。

 まず「合法か否か」という点について。

 ご存じの通り、日本の労働基準法において労働時間は「1日8時間、週40時間」と決められている。本来、従業員にそれ以上働かせることはできないはずなのだが、今や「残業がない会社のほうが珍しい」くらいであろう。

●長時間残業が合法的に認められるカラクリ

 多くの人が疑問に思うのは、実質的に違法な状態がなぜ見逃されているのか、という点ではなかろうか。もちろん、それにはウラがある。「特別な労使協定」を結べば、この上限時間を超えて働くことが認められているからだ。その規定が労働基準法36条にあるため、「三六協定(さぶろくきょうてい)」と呼ばれている。この協定が結ばれれば、そこに定められた限度が労働時間の新たな上限となる。

 ここ数年で社員の過労死が起きたケースとして居酒屋チェーン・「庄や」を運営する「大庄」や「ワタミ」の例があるが、それぞれ三六協定により、長時間の残業が合法的に認められていた。ちなみに前者は「月100時間まで」、後者は「月120時間まで」となっている。いずれも、厚労省の定める過労死ラインを超える労働時間なのだが……。

 ネット上では大手ブラック企業が、「社員に残業を強いている」ことを非難されるケースがあるが、労使合意の上で三六協定が結ばれている以上、それ自体は「違法ではない」状態になることを認識する必要がある。もちろんこれはあくまで「残業させることができる」というだけで、当然その分の残業代は支払わなければならない。サービス残業をさせたら、その時点で違法状態になる。
 
 本来であれば、そのような大企業には労働組合が存在し、社員にとって不当な内容の協定は拒否できるはずだ。しかし労使協調路線のためか、多くの組合では会社側と協議することもなく、社員は協定を受け入れてしまっている状態である。

 同時に、違法になりうる状態を監督すべき労働基準監督署も、多大な残業の温床となりうる協定を見逃してしまっており、いずれも「合法的な手続き」のもとでハードワークが正当化されているということになる。

 では、なぜ労基署がそんな残業天国状態を取り締まらないのだろうか? この件について説明すると長くなるため、また別途機会を設ける予定であるが、原因はシンプルである。簡単に言うと、「労働基準監督官の数が足りない」のだ。

 全国に存在する民間企業は300万社とも400万社ともいわれるが、監督官は3000名程度しかいない。しかも、「未払い賃金問題」など早急に取り組まなければならない問題が山積みされており、労働者側から証拠を揃えて実名で被害を申告しなければ動けない、といった数々のハードルが存在しているのだ。率直に表現すると、労基署にとっては「優先順位が低い」問題なのである。

 過大な残業問題は、労働者側が黙っている間は解決できない。なんとかするには先述のように、残業が常態化している確かな証拠と、複数社員による申告があれば労基署は動く。実際にマクドナルド、すき家、ショップ99などでは裁判となり、結果的に1分単位で残業代の支払命令が出されているのだ。

 筆者としては、制度疲弊を起こしているシステムの改善を提起するとともに、表面的には無害な優良企業を装いながら、裏では悪質な違法行為を行っている会社をブラック企業と認定し、引き続き無慈悲に告発していく。地道にがんばる人が報われる社会を実現しなければならない。

新田 龍/ブラック企業アナリスト、ヴィベアータ代表取締役


 

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コメント
 
01. 2013年7月26日 11:16:14 : nJF6kGWndY

>過労死ラインを超える長時間残業、なぜ“合法的に”横行するのか

研究開発、官僚、営業など職種によっては、過労死ラインなど実態として全く無意味な場合も多いからな

実際、若いうちは大体何とかなるから、死ぬほど働いた方が遥かにメリットの方が多い



02. 2013年7月26日 11:18:00 : nJF6kGWndY

あと日本の悪しき労働風習で、残業せず、効率的に仕事をこなしても、あまり評価されないという悲しい現実もある



03. 2013年7月26日 16:31:57 : niiL5nr8dQ
【過労死の国・日本−労組の存在意義】(3)入社2カ月で過労自殺した「ワタミ」の26歳女性社員…手帳に「気持ちが沈む。早く動けない。誰か助けて」
2013.7.26 07:07
(2)過労死、笑えない“スマイル0円”…から続く

 「体が痛いです。体が辛いです。気持ちが沈みます。早く動けません。どうか助けて下さい。誰か助けて下さい」

 居酒屋チェーン大手「ワタミフードサービス」の新入社員で、平成20年6月に過労自殺した森美菜=当時(26)=がのこした手帳の文面だ。日付は5月15日。美菜は入社後1カ月半でこれを書き、1カ月もたたずに亡くなった。

 調理研修がほとんど行われないまま神奈川県横須賀市の店舗に配属され、刺し身などを作る最もハードな「刺場」を任された。開店前の午後3時までに出勤し、平日は午前3時、週末は午前5時の閉店後も働いた。しかも与えられた社宅が店から遠く、始発電車まで待機を余儀なくされた。

 ボランティア研修や早朝研修が組み込まれ、休日に心身を休める暇もなかった。調理マニュアルに加えて経営理念集も暗記せねばならず、リポートの提出まで課せられていたという。

 手帳に「SOS」を記すころまでの残業は月140時間。そして手を差し伸べる「誰か」は、会社の中にいなかった。父、豪(つよし)(64)は、ワタミが抱える欠点を指摘してこう悔やむ。

 「労働組合があれば、娘は救われたはずだ」

研修なし、勤務14時間超、経営理念集…「労使一体で改善」

 厚生労働省の24年の統計では、従業員千人以上の大企業で労組に加入している労働者は45・8%。千人未満の企業になると5・5%と極端に低いが、ワタミはグループ従業員数6157人でありながら、労組が存在しない。

 労働者が労組を結成する権利は、憲法で保障されている。が、美菜と同期入社の女性は、豪に宛てた手紙の中で、入社時に会社から「労組を作ってはならない」という趣旨の説明を受けたことを明かした。なぜかという質問に、担当者は「不満があれば、すぐ上に伝えるから」と答えたともいうのだ。

 神奈川労災保険審査官はこの手紙を証拠として採用し、昨年2月に美菜の過労自殺を労災認定している。

 ワタミグループの広報担当者は、取材に「そのような説明をした事実は確認できない」と回答し、労組がない理由をこう述べた。

 「弊社では労働条件の維持・改善は、労使一体となって検討し決定する方針、風土であり、結果として円滑に実施できている。今後もこの考え方を踏襲する」

分断された職場

 美菜の上司に当たる店長は、年下の女性社員だった。社内制度で決められた「カウンセリング」を週1回行い、休日に体力の回復や気分転換ができないと美菜から打ち明けられていたが、労働基準監督署の聴取には「どうして自殺したのか分からない」と答えた。

 美菜のパソコンには死の直前、会社に提出したリポートが保存されている。

 「120%の力で、どんなにひどい状況でも無理やりにでも乗り越えろと?」「日々の業務が終わると、皆へとへとである。それとも、へとへとになっているのは、私だけか?」-。疑念を直接、ぶつけていた。

 入社前、過労死の心配を口にした母親に、美菜は「大丈夫。変だと思ったら、すぐ辞めるから」と応じたのだという。

 労使一体を強調することで、会社は美菜から冷静な判断力を奪ったのではないか。労組が存在すれば、会社との協定によって残業に歯止めがかかっていたのではないか-。豪はそう考えずにはいられない。

 「だれもが追い立てられ、互いを気にかける余裕さえなく、職場が分断されていた。労組は、やはり必要だ」

 豪の悲痛な思いを受け止められる労組は、果たして存在するのか。ある労組で書記長を務めていた若者が自らの試行錯誤を語った。

(敬称略)

=続く(次回は29日(月曜)朝に掲載)


04. 2013年7月26日 16:40:46 : niiL5nr8dQ
【過労死の国・日本−労組の存在意義】(2)店長過労死、作り笑いの店員…「こんな悲劇繰り返せば マックはハッピーセットなど売れない」
2013.7.25 07:00
(1)労組は貴族「できる人は休む」…から続く

笑えない“スマイル0円”

 「店長が死にました。上司が勤務管理表を確認しにきました」。ホームページの投稿欄に店員とみられる人物から匿名で書き込まれた情報が端緒となり、労働組合が動いた。

 日本マクドナルドで店長を務めていた寺原あおい=当時(41)、仮名=は平成19年10月、研修中に倒れ、くも膜下出血で死亡した。企業内労組「日本マクドナルドユニオン」は、勤務先だった横浜市内の店舗を独自に特定。寺原の遺族とも接触したという。

 神奈川県内の店長で中央執行委員長の岡田篤(50)は、直後に訪ねた寺原の店舗の光景が忘れられない。店員たちは作り笑顔で、うつむきながら接客していた。

 「こんな悲劇を繰り返したら、マックは『ハッピーセット』を売れなくなる」

 寺原の残業は会社の記録上、月20〜40時間だったが、岡田ら組合員は寺原が通勤で使っていた店舗近くの公営駐車場を割り出し、情報公開請求で入出庫記録を入手。遺族から提供を受けた携帯電話のメールと突き合わせ、実際の残業が最長月121時間にのぼっていたと推計した。過酷な労働実態を浮かび上がらせたのだ。

名ばかり管理職

 19年からの3年間、マクドナルドは店長の労務管理をめぐる2つの問題に直面していた。ひとつは寺原の過労死。もうひとつが「名ばかり管理職」だ。

 名ばかり管理職とは、経営者と一体でなく職務権限を持たないのに、労働時間規制のない「管理監督者」とみなされる従業員のことだ。20年1月、東京地裁が男性店長への残業代の支払いを会社に命じた判決を機に、社会問題になった。

 原告の男性店長は企業外の別の労組に個人加盟しており、組合員ではなかったが、労組は訴訟を支援。会社は20年5月、全店長に残業代を支給すると表明し、これによって名ばかり管理職は解消された。

 しかし、当時の労組執行部はその後も正社員である店長の待遇改善に固執。パートやアルバイトから反発を招いたというのだ。

 一方、寺原の過労死は20年9月に労災申請され、労働基準監督署が一度は退けたものの、21年10月に神奈川労災保険審査官が逆転認定した。前後して委員長に就任した岡田は、過労死防止へと活動の舵(かじ)を切った。

協調しない労使

 労組は21年12月、会社側と画期的な取り組みを進めることで合意した。店長に集中する業務のうち、優先度の低い売上金の集計などを、実力あるパートに任せようというのだ。こうした「ワークシェアリング」が進めば、正社員の過労に歯止めがかかり、代わりにシフトに入る非正規労働者の収入は増える。

 労組から持ちかけた提案に会社が乗った形だが、岡田は「けっして労使協調ではない」と言い切った。

 労使協調が行き過ぎると、「なれ合い」「癒着」と批判を浴びることも少なくない。が、マクドナルドでは労使間で労働協約が結ばれておらず、労組には、ストライキなどを行わない「平和義務」も存在しない。

 そうでありながら、労組はサービス残業など労働基準法に違反する情報を組合員から集め、会社に改善を要請。これまでのところ、会社もすぐ監査に入り、是正を促しているという。

 協調か、対立か-。明確に分かれるのではなく、適度な“緊張関係”の中で、労組と企業が問題解決にあたる。

 岡田は言う。「会社と同様、私たちにもマクドナルドへの誇りがある。会社には過労死を二度と出さないよう、そしてブランドを傷つけないよう、健全なビジネスをしてほしいだけなのだ」

(敬称略)

=続く



【過労死の国・日本−労組の存在意義】(1)社員の妻から訴えられた「すかいらーく労組」…会社への漏洩恐れて社員は労組から離れる
2013.7.24 07:00
若者も危機、労基署さえサービス残業…から続く

 「相談なんてとんでもない。会社に筒抜けになる」。社内の労働組合を活用できないか、と電話越しに問われた男性はこう即答した。そして翌朝、出勤前に倒れたという。

外部に相談も…

 外食チェーン大手「すかいらーく」の社員だった中島富雄=当時(48)、横浜市都筑区=は平成16年8月、脳梗塞(こうそく)で死亡した。神奈川、静岡両県の複数店舗で店長の不在時などに応援に駆け回る「支援店長」。月平均130時間にも及ぶサービス残業が2年も続いた末の過労死だった。

 「言うことを聞けないなら辞めろ」。上司から暴言も吐かれていた中島は、退職覚悟で会社に未払い残業代を請求する決意を固めていた。

 中島は企業内労組「すかいらーく労働組合」の組合員で、組合費月4500円は給与から天引きされていた。にもかかわらず、頼ったのは、個人加盟できる「全国一般労働組合全国協議会東京東部労働組合」(東部労組)。東部労組が実質的に運営する相談窓口に中島がかけた最初で最後の電話が、冒頭のやりとりだったのだ。

労組同士が対決

 「会社を正すのが僕の使命だ」。生前に中島からそう聞かされていた妻の晴香(57)は、中島が救いを求めようとした東部労組に自ら加盟し会社側と交渉。労災認定を経て、18年7月に謝罪を勝ち取った。会社側は職場の改善状況を年1回、報告することも約束し、現在も続けている。

 ところが、すかいらーく労組はこの間、晴香を支援してこなかったばかりか、中央執行委員長が専門誌のインタビューでこんな発言をして、物議を醸した。

 「できる店長は、忙しい中でも休みが取れる。誰かが『私が代わりに働きます』と言ってくれるだけの、人間的魅力がなくてはならない」

 「冒涜(ぼうとく)された」と怒った晴香と東部労組は19年7月、「労組としての義務を果たさなかった」として、すかいらーく労組を相手に謝罪などを求める民事調停を申し立てた。労組同士が法廷で対決する異例の事態に発展したのだ。

 組合員の健康を守るという点において共通するはずの労組同士の争いは、すかいらーく労組が謝罪を拒否し続け、19年末に決裂。当時の委員長は労組を離れ、関連会社の社長になった。

 すかいらーく労組の役員は取材にこう答えている。

 「労組に責任があったかは、私たちでは判断できない」

昇給と雇用優先

 独立行政法人「労働政策研究・研修機構」が19年、労働者10万人に行った調査では、職場の苦情や不満を労組が予防・解決することに「期待できない」という回答が47・5%を占め、「期待できる」(31・0%)を上回った。

 理由としては「会社と同じ対応しかできない」(36・8%)、「会社から不利益な扱いを受けるおそれがある」(20・1%)、「労組が従業員個別の問題を取り扱うことに関心がない」(19・7%)-などが目立っている。

 従業員の多くが労働組合に失望していることを浮き彫りにしたこの調査結果に、甲南大名誉教授(労使関係論)の熊沢誠(74)は別の側面からも光を当てる。過労死問題に取り組む労組が少ないことへの、不満が透けてみえるというのだ。

 熊沢は解説する。「労組は昇給と雇用の保障さえあればいいと考え、残業時間や仕事量などをめぐる働き方の問題について、意見を言わなくなってしまった」

(敬称略)

 本来であれば、組合員である労働者の命と健康を守るべき労働組合。今の労働組合が、「karoshi」にどうかかわっているのかを探る。

=続く


http://sankei.jp.msn.com/west/west_economy/topics/west_economy-17494-t1.htm

過労死の国・日本、問われる労組の存在意義
(1)労働貴族ぶり…遺族から訴えられたのは「すかいらーく労組」(2013年7月24日)
第1部 英語となった「Karoshi」 繰り返される悲劇
(1)tsunami、復興…なぜ死ぬほど働くのか(2011年8月8日)
(2)仕事に死ぬ日本人 米紙1面「経済戦争の戦死者」(8月9日)
(3)先進国なのに…24時間働かせても合法(8月10日)
(4)「23年前の再現」激安を支える残業100時間(8月11日)
(5)国際労働機関の大株主…ニッポンの国内問題扱い(8月12日)
第2部 復興の犠牲者たち
(1)美談で済まされぬ「フクシマの英雄たち」(2012年1月7日)
(2)「裏切ったな!」日給2万円…原発労働の対価と代償(1月7日)
(3)津波被害と闘い死…町民から「税金で食ってる、当然」(1月8日)
(4)男泣き父「訴えぬのは、いい息子でいさせたいから」(1月8日)
(5)「なぜ主人が2度も派遣…」曖昧な境界、暗黙の強制(1月9日)
第3部 若者に迫る危機
(1)ワープア、ブラック企業、鬱で自殺…悪循環(3月17日)
(2)“正社員”餌に残業100時間 「マジで無理…」首つり(3月18日)
(3)“国策”地デジの影…SEは鬱率3倍(3月20日)
(4)ITに無理解、労災認定2.2%(3月20日)
(5)労基署さえサービス残業…根絶へ防止法を(3月20日)


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