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2．成長戦略に乗れない企業・労働者はぶっ潰す
イーグルヒットでは、今回の自民党ら与党の大勝で、サラリーマンの生活がどのように暗転していくのかのシミュレーションと併せて、労働者問題に詳しい特定社会保険労務士、そして経済ジャーナリストの有識者２名を召集し、座談会を行った。引き続き、その模様の一部を紹介したい。
―― 前回は、４月に安倍首相が厚生労働大臣にしたとされる、正規雇用制度の事実上の廃止を意図する、３つの政策についての言及のところで終わりましたので、その続きから。
特定社会保険労務士
「安倍首相が４月、厚生労働大臣に指示した雇用制度改革は、次の３つ。
①失業なき円滑な労働移動②民間人材紹介サービスの最大限活用③多様な正社員の活用。これが何を意味するのかだけど・・・」
―― 円滑な労働移動、なんてポジティブな表現を使っているけど、同時に民間人材紹介サービスの最大限活用というのが、かなり引っかかる。
特定社会保険労務士
「いいところをついているね。これは今年の３月３１日に廃止された雇用調整助成金に替わる行政施策という位置付けだけど、実際はアベノミクスが優遇する成長戦略に乗れない業種をさっさと叩き潰して、これから儲かりそうな業種、産業に人を移動させろというかなり乱暴なもの。そして、その移動に民間人材紹介サービスを活用って、いうけど、これもまたかなり胡散臭い」
経済ジャーナリスト
「ああ、確かに。人材紹介サービスといっても、いろいろあるからね（笑）。求職者が希望する仕事先を選んだり、年収の高い企業への転職先を世話するような人材紹介会社というわけではない」
―― というと？
経済ジャーナリスト
「アウトプレースメント会社。再就職支援会社ともいうけどね。企業がリストラするときに一時的に所属させるようなリストラ請負会社であり、アベノミクスはその費用を国として支援するといっているわけ。
つまり、①失業なき円滑な労働移動②民間人材紹介サービスの最大限活用というのは、もうあまり成長の見込みのない産業や業種の人間は、とりあえず一旦、リストラ請負会社に所属させて、金になりそうな業界にどんどん放り込め、ってこと」
―― それって結局、成長戦略に乗れない中小零細とその労働者は「ぶっ潰す」ということだよね・・・。
（続く）
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