04. 2013年7月25日 10:47:40
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ドルが上昇、米住宅販売増加と米国債利回り上昇で 2013年 07月 25日 07:22 JST [ニューヨーク 24日 ロイター] - 24日終盤のニューヨーク外為市場では、米国の景気回復に対する信頼感と米連邦準備理事会(FRB)の量的緩和縮小観測の強まりを示唆する米国債利回りの上昇を手掛かりに、ドルが主要通貨に対して上昇した。 予想を上回って約5年ぶりの高水準となった6月の米新築1戸建て住宅販売も、ドル相場を支える要因となった。 ドル/円は0.9%高の100.29円。ユーロ/ドルは一時、1カ月ぶりの高値となる1.3256ドルまで上昇したが、直近は1.3198ドルまで下げた。ユーロ/円は0.7%高の132.34円。ドル指数.DXYは0.4%高の82.272となっている。 米財務省が実施した5年債入札は需要が低調にとどまり、国債利回りが上昇した。RBSセキュリティーズの為替ストラテジスト、ブライアン・キム氏は「ドルは現時点で高利回りに支えられている。利回りの上昇からは、進行中の米景気回復が依然、全体として上向きであることがうかがえる」と述べた。 またマークイットが発表した7月の米製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値は、製造業の活動が加速したと示す内容だった。一連の経済指標を受け、第3・四半期の米経済成長が上向くとの期待が高まった。 ウエスタン・ユニオン・ビジネス・ソリューションズのシニア・マーケット・アナリスト、ジョー・マニンボ氏は「FRBの金融政策見通しがデータ次第となっていることを踏まえ、上向きの米経済指標はドルに対する需要を押し上げる傾向にある」と説明した。 ユーロは1.3260/70ドルを上回る水準では、アジアの中央銀行などから売り注文が出ているという。マークイットが発表した7月のユーロ圏PMI速報値で総合が1年半ぶりの高水準となり、ドイツとフランスが予想を上回ったことが、朝方にユーロが買われる要因となった。 一方で弱い内容だった中国のPMIはドルへの逃避的な資金流入の引き金となり、中国の経済指標に敏感に反応する豪ドルは下落した。豪ドル/米ドルはこの日の高値である0.9317米ドルから下げに転じ、直近は1.4%安の0.9165米ドルで取引されている。 TDセキュリティーズの為替ストラテジスト、グレッグ・ムーア氏は「朝方のユーロの上昇は、ドイツとフランスのPMI上昇を反映している。両国のPMIは、中国などとは対照的な内容だった」と話した。 ただ、欧州中央銀行(ECB)が緩和的な金融政策を維持し、成長加速に向けて利下げも行うとの方針を示したことで、一段のユーロ上昇は限定的との見方も市場で出ている。 ECBとは対照的にFRBは、景気が悪化した場合のために開かれた選択肢を温存しながらも、足元での米経済の順調な回復に伴い、量的金融緩和の縮小を検討している。ECBとFRBの金融政策の違いから、10年物米国債と10年物ドイツ国債の利回り差は過去約7年で最大水準近辺で推移している。
中産階級支援にインフラ・教育支出必要=米大統領 2013年 07月 25日 04:51 JST [ゲールズバーグ(米イリノイ州) 24日 ロイター] - オバマ米大統領は24日、イリノイ州のゲールズバーグで行った演説で、米経済のけん引が期待される中産階級の支援に向けインフラと教育に対する新たな歳出は必要となると指摘した。 2期目の政策運営方針を明確にすると同時に、今後始まる予算協議で共和党が過半数を握る下院で自身の政策の通過に期待をにじませた。 大統領は同演説で、「新たな予算協議が始まろうとしている今、中産階級のステークは今までになく高まっている」と述べた。 予算をめぐっては、政権側が将来的に成長につながる分野に対する歳出を増やす意向であるのに対し、共和党側は医療保険プログラムの削減を求めており、大統領は今後、議会で共和党との困難な交渉を迫られると見通し。 大統領は「議会共和党は、目先の政治的な駆け引きをやめ、共通の基盤を探るために協力する必要がある」とし、勇気ある一歩を踏み出すことができれば、1年後の米経済は今より強くなっているとの考えを示した。 大統領は今後も自身の方針を明確にするために全国各地で演説を行っていく予定。ただ、この日の演説では新たな政策提案は示さなかった。 共和党は大統領の演説について、修辞法に長けているだけで本質的な見解には触れていないと一蹴。 共和党のベイナー下院議長は、「米国民は『雇用はどこにあるのか』と問うているのであり、『演説はどこにあるのか』と問うているわけではない」と述べた。
7月世界PMI、米・ユーロ圏は改善し中国悪化 2013年 07月 25日 02:04 JST [ロンドン/ニューヨーク 24日 ロイター] - 24日発表された世界各国地域の購買担当者景気指数(PMI)は、ユーロ圏が総合で約1年半ぶりに節目となる50台を回復したほか、米製造業も改善する一方、中国製造業は11カ月ぶりの水準に悪化した。
マークイットが発表した7月のユーロ圏PMI速報値は、総合が50.4と前月の48.7から上昇し、1年半ぶりの高水準となった。総合PMIが50を上回るのは2012年1月以来。予想の49.1も上回った。PMIは50が景況の改善・悪化の節目となる。 一方、HSBCが発表した7月の中国製造業PMI速報値は47.7で、前月の48.2から低下、11カ月ぶりの低水準を記録した。50を下回るのは3カ月連続で、新規受注と雇用が落ち込んだ。雇用指数は6月の47.6から47.3に低下、2009年3月以来、約4年ぶりの低水準となった。 TD証券(シンガポール)のアジア太平洋調査部長、アネット・ビーチャー氏は「統計を受け、中国経済がハードランディングするとの恐れが強まるかもしれない」とした上で、経済成長率は引き続き7%程度に向かって鈍化する見通しと述べた。 こうしたなか、マークイットが発表した7月の米製造業PMI速報値は4カ月ぶり高水準となる53.2で、6月の51.9から上昇した。新規受注が盛り返したほか雇用も改善、生産も4カ月ぶりの高水準となった。 ピアポント証券(コネティカット州)の首席エコノミスト、スティーブン・スタンリー氏は「米製造業は今年に入ってからさえない状況に見舞われていたが、今後は多少好転するだろう」と指摘。ただ依然、堅調な状態とは言えないと述べた。 製造業の改善は第3・四半期の米経済成長に向けてプラスだが、マークイットの首席エコノミスト、クリス・ウィリアムソン氏は、米連邦準備理事会(FRB)が金融緩和策の終了時期を早める展開は見込めないと予想。「刺激策の縮小に経済が耐え得ると自信を深める前に、政策決定者らは一段の成長強化を確認する必要がある」と話した。 7月の中国製造業PMI速報値、11カ月ぶり低水準に=HSBC 2013年7月24日 米製造業PMI速報値、7月は4カ月ぶり高水準=マークイット 2013年7月24日 中国HSBCサービス部門PMIは若干上昇、新規受注伸び悩む 2013年7月3日 世界の6月製造業統計で中国さえず、米は小幅改善・欧州安定化 2013年7月2日
6月米新築1戸建て住宅販売は5年ぶり高水準、価格上昇 2013年 07月 25日 00:07 JST 7月24日、米商務省が発表した6月の新築1戸建て住宅販売は、2008年5月以来約5年ぶりの高水準となった。写真はカリフォルニア州で販売済みと表示された新築住宅。2012年2月撮影(2013年 ロイター/Mike Blake)
[ワシントン 24日 ロイター] - 米商務省が24日発表した6月の新築1戸建て住宅販売は、季節調整済みで前月比8.3%増の年率49万7000戸で、2008年5月以来約5年ぶりの高水準となった。住宅ローン金利の上昇にもかかわらず、販売の勢いが鈍る兆候はほとんど見られなかった。 市場予想は48万2000戸だった。 前年同月比では38.1%増加、1992年1月以来の大幅な伸びとなった。 販売の連続増加は、住宅市況の勢いが増していることを示し、住宅ローンの金利上昇で勢いが鈍るとの懸念が和らぐとみられている。 在庫は1.3%増の16万1000戸と、2011年8月以来の高水準だった。需要の増大に対応するため、各建設業者が生産を加速させ続けている。 ただ、供給は引き続きひっ迫しており、価格上昇圧力となっている。価格中央値は前年比で7.4%上昇した。 在庫は3.9カ月分と、通常適切な水準とされる6カ月を下回った。 販売は3地域で増加したが、中西部は減少した。 c Thomson Reuters 2013 All rights reserved関連ニュース 6月米中古住宅販売は前月比1.2%減、住宅価格は5年ぶり高水準 6月米中古住宅販売は前月比1.2%減、住宅価格は5年ぶり高水準 2013年7月23日 米6月住宅着工件数は10カ月ぶり低水準、許可件数も予想外の減少 2013年7月18日 6月の中国新築住宅価格、前年比+6.8%=ロイター算出 2013年7月18日 米新築1戸建て住宅販売、5月は約5年ぶり高水準 2013年6月26日 関連キーワード: 戸建て 年ぶり
米製造業PMI速報値、7月は4カ月ぶり高水準=マークイット 2013年 07月 24日 23:44 JST [ニューヨーク 24日 ロイター] - マークイットが発表した7月の米製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値は4カ月ぶり高水準の53.2で、6月の51.9から上昇した。新規受注が盛り返したほか雇用も改善、生産も4カ月ぶりの高水準となった。
50が拡大と縮小の分岐点となる。ロイターがまとめたアナリスト予想は52.5だった。 生産は3月以来の高水準となる54.0で、6月の53.5から上昇した。内需が増加、新規輸出受注も盛り返した。 作業量の増大で雇用の動きも活発化、雇用は52.6と6月の49.9から上昇した。 ただ、マークイットの首席エコノミスト、クリス・ウィリアムソン氏は、雇用創出は引き続き失望を招くほど弱く、年初のペースに遠く及ばないと分析。各企業は引き続き競争力を高める費用削減に注力していると指摘した。 製造業の改善は第3・四半期の米経済成長に向けてプラスだが、ウィリアムソン氏は米連邦準備理事会(FRB)が金融緩和策の終了時期を早める展開は見込めないと予想。「刺激策の縮小に経済が耐え得ると自信を深める前に、政策決定者らは一段の成長強化を確認する必要がある」と話した。 7月の中国製造業PMI速報値、11カ月ぶり低水準に=HSBC 2013年7月24日 ユーロ圏製造業PMI改定値、6月は48.8で16カ月ぶり高水準 2013年7月1日 6月米製造業PMI改定値、昨年10月以来の低水準=マークイット 2013年7月1日 ユーロ圏の6月総合PMI速報値は48.9に上昇、予想上回る 2013年6月20日
ワシントンDCが米ウォルマートを狙い撃ち?!
議会は最低賃金の50%増を科す方針 2013年7月25日(木) The Economist 米ウォルマートは低賃金労働を基に低価格を実現し、売り上げを伸ばしてきた。だが、ここに来て成長が鈍化。今まで避けてきた大都市への進出を図っている。しかし低賃金への批判もあり、進出は一筋縄ではいかない。 米国の首都ワシントンDCの役人たちは自信を失ってはいない。確かに、この地区の失業率は全米平均より1ポイント近く高く、隣接するバージニア州に比べると3ポイント以上高い。
市議会議員のビンセント・オレンジ氏は、ワシントンDCが「小売業者を必要としているのではない。小売業者の方がワシントンDCを必要としている」と言うのだ。 ウォルマートの出店を事実上妨害 市議会はこの仮説を試したがっているように見える。7月10日、市議会は、年間売上高が10億ドル(約1000億円)以上あり、売り場面積7万5000平方フィート(約7000平方メートル)以上を持つ小売業者に対し、従業員の時給を12.50ドル(約1260円)にするよう求める法案を可決した。同地区の最低時給は8.25ドル(約830円)なので、12.50ドルはこの5割増しだ。8.25ドルでも既に連邦最低賃金より1ドル高い。 この法案は米小売り最大手ウォルマート・ストアーズを名指ししてはいないが、事実上、そうしたようなものだ。この法案は、ジャイアント・フードやセーフウェイなど、従業員の労働組合があるライバル企業には適用されない。また、開店後4年以上経つ店にも適用されない。つまり対象となるのは、この地区に6店舗を出店する計画のウォルマートだけだ。 結局分かったのは、ウォルマートがワシントンDCをそれほど必要としているわけではないことだ。同社は、もしその法案が法制化されれば、それによって科せられる予定外のコストを理由に、3店舗については計画を棚上げにすると発表している。既に建設中の残り3店舗についても再検討する考えだ(市長はまだ法案に対してに拒否権を行使することができる)。 低賃金が「常に低価格」を支える ウォルマートは同地区への進出をスムーズにしようと、職業訓練プログラムの提供やトランスポートプロジェクトの推進、慈善事業への寄付の増額を約束してきた。 ほかの大企業なら、ワシントンDCへの進出に大きなうま味を期待できるが、ウォルマートにとってはそうではない。「ベントンビルの獣」(注:ベントンビルは同社の本社がある場所)と呼ばれるウォルマートは、受ける資格のある税控除の権利さえ拒否した。同社によれば、計画していた6店舗は1800人分の新規雇用と数百万ドルの税収を生み出す可能性がある。 だが、ウォルマートに対して批判的な向きは、そのような話に納得しない。ある者は、近隣が大型小売店と小規模ショッピングモールだらけになると懸念する。またある者は、こんな調査結果を引用する――ウォルマートの店舗が地元店を押しのけ、結局、雇用や賃金の面で全体的にマイナス効果を及ぼす。 一方で、もう少し楽観的な調査結果もある。ウォルマートの賃金は素晴らしいものではないが、業界の標準であり、求職者は間違いなく集まるだろう。そして、その低賃金の裏返しが、ウォルマートのモットー「常に低価格」なのだ。 貧しい人々は生活の苦しさに比例して、食料品その他の生活必需品に多くのカネを使うため、安価な食料品は貧しい人々に最も大きな恩恵をもたらす。ウォルマートが出店を計画している店舗の幾つかは、貧困に苦しむ地域の発展を支えるだろう。最悪の事態を想定しても、ウォルマートによって押しのけられるような零細小売業はこの地域にほとんどない。 ニューヨーク初出店には失敗、シカゴでは成功 ワシントンDCの住民は既に、州境を越えてメリーランド州やバージニア州まで行き、ウォルマートで買い物することを習慣にしている(同社によれば、その売上高は昨年4000万ドル=約40億円に達した)。ただし、同社の全米での売上高は落ちているため、同社は新たな成長地域を探しているところだ。 それが、従来あまり進出してこなかった、労働組合に好意的な町なのである。 そういった町で、ウォルマートは予想通り、挫折を経験している。昨年は、ニューヨーク市内に初出店するための戦いに敗れた。シカゴではもう少し幸運に恵まれた。シカゴでも、ワシントンDCとよく似た最低賃金法案が提出されたが、2006年にリチャード・デイリー市長(当時)が拒否権を発動し廃案にした。 ワシントンDCのビンセント・グレイ市長がシカゴの先例に倣うかどうかを決める時には、シカゴで9店目のウォルマートがオープンしているだろう。 http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20130723/251420/?ST=print JBpress>海外>Financial Times [Financial Times] 欧州にも広がるデトロイト破産の波紋 2013年07月25日(Thu) Financial Times (2013年7月24日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) デトロイト市が財政破綻、米自治体では過去最大 180億ドルの負債を抱えて破産したミシガン州デトロイト市〔AFPBB News〕 デトロイト市の破産は経済的な悲劇であり、都市の衰退の危険に対する警鐘だ。だが、同市の財政破綻には、「モータウン」から遠く離れた債券投資家への教訓も含まれている。 これが信用リスクの再評価につながり、ことによれば、問題を抱えた他の都市や地域の資金調達コストを上昇させる可能性がある。 デトロイトの今後の行方次第では、欧州を含め、財政緊縮に関する議論や、地元経済を活性化させるための債務再編の是非を巡る議論を形作ることになるかもしれない。 こうした効果はどれも、すぐに目に見えるようになるものではない。先週後半のデトロイトの破綻申請は、世界の市場にほとんど波紋を呼ばなかった。現在、投資家にとって最も重要なのは、米連邦準備理事会(FRB)の意図や中国の経済見通しといったマクロ要因だ。 それと比べると、デトロイトの問題は取るに足りない。デトロイト市の負債総額は180億ドルで、米国の自治体の破産としては史上最大だが、世界の債券市場のボリュームに比べれば小さい。また、デトロイトの破産はそれほど意外ではなかったし、訴訟が何年も続く可能性がある。 複雑で多様な米地方債市場 だが、デトロイトの一件はそれでも、特に北米以外の地域で、複雑かつ多様な米地方債市場に対する理解が不足していることを浮き彫りにした。これにより、超低金利時代に投資家が信用リスクを正しく評価しているのかどうかという不安が生じている。 3.7兆ドルの証券が流通する米地方債市場の規模は、世界的に注視されているユーロ圏の国債市場の半分を超す。一般的な仮定は、地方債は保険によって保護されており、税制優遇のために買われる低リスク商品だというもので、財政難の都市は州や国などの上位の政府の支援を受けられると思われていた。 さらに「一般財源保証債(GO債)」と呼ばれる地方債は、元利払いをカバーするために税金を徴収するという誓いに裏付けられている。だが、デトロイト市の緊急財務管理者であるケビン・オーア氏が、GO債の保有者に対し、額面の2割以下の支払いを提案していることを考えると、こうした約束は確実には見えなくなる。 次のサブプライム危機か? 欧州の銀行が、恐らくは不十分な調査に基づき、少しでも高い利回りを求めてかなりの量の米地方債を取得してきたことはほぼ間違いない。もっとも、いまのところ、誰が何を保有しているのかという詳細は分かっていないが。 ロンドンの債券ストラテジストらは、今週、これが次の「サブプライム」危機ではないかと心配する投資家から問い合わせが相次いだと話している。何しろ、2007年には、質の怪しい米国の住宅ローンで生じた当初の損失の多くをドイツの銀行が負うことになった。 もう1つの懸念は、米国の地方債の支払いを保証する米金融保証会社(モノライン)が重圧に耐え切れず倒れるのではないか、というものだ。 そうした不安は現実離れしているように思える。だが、デトロイトの例は必然的に、財政難に陥る次の米国都市を探す動きを招く。その結果、投資家がより高いリスクプレミアムを要求すれば、他の市場にも伝染が広がる恐れがある。 一方、デトロイトの例は地方の政治家に財政規律を維持するプレッシャーをかけることになり、それが経済成長を阻害し続けることになる。 デトロイトの特異性は、米国の地方債の債務再編の波が起こりそうにないことを意味している。歴史的に地方債の債務再編は稀で、先週の相場急落は一部の投資家に押し目買いのチャンスと見なされた。 欧州に広がる不安 米国以外では、デフォルト率はもっと低い。スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)の記録によれば、1975年以降、格付け対象の地方政府レベルでは19件しかデフォルトが生じていない。 公式に格付けされた西欧政府のデフォルトは1件もない。西欧では多くの場合、苦境にある地方に対する国レベルの支援が明確に確約されている。また、欧州の地方債市場は1兆ユーロ足らずと規模も小さく、その多くがドイツの州政府の債務だ。 だが、3年に及ぶユーロ圏危機が生んだ重圧は――南欧諸国の大半がそうであるように――国の債務が持続可能性の限界に達し、中央銀行が「紙幣の増刷」に消極的な時に、地方と地方政府は一体どうなるのかという疑問を提起した。 もしかしたら、デトロイトの破産は浄化をもたらし、同市にとって再出発のチャンスとなるかもしれない。だとすれば、重圧がかかる欧州の地方の手本となる可能性がある。ドイツの政治家は欧州通貨同盟との「負担の共有」の原則に乗り気だ。 ギリシャは例外のはずだったが、デトロイトは・・・ オーア氏はデトロイトの危機の迅速な終焉を望んでいる。しかし、歴史は彼に味方してくれない。アラバマ州ジェファーソン郡の破綻は解決を見ないまま、間もなく3年が経とうとしている。欧州の地方政府の債務再編は米国以上に面倒だ。米国の連邦破産法第9条に相当する破綻手続きが存在しないからだ。 それでも、ギリシャが昨年、国債保有者に損失を負わせる「民間部門関与(PSI)」を行って以来、債務再編に関する欧州の議論は変わった。ユーロ圏の政策立案者はさらなるソブリン債務の再編には消極的だが、欧州大陸の債務の山に対処する選択肢は限られている。ギリシャは例外であるはずだった。デトロイトはそうでないかもしれない。 By Ralph Atkins http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/38302
JBpress>海外>The Economist [The Economist] スペインの再生可能エネルギー:太陽光の高いツケ 2013年07月25日(Thu) The Economist (英エコノミスト誌 2013年7月20日号) 持続可能なエネルギーが持続不能なコストに直面している。 太陽光にあふれたアフリカ、ソーラー発電にはほど遠く 日照量の多いスペインは、太陽光発電には理想的なはずだが・・・〔AFPBB News〕 アンヘル・ミラルダさんは、スペイン北部のベナバレ近郊の畑にある320枚のソーラーパネルを誇りに思っていた。この畑のパネルは、石油の輸入に依存する国に56キロワットのクリーンエネルギー発電能力を追加した。 パネルの費用は50万ユーロ(73万5000ドル)だった。IBMのバルセロナ支店を辞めた早期退職金から15万ユーロ、残りは銀行融資によって賄った。政府はこうしたプロジェクトに対し、年率10%の投資収益を約束していた。これは2008年の話だ。 それから5年経ち、今月7月12日に2012年から数えて3度目の補助金削減が行われた後、ミラルダさんの収入は40%減少し、融資を返済するのに四苦八苦している。「スペインには法的安全性がない」と彼は不満を漏らす。 ミラルダさんは、失敗に終わった過度に野心的な再生可能エネルギー計画の犠牲者だ。どこの国でも政府は、クリーンエネルギーに舵を切り、環境に優しい雇用を創出したいと思っている。 だが、スペインの例が示しているように、善意だけでは十分ではない。政策が間違っていれば、恩恵は無駄になり、雇用は失われ、コストが残る。そして事業に投資した人たちがその矢面に立つことになる。 スペイン政府の間違った政策、発電量は確かに急増したが・・・ 2007年当時、スペインには太陽光発電(PV)パネルの設備容量が690メガワット(MW)しかなかった。2007年というのは、中国での生産急増のおかげで世界的にPV価格が下落し始めた年だ。日照量の多いスペインにとって打ってつけに見えた新たな環境産業の振興を期待し、政府は太陽光発電に支払う価格を電気の市場価格の12倍まで増やした。 ある意味では、この施策は目覚ましい成果を上げた。炭素取引会社CFパートナーズの調査によると、PVの発電容量は2008年だけで4倍に増えたという。 太陽光のエネルギーを取り込むもう1つの技術である太陽熱発電も、装置の設置に時間がかかるために太陽光よりゆっくりではあるが、やはり大幅に増加した。太陽熱の設備容量は、2007年の11MWから現在は1950MWに増えている。 再生可能エネルギーの生産量は2006年から2012年にかけて2倍に増えた。その時点でスペインは、世界第4位の再生可能エネルギー産業を擁していた。 コストも爆発的に増加 だが、コストも爆発的に膨らんだ。再生可能エネルギーに対する補助金は、2007年の1億9300万ユーロから2012年には81億ユーロに増加した(40倍に増えた計算、図参照)。
政府がコストを全額消費者に転嫁するのを嫌がったため、固定価格買取制度の累積赤字(制度にかかるコストと消費者から得る収入との差額)は年間約50億ユーロずつ増加し、260億ユーロに達した。 これは順調な時でも負担しきれなかっただろう。80億ユーロは国内総生産(GDP)のほぼ1%に相当する。だが、ユーロ危機がスペインの国家財政に重くのしかかったため、再生可能エネルギーの手厚い補助金の改革は避けられなくなった。 政府は7月12日、最新の補助金削減を発表した。2011年から2013年にかけて既に実施した56億ユーロの削減(再生可能エネルギーを手掛ける建設会社アクシオナの試算)に加え、補助金予算を27億ユーロ減らしたのだ。 これらの制度変更によって、再生可能エネルギーは完全な規制事業と化した。再生可能エネルギーの事業者はかつて、市場価格にプレミアムを上乗せするか、コストに一定の利幅を上乗せした価格を保証する長期契約に同意するか選択することができた。政府は今年に入り、最初の選択肢を廃止し、今度は2番目の選択肢を廃止した。 遡及的な新制度に事業者が激怒 政府は今後、事業者の資産価値を評価し、事業者の税引き前利益にスペインの10年物国債利回りを3%上回る水準という上限を設ける(これが実際にどのように機能するかは発表されていない)。 これらの変更は、すべての人を激怒させている。新制度は過去に遡って適用され、新規事業だけでなく既存事業にも影響を与えるため、その合法性に異議を唱える訴訟の嵐が起きるだろう。事業者の中には、債務の返済が苦しくなるところも出てくると見られ、政府は破綻を未然に防ぐよう銀行と協議している。 再生可能エネルギー向けの融資残高は300億ユーロと推定されている。大手電力会社5社は、改革によって合計で年間10億ユーロのコストが発生すると試算している。最も影響を受ける企業――イベルドローラ、EDPリニューアブルズ、アクシオナ――の株価は急落した。 雇用も投資も消え、後に残るはコストだけ これは過ちを思い知らされる経験だった。政府は再生可能エネルギーが活況を呈していた時に補助金を削減し損ねたため、削減は極めて厳しいものにならざるを得なくなった。また、政府は新たな発電容量に上限を設けず、容量が手に負えないほど増加するのを傍観した(これはドイツでも起きた)。 約束されていた雇用は消滅した。ソーラーエネルギー事業は、ピーク時から何万人も雇用を失っている。そして、遡及的な補助金削減が繰り返された後では、もはや再生可能エネルギーに進んで投資しようとする者もいない。 にもかかわらず、多くの場合、プロジェクトは20年間にわたり補助金を受け取ることになっているため、コストは残る。削減の後でさえ、再生可能エネルギーの補助金は年間70億〜80億ユーロで推移している。これほど多額の税金なら、もっといい使い道を考えるのは難しくない。 http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/38308
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