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http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20130722/frn1307220804000-n1.htm
2013.07.22 ZAKZAK
日本統治時代の韓国で労働者を戦時徴用した日本企業に対する賠償支払いを命じた裁判が、日韓の政府や経済界に波紋を広げている。判決は日本企業の在韓資産に対する差し押さえの仮執行を認めており、原告側は判決確定前にも強制執行で日本企業の在韓資産を差し押さえることができる。万が一、強制執行されれば、日本企業の韓国に対する投資リスクの認識が高まることは必至で、韓国から投資引き上げが続出する可能性もある。韓国の「正しい歴史認識」の押しつけが日韓経済に本格的に影を落とすことになる。(ソウル 加藤達也)
判決は今月10日、朝鮮半島の日本統治時代、当時の日本製鉄に戦時徴用された元労働者が新日鉄住金(旧新日本製鉄)を相手取り個人補償を求めた訴訟の差し戻し控訴審で、ソウル高裁が示した。新日鉄住金に対し、原告4人にそれぞれ1億ウォンずつの賠償金支払いを命じている。
新日鉄住金の場合、韓国最大の製鉄会社でかつて技術移転して創業を支援したポスコ(浦項総合製鉄)の株式や、取引で発生した債権などの在韓資産があるとされている。
新日鉄住金側は「国家間の正式な合意である1965年の日韓請求権協定を否定する不当判決で誠に遺憾だ」として韓国最高裁への上告の意思を示し、賠償支払いには応じない考えだ。
しかし、判決は資産の差し押さえの仮執行を認めている。弁護士らは、「強硬手段は最後の手。速やかに日韓の政府とポスコ、新日鉄住金などで財団(基金)を作り、解決すべきだ」と当面、和解の道を探る意向を示しているが、韓国の元労働者の訴訟支援者やメディアには強制執行で資産差し押さえを主張する勢力もある。
ただ、新日鉄住金の主張の通り、問題は1965年の日韓請求権協定で「完全、かつ最終的に」解決しており、補償請求は自国内で解決するというのが、国際ルールに則った考え方だ。
日本政府は「現地の大使館や被告とされた企業と緊密に連絡をとり、資産の保全に万全を期する」(外交筋)としているが、差し押さえを認めた今回の判決の波紋は広がる一方だ。
韓国側の訴訟支援団体のひとつである「太平洋戦争被害者補償推進協議会」によると、日本製鉄に「強制動員」された労働者の数は名簿上3900人に上るという。この団体によると、元労働者のうち約180人に提訴の意思を確認しているといい、今回の判決を受け、今後、訴訟の動きが活発化する可能性が高い。
新日鉄住金のほか、三菱重工業や産業機械メーカーの不二越鋼材工業など5社も同様の訴訟が起こされており、「これらの判決にも影響することは間違いない」(韓国の弁護士)。
さらに、韓国では国会議員や支援団体が、第二次大戦当時まで韓国と関係が深かった三菱、三井、住友など旧財閥系をはじめとした約200社の日本企業を「戦犯企業」としてリストアップ。名指しで攻撃しており、こうした企業の中からも、今後次々と訴えられる企業が出てくることが想定される。今回の判決はその意味で対日企業賠償請求訴訟の“パンドラの箱”といえる。
だが、ここにきて韓国の対日姿勢のちぐはぐぶりも相次いで露呈している。
日本に対する積極投資を呼びかけているのだ。
韓国の聯合ニュースによると、判決から一週間後の7月17日、韓国の尹相直・通商産業資源相は、旧財閥系商社などを含む日系企業のトップらとの懇談会でこう語った。
「新政府(朴槿恵政権)の経済目標達成のためには、外国人投資を通じた良質の雇用創出が重要だ」
韓国の産業通商資源省の発表によると、2013年第2四半期の韓国への海外直接投資は、契約ベースの前年同期比で3・3%減の46億400万ドルとなった。円安に転じた日本からの投資減少が響いたと分析している。
円安による投資減少に危機感を抱く韓国政府は、今年上半期、日本向けの投資誘致に力を入れてきた。
6月には東京で出張説明会まで開催して投資を誘致。
韓国の弱みは、外国投資頼みの経済だけではない。“海外進出のアキレス腱”といわれる、銀行のファイナンス(資金調達)能力の決定的な不足だ。
現在、世界市場にダムや発電所などの大型事業を売り込む韓国の建設会社を、資金調達と信用面で支えているのは韓国の銀行ではなく、日本の銀行なのだ。
韓国の金融界は業界再編によるメガバンク化とスリム化に失敗。現在、「世界水準からはかけ離れたレベルで、海外で事業展開する巨大企業を支える力はない。日本や欧米のファイナンスがなければ海外進出は大幅な軌道修正を余儀なくされる」と韓国の財閥系経済研究機関の幹部はホンネを漏らす。
韓国の現在の対日姿勢は、「歴史認識」で一方的に日本を厳しく追及する大統領のほか、賠償金まで請求する市民がいる一方、“商売は別”とばかりに投資を呼びかける政府という、ムシが良すぎる状況だ。
サムスン電子が堅調のいまは、日本の素材・部品メーカーが巨大投資を続けているが、万が一、強制執行で日本企業の在韓資産が差し押さえられるようなことになれば、日本側に「韓国は法治国家ではない」との認識が広まり、企業は韓国への投資をハイリスクと認識するだろう。
韓国政府は表向き「司法の判断」として状況を静観し、改善に積極的に動く姿勢をみせない。
経済発展のために日韓基本条約を結び請求権協定によって韓国に5億ドルの外貨をもたらしたのが、当時の朴正煕大統領だ。朴大統領の日韓国交正常化という外交政策については、韓国ではここのところ、「無効だった」として、「外交政策の過ち」を批判する声も目立つ。
その娘である朴槿恵大統領は「親日」批判を恐れるあまり、日韓関係の収拾に積極的に打って出られないという泥沼にはまっている。それどころか、日本には相変わらず「正しい歴史認識」を求めるばかりだ。
朴槿恵政権で外交関係を維持、外交の前面に立ち、関係を改善するべき韓国外務省は朴大統領の姿勢に逆らえず、かえって日本への挑発的な発言を強める。
韓国がこの事態をどう収めるか。日本は注視している。
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