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2014年4月に消費税は5%→8%に!住宅、自動車、家電…増税前に買うと得な商品は? (ダイヤモンド・オンライン) 
http://www.asyura2.com/13/hasan81/msg/334.html
投稿者 かさっこ地蔵 日時 2013 年 7 月 25 日 21:52:23: AtMSjtXKW4rJY
 

増税前に住宅を買うのは決して得ではない!?


http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20130725-00039179-diamond-nb
ダイヤモンド・オンライン 2013/7/25 11:35


 2014年4月1日から消費税率が現行の5%から8%、再来年10月には10%と消費税の引き上げの予定が発表されており、それに伴って増税直前の今年度は、住宅などの高額商品を中心に買い急ぐ「駆け込み需要」が叫ばれている。
確かに住宅や自動車など、単価が高い買い物は増税前に買う方がお得なように思える。そこでフィナンシャルプランナーの西原憲一氏に「駆け込み需要」のお得度について話を伺った! 

● 「駆け込み需要」に右往左往するよりも 肝心なのは先々のプラン

 消費税増税前に、人生で一番大きな買い物となる住宅購入を考えている方も少なくないだろう。例えば2000万円の住宅(建物部分)を購入する際、今だと消費税は5%なので消費税額は100万円。だが8%になる予定の来年度には160万円となり、60万円もの差額が。それを避けるために、やはり住宅購入に踏み切るのは今がベストなのでは? 

 「いいえ。むしろ今購入すると損をする可能性もあるためオススメはしませんね。というのも、住宅ローン控除(控除率1%)が適用される借入限度額は、現行制度では原則2000万円だったため、税額控除限度額は毎年20万円まででした。けれど、来年4月1日から借入限度額の枠が4000万円まで広げられ、税額控除限度額は毎年40万円までアップするんです。また増税後の需要の落ち込みに伴い、住宅価格が下落する可能性もあります。税制面でのサポートや価格の低下などを考慮すると、増税後の方こそ負担が軽く済むケースも生じると思います。ただ、地価が下げ止まりつつあるというデータが国土交通省より発表されましたから、地域によって地価が上がってくるかもしれません。金融取引や設備投資が活発になると、ローンの金利が上向きになる傾向もあります。ですから現状では、買った方が得とも損とも言えないというのが正直なところですね」(西原氏)

● 増税前の自動車購入は得? 

 それでは自動車はどうだろう。今年、200万円の新車を購入すれば消費税額は10万円ですむが、来年同額の新車を購入したとすると消費税額は16万円。自動車取得税(取得金額200万円×90%×5%=9万円)や重量税(1t〜1.5tの非エコカー場合/12300円)も合算すると、税金だけで約20万円も支払うことになるわけだから、せめて消費税が5%と安い今年度のうちに購入した方がお得に思えるが……。

 「ちょうど買い替えの時期という方は購入に踏み切るのもいいかもしれませんが、今年度は『駆け込み需要』によって価格の上昇が考えられます。また消費税が10%になる予定の2015年には自動車取得税が廃止される予定なので、様子を見てもよさそうです」(西原氏)

● 洗濯機や冷蔵庫は? 

 住宅と自動車には増税後も手当やサポートがつくようだが、洗濯機や冷蔵庫などに代表される大型の白物家電はどうだろうか? 

 「以前は省エネ家電への助成金などがありましたが、今回は税制面での大きな手当は見込めないですね。ただ増税後に価格が下がってくる場合、変動が大きいのではと思います。そもそも家電製品は入れ替えが激しいので、欲しい商品を1年以上我慢したら安く買えたりします。なので、とりわけ家電製品に関しては増税を意識するよりも、欲しい商品のコストパフォーマンスを優先する方がいいという気がします。少し我慢して値下がりを待つなど、慌てて高値買いするよりいいのではないかと思いますね」(西原氏)

● 金(きん)の売買によって 消費税分の差額で稼ぐ方法も疑問視 今年度、得する買い物は? 

 売却時にも消費税分が上乗せされる金(きん)の購入を考えている人もいるかもしれない。確かに今年度、金を購入して消費税が上がる来年度以降に売却すれば差額で儲けられそうだが、これについてはどうだろうか? 

 「確かに増税のタイミングに売却することで利益を出すのは効果的かもしれません。しかしそれは“金の価格が購入時と売却時で同じ”という前提の上に成り立つ方法なので、当然損をする可能性も考えられます。増税うんぬんは考えずに、従来通りの金の相場変動を意識して売り買いした方が、一般的な売却益は得られやすくなると思いますね。また消費税増税は国内の事情ですが、金は国際的な為替や株価の影響で相場が変動するので、短絡的に考えず慎重になってみる必要があります」(西原氏)

 それでは来年度の増税時までに購入しておいてお得になるといったものは、ほぼない? 

 「数百万円、数千万円といった高額商品に関しては、お得だと断言できるものはないです。ただし、例えば電車の定期券は増税前の今年度中に買っておくのがお得ですし、ブランド品なども増税後に価格が急激に下落する可能性は低いので、増税前に購入すればお得感がありますね」

 西原氏の指摘する通り、「駆け込み需要」で得をするといったケースはごく稀のようだ。単に税率の面だけではなく、増税後の手当や値段の下落などを視野に入れつつ、家計にとって何が本当に重要な買い物であるかを見極めることが、賢い消費者のあり方と言えそうだ。

 
(取材・文/照井琢磨、昌谷大介[A4studio])


 

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コメント
 
01. 2013年7月26日 06:37:51 : BDDFeQHT6I
デフレが益々進行して物の価値が下がりお金の価値が上がる、家なんぞ何年か我慢すれば半額になるかもしれない。
今はお金を使わず生活防衛に徹しないと後で泣きを見るだろう、自民党政治は庶民を助けないことが明らかなのだからもう一度政権交代が起こるまでじっと我慢だ。

02. 2013年7月26日 16:26:54 : niiL5nr8dQ
竹中平蔵の「経済政策ウオッチング」
既定路線の消費増税、せめて歳出削減をセットで行うべき
nikkei BPnet
2013年07月26日 

 来年4月の消費増税をどうするかがテーマとなってきた。民主・自民・公明の3党合意に基づきメディア、国民までが支持して昨年8月に成立した消費増税法を、今さらやめるのは政治的コストがかかる。“器”はそのままにして、“中身”を変えていく方が現実的だろう。

消費増税をやめるには新たな法案が必要
 ご存じの通り、消費税を2014年4月に5%から8%に引き上げるという法案はすでに成立している。その際、景気を考慮するということになっている。2013年4-6月期の国内総生産(GDP)が、8月中旬から下旬にかけて出るので、それを見て実際に消費増税をするかどうかが判断される。

 ただ、増税をしたい財務省としては、法律をうまく作っている。消費増税法附則18条には次のような一文が挿入されている。

 「この法律の公布後、消費税率の引上げに当たっての経済状況の判断を行うとともに、経済財政状況の激変にも柔軟に対応する観点から、第二条及び第三条に規定する消費税率の引上げに係る改正規定のそれぞれの施行前に、経済状況の好転について、名目及び実質の経済成長率、物価動向等、種々の経済指標を確認し、前二項の措置を踏まえつつ、経済状況等を総合的に勘案した上で、その施行の停止を含め所要の措置を講ずる」

 最後にある「その施行の停止を含め所要の措置」というのは、増税をやめるためなどに必要な立法措置を指している。増税をやめるのなら、別の法案を出して国会で成立させなければならないとしているのだ。

Next:本来は消費増税よりやるべきことがある

 そのため、名目上は景気を見て増税するかどうかを判断するとなっているが、実質的には増税は決まったも同然と言える。わざわざ別の法案を出して国会で審議し、それを成立させるのは大変な作業になる。現実には増税撤回はできないような仕組みがすでに埋め込まれているのである。

 私自身は、消費税の引き上げに一貫して反対してきた。消費増税の前にやるべきことはたくさんある。やるべきことをきちんとやったら、消費増税の必要はなくなるからだ。

 経済を成長させ、歳出を削減すれば、消費増税分の財源は捻出できる。逆に言えば、歳出を削減せずに消費増税を行っても財源は足りないままだ。いくら消費税を引き上げても、やるべきことをやらなかったら、財源不足は解消されないのである。

 財政的には、今回の消費増税だけではほとんど意味がないと言える。しかし、現実問題として、来年4月の消費増税はやらざるを得ない。

 昨年、与党も野党も、そして大手メディアもすべて賛成して、さらには世論もサポートする形で消費増税は決められた。私個人は反対だったが、国全体の意志としては消費増税に賛成だったのだ。

Next:社会保障費の抑制で歳出削減を行うべき

 それを今さらやめるというのは、国際的に日本の信任を大きく損なうことになる。「悪法も法なり」という有名な言葉があるように、悪い意志決定も意志決定である。意志決定をした以上はやるしかない。

 このように消費増税が既定路線となっている現状で、あえて望むことがあるとすれば、せめて“中身”を少しでも良くしてほしいということだ。

 つまり、消費増税とあわせて歳出削減を行ってほしい。歳出が抑えられれば、消費増税した分だけ別のことにお金を使える。そうした努力をせず、何もしないで消費増税だけするというのは知的退廃だと思う。

 繰り返しになるが、歳出削減は絶対にやる必要がある。特に社会保障費の抑制をやらない限り、いくら消費税を引き上げても追いつかない。そのことは肝に銘じて、政策を遂行していくべきだろう。

 社会保障費の中で削るべきものは年金と医療だ。年金と医療については、世界的に見ても日本はそれなりに高い水準を実現している。GDPに対する年金支払額は経済協力開発機構(OECD)の平均をはるかに超えて、英国をも凌いでいる。医療もOECD平均を上回っている。少なくとも年金については支給年齢の引き上げを行い、給付を抑制していくべきである。

Next:参院選に勝利して得たポリティカル・キャピタル

 1960年に国民皆年金が始まった時の平均寿命は約66歳だった。それから平均寿命は約15歳上がっている。本来は、平均寿命くらいから支給するというのが年金制度の考え方だったはずだ。平均寿命80歳の時代に、65歳から年金を出していては、お金がいくらあっても足りない。裕福な高齢者への年金給付を減らすことも考えるべきだろう。

 選挙に勝ったことで、安倍晋三首相は大きなポリティカル・キャピタル(政治的資本)を得た。このポリティカル・キャピタルは大切に使わなくてはならない。安倍首相といえども360度、全方位で戦うことはできない。消費増税を撤回するためにポリティカル・キャピタルを浪費するよりは、消費増税という“器”はそのままに、“中身”を変える努力をする方が現実的だ。

 そのうえで注意しなくてはならないのは、消費増税を今のような状況でやった時に、経済には必ずマイナスの圧力がかかるということだ。財務省は、マイナスの圧力を相殺するためにまた補正予算を組む考えだろう。しかし、そうするとますます財政再建が難しくなる。

 財務省を中心に、このような政策をとらざるを得なくなっているのは、中期財政計画がちゃんと立てられていないからだ。

Next:しっかりとした中期財政計画を

 本来であれば、6月14日に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」で財政再建のシナリオを示すべきだったが、「中期財政計画を早期に策定する」と記載するにとどまっている。

 中期財政計画は7月末から8月上旬にかけて本格的に議論されるだろう。一方、社会保障についても同時期に議論が行われる。その意味で、参院選後のスタートダッシュというものが、安倍内閣にとってきわめて重要となってくる。

 ここまで述べてきたように、消費増税をやめることに多大な政治的エネルギーを費やすというのは現実的ではない。

 それよりも、中期財政計画をしっかりと作り、社会保障も含めた歳出削減に取り組んでいく。そうしたところにエネルギーを使い、ポリティカル・キャピタルを投入していってほしいものである。

竹中平蔵(たけなか・へいぞう)
慶応義塾大学総合政策学部教授
グローバルセキュリティ研究所所長
 1951年、和歌山県生まれ。経済学博士。一橋大学経済学部卒業後、73年日本開発銀行入行、81年に退職後、ハーバード大学客員准教授、慶応義塾大学総合政策学部教授などを務める。2001年、小泉内閣の経済財政政策担当大臣就任を皮切りに金融担当大臣、郵政民営化担当大臣、総務大臣などを歴任。04年参議院議員に当選。06年9月、参議院議員を辞職し政界を引退。
 現在、慶応義塾大学総合政策学部教授・グローバルセキュリティ研究所所長。公益社団法人日本経済研究センター研究顧問、アカデミーヒルズ理事長、株式会社パソナグループ取締役会長などを兼職。主な著書に『日本大災害の教訓―複合危機とリスク管理』(共著、東洋経済新報社)、『経済古典は役に立つ』(光文社新書)など多数。


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03. 2013年7月26日 23:06:49 : niiL5nr8dQ

「政府の借金」を冷静に考える 村上尚己「エコノミックレポート」

2013年7月26日  

来週の重要経済指標、主要企業決算についてPDF版のレポートで解説しています

7月24日レポート「日本の財政赤字を減らす確実な方法」について多くの賛意を示すフィードバックを頂いたが、批判的なご意見も頂戴した。その中の一つが、「日本の債務残高が200兆円以上増加しているのを勘案していない」である。

「日本の債務残高」という言葉使いが正確ではないが、メディアに登場する識者の中にも「政府債務は1000兆円を超えているから、日本の財政は深刻な状態」という言説を度々見かける。これを強調する識者は、一刻も早く増税すべきと唱えることが多い。

霞が関発の情報に頼る大手新聞からもこの点が頻繁に報道されるが、実際に日本政府の債務残高は1000兆円を超え、GDP比率で2倍以上という国は主要先進国の中で日本だけである。ただ、膨らんだ債務残高がなぜ問題なのかが、冷静に議論されることは余りない。

理論上、政府債務の返済は将来世代によって行われるため、政府債務拡大は「将来世代の負担」である。その負担を減らすために、現役世代の負担である増税で、政務債務の拡大を止めて、将来世代の負担をなるべく軽くする、というのは当たり前である。

筆者も、将来世代の負担を真剣に考えている。ただ、増税で税収が増える経済状況なら良いが、先日のレポートでも述べたが、増税でデフレ圧力が再び強まり名目GDPが縮小すれば税収は減る。再び1990年代後半と同様に公的債務が増えるリスクを懸念しているわけである。増税のタイミングとその程度を間違えれば、将来世代の負担が更に増える。

それでは、先の読者が懸念するような、「政府の債務残高の増大」が日本の財政問題に及ぼす影響はどの程度深刻なのか?メディアに登場する識者も大抵そうなのだが、それがどの程度深刻な問題で、日本経済の脅威であるかは実は曖昧である。「借金が増えて大変」という感情論ではなく、この点をデータを踏まえて考えてみよう。

政府債務残高が膨らみ過ぎることが引き起こす問題の一つは、債務による利払い負担が増えて、それが財政赤字を拡大させることである。利払い増加で財政赤字が増えてしまい、更に政府債務が積み上がる、という悪循環に陥ると財政政策が機能しなくなり弊害が甚大になる。

それでは、国債などの利払い負担が、日本の財政収支にどの程度影響しているのか?公的債務が増え続けているため、利払い負担も大きく増えていると思っている方も多いかもしれない。グラフでは、政府の利払い負担である、「財産収支(利子等の受取ー利子等の支払)」を示している。

最新データは2011年度だが、財産収支は3.8兆円の支払い超(支払>受取)である。2008年以降支払超が増えているが、1990年代よりも政府の財政負担は小さい。これは、公的債務残高が増えても、国債利子が大きく低下して利払い金額が減っているためである。

政府の利払い負担(財産収支の支払い超)は、公的債務残高が増えても、金利水準が低いままであれば大きく増えない。グラフで示しているように、財産収支よりも、経済成長や景気循環で税収は大きく動き、これが財政収支を最も動かしている。

名目金利の上昇で政府の利払い負担が増えて、それで更に政府債務残高が増えることが懸念されている。もちろん、名目金利「だけ」が上昇すればそういったことも起こるが、通常は名目金利が上昇する時は経済成長率が高まるので、税収がより大きく増える。だから、景気回復によって2000年代半ばに起きたように財政赤字は縮小する。このグラフが示す、税収と財産収支のデータを踏まえれば、それがなぜ起こるかは明白だろう。

政府債務残高が増え過ぎて、日本の財政が危機的な状況が起きているという認識は、「経済成長が起きず名目金利だけが上昇して、財政赤字が増え続ける」という特異な状況を懸念しているのだろう。ただ、なぜがそうした状況が起こるのか、筆者は真っ当な説明をほとんど聞いたことがない。ちなみに現在南欧諸国ではそれが起きているが、それは金融政策が南欧諸国のためだけには機能しないからである。http://www.monex.co.jp/Etc/00000000/guest/G903/er/economic.htm


 

 


 

 


 

2013年07月26日
第316回 米国の長期金利上昇は吉兆!?それとも凶兆!?(JPモルガン・アセット・マネジメント)

<質問>

5月以降、米国の長期金利が大幅に上昇していますが、景気回復や株価に悪影響が及ぶのではないかと心配しています。実際、どの程度の影響があるのでしょうか?

<回答>

ご質問、どうもありがとうございます。今回はJPモルガン・アセット・マネジメントの鈴木英典がお答えします。

確かに、ご指摘の通り、このところ米国の長期金利は大幅に上昇しています。10年国債の金利で見てみますと4月末が1.67%、7月17日が2.53%なので、この2ヵ月ちょっとの間で0.8%以上も上昇したことになります。日本とドイツの10年国債金利は同期間で0.2〜0.3%程度しか上昇していませんので、米国の上昇はかなり突出しています。

さて、ご質問の金利上昇が景気回復や株式市場に及ぼす悪影響ですが、基本的に長期金利は物価や経済の状況を反映して上下に変動しますので、その変化が実態経済を適切に反映したものであれば、それは「害」というよりは、むしろ、「自然な成り行き」として起こる健全な反応だと考えられます。このところの米国景気は、雇用者数の増加や不動産市況の回復に表れているとおり、緩やかな回復が継続しているので、長期金利が上昇しても、決して不思議な状況ではありません。問題は、そのペースで、いくら実態を反映したものであっても、金利があまりに急激に上昇しますと、悪影響が心配されます。しかしながら、この点におきましても、このところの複数の米国中央銀行の関係者からの発言は最近の金利上昇を抑制することを意図しているように思われますので、今のところ過度に心配する必要性は低いと思われます。(もともと、金利上昇の直接のきっかけになったのは、米中央銀行のバーナンキ議長の量的緩和縮小発言だったわけですが。)

ちなみに、1990年代と2000年以降では、長期金利と株式市場の関係が大きく変わっています。1990年代においては、金利が上昇すると株式市場は下落する傾向が見られましたが、2000年以降は、この関係がまったく逆になっています。つまり、金利上昇が株式市場の上昇を、また、金利低下が株式市場の下落を示唆するようになっています。この変化は、金利水準の変化、つまり、2000年以降の金利水準の大幅な低下とも密接に関連しているようです。もともと金利水準が高かった1990年代、さらなる金利上昇は、景気や株価にマイナスに作用したのに対して、2000年以降の低金利時代においては、景気の回復が金利上昇や株価上昇をもたらすという関係に変わったように思われます。

ちなみに、今から、ちょうど、10年前の2003年7月にも、米国景気の回復に基づく中央銀行の金融緩和政策後退見込みを反映して2ヵ月程度の間に米国の長期金利が1%程度も上昇しましたが、その後の6ヵ月で株式は約15%、しっかり上昇しました。今回も、状況は比較的似ていると思われます。つまり、結論的には、実態経済の改善が伴っている限りにおいて、ある程度の金利上昇は必ずしも株式市場に対する悪材料ではなさそうです。

コラム執筆:鈴木英典(すずき・ひでのり)

JPモルガン・アセット・マネジメント株式会社

投資戦略ソリューション室長

JPモルガン・アセット・マネジメントのホームページにおいて、連載コラム「投資耳(ミミ)」https://www.jpmorganasset.co.jp/wps/portal/Column/Indexや「資産運用の井戸端トーク」https://www.jpmorganasset.co.jp/jpec/ja/promotion/column/index.htmlを執筆。

 

 


 

 


 

 広木 隆「ストラテジーレポート」 
2013年7月26日  


下放れた日経平均

この仕事をやっていると、年に何度か、書くことがないという状況に出くわす。今もそうだ。当面の市場展望については、もう書いてしまっているのである。世間的には、与党圧勝、ねじれ解消を受けた参院選後の相場がどうなるのか、それを語るべきというところなのだろうが、それも書いてしまっているのである。

7月5日付け「7月末の日経平均株価予想 上昇相場第2幕が始まる」というレポートではこう述べた。
<調整完了、いよいよ上昇相場第2幕のスタートだ。日経平均は7月末には15,000円近辺まで上昇するだろう。>

材料として、@参院選、A第1四半期の決算発表、B水準感(テクニカル面)を挙げ、それぞれの観点から上昇相場第2幕のスタートだと述べたのだ。ご丁寧に - 自分の書いたものに対して「ご丁寧に」というのは、ちょっと変だが - C番目の要因で、2020年夏季オリンピックの開催都市として東京が選ばれる可能性についても言及した。考えられるシナリオは網羅したと思う。

事実、日経平均は7月に入ってからレンジを切り上げ、7月前半には14,000円台を固め、そして7月半ば以降は14,000円台後半での推移が続いてきた。<7月末には15,000円近辺まで上昇するだろう>と述べた通り、19日には一時14,953円まで上昇した。しかし、16,000円目前で急落に転じた5.23ショックの連想からか、この日も上昇から一転して400円近くにまで下げ幅を広げる場面があった。その後は、すなわち今週は5.23直後とは違って非常に安定した推移をしてきた。上値は概ね14,800円台、下値でも14,500円を割ることがなかった。

ところがここにきて、その狭いレンジの保ち合いを下放れてしまった。本日、日経平均は午後に一段安となり、400円を越える急落となった。まるで1週間前の再現だ。5.23ショックのあと、決まって木曜日が大幅安となることから「暗黒の木曜日」などという言葉がマーケットで喧伝されたが、これでは「暗黒の金曜日」だ。

これといった下げの要因は見当たらない。考えられるとすれば2つだ。ひとつは、決算発表シーズンの序盤戦でややネガティブな発表が目立ったこと。もうひとつは為替が円高気味に振れたことである。

決算発表

これまで発表された主要企業の決算でポジティブなものを挙げれば、
日本電産: 4-6月期上振れ分を通期上方修正で◎ 翌日の株価は10%高と急騰
ダイハツ: 4-6月期として最高益 通期据え置きも上振れ必至で株価急伸
日電硝子: 4-6月期の経常利益が市場予想を上回り、一時ストップ高

それに対してネガティブな方は、
キヤノン: 通期下方修正、ネガティブ・サプライズ
信越化学: 初めて開示した通期予想がコンセンサスに届かず
株価はいずれも売られて大幅安となった。
確かに、キヤノンや信越化学という国際優良銘柄の業績がぱっとしなければ、市場全体への重石となるのは仕方ないのかもしれない。しかし、信越化学が公表した会社計画は2014年3月期の経常利益1800億円と前期比6%増益のみ込み。市場のコンセンサスに届かなかったとは言え、それは市場コンセンサスが高過ぎるか、会社側が保守的なのかのどちらかだ。塩ビや半導体シリコンウエハーも好調で、ここまで売られるような業績ではない。

僕は、企業をカバーするアナリストではないからあくまで感覚的な物言いになるが、キヤノンだって保守的過ぎる気がする。キヤノンの第2四半期(4-6月期)の営業利益は前年同期比6%増の984億円となりアナリスト・コンセンサス通りである。つまり、足元が下振れした下方修正ではなく先行きを弱く見ての下方修正だ。中国、欧州でのデジタルカメラの不振が足を引っ張るとの見立てである。しかし、最近のPMIなどから欧州景気は意外に早く持ち直す可能性もある。加えて為替レートの前提が円高過ぎるので、その分は確実にバッファーがある。

来週はいよいよ決算発表も佳境を迎える。ピークは31日の300社の発表だ。良好な業績の確信度が高い自動車は、31日にホンダ、富士重、8月2日にトヨタがある。シャープ、ソニーの発表は8月1日。4〜6月期の営業黒字転換との報道でシャープは一時3%高と逆行高を演じる場面があった。来週は企業業績に対する見方も好転してくるのではないかと思う。


ドル円

円高方向に動いている。昨日の東京時間から円高に振れ、海外でもそのトレンドが継続。本日の昼過ぎには、一時98円70銭を割り込んだ。昨日の米国で、ウォール・ストリート・ジャーナル紙が「FRBは、事実上のゼロ金利政策を継続する目安とする失業率の水準について7月30〜31日の連邦公開市場委員会(FOMC)で議論する」と報じたことから、利上げのハードルを高める可能性が意識され、それが金融緩和長期化期待につながったとされている。

バーナンキ議長が繰り返し言っているように、緩和縮小についての既定路線はない。経済次第である。よって市場の思惑や観測も揺り戻しが幾度もあるのは当然だ。しかし、米国経済の向かっている方向はどちらか?と問われれば、それは景気回復の途上に間違いなくあり、それゆえ米国の金融政策が向いている方向は、量的緩和の縮小であることは間違いない(それが即、ゼロ金利解除につながらないということもバーナンキ議長が強調している点だ)。

一方、日本はこれから異次元緩和でマネタリーベースを増やそうというところ。金融政策の方向性が日米で真逆である。この要因ひとつとっても、ドル円相場の円安・ドル高は基調として不可逆的だろう。繰り返すが、相場だから何度も綾戻しはある。しかし、その「綾」にいちいち反応するべきではなく、トレンドに眼を向けるべきである。


ドル円の一目均衡表で雲の上限は98円76銭。まさにマーケットはその水準を試しに行っている。おそらくここはサポートされるだろう。円高も超短期のスパンではここがピークであろう。

日本株相場が企業業績失望懸念と円高が材料で売られたとするなら、来週は戻りを試す展開となるだろう。来週は月末月初で重要な経済指標の発表が目白押しだ。ドルが買い戻される展開はじゅうぶん想定できる。
http://www.monex.co.jp/Etc/00000000/guest/G903/strategy/index.htm


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