http://www.asyura2.com/13/hasan81/msg/212.html
Tweet |
このときはまだ笑顔があった(11年10月に海上自衛隊舞鶴基地を訪れた人民解放軍訪日団、撮影:大澤 誠)
日本企業は、もっと中国リスクを真剣に考えよ 環境コスト急増から、最悪の共産党瓦解、内戦まで
http://toyokeizai.net/articles/-/15684
2013年07月18日 中原 圭介 :エコノミスト :東洋経済オンライン
前回の記事http://toyokeizai.net/articles/-/14573を読んでいただき、中国に関する事実を総合的に判断できれば、自ずとひとつの結論に導かれます。それは、「もはや中国には、8%台の経済成長を続ける力はない」ということです。
■最悪の場合、共産党政権瓦解、革命騒ぎも
過去30年の間、とくに1989年の天安門事件を経験して以降、高い経済成長率は共産党政権が生きながらえるための必須の条件でした。年率9〜10%という成長を達成してきたからこそ、ありとあらゆる不満から国民の目を逸らすことができたのです。
それが、本当は5%を割り込んでいるかもしれないと国民が知ったらどうなるでしょうか。ただでさえ所得格差が恐るべき水準に達している折、国民の不満は絶え間ない暴動に発展し、暴動はたちまち全国的な広がりを見せることになるでしょう。共産党の幹部たちは予定どおり国外に逃亡し、政権は瓦解、革命騒ぎとなることも考えておかなければなりません。
いや、革命ならまだ救われます。最悪の事態は暴動鎮圧に出動した軍が互いに反目し合い、内戦状態になることです。まさかと思われるかもしれませんが、共産党政権が軍をコントロールできていない現状から見て、そうなる可能性もありうるのです。
民衆の暴動が警察では抑え切れないレベルになると、政権は軍を派遣して鎮圧しようとします。ですが、そのとき人民解放軍が共産党政権の意のままにならないかもしれないのです。
すでに兆候はあります。たとえば2013年に入ってからの北朝鮮の異常な強硬姿勢は、かつてはこの国が「中国共産党の指揮系統下にある人民解放軍」にコントロールされていたものが、人民解放軍が共産党の言うことを聞かなくなったことを示している一例とも言えるでしょう。自衛隊艦船に対する中国艦船の射撃レーダー照射事件もそうです。中国共産党政権がまるで知らないところで、軍が独自の行動をとっているようなのです。
■なぜアメリカは、オスプレイを日本に配備したのか
そうであれば、内乱鎮圧に出向いた軍が叛旗をひるがえしてクーデターを断行したり、あるいは軍同士で争いを始めたりすることも考えられます。というのも人民解放軍は大きく7つに分かれているのですが、それぞれ互いに仲がよくないのです。なにしろかつては軍閥の跋扈した国です。軍同士が争うようになれば、これはもう内乱で、収拾がつかなくなってしまいます。
内戦になれば、現地にいる日本企業は真っ先に標的にされるでしょう。この点では、オスプレイが日本に配備されてよかったと、私は思っています。内戦状態にある中国大陸から日本人を救出できるのは、オスプレイしかないからです。
2012年あたりを境に、中国から撤退するアメリカ企業が目立って増えていますが、彼らも中国がシリアのように内戦状態になるのを予期しているのではないでしょうか。
さらに深読みすれば、アメリカがオスプレイの日本配備にあれほどこだわったのも、そこに理由があると考えられるのです。万が一の場合、中国にいる同胞と同盟国日本の人々を救うため、安全性に多少の懸念はあるものの、大いなる救出能力を発揮するオスプレイを強引に日本に持ってきたのだと思います。
このように考えると、中国でビジネスを展開している日本企業や、日本人のリスク感覚の欠如には苦々しく思っております。いまや中国の体制の頂点にいる共産党幹部たちが、いつでも逃げ出せるように身構えているのです。中国にある日本企業やそこに勤める日本人には、「あなた方も万一の事態に備えてください」と叫びたいくらいです。
■成長も早いが、老衰も早い中国
別に日本に工場を戻さなくてもいいから、アメリカや東南アジアにでも工場を移転させればいいのです。とにかく中国は危険ですよということを強調しておきたいと思います。
仮に革命や内戦が起こらなかったとしても、これからの中国でのビジネスには大きなリスクがつきまとうことは避けられません。というのも、北京やその他の大都市での大気汚染が異常なレベルに達しており、今後は中国における現地ビジネスに環境コストが加わることは誰の目にも明らかだからです。これまで環境についてはリスクフリーだった中国ですが、これからは環境コストが重い負担となって企業にのしかかってくるでしょう。
サッチャー以前のイギリスや日本のように自前で資本を蓄積し、自力で産業化を達成した国とは異なり、中国の繁栄は外資頼み、外国の技術頼みでした。ブラジルもそうですが、そうした国は成長も速いけれど、老衰するのも速いのです。
2012年に中国の労働生産人口が減少に転じたことは中国政府も認めていますが、2020年頃には総人口も減少するようになり、潜在成長率も5%を下回るという試算もあります。
しかし、この試算は現実を反映していません。前回の記事でも述べたとおり、中国はすでに実質経済成長率で5%を下回っている可能性が高いからです。いま世界では、「中国はいずれGDPでアメリカを抜き、世界一の経済大国になる」という見解が広く共有されているようですが、隠された真実を直視すれば、そのようなことは決して起こらないといえるでしょう。
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。