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本当に金利が上昇すれば、日本財政はもたない 米国の金融緩和終了後の世界は、どうなるのか (週刊東洋経済) 
http://www.asyura2.com/13/hasan81/msg/165.html
投稿者 赤かぶ 日時 2013 年 7 月 16 日 08:01:00: igsppGRN/E9PQ
 

本当に金利が上昇すれば、日本財政はもたない 米国の金融緩和終了後の世界は、どうなるのか
http://toyokeizai.net/articles/-/15136
2013年07月16日 野口 悠紀雄 :早稲田大学 ファイナンス総合研究所顧問  :東洋経済オンライン


FRB(米連邦準備制度理事会)のベン・バーナンキ議長が、金融緩和から脱却する可能性に言及した。もしそれが実現するなら、10年以上の期間にわたって続いた世界のマクロ的経済環境は、大きく変わることとなる。

ただし、バーナンキは、脱却のためにはいくつかの条件が満たされなければならないとした。したがって、脱却が本当に実現するのかどうかは、分からない。実現するにしても、いつになるかは、はっきりしない。

ただし、世界経済の新しい均衡がどのようなものになるかを考えておくことは有意義だろう。特に、その均衡の中で日本経済がどのような状態になるかは、重要な問題である。

これまでは、金融緩和のために投機資金が世界中の経済を不安定化させてきた。リーマンショック後の世界は「ニューノーマル」といわれたが、安定的な均衡状態には達していなかったわけだ。本当の意味のニューノーマルとは、安定的な均衡である。その世界はどのようなものか?

現在と比べての最大の変化は、金利が上昇することだ。それによって、投機資金を低利で調達できる時代が終わる。そこで、リスクの高い投資対象から資金が引き上げられる。

市場はこのような変化を見越して、すでに調整を始めている。まず、新興国からの資金流出が起きている。アメリカの金利はそれで下がるのではなく、むしろ上昇している。これまでのアメリカでは、実質金利を計算するとマイナスになっていた。これは異常な状態だったので、是正が生じているのだ。5月中旬まで2%未満だった10年国債利回りは、6月25日には2.6%を超えた。それにつれて日本の金利も上昇している。

■為替先高観が消え 外債投資に向かう

新しい世界均衡の中で、日本ではどうなるだろうか。日本の金利上昇が遅れて、内外金利差が拡大すれば、円安になる。そして、将来に向かっては円高期待が形成される。

ただし、それは最終均衡ではない。日本銀行は、2年後にはインフレ率が2%になると約束している。これは、ほぼ先進国共通の水準だ。したがって、これが実現されれば、金利も先進国の標準的水準になる。最近のアメリカの状況を参照すれば、10年国債利回りは最低でも2.5%程度になるだろう。図に示す2005年ごろの水準を標準と考えれば、4%を超えることもありうる。

内外金利差が消滅すれば、金利平価式によって、為替の先高観も先安観もなくなる。これには、次のような重要な意味がある。

これまで日本の金融機関は、日本国債という利回りの低い資産の保有で満足してきた。理由は、外債投資に為替リスクがあるためだ。日本のインフレ率は他国より低く、フィッシャー方程式によって金利が低くなる。金利平価式からいえば、これは、将来の為替レートが円高になる状態だ。だから海外投資をすると、為替差損を被ることになる。海外投資をすれば、高い利回りが実現できるので一見有利のように見えるのだが、為替差損を被るので、結局、国内投資をした場合と同じ結果になる。だから日本国債に投資をしてきた。

しかし、内外金利差が消滅すれば、この状態は一変する。金融機関がこれまでのように国債を保有し続けるかどうかはわからない。日本国債から外国債への転換が起こる可能性は、次の理由で、非常に高い。

金利平価式で規定される為替変化率は数年先までのものだ。それより長期を考えれば、日本経済の衰退によって「日本売り」が起こり、円安になる可能性が高いのである。この点を考慮すれば、円建て資産を保有するより、外貨建て資産を保有するほうが合理的だ。

日銀は、6月に公表した「通貨及び金融の調節に関する報告書」の中で、金融緩和で、金融機関の資産が貸出やリスク性の資産にシフトする「ポートフォリオ・リバランス」が期待されるとした。そこで主として考えられているのは、国内貸し付けの増加だろう。しかし、それよりは外債投資が増える可能性が高い。

ところで、以上で述べたすべてのことは、「2%のインフレ目標が達成されれば」という仮定の下の話だ。この目標が実現できるか、市場は半信半疑なので、実際には外債投資へのリバランスは起きていない。今のところ、市場は将来のインフレ率について判断がつきかねている。

新しい均衡に日本財政は耐えられない

仮に2%インフレ目標が達成されて金利が上昇すると、深刻な問題が起きる。それは国債利払い増大だ。

13年度予算の国債利払い費は、9兆8546億円(予算総額の10.9%)だ。一方、12年度末の公債残高は709兆円だ。したがって、平均利回りは、1.4%程度だ。金利が現在の2倍になるのは十分起こりうるし、3倍になるのもありえなくはない。金利が3倍になれば、利払い費も最終的には3倍になる(すぐにはそうならないが、ここで考えているのは、長期安定的な状態である)。その場合、国債利払い費は、現在より20兆円程度増加する。

これを賄うには、国債を発行するしかない。しかし、金利が上昇した状態では、簡単には資金を調達できない。マクロ的にいえば、先に述べたように、資金調達で外債と競合することになるので、難しいのだ。

日銀引き受けに依存すれば、国債増発とインフレの悪循環が起きる。日本経済がそうした状態に陥るのは、他国にとっても望ましいことではない。先般のG8で注文を付けられたのも、このことだ。

もちろん、財政再建ができれば、こうした問題はなくなる。先に、「利払いのために国債発行が必要になる」と述べたが、他の歳出を削るか、税収を増やすことができれば、国債を増発しなくてすむ。しかし、一般会計の社会保障関係費が約26・3兆円であることを考えれば、歳出を20兆円カットするのは到底不可能だ。また、消費税の税収が約10兆円であることを考えれば、20兆円の増税も到底できない。

そして、現実の政治は、財政状況を深刻視していない。先般閣議決定された「骨太の方針」は、プライマリーバランス半減という目標を一応は掲げてはいるものの、その実現への過程は、一向に明らかでない。社会保障の見直しは緊急の課題だが、検討さえされていない。

それだけではない。消費税の増税を先送りすべきだとの声がある。一方で、公共事業を増やす国土強靭化計画や、法人税の減税が叫ばれる。財政赤字の拡大はありえても、縮小する可能性はほとんどない。

結局のところ、日本の財政は、デフレと低金利という条件下において初めて、破綻せずに継続できたのだ。その状況が変わると、維持できなくなる。つまり、日本はデフレ脱却ができない状態にあるのだ。

日本経済は深刻な傷を負っているため、ゆっくりとしか歩けない人のようなものだ。ところが周りの人たちは、早足で歩いている。そこで傷を忘れて、「早足で歩こう」ということになった。しかし、そうすれば、傷口から出血して死んでしまう。「傷を治してからでないと早く歩けない」というのは、考えてみれば、当然のことである。

(週刊東洋経済2013年7月13日号)


 

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コメント
 
01. 2013年7月16日 09:10:58 : nJF6kGWndY
>傷を治してからでないと早く歩けない

そのためのQEと財政支出だろう

野口が言う、無理な財政再建(歳出カットと増税)とQE停止による急激な引き締めと通貨高が、
産業を崩壊さぜ、逆資産効果で金融システムを破壊し、倒産と失業を増やすことは、世界の歴史(欧州や英米の現実)を見れば明らか

まさに傷口を開く行為だ

>日本の財政は、デフレと低金利という条件下において初めて、破綻せずに継続できたのだ。その状況が変わると、維持できなくなる。つまり、日本はデフレ脱却ができない


日本はデフレ下でも、非正規雇用とリストラ失業を増やし、痛みを底辺層と国家財政赤字に押し付け、格差拡大で名目と実質賃金を下げ続けてきた

仮にQEを止めたとしても、海外で実質金利が上昇したら、国内実質金利も上昇し、空洞化はさらに進んで、法人税も実質賃金も低下が続くことになる


野口 悠紀雄は大分前から、QEでハイパーインフレとか国債が破綻とか言っていたようだが

白川がQEを積み重ねたにもかかわらず、海外要因で円高デフレ不況は深化した

そして黒田が、ほとんどマネタイズし、米国景気が回復してFRBがQE縮小するにもかかわらず
まだ長期金利は1%、デフレもやっと脱却するかしないかというのが現状


最終的にインフレ2%になっても、規制緩和、過剰な財政(主に高齢者や既得権者への分配)カットと現役世代への再分配、
(歳出カットができず、インフレ率が上昇するようなら、増税は当然、必要になってくる)

そして国債暴落リスクを日銀が背負う(円安誘導)という形であれば

国内産業も民間金融も崩壊せず、財政破綻も急激なハイパーインフレもなく、国民(特に現役低所得層)の痛みは最小で済むだろう


 


http://iiyu.asablo.jp/blog/2013/04/12/6774979
 野口悠紀雄は、いつもバブルと騒ぐバブル芸者なのに、イギリスが金融バブ
ルなのに気づかなかった。アイルランドにいたっては、イエーツ(イェイツ)の
詩まで引いて、あの貧しいアイルランドが金融とITで大躍進したと涙を流さん
ばかり。イギリスやアイルランドにならって、日本は、ものづくりなんて遅れ
たことはやめて、金融工学万歳で金融立国を目指せなどとバカなことを、週刊
ダイヤモンドや週刊東洋経済、その他で、吹聴しまくった。
 金融工学の限界は、経済物理学でも明らかになっていたのに、彼は、金融工
学が絶対正しいとでも思っていたのだろう。
 ところが、不動産バブル、金融バブルが弾けたリーマンショック。
 イギリスの好景気もパー、アイルランドに至ってはほぼ国家破綻。
 しかし、野口悠紀雄は知らんふり。謝罪をしたり、責任をとって雑誌連載を
やめるといったことはしない。厚顔無恥とはこのこと。
 

 
http://iiyu.asablo.jp/blog/2012/09/19/6578073
 野口悠紀雄のITに関する話は、トンデモだというのは、何度も書いた。まだ
まだあるが、面倒くさくて書いてない。こんなのをITの達人として持て囃す、
カモリーマンたちのICTリテラシーの低さ、知的レベルの低さも何度も嘆いた。
 彼の代名詞である「超」整理法だって、昔から怠惰な人間が普通にやってい
て、コンピュータの世界でも大昔から当たり前のように使われている技法だが、
それを自分の発明・発見であるかように「「超」整理法」という名前をつけて
売り出すところなんざ、厚顔無恥であり、学者というより商売人。
 なんとかダイエットと一緒なのに、有名大学教授という権威によるハロー効
果に、ころっとだまされて引っかかるカモリーマンがいっぱいいて、これじゃ、
日本の復活なんて夢のまた夢。そういえば、日本の失われた20年は、超整理法
が出てからの時期に重なっているね。
 さすがに、有名な経済学者だから、経済の話はちゃんとしているんだろうと
思っているが(少なくとも彼が書いた金融工学の入門書は、まとも)。それでも、
今回のような例を、またみると、「やっぱ、だめだ、こりゃ」と思う。
 以前、
http://iiyu.asablo.jp/blog/2011/12/01/6225751
ユーロ圏、崩壊回避なるか? ユーロ崩壊の足音
で、老害だから、引退して、若い人に連載ページを譲ったらどうかと書いたが、
ますますそう思う。


【第12回】 2012年3月29日
アメリカQE(量的緩和)が円高をもたらした の4ページ目、
http://diamond.jp/articles/-/16828?page=4
--- ここから ---
第2に、世界経済に大きな影響を与えた。
まず、世界に過剰流動性を供給し、新興国と商品市場にインフレをもたらした。
--- ここまで ---


 4ヵ月後、
http://diamond.jp/articles/-/21723
【第27回】 2012年7月19日
量的緩和政策と「時間軸効果」 では、
--- ここから ---
 ところで、QE2の実施直後から、「アメリカ発の過剰流動性は世界的なバ
ブルを誘発する」ということが盛んに言われた。「過剰流動性はドル・キャリ
ートレードを誘発して海外にあふれ出す。そして、新興国市場と世界共通の市
場であるコモディティ市場に流れ込み、バブルを起こす」との考えである。資
源コモディティ分野などでは、「バーナンキ・バブル」「バーナンキ・インフ
レ」ということが言われた。
 しかし、実際にはそうならなかった。
--- ここまで ---

 同じパターンが、もう1つある。
http://diamond.jp/articles/-/16828?page=3
【第12回】 2012年3月29日
アメリカQE(量的緩和)が円高をもたらした
の3ページ目、
--- ここから ---
 しかし、【図表2】に見られるように、マネーストック(M2)は、マネタリ
ベースのような目立った増加は示さなかった。信用創造の理論によれば、現金・
預金比率と準備・預金比率が一定であれば、貨幣乗数は一定であり、したがっ
て、マネーストックはマネタリベースに比例して増加するはずだ。しかし、現
実にはそのようなことは起こらなかった。

(中略)

これは、日本の量的緩和の場合と同じ結果だ。

「中央銀行が国債を購入してマネタリベースを増やせば、マネーストックが増
加し、その結果、物価が上昇して経済が活性化する」という金融緩和論者の主
張は誤りであることが、日本の場合のみならず、アメリカにおいても実証され
たのである。
--- ここまで ---

 4ヵ月後、
http://diamond.jp/articles/-/21723
【第27回】 2012年7月19日
量的緩和政策と「時間軸効果」
--- ここから ---
 ただし、日本の量的緩和の場合とは違って、マネタリーストックは増えた。
つまり、銀行の貸出が増えて、信用創造のメカニズムはある程度働いた。
--- ここまで ---


 たった4ヵ月前に、「金融緩和論者の主張は誤りであることが、日本の場合
のみならず、アメリカにおいても実証されたのである」と高らかに断定したも
のが、ころっと逆の結論になっている。\(^O^)/

 出たあ、野口悠紀雄のご都合主義。\(^O^)/

 「4ヵ月前は、こう書いたが、その後、精査して研究を続けたら、逆の結論
になった。すみません」の一言くらいあってもよさそうだが、プライドが高い
のか、バカなのか、詐欺師なのか知らないが、知らんふりして、結論をひっく
り返している。  


http://norihara.livedoor.biz/archives/51717980.html
野口悠紀雄氏の危険な経済学
5月20日に野口悠紀雄氏が朝日ニュースター「ニュースの深層」に出演した。遅ればせながら、ビデオに録ってあったのを夜中に観たのだが、番組内で野口氏はまず、政府が消費税率を2015年までに10%への引き上げを検討している件を「遅すぎる。震災直後にこの宣言をすべきだった」と批判し、さらに「被災地のために消費を促進しようというのは間違い」と続けたので耳を疑った。喩え話でホテルの客室数を供給限界の説明をして挙げているので、さらに唖然とした。
野口氏が示した数式は、
国内生産+輸入=需要+投資+輸出
であり、過去20年、日本は需要不足に苦しめられていたため、需要分の供給がもたらされることに慣れているが、今後は供給不足が起こり、インフレと金利高が起こるという。金利高は国債の長期金利が上がることを言っているのかと思ったら、どうやら、復興のために市中の資金需要が増加するから利息が上がるという理屈らしい。この説明に関し、野口氏は盛んに「クラウディングアウト」という用語を用いて説明を試みていた。

クラウディングアウトとは、国債を発行するなどして政府支出が増加することにより、民間の資金需要を押し退けてしまい、利子が上がって民間投資を圧迫する現象を指す。しかし、クラウディングアウト理論は、自然には需要も供給も変動しない、極めて静的な市場に政府が「国民所得を上げたい」等の思惑の下でコミットする場合の理論であり、実際に復興という有効需要(ある意味での特需)がある現在の国内市場にあてはめるのは妥当ではない。経済変動を長期的な自然水準の変化と短期的な需給ギャップに分解して考えるのが現在のマクロ経済の潮流なのだ。

また、装置産業の最たるものであるホテルの客室数で需給バランスを説明する意図もよくわからない。確かにホテルの客室は100室には100室分の宿泊客しか受け入れることができず、需要がさらに過剰になれば市場価格は引き上げられるだろう。しかし、ホテルのように「その場で提供しなければ意味のない装置産業」など市場メカニズムの中ではむしろレアケースであり、たいていの物やサービスは、輸入すれば追加供給が可能である。例えば、現在起こっている建築関係の資材不足は、一時的には確かに野口氏の指摘するとおり需給バランスを崩し市場価格を引き上げる効果があるが、建築資材は世界中から供給を受けられるし、この需要を見越して新たなビジネスを展開する商社も現れるだろう。

あろうことか野口氏は、今後サプライチェーンの復旧が進んでも、 電力不足により国内の生産力は回復しないから、増税により需要を抑制すべきだと主張しているのだ。自分で供給力の説明として「国内生産+輸入」と定義(引用)しておきながら、輸入による供給の補完を勘案するのを忘れているらしい。それでいて、日本が脱製造業としてシリコンバレーやロンドンシティのように外国人を受け入れて知的産業を活性化していかなければならないと言うから、もう支離滅裂だ。野口氏は、国境の存在が大きいと主張しているのか、または逆なのかわからない。

いずれにしても、国境が経済を左右する時代は冷戦終結とともに終わっており、むしろ現在は容赦なきグローバル経済からいかに国内の労働者や企業を守るかという保護主義的な政策により政権が成り立っていると言っても過言ではない。つまり、政府がこの保護主義的政策をやめさえすれば、供給先などいくらでもあるのだ。東日本大震災で世界中が被災している訳ではないのだから。

筆者は、野口悠紀雄氏は有名人であるだけに影響力が大きく、こういった発言がようやく落ち着いた自粛ムードを復活させ、消費行動をミスリードする可能性を危惧している。野口氏の発言全てが間違っている訳ではないが、正直言って「老いた」という印象を否定できない番組だったので、注意喚起のために記事にした次第である。

 

http://blog.goo.ne.jp/murashima_s/e/e1a4869e85205acb0eb8a9e48650661c
野口悠紀雄氏の「ついに国債破綻が始まった」について−破綻の兆候も見えないのに面妖な話だ
2010年03月12日 | 経済
 文芸春秋今月号の野口悠紀雄氏が書いた「ついに国債破綻が始まった」記事のコピーの一部を友人が送ってくれた。杜撰な記事である。国債破綻の兆候すら見えないのに何を血迷ったか言わざるを得ない。

 日本経済の問題はデフレと円高であると言う人が多い。しかし本当に恐ろしいのはインフレと円安である。デフレと円高は消費者にとって困った事ではない。もし給与の名目額が変わらなければ物価が下がれば実質的な所得は増えるのだから望ましいことだーーーー

 おかしな話だ現に労働者の平均給与は目に見えて下がっていることをご存じないと見える。さらにデフレは失業率が増大し、低所得層には大きな負担になると言うこともご存じないと見える。日本の問題はデフレスパイラルに入っていることでこれを防げば問題は解決する。インフレとか円安は架空の話である。全くインフレの兆候がないのにハイパーインフレの話に強引に持っていくという意味で馬鹿馬鹿しい記事と言える。

 終戦直後に政府は傾斜生産方式とよばれる国策を実施した。復興金融公庫債を発行し日銀に引き受けさせた。これは通貨の増発と変わらないから猛烈なインフレが生じた。45年から49年の間で物価は60倍になった。

 国債を増発するとこういうことが起こると言うのであるが戦後のインフレは米軍の爆撃で日本の工場が壊滅していて物が生産できなかったからである。通貨を増発したからではない。国債を増発して大幅な財政出動をすれば日本の産業は直ちに生産設備を増強し対応する。決してインフレは起きない。野口氏は物価が60倍になると言う。そんなことはあり得ない。例えば500万台の車が需要増で800万台になったとしよう。車の値段はあがるであろうか。自動車会社は直ちに需要増に対応して自動車の価格は据え置きのまま800万台を生産して対応するというのが一番あり得る話である。

 ニューヨークタイムスは「増加する国債は日本銀行への脅威」で将来円安とインフレが起こる危険を指摘している。いまの円高は「円の最後の熱狂」だと言うのである。

 外国の評価が当てにならないのはトリプルAの評価であったアイスランド国債やサブプライム関連の債券が紙くずになったことで明らかではないか。現在の円高が最後ではなく、デフレを止めなければ繰り返し円高は襲ってくると言うのが最もあり得る話である。

  現在の日本のように膨大な額に膨れ上がってしまった国債残高はインフレによってしか解消できない可能性が強いーーーーーーーーーーーーー

  インフレによって解消するにも現在が重度のデフレであるから先ずデフレを止めないといけない。その過程で膨大な額の日銀券の増刷をしなければならない。増刷した日銀券で国債を償還するのは誰でも思いつく方法である。
国債の日銀直接引き受けか政府紙幣でもいい政府の借金にならない形で財源を調達して必要なことを行えばいい。日本の場合は通貨を増刷することで15年間苦しめられてきたデフレを止められるし、国債発行の累積を止めることができる。デフレが終わるだけでなく多少インフレに振れてくれれば万々歳である。15年続くデフレから脱却できて高成長が始まるのである。野口氏もどこかで高成長が実現できればすべてうまく行くどこかで書いていたがデフレから一気にハイパーインフレに行ってしまわないで緩やかな成長の時代があるとは考えられないのであろうか。

 国債の日銀引き受けや政府紙幣で通貨を増発して財源を調達すればハイパーインフレが起こるのではなく日本経済の二つの問題、デフレと財政赤字が解決され、日本経済が健全化する。野口氏は日本経済が健全化すれば経済学者が食いはぐれる、できるだけそういう事態は妨げたいと考えているかのような筋の通らない論文である。

 日本の10年ものの国債の金利は1.3%程度である。ずば抜けた超低金利で世界一の座は揺るぎそうにない。第二位の国(米国、カナダ、ドイツ)の国債と同じ金利(3%台)になるま金利が上がることが国債暴落の第一歩である。その第一歩もまだ始まっていない。その兆候すらない。国債が暴落すると言う話はその第一歩が実現してしてからでも遅くない。

 日本の経済と財政の破綻に対する海外の警戒観は急速に高まっている。ところが日本人だけが危機感をもっていない。現在の日本の状況は氷山に向かってタイタニック号の船上でダンスを踊り狂う人々そのものである。−−−−−−

 日本人は下がる給与のもと毎日安いものを探して奮闘しているのが実情で、どうして踊り狂っているという表現になるのか理解に苦しむ。皆デフレスパイラルが何処まですすむのか、いつ大規模なデフレ対策を打ってくれるのかと固唾を飲んで見つめている状況である。デフレがひどくなって大恐慌に発展しないかという危機感はあるが野口氏が言うハーパーインフレへの危機感とは正反対のものだ。とにかく野口氏の記事には支離滅裂という印象を受けた。


02. 2013年7月16日 10:48:23 : niiL5nr8dQ
2013年07月16日(火) 田原総一朗
田原総一朗×竹中平蔵対談【下】「移民の受け入れなどタブーなき議論をすれば人口減少下でも経済成長は達成できる」


[左]竹中平蔵さん(産業競争力会議委員/慶應義塾大学教授)[右]田原総一朗さん(ジャーナリスト)
この対談は6月10日に収録しました。

いつから財政再建に切り替えるのか?
田原: 安倍内閣における財政再建ってどう考えているんですか?

竹中: 基本的には2本目の矢のなかに両方入っているわけです。短期的には財政を拡大することで、つまり、最初の時点でGDPの3%くらいで需要不足があったんですが、それで10兆円の公共事業などの補正予算をやって、3%の三分の二くらいは埋まったんですよ。全体で年間15兆円くらいでしたから、10兆円やればそのくらい埋まっていくんです。

 しかし、日本の国債はGDPに対して200%を超えてしまって、ギリシャでも160%なんだから、これはもうどうしようもないですね、と。これを中期的には財政再建していって、2020年には基礎的財政収支を黒字にします、というのが公約ですよ。

田原: そこで聞きたいのは、財政再建財政再建って言うけど、まず成長していなければ財政再建できないですよね。そうすると、今の成長路線でいつまでに成長を達成して、いつから財政再建に切り替えるんですか?

竹中: それを早く発表しろ、というふうに言っているんです。これは経済財政諮問会議の仕事なんです。だから経済財政諮問会議は未だにどうしてこういう議論をしていないのでしょうか、と私は思っています。

 それを発表していないだけじゃなくて、いつ発表するかということすら発表していないんです。6月の骨太方針には大きなシナリオは書かれるというふうに言われているんですが、それには「いつまでに何%の経済成長をするか」というふうに数字の裏付けが必要なんです。これは経済財政諮問会議がちゃんとやっていれば、もう今頃そういう議論ができていますよ。

田原: なんでやらないんですか?

竹中: 知りません。私は経済財政諮問会議のメンバーじゃありませんからわかりませんけどね。

田原: 竹中さんがメンバーになっても良さそうなのに、誰かが外したんですかね?(笑)

竹中: いや、外してよかったと思っているんじゃないですか、みんな(笑)

田原: なんでそんな大事なことを検討すらしないんですかね?

竹中: そういう意味では、これは私の想像ですが、官僚任せになっているんじゃないですかね。

財務省は4%成長しては困る
田原: 新聞はすごく財政再建が好きなんですよ。すぐに「財政再建をやっていない」と言うけれども、成長しなければ財政再建もないんですよね。そこが大事なんですよ。

竹中: まったくその通りです。実は今度1つの試金石となるのは、私は「ところで、成長戦略の結果、日本経済は何%成長するんですか?」ということを何度も会議で発言しているんです。そこは経済財政諮問会議と調整して事務局でちゃんと明らかにする必要がある、ということをずっと言っています。

 たとえば、名目で3%成長するというふうにずっと言っていて、民主党もそう言っていましたが、自民党政権になってもそれと同じなんですか? と。私は当然成長率は高くなると思いますよ。それで名目成長率が、たとえば実質が2%成長で物価上昇が2%だったら名目で4%成長でしょう。名目4%成長になると困る人たちがいるんですよ。

田原: どこですか?

竹中: 財務省です。消費税増税の論拠が薄くなっちゃうんですよ。だから、それもいま、綱引きをやっていますよ。本当は名目成長率4%と言わなければおかしいでしょう。でもそれを言っちゃうと困るので「3%を超えることを目指す」とか何とかよくわからない言い方でお茶を濁すんじゃないですかね。

田原:ごまかしている、と。

竹中: 私はよく言うんですが、経済産業競争力会議も経済財政諮問会議もそれなりにはやっているんですけど、まだまだちゃんと機能していないんですよ。小泉内閣のときは司令塔があってそこに小泉さんという司令官がいた。

 今は安倍さんという司令官はいる。でも、その司令塔の役割を果たすべき経済産業競争力会議と経済財政諮問会議と、さらに言えば規制改革会議というものが、何をやっているのかがわかりにくいんですよ。

田原: それは新浪さんも言っていた。「いろいろありすぎて、連携がよくわからない」と。

竹中: 連携についてもわからないんですが、それ以上に一つひとつが何をしているのかがわかりにくいんです。何かやってはいるんですよ(笑)。われわれも産業競争力会議で議論していますし。

「人口減社会でも成長できる」
田原: もう1つ、アベノミクスに反対している人たちが言っているのは、「人口減少社会で成長なんてあり得ない」ということだけど、これはどうですか?

竹中: それは、1人当たりの所得は何%増えますか、ということですよ。つまり、生産性が何%増えますか、ということと、でも人口はたしかに減りますから、そこから人口の減少率を引けば、それがマクロの成長率になるわけです。

 だから、どっちが高いかの問題ですよ。労働生産性の伸び率って2%、3%とかできるでしょう。そこで、人口の減少率が1%弱だったら、それは成長するに決まっているじゃないですか。

田原: つまり、人口減少社会でも成長があり得る、と。それと僕はいちばんの問題だと思うのは、つまり、長期と短期の問題をごっちゃにしているところだと思う。たとえば、30年後、50年後には今の人口が1億人を切って、8,000万人とか7,000万人になると、長期的には消費は落ちるでしょうね。でもそれと、短期の3年、4年の話とは違うでしょう。それをごっちゃにしているんじゃないか、と。

竹中: それと、本当に10年、20年のタームだと、移民を受け入れればいいんですよ。それで、普通はアメリカでもオーストラリアでも成長戦略を議論する場合には、必ず最初に移民の問題を議論するんです。

経済成長に必要な人材確保に移民受け入れの議論は不可欠
田原: なんで移民の議論は出てこないんですか? 産業競争力会議で移民の議論なんか出てこないじゃないですか。

竹中: いや、私はしていますよ。他の人が賛成しないから出てこないんですね。私は産業競争力会議の議論で最後の最後まで言っています。「移民」という言葉だといろいろイメージするものがあるので、「経済成長に必要な人材確保と人材交流については、官房長官の下で長期の議論をする場所を作ってほしい」というふうに言っています。

田原: 多分、6月の中旬の報告には出てこないんじゃないの?

竹中: わかりませんね、まさに今それをやっています。私はそのことは退かないでちゃんとやるべきだということを主張しています。

田原: その場合、移民の規模はどのくらいですか?

竹中: まだまったくその辺はわかりません。ただ、毎年毎年、2030年を過ぎると日本の人口って100万人強減ってくるんですよ。そうすると、たとえば私の学生、とくに女子学生なんかに「いちばん欲しいものは何か」と聞くと、ほとんどの人がメイドさんだって言いますね。だって自分が働くには必要ですから。

 ただし、ルールをちゃんとしないと社会が混乱するというのも事実ですよ。だから、ちゃんと議論しましょうと私は言っているわけで、無条件で受け入れるなんてことはできないですが、そんなふうにタブーを作っちゃいけないんですよ。さっきの解雇の話もそうですが、タブーを作るべきではないし、タブーを作るのにひと役買っているのはメディアなんですよ。

田原: ただ、移民に対する反対の議論としては、「日本は島国なんだ、ヨーロッパみたいに山ひとつ川ひとつで国境が隔てられているなら元々いろいろな民族が入ってきているからいいんだろうけど、日本は島国で周りは海なんだから移民は無理じゃないか」という議論がありますね。これはどうですか?

竹中: オーストラリアも島国ですよね。大きな島国なんですが、オーストラリアの最大の戦略は移民戦略です。イギリスにも移民はいます。だから、為にする議論ですね。とにかく「イヤだから」ということで島国だとか言っているのが見え見えの議論なので、もうちょっと考えたほうがいいと思いますね。

田原: なんでそういう議論がまともにできないんだろう?

竹中: だから、私はそこを政治のリーダーシップで突破してほしいですね。

安倍内閣に足りていない3つのもの
田原: もう1つ、成長の裏側に社会保障という問題がある。しかし、社会保障の議論がまったくできていない。これはなんでですか?

竹中: それは要するに、基本的には安倍内閣は成長戦略のための会議も作ったし教育再生の会議も作ったし、女性労働のための会議も作りましたけれども、抜けているものが3つあるんですよ。

 1つは社会保障です。これは社会保障国民会議という民主党時代のものを引き継いでいます。2つ目は地方分権なんです。これを議論する場がないんです。そして、3つ目がエネルギー。これも民主党からの議論の枠組みを引き継いでいるんです。私はこの3つが、参議院選挙で勝利したとして、そのあとに本格的に取り組まないといけない問題だと思います。ご指摘の通りで、社会保障をちゃんとしないと財政再建は絶対にできません。

田原: 社会保障を議論できない理由はハッキリしていると僕は思う。つまり、国民は社会保障がもっと多くなることを望んでいる。でも、今の状況だと社会保障をもっと減らすしかなくなる。正反対なんですよ。

いま政治に求められるのは「国民を説得する力」
竹中: 私はそういうことも含めて、いま政治に求められているのは、ちゃんと国民を説得する力だと思います。

 よく国民の声を聞かないと言われているのは当たり前の話なんですが、今の民主主義というのは非常に複雑な民主主義で、リーダーシップデモクラシーという形で、リーダーがこうしようじゃないかということを提案しないと成り立たないデモクラシーですから、たとえば移民の問題でも「いろいろな問題があるけれども、必要なことだから検討しようじゃないか」と。

 さっきの解雇のルールでも、ちゃんとやろうじゃないか、と。それをできるかどうかですよ、政治が。

田原: そこで、極端な議論だと、結局民主主義というのは、成長時代には成立する、と。つまり景気が好くて税金が国にどんどん入る、つまり歳入が歳出より多い時代には民主主義は成立するけれども、歳入よりも歳出が多くなると、国民に負担の分配をする形になる、そうすると民主主義が成立しなくなるんじゃないか、という話があるんだけど、これはどうですか?

竹中: いや、そういうときほど民主主義が大事になるわけですよ。それはもう、リーダーの説得力にかかっています。

田原: 民主党の失敗はそこだと思います。

竹中: そうですね、リーダーは世の中そんな良いことばかりじゃない、と、小泉さんが「痛みを超えてでも改革していこう」と言ったあの姿勢なんですよ。

田原: だけど、いまは安倍さんも痛みを伴うのを嫌がっているじゃないですか。

竹中: でも、安倍さんはたとえば金融政策とか、今までクリアできなかった問題について一歩も二歩も踏み込んでいますからね、司令官としては頑張っておられると思いますよ。

 司令塔に当たるものはいくつか大きいのがあるんですが、そこがもっとキチンとした役割を果たすようになればね。そうしないとアベノミクスは実現していかないですよね。それからもう1つ私がぜひこの際に申しあげたいのは、「アベノミクスが良いか悪いか」なんて議論を未だにしているでしょう。良い悪いじゃなくて、これしかないんですよ。

田原: だから、アベノミクスに対する批判はつまらない。批判するなら対案を出せ、と。

竹中: そうですよ。アベノミクスをいかに実現していくかという議論をすべきなんですよ。

田原: 成功してもらわなきゃ困るんだからね。

竹中: そうですね、本当にその通りです。ただ、昨日もあるワイドショーを観ていたらひどい議論をしていますよね。アベノミクスをアホノミクスだとか言うエコノミストが出てきてね、そんなことを言う時点でこの人は終わっているな、と思いますけどね。そういう茶化す議論は、結局日本のリテラシーを下げていますよね。

田原: 今はニュースショーでも何でも、コメンテーターは怖がっているんですよ。つまり、時流に合わないとコメンテーターを外されるんです。だから、今はアベノミクスを批判しなければならないんですよ(笑)。

竹中: 私がおもしろいと思うのは、政府が正しいことをやっているときは変なコメンテーターが出てくるんですよ。それで、政府が変なことをやっているときは正しいコメンテーターが出てくるんです(笑)。だから、変なコメンテーターが出てくるということは、政府が正しいことをやっているってことですね(笑)。

スクラップアンドビルドこそが重要だ
田原: 先ほどおっしゃった特区以外に、成果としてここは見てほしいというところはありますか?

竹中: アベノミクス特区で新しいタイプの総理主導の特区を作るというのは1つの成果になり得ると思います。もう1つは、コンセッションといいまして、インフラの運営権を民間に売るということですね。このお金がどのくらいか入ってきたら、これで財政再建の痛みを和らげることができるんですよ。

 だから、これをどのくらいやるかということ。そしてこの議論を、経済財政諮問会議のマクロの議論につなげるということがすごく重要です。

田原:他にも成果はありますか。

竹中:たとえば、今までは雇用調整助成金といって雇用を動かさないで塩漬けするために1,000億円使っていました。そして有望な産業に移すための補助金は5億円だったんですよ。これを大幅に逆転するということも、田村憲久厚生労働大臣がOKしました。

 あとは、これはいろいろな議論がありますが、日本版NIH、要するに医療関係の統合本部みたいなものを作る、と。これも作ったほうがいいと思います。ただ、今まで同様に官主導で作っても看板が変わるだけですから。

田原: NIHに対する反対論も強いですね。混合診療に対する反対と同じように。

竹中: 各役所がね、やっぱり自分の権限を奪われることに対しては本能的に反対しますからね。もう1つ重要なのは、こういうのを作るのは良いんだけれども、元の部署の人員を減らせよな、ということなんですよね。スクラップアンドビルドをやれ、と、それが重要ですね。

竹中平蔵 (たけなか・へいぞう)
1951年、和歌山県生まれ。一橋大学経済学部卒業後、日本開発銀行入行。大阪大学助教授、ハーバード大学客員准教授、米国国際経済研究所客員フェローな どを経て、慶應義塾大学総合政策学部教授。小渕首相、森首相の諮問機関のメンバーなども務める。小泉首相の政権下の2001年4月、経済財政政策担当大臣 に就任。02年9月の内閣改造で金融担当大臣を兼務、04年7月、参議院議員当選、郵政民営化担当大臣、総務大臣(第6代)等を歴任した。2006年に政 界引退後は、慶應義塾大学教授 グローバルセキュリティ研究所所長、社団法人日本経済研究センター特別顧問などを務めている。

田原総一朗 (たはら・そういちろう)
1934年滋賀県彦根市生まれ。早稲田大学文学部卒業。岩波映画製作所、東京12チャンネル(現・テレビ東京)を経て1977年フリーに。現在は政治・経 済・メディア・コンピューター等、時代の最先端の問題をとらえ、活字と放送の両メディアにわたり精力的な評論活動を続けている。テレビ朝日系で1987年 より「朝まで生テレビ!」、1989年より2010年まで「サンデープロジェクト」に出演。テレビジャーナリズムの新しい地平を拓いたとして、1998年 ギャラクシー賞(放送批評懇談会35周年記念城戸又一賞)を受賞した。2010年よりBS朝日にて「激論!クロスファイア」(毎週土曜日 AM10:00〜10:55)開始。2002年4月より母校・早稲田大学で「大隈塾」を開講、塾頭として未来のリーダーを育てるべく、学生たちの指導にあ たっている。2005年4月より早稲田大学特命教授。著書多数。


03. 2013年7月16日 13:17:21 : niiL5nr8dQ
ドル99円後半、FRB議長の議会証言控え上値重い
2013年 07月 16日 12:47 JST
[東京 16日 ロイター] - 正午のドル/円は、前日のニューヨーク市場午後5時時点に比べて若干ドル安/円高の99円後半。一時100円台に戻したものの、バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言をあすに控え、積極的に上値を追う動きは限られた。金融機関の利金入金に伴う円転玉も相場を圧迫した。

<バーナンキショックの傷まだ癒えず>

正午までのドル/円は99円後半を中心に取引された。一時100.07円まで上昇したが、バーナンキFRB議長のハト派的発言に対する警戒感がくすぶる中で、積極的に上値を追う動きは限られ、99.64円まで押し戻された。

バーナンキ議長の発言をきっかけとした混乱は収束、相場は落ち着きを取り戻しつつあるが、市場では「まだショックから立ち直っておらず、立ち直るとすれば今週のバーナンキ議長の議会証言を過ぎてからだ」(大手邦銀)との声が聞かれる。

この関係者は「前回の発言はところどころドル買いと受け取れるようなところもあって、過剰反応した面も否めない」としながらも、「ドル買いに体重をかけ過ぎて、それがひっくり返された記憶はまだ新しい」と指摘。投げさせられた傷がまだ癒えない中で「(投資家は)遠慮がちにロングを作っているものの、思いっきりロングにする雰囲気はない」との見方を示した。

先行きについては「議会証言を無事通過すればドル買いの雰囲気が出てくるだろうが、参院選あたりでいったんピークをつける可能性もある」とみている。

週明けの海外市場では、ドル/円は一時100.49円まで上昇。アジア時間に発表された4─6月期の中国・国内総生産(GDP)が予想通りだったことから過度な不安心理が後退したことに加え、前週のドル売りが行き過ぎとの判断から買い戻す動きが入った。もっとも、100.50円の厚めの売りが意識されるなか、6月米小売売上高が予想を下回ると一気に99円後半まで押し戻されるなど、相場は力強さに欠ける状況にある。

こうしたなか、個人投資の100.10円から上の水準での売りが目立っている。

上田ハーローの吉松武志氏は「前週のバーナンキFRB議長の講演で急落したこともあり、今週の議会証言に対する警戒感から売り注文が目立つ。100.10円に大口の売り、100.50円から上ではしっかり売りが入っており、100円を超えると上値が重そうだ」と話していた。

市場参加者によると、きょうは実需の動きは目立たないが、金融機関は利金の入金に伴う円転で売り目線にあったという。

<豪中銀議事要旨で豪ドル上昇>

豪ドル/米ドルは堅調に推移した。オーストラリア準備銀行(中央銀行、RBA)が発表した理事会議事録を受け、一時0.9173米ドル付近まで上昇した。

RBAが発表した7月2日の政策理事会議事録は、必要に応じてさらなる利下げに一定の余地がある可能性を示す一方で、豪ドルの下落を踏まえると政策は「当面」適切だと指摘、「かなりの緩和が既に実施された」との見解を示した。

ドル/円JPY=  ユーロ/ドルEUR=  ユーロ/円EURJPY=

正午現在   99.74/76  1.3068/72  130.35/39

午前9時現在 99.95/97  1.3056/60  130.50/54

NY午後5時 99.85/86  1.3062/67  130.41/45

(ロイターニュース 志田義寧)

 


 


 

ドル/円は新たな方向感模索、FRB議長の議会証言が焦点
2013年 07月 16日 08:23 JST
[東京 16日 ロイター] - 今週の外為市場で、ドル/円は新たな方向感を模索する展開となりそうだ。週明けの外為市場でドル/円は100円台に戻したが、米小売売上高が市場予想を下回ったことで再び99円台に押し戻されるなど、相場は依然として不安定な動きを続けている。

17、19日のバーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言などの重要イベントをこなしつつ、新規のポジションがどう構築されるかがポイントになりそうだ。

予想レンジはドル/円が98.50―101.50円、ユーロ/ドルが1.2950―1.3250ドル。

15日の海外市場で、ドル/円は一時100.49円まで上昇した。アジア時間に発表された4─6月期の中国・国内総生産(GDP)が予想通りだったことから過度な不安心理が後退したことに加え、前週のドル売りが行き過ぎとの判断から買い戻す動きが入った。米金利に上昇圧力がかかったことも相場をサポートした。

ただ、6月米小売売上高が予想を下回ると一転して売り圧力が強まり、一気に99円後半まで押し戻された。米金利に再び低下圧力がかかったことも、相場を圧迫した。

ドル/円は週明けに一時100円を回復したことで底堅さが増しているようにみえるが、米経済指標にらみの状況に変わりはなく、楽観する声はあまり聞こえない。

市場では「連休中は緩やかなドル高/円安となったが、17、18日にバーナンキ米FRB議長の議会証言を控え、大きな値動きは期待しにくい。日米ともに株価に過熱感が出ているため、いったん調整が入ると円が買われる可能性もある」(外為アナリスト)と警戒する声が出ていた。

そのバーナンキ議長の議会証言に関して、外為どっとコム総研の神田卓也調査部長は「5月の議会証言と6月のFOMC後の発言と11日の発言とでトーンが異なるので、予想は難しい」と話す。ただ、同じ議会証言の場ということを考えれば、5月の証言後に米国経済がFRBの想定を下回っているかと言えばむしろ反対なので、今回の議会証言では11日のようなハト派発言は出ないのではないか、と予想している。

仮にハト派的発言が出なければドルをサポートする可能性が高いが、前週はドルが急落するなかで、一部の市場参加者は損切りを余儀なくされており、積極的に上値を追う動きは限られる可能性がある。

大手邦銀関係者は「イベントがあっても大きな方向性が出るとの期待はできない」との見方を示す。FRB議長の議会証言以外には、20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が予定されているが、バーナンキ議長は欠席するため、ドル/円の方向感には影響しないとみている。

21日には参院選の投開票が行われるが、自民党の大勝予想は織り込まれており、ドル/円のサポート要因にはなっても、ドル/円を押し上げることは見込みにくいという。

6月米雇用統計後、FRBによる早期の緩和縮小観測が強まったが、欧州中央銀行(ECB)は米雇用統計の発表前日にフォワード・ガイダンス(将来の政策指針)を導入してハト派スタンスを鮮明にし、米欧の金融政策の方向性の違いを印象付けるのに成功したかに見えた。

しかし、バーナンキ議長のハト派発言でユーロ/ドルは急伸。大手証券関係者は、今は米欧の金融政策のスタンスの違いという「単純な図式」では動きにくいと話す。来週のユーロ/ドルは「ちょっと動き出すとそちらの方向に傾いてしまう、方向感がわかりにくいからこその値動きになりそうだ」という。

(ロイターニュース 為替マーケットチーム)
 

 


 


 


 
中国シャドーバンキング、経済成長に大きな影響も=麻生財務相
2013年 07月 16日 13:04 JST
[東京 16日 ロイター] - 麻生太郎財務相は16日、閣議後の会見で、中国のシャドーバンキング問題について、経済成長率に大きな影響を与える可能性を秘めていると警戒を示した。実態が把握できていない問題性も指摘したが、19─20日にモスクワで開催される20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で議題になるかは明言を避けた。

G20会合の議題に関しては、前回の会合で議題となった世界的な租税回避問題が議題になるとの見通しを明らかにした。日本には信頼に足る中期財政計画の策定が求められているが、政府としては8月中に策定する予定であるとし、国際会議への提出は「9月のG20首脳会合(サンクトペテルブルク・サミット)になる」と語った。

<中国シャドーバンキング問題、公然と聞く話ではない>

中国経済が減速感を強めるなか、銀行を介さないシャドーバンキング(影の銀行)による不良債権問題が世界の関心事のひとつとなっている。麻生財務相は政府当局者も含め実態が把握できていない状況が不安心理をあおっているとしながらも、「誰も実態がつかめていない状態の経済こそが問題だ。そういう状態の経済になっているということは土地・不動産などバブルがはじけつつあるのかと思わないわけではない。いずれにしても、経済成長率に大きな影響を与える可能性は十分秘めている」と警戒感を示した。

ただ、G20会合で議題になる可能性については、「聞く人もいるかもしれないが、皆の前で聞くような話ではない」と述べるにとどめた。

<新興国経済減速、日本のGDPを著しく損ねる状況ではない>

これまで世界経済をけん引してきた新興国経済の減速が日本経済に与える影響に関しては、日本の国内総生産(GDP)に占める外需の割合が12%で、残りが内需であると説明。「当然考えておかなければならない(問題だ)が、直接日本のGDPを著しく損ねる感じではない」と述べた。

新興国経済の減速が米国の量的緩和縮小観測に起因するとの見方に関しても「米国の出口の議論をした途端に、金融が締まって大変だという議論を新興国から聞いたことはない」と反論。G20会合で、新興国の一部から米国の金融政策に注文が出る話にはならないとの認識を示した。

(吉川裕子)

 

 


 


 


 
アングル:浜田氏が小刻み消費増税提唱、景気配慮へ折衷案
2013年 07月 16日 12:03 JST

7月16日、安倍晋三首相のアドバイザーである浜田宏一内閣府参与が消費税増税について、来春の引き上げは2%にとどめて7%とし、その後、4−5年かけて10%まで税率を小刻みに積み上げるという緩衝策を提唱し始めた。3月撮影(2013年 ロイター/Toru Hanai)


[東京 16日 ロイター] - 安倍晋三首相のアドバイザーである浜田宏一内閣府参与(イエール大学教授)が消費税増税について、来春の引き上げは2%にとどめて7%とし、その後、4−5年かけて10%まで税率を小刻みに積み上げるという緩衝策を提唱し始めた。

現在の政府案通りに実施すると、上向き始めた国内景気が悪化しかねないとの判断が背景にある。実現には難しい面があるものの、首相の政治判断にどう影響するか注目される。

政府は来年4月から現行5%の消費税率を8%に引き上げ、15年4月には10%に再増税する方針を固めている。しかし、浜田氏は11日の名古屋での講演で、景気への影響が心配な場合は「なだらかに上げていくこともある」とし、「初めの年は2%、それから1%ずつ、4、5年かけて上げていく」方式を提唱した。

浜田氏も含め、いわゆるリフレ派の有識者は、大胆な金融緩和が人々のインフレ期待を高め、デフレ脱却につながるとの立場をとっており、消費税の増税は2%の物価目標が安定的に達成された後に実施するのが望ましいとの意見が多い。増税で消費者の購買力が低下すれば景気回復に水を差し、結果的に税収が下振れ増税目的が達成できない可能性を懸念しているためだ。 現在は日銀副総裁の岩田規久男氏も、副総裁就任直前に執筆し今春出版された著書でそのような見解を繰り返していた。

日銀の異次元緩和による円安・株高を背景に、国内景気は回復を示しており、来春の消費増税の是非を判断する目安とされる4─6月の国内総生産(GDP)は前期比年率3.0%(日本経済研究センター集計の民間エコノミスト調査)との予想もある。景気回復感が強まる中で、浜田氏など首相周辺のリフレ派は増税による景気下押しリスクへの懸念を強めている。

しかし、消費税増税は日本の財政立て直し策として海外投資家などからの注目度が高く、政府が引き上げ延期を打ち出せば、財政再建がとん挫したと見なされ長期金利が急上昇する可能性がある。一方、増税延期論者には、こうした国債暴落・金利急騰のシナリオは財務省と日銀の喧伝にすぎない、としてリスクを軽視する向きもあるが、これまでも先物市場などで海外投資家が主導する日本国債への売り浴びせの動きがあったと言われる。

安倍政権は就任後、急激な円安に対する各国の理解を得るため、20カ国(G20)財務相・中央銀行総裁などで、大胆な金融緩和は財政再建とセットで進めると説明を繰り返してきた。増税延期は、財政再建を約束した日本の「公約」違反受け取られかねず、円安基調が一転して急激な円高に見舞われる可能性もあるという。

その中で折衷案として、首相ブレーンの間で浮上しつつあるのが1%ずつ小刻みに増税する案だ。増税はするので財政再建は進める姿勢を対外的に示しつつ、増税規模を小さくすることで景気下押し効果を弱め、駆け込み需要と反動なども小さくできるとみているようだ。

現時点で与党・政府関係者の間では新たな法改正を伴う小刻み増税案について現実的な政策オプションをみる声は少ないようだ。来春の消費増税は実施しつつ、増税の景気下押し圧力への対策として補正予算など財政・金融政策のフル出動で対応するのがメインシナリオのようにも見受けられる。

甘利明経済再生担当相は16日の閣議後会見で、浜田氏の提案について、「民主党政権下で消費増税法案は成立しており、このまま推移するとそれが実施される」と指摘。「基本的に予定された法案が実行できる環境づくりに全力を投入することに集中したい」とし、法案変更に難色を示した。

小刻みな増税案には、市場にも否定的な見方がある。シティグループ証券の道家映二チーフJGBストラテジストは、「1%ずつの増税では企業の事務コスト負担が大きい。経済効果も不透明であまり適切ではないのでは」と指摘している。

(ロイターニュース 竹本 能文;編集;北松克朗) 

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現在の政策は当面適切、必要なら一段の緩和余地も=豪中銀議事録
2013年 07月 16日 12:26 JST
[シドニー 16日 ロイター] - オーストラリア準備銀行(中央銀行、RBA)が16日発表した7月2日の政策理事会議事録によると、中銀は、豪ドルの急落が時間をかけてインフレをやや押し上げるものの、必要な際の一段の利下げを妨げるほどではないとした。

理事会は、総じて豪ドル安を歓迎しており、一段安の可能性を見込んでいる。

議事録は「進行中の為替相場の調整を踏まえると、金融緩和が相当程度実施されており、メンバーは現在の政策スタンスが当面適切と評価している」と指摘。「理事会はまた、インフレ見通しについて、為替相場の下落によりやや上昇するものの、需要を下支えするために必要ならば一段の緩和余地をある程度提供するものだと判断した」とした。

豪中銀は2日、政策金利のオフィシャルキャッシュレートを過去最低の2.75%に据え置くことを決定。市場では、8月に2.5%へ利下げするとの見方が過半となっている。

7月の政策理事会決定は、豪ドルが下落する中で開かれた。豪ドルは4月中旬以降で約15%下落し、3年ぶり安値の1豪ドル=約0.90米ドルをつけた。貿易加重ベースでも、豪ドルは約12%下落し、3年ぶりの低水準となった。

豪ドル安は、競争力強化を目指す多くの輸出業者にとって歓迎されるはずだが、理事会メンバーは依然として豪ドルは「高水準」だと感じている。

議事録は「交易条件や鉱業投資が低下する中、メンバーらは為替相場が時間をかけて一段安となる可能性があると指摘。一段安となれば経済の成長リバランスを促進することを手助けするだろう」とした。

豪中銀は、全体的に経済は引き続き潜在ペースを下回って成長しており、企業投資の見通しは相変わらず不透明だと指摘。ハト派傾向は変わっていないことを裏付けた。

鉱業部門投資については、今後数四半期は高水準が続くと見込む一方、新規プロジェクトの前提となる計画・開発作業が相当低迷していることを背景に、急速に落ち込むとみている。

非鉱業部門については、豪ドル安が支援材料になるものの、短期指標は抑制的な成長になると引き続き示唆しているとした。

メンバーらはまた、低金利は経済を部分的に、特に住宅市場を押し上げ始めたと指摘。住宅建設は一段の成長が見込まれるとみている。

オーストラリアにとって最大の輸出相手国である中国については、最近のデータでは落ち着いた成長を示しているものの、中国の銀行間市場では信用拡大ペースを抑えるために幾分引き締められていると指摘した。

金融情勢の引き締めがどの程度続くのか、借り入れや経済活動への影響を評価するのは時期尚早だとした。


04. 2013年7月16日 13:43:06 : niiL5nr8dQ

NYダウ、史上最高値を更新 3営業日連続 
 【ニューヨーク=畑中徹】週明け15日のニューヨーク株式市場は、米企業の業績が改善するとの期待が高まり、大企業で構成するダウ工業株平均が値上がりした。終値は、前週末より19・96ドル(0・13%)高い1万5484・26ドルとなり、3営業日続けて史上最高値を更新した。

 15日発表された米金融大手シティグループの今年4〜6月期決算が市場の予想を上回り、ほかの企業の決算内容にも期待感が高まった。ただ、6月の米国の小売業売上高が事前予想に届かなかったのに加え、17日に控える米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長の議会証言を見極めようと、模様眺めの展開となり、小幅な値上がりにとどまった。

 中国で15日発表された今年4〜6月期の国内総生産(GDP)は、2四半期連続で前の期を下回ったが、市場では予想の範囲内と受けとめられている。

 ハイテク株が中心のナスダック市場の総合指数は、前週末比7・41ポイント(0・21%)高い3607・49と、8営業日続けて上昇した。

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REAL TIME ECONOMICS2013年 7月 16日 08:28 JST
第2四半期の米GDPは極度の不振に―1%以下か 
By KATHLEEN MADIGAN
 今年第2四半期の米国内総生産(GDP)統計(速報値)は、連邦準備制度理事会(FRB)の次回公開市場委員会(FOMC)の2日目に当たる31日に発表される。これまで発表された月次指標からすると、同期のGDPは極度の不振に見舞われたことがはっきりしている。

 15日発表された6月の小売売上高・企業在庫統計は予想を下回った。0.4%の増加と予想の0.8%増に届かないだけでなく、5月分が下向き改定された。また、自動車、建設資材、ガソリンを除いた伸び率は0.15%にとどまり、予想の半分だった。加えて、5月の企業在庫水準は0.1%増加するとともに、4月の増加率が0.2%から0.3%に上方修正された。

 主要金融機関で第2四半期のGDP伸び率を年率1%以下と予想しているのは、ゴールドマン・サックス(15日時点で0.8%)、マクロエコノミック・アドバイザーズ(0.6%)、ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(0.5%)、バークレイズ(0.5%)など(今回発表されるGDP統計では、基準年の改定と新しい算出方法が導入される)。

 JPモルガンは、1.0%の伸び率予想を変えていないが、ほとんどゼロ成長にとどまっている米経済をめぐるリスクに注目している。同社は顧客向けノートで、「第2四半期のGDP統計が良くなければ、2つの疑問が提起される。1つは、弱いGDP統計と底堅い個人所得とのずれをどう説明するのかであり、もう1つはFOMCが証券購入プログラムのアクセルを緩めることをどう思うかである」と指摘する。

 バーナンキFRB議長は、17、18の両日、半年に1度の金融政策報告を発表するとともに、議会で証言する。投資家は、同議長の景気見通しに関する発言を注視し、それが将来の金融政策決定にどう反映されるのか分析する。

 JPモルガンのエコノミストが指摘するように、第3四半期のGDPが第2四半期に比べ大幅に伸びそうな状況にならなければ、9月のFOMCで証券購入プログラムの縮小について討議するのは難しいかもしれない。

 6月の小売売上高は、第3四半期の小売り売上高を左右する大イベントへの疑問を提起するものとなった。HISグローバル・インサイトのクリス・クリストファー氏は「新学期前の商戦が熱を帯び始めようとしているが、6月の小売売上高統計は多くの小売業者にとって幸先のよくないものとなった」と話す。同氏によれば、消費者景気信頼感は高く、住宅部門も回復を示しているが、消費者は慎重な姿勢を崩していないという。

 


 


 


 
2013年 7月 16日 12:48 JST http://jp.wsj.com/article/SB10001424127887324802804578608722236947556.html
中国の国内消費は増やせるか記事ビデオ原文(英語)TOM ORLIK AND BOB DAVIS
 【北京】消費者の財布のひもを緩めさせて、より国内消費に基づいた経済成長の実現を目指す中国の政策は行き詰まている。これを反映して今年第2四半期(4‐6月)の国内総生産(GDP)伸び率が鈍化、今後の成長の勢いも鈍ると予想されている。
 15日に発表された中国の一連の経済指標によると、都市部世帯の可処分所得の伸びは上半期に6.5%となり、前年同期の9.7%から鈍化し、GDPの成長率も前年を下回った。この結果、GDPに占める消費の比率も縮小し、政府の思惑と逆の動きとなった。

China's economic growth rate slipped to 7.5% in the second quarter, continuing a slowdown that’s affecting industries world-wide. The WSJ's Jake Lee and Alex Frangos talk about who benefits and who suffers as the world’s second-largest economy loses momentum IT企業のマネジャー、Peter Zhou氏(29)は、給与の伸びが「どんどん鈍化している」とし、今年の月給が2万8000人民元(45万円)と、わずか3.7%しか増えていないと話した。同氏は「これまでは電子機器や宝飾品などを毎月買っていた」が、今では大型の買い物は3カ月間していないと述べた。
 中国の経済が輸出や資本集約的な産業への投資へ依存することが一段と困難になり、国内消費依存型に変わる上で、所得の増加は非常に重要だ。内外のエコノミストはここ数年、長期的経済成長のためには増加してきた中国の中間層の支出の基盤を固めるべきだ、と主張している。
 6月の小売売上高は増えたが、上半期全体での伸びは12.7%と前年同期の14.4%増から減速した。
 中国の新指導部は、内需主導型経済への移行に際しては、短期的な経済成長が打撃を受けることも容認すると繰り返し表明している。しかし、これまでのところ構造的調整ではなく成長の減速が表面化している。
 国家統計局の盛来運 報道官は、30年間にわたる急成長のあとに中国経済は新たな段階に入ったと警告し、「技術面での突破口がなければ、同じインプットでもアウトプットが小さくなっている」と述べた。
 第2四半期のGDP伸び率は前年同期比7.5%に減速し、ほとんどのエコノミストは今年の成長率が7.5%程度と、1990年以降最低に落ち込むと予想している。ウォール・ストリート・ジャーナルの試算では、米国方式である前期比伸び率の年率換算は、第2四半期は6.9%で、前四半期の6.6%を上回った。しかし、これは政府の年間目標である7.5%に達していない。
 統計局の発表を受けて、野村は2014年の予想成長率をこれまでの7.5%から6.9%に下方修正し、経済構造の調整が遅れていることなどを理由に挙げた。JPモルガンはこの予想を7.7%から7.2%に引き下げた。バークレイズは6月、中国の成長率は今後3年で3%ないしそれ以下に減速する可能性があるとの見通しを示した。ただ、同社は、同国経済はこのような状況から「劇的に反転するだろう」としている。
 慎重な消費動向によって中国では再び、成長を押し上げるのに投資支出が寄与する形になった。上半期のGDPの伸びへの消費の寄与率は45.2%に縮小する一方で、民間設備投資や不動産、インフラ整備など国内投資は53.9%に拡大した。
 ソニーなどの企業向けにコンピューター部品を生産しているアモイの企業家Zeng Qinzhaoは、政府と同じような体質転換をしようとしたが、うまくいかなかった。同氏は、急速な賃金上昇と元の為替レート上昇で中国製造業の競争力は弱まっているとし、事業の多角化を決めた。
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左:四半期GDP/中央:可処分所得の前年比増加率/右:各経済活動のGDPの伸びに占める比率。消費(赤)、投資(緑)、輸出(青)
 しかし、経済が減速していることから、同氏はフライドチキン・レストランの計画を大幅に縮小した。同氏は当初は50店舗の新設を計画していたが、実際は10店舗だけになったと話している。その上、経済の減速で、「全ての店舗は赤字」だという。
 中国の最高指導者らは今年初め、バブルの気味がある不動産部門の崩壊の可能性を小さくするために、改めて厳しい措置を取ると約束した。今や住宅部門は経済を何とか押し上げている数少ない部門の一つだ。
 建設中の住宅は上半期に前年比2.9%増えて、昨年の縮小から反転した。しかし、これには代償があり、北京と深圳の不動産価格は2桁の伸びで、他の主要都市でもこれとそれほど違わない上昇率となり、初めてマイホームを持とうとする多くの人たちにとっては手が届かなくなっている。
 中国の指導者らが成長率の減速に不安を抱き始め、GDP成長率を加速させるために―あるいは少なくとも一段の減速を避けるために―いくつかのレバーを引っ張る可能性がある。李克強首相は最近、南部中国を視察した際に、「経済政策運営は成長率、失業率、その他の指標が下限を下回らないように行われるべきだ」と述べた。同首相は、この下限が何なのか具体的には述べなかったが、中国は7.5%の成長を実現できないかもしれないと考えるエコノミストは増えている。同国ではこれまで15年間にわたって成長目標が達成されてきた。 


Bloomberg News
上半期の上海の小売売上高は前年同期比半減した
 李首相は先週12日の国務院の会合で、成長を高めるための方策として、投資はエネルギー効率化とITに焦点を合わせるべきだと語った。首相は、これによって経済改革のペースも速まるとしているが、バンク・オブ・アメリカの調査ノートは、政府による優遇産業の選択はより根本的な構造改革というよりも、古くさい産業政策のにおいがすると指摘している。
 中国人民銀行(中央銀行)の周小川総裁は15日の政府会合で、中小企業への貸し出しを増やすよう金融機関に求めるとともに、中小企業に対しては、資金獲得のために債券を発行するよう促した。会議後に発表された声明で明らかになった。
 政府当局者は現在、今年10月の共産党大会で公表される予定の経済改革計画をまとめているが、一部の学者らは既得権者の反対で大きな改革はできない可能性があるとみている。例えば、労働力参加率を引き上げ、消費支出の拡大にとって重要な措置である出稼ぎ労働者への社会福祉を増やせるように都市部の成長を促す計画は一部の地方指導者らの反対で行き詰まっている。
 経済改革にとっての最大の脅威は失業者の増加で、これが増加すれば、指導部は成長を迅速に加速させるためにできることは何でもすることになるだろう。これまでのところ、中国の労働市場は依然活況を呈している。統計局の盛氏は、中国の諸都市では上半期に700万人の職場が創出され、農村部から都市部に流れ込んでいる出稼ぎ労働者の数は増え続けていると指摘した。
 国家発展改革委員会(NDRC)に関係のある研究者は「中国経済は今年第3四半期も減速傾向を続けるだろうが、政府は(成長加速のための)金融緩和政策を取らないだろう」とし、政府はその代わりに公共支出を増やすだろうと付け加えた。一段の刺激策が役立つかどうかはまだ分からない。元中銀顧問のYu Yongding氏は、景気を刺激することはできるが、かつてに比べてインフレ効果ははるかに大きくなると指摘した。その上で、「資産バブルも心配しなければならない」としている。


05. 2013年7月16日 14:40:58 : niiL5nr8dQ

ドルじり安、FRB議長証言待ち−議事録受け対豪ドルで下落
7月16日(ブルームバーグ):東京外国為替市場ではドルがじり安。対オーストラリア・ドルでドルが売られた影響などで、ドル・円相場は1ドル=100円ちょうど付近から値を切り下げた。市場では、ドル相場の動向を見極める上で、あす行われるバーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長の議会証言に注目が集まっている。
午後1時40分現在のドル・円は99円77銭前後。朝方に100円07銭を付ける場面が見られたが、その後対豪ドルを中心にドル売りがやや優勢となり、一時99円65銭まで軟化した。前日の海外市場では100円48銭までドル高・円安が進んだ後、米小売売上高が市場予想を下回り、米長期金利が低下したことから、99円台後半まで上げ幅を縮めていた。
みずほ証券の鈴木健吾チーフFXストラテジストは、「バーナンキ議長の議会証言が最大の注目だが、FRBとして言っていることは一貫している」と指摘。「どこを強調するかでタカ派かハト派かの解釈がその都度違って、振り回されている」ものの、「要は米景気動向次第で緩和を縮小に向かわせるが、利上げと量的緩和縮小は別物で、全体的には緩和的な政策が続くということだ」と話す。
オーストラリア・ドルは対米ドルで1豪ドル=0.90ドル台後半から0.91ドル台後半へ上昇。オーストラリア準備銀行(中央銀行)が公表した2日の金融政策決定会合の議事録で、豪ドル下落と過去の利下げを踏まえると現行の政策スタンスは適切だと政策当局者が判断したことが判明し、ドル売りの手掛かりとなった。
ユーロ・ドル相場は1ユーロ=1.30ドル後半でドルが小安く推移。一方、ユーロ・円相場は1ユーロ=130円台半ばから130円台前半へ円がやや水準を切り上げている。
半期金融政策報告
バーナンキ議長は17、18日に米議会で半期金融政策報告を行う。議長は6月19日の米連邦公開市場委員会(FOMC)終了後の会見で、当局の予想通りに景気回復が続いた場合、年内にもQEの縮小を開始し、2014年年央に終了する可能性があると述べた。一方、今月10日の講演でに「予見可能な将来において、高度に緩和的な金融政策が米経済には必要だ」と発言。これを受け、市場では金融緩和継続観測が強まり、2.7%台まで上昇していた米10年債 利回りは2.5%台まで低下した。
鈴木氏は、「10日の発言はハトと解釈されたが、タイミングとしては米10年債利回りが2年ぶりの高水準にあり、住宅や設備投資への悪影響が懸念されていた」と指摘。一方、今回の議会証言は、米国株が終値ベースで史上最高値を連日更新しているタイミングとなるため、「バブル潰しの意味から株価抑制的なタカ派的な方向に軸足が移る可能性もある」と予想。その場合、株価動向次第では「いったん円高の動き」もあり得るが、日米の金融政策の方向性の違いは明らかで、「中長期的なドル高・円安ビューにはあまり影響ない」とみている。
米商品先物取引委員会(CFTC)によると、シカゴマーカンタイル取引所(CME)国際通貨市場(IMM)で、ドル・円先物取引非商業部の円 の売り越し幅は9日時点で8万305枚と前週(2日時点)の7万736枚から拡大した。拡大は2週連続。また、ユーロ・ドル先物取引非商業部門のユーロ の売り越し幅は4万900枚と、前週の1万6090枚から大幅拡大した。
記事についての記者への問い合わせ先:東京 小宮弘子 hkomiya1@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:大久保義人 yokubo1@bloomberg.net;Rocky Swift rswift5@bloomberg.net
更新日時: 2013/07/16 13:47 JST


日銀国債買いオペ、応札倍率「1年以下」低下−「5−10年」は上昇
  7月16日(ブルームバーグ):日本銀行がこの日実施した長期国債買い入れオペで残存期間「1年以下」の応札倍率が低下し、売り圧力が弱まっていることが示された。一方、「5年超10年以下」は上昇した。
オペ結果によると、「1年以下」では4393億円の応札があり、1104億円を落札した。応札倍率は3.98倍と前回の5.56倍から低下した。案分比率は41.2%。一方、「5年超10年以下」では、1兆5566億円の応札があり、4510億円を落札した。応札倍率は3.45倍と前回の2.81倍から上昇した。案分比率は34.2%だった。
日銀は午前10時10分の金融調節で「1年以下」と「5年超10年以下」のオペ実施を通知した。買い入れ額はそれぞれ1100億円、4500億円。買い入れ日はいずれも7月18日。今月5回目のオペとなる。
買い入れ対象銘柄は「1年以下」では2年債は307回−318回(除く312回、313回、315回)、5年債は75回−84回、10年債は253回−262回。「5年超10年以下」では10年債は296回−329回(除く310回−313回)、20年債は40回−63回となった。
記事に関する記者への問い合わせ先:東京 池田祐美 yikeda4@bloomberg.net;東京 赤間信行 akam@bloomberg.net;東京 船曳三郎 sfunabiki@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Rocky Swift rswift5@bloomberg.net;大久保義人 yokubo1@bloomberg.net
更新日時: 2013/07/16 12:29 JST




キャッシュ活用へ動く日本株式会社、自社株買い8年ぶり水準

  7月16日(ブルームバーグ):アベノミクスによる中期的なインフレ期待の高まりを受け、日本企業が長らくため込んできたキャッシュを自社株買いや配当などとして使い始めた。
ブルームバーグ・データによると、潤沢な資金事情を背景に東証1部上場企業の自社株買いは1−6月(上期)に1兆7800億円と、2005年以来の高水準に達した。経営陣は設備投資も増やしており、少なくとも7年ぶりの増加ペースだ。
安倍晋三首相が進める経済政策、日本銀行の異次元金融緩和を受けて日本経済が回復していくと多くの投資家が予想、期待し、TOPIX は昨年11月からことし5月の高値まで約8割上げた。企業経営者の景況感も変わり始め、日本銀行の企業短期経済観測調査(短観)の6月調査で、大企業・製造業の景況感が1年9カ月ぶりにプラスに転じた。
トヨタ自動車 やオリックス 、日清食品ホールディングス など東証1部の大手企業群が保有するキャッシュは155兆円と過去最高水準。このキャッシュを企業が使い始めた理由として、市場参加者の間では景気回復を予見したものとの見方や、インフレ政策でキャッシュをため込む意義が薄れたとの見方が出ている。
シュローダー・インベストメント・マネジメントの日本株プロダクトマネジャー、荒井卓氏は「アベノミクスで、企業のキャッシュの使い方に関する考え方が変わってきた。デフレのトレンドは変わったと思う。経営陣の意識が、株主還元につながっている」と指摘する。
ゴールドマン、今年度自社株買いは3.8兆円を予想
東証1部企業が上期に行った自社株買いはTOPIX時価総額の0.45%を占め、05年の0.92%(3兆円)以来の高水準だった。ゴールドマン・サックスでは、今年度の自社株買いは3.8兆円と予想している。また、ことしの配当は前年比8.7%増の1株当たり21.1円が見込まれ、08年以降では最も多くなりそうだ。配当性向は9日時点で39.47%と、香港ハンセン指数 銘柄の34.5%や米S&P500種株価指数 銘柄の36.57%を上回る。
「アベノミクスのメリットは、弱い通貨と景気回復によって企業のキャッシュフローが増えていること。それが再投資され、今後の成長と投資家のリターン向上につながる。これはウインウインの関係だ」と、JPモルガン証券株式調査部長のイェスパー・コール氏は言う。
さらにコール氏は、日本企業のリーダーは株主資本利益率(ROE)、総資産利益率(ROA)をどう伸ばすかも考えるようになった、と日本企業の中で起きている変化にも言及。こうしたマインドの変化は、「ものすごく大きい」と話した。
設備投資も増勢
設備投資も増加傾向だ。過去5年間のうち、3年で企業の設備投資(ソフトウエア除く)は減少していたが、ブルームバーグの調べによると、12年は主に機械、不動産などの投資で前年比19%増と2000年以降の最高ペースとなった。アナリストは、平均的な東証1部企業のことしの設備投資額は前年比22%増(中央値)になると試算しており、これが実現すれば、37兆円の設備投資を行うことになる。
TOPIXは1989年の史上最高値2886.50から、12年6月のバブル経済崩壊後の安値692.18まで76%下落した。バブル崩壊後の景気悪化やデフレ、円高、少子高齢化などによって相場低迷は20年超に達したが、こうした中で企業の姿勢も変化し、昨秋以降のアベノミクス期待による上昇相場がそれをさらに後押ししようとしている。
三井住友アセットマネジメントの浜崎優シニアストラテジストは、「デフレ脱却への動きが企業活動に影響を及ぼしている」とした上で、安倍氏はデフレ脱却という大きな指針を掲げてから「もう1年近く言い続け、いろいろ問題もあるし、文句も言われているが、一貫しており、ようやく形に出てきている」との認識を示した。
生命保険協会が毎年度実施している株式価値向上に関する調査結果(上場企業1129社、機関投資家144社)によると、12年度は投資家の97.3%が投資に際し配当を「最も重視している」「相当程度重視している」「一定程度重視している」と回答。配当の「重要性は増している」「重要性はやや増している」と回答した比率は72%となった。自社株買いについては、投資家の8割がその目的・メリットを「資本効率の向上、株主への利益還元」と認識し、足元の自社株取得状況について「より積極的に実施すべき」との回答が78.7%と最も多い。
一方、企業側の手元資金の水準に関する見解は、全体の22.2%が「余裕のある水準」、69%が「適正」と考え、主な使途としては「成長に向けた投資資金」との回答が53.6%と最も多くなっている。
記事に関する記者への問い合わせ先:東京 長谷川敏郎 thasegawa6@bloomberg.net;東京 Marco Lui mlui11@bloomberg.net;東京 Anna Kitanaka akitanaka@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Nick Gentle ngentle2@bloomberg.net
更新日時: 2013/07/16 12:51 JST


債券先物は反落、国内株高やあすの5年債入札が重しとの見方

  7月16日(ブルームバーグ):債券先物相場は反落。朝方は買いが先行したものの、その後は国内株高やあす実施の5年債入札に向けた売りなどが優勢になっている。
東京先物市場で中心限月の9月物は前営業日の12日終値比6銭高の143円22銭で開始。直後に143円25銭と日中取引で6月10日以来の高値を付けたが、その後は伸び悩んで7銭安まで下落。午前終値は3銭安の143円13銭だった。株式市場でTOPIX は一時0.9%上昇した。
現物債市場で長期金利 の指標となる新発10年物国債の329回債利回りは同1ベーシスポイント(bp)高い0.825%で始まり、その後は0.82%。30年物の39回債利回りは1.87%で始まり、その後は1.5bp高い1.865%で推移している。
野村証券の松沢中チーフストラテジストは、債券相場について、朝方の円安基調や株高に加えて、あすの5年債入札への警戒感が重しになると指摘していた。「5年債利回りの0.2%台は、過去日銀の追加緩和期待が強まった局面でのみ取引されている」と説明した。
財務省は17日、5年利付国債の価格競争入札を実施する。発行額は2兆7000億円程度。表面利率(クーポン)は前回債より0.1ポイント低い0.3%となる見込み。
15日の米国債相場は上昇。6月の米小売売上高が市場予想を下回る伸びにとどまり、4−6月期の景気減速の兆候が増えたことが背景。米10年国債利回り は前週末比5bp低下の2.54%程度で引けた。JPモルガン証券の山下悠也債券ストラテジストは、「米長期金利低下で債券先物はしっかりのスタート」と指摘。一方、5年債入札については、利回り0.3%付近なら入札で大崩れは見込めないとしながらも「0.2%台を買い進む展開は想定できず、2年債利回りが0.1%台前半のため一段のスプレッド縮小も困難」と話した。
記事に関する記者への問い合わせ先:東京 山中英典 h.y@bloomberg.net;東京 赤間信行 akam@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:大久保義人 yokubo1@bloomberg.net;Rocky Swift rswift5@bloomberg.net
更新日時: 2013/07/16 11:18 JST


消費増税法案実行できる環境づくりに全力投球したい=甘利経済再生相
2013年 07月 16日 13:58 JST
[東京 16日 ロイター] - 甘利明経済再生担当相は16日の閣議後会見で、消費増税について安倍晋三首相のアドバイザーである浜田宏一内閣官房参与(イエール大学教授)が法改正が必要となる1%ずつ上げる形での増税を提案したことに関連し、「民主党政権下で消費増税法案は成立しており、このまま推移するとそれが実施される」と指摘。「基本的に予定された法案が実行できる環境づくりに全力を投入することに集中したい」とし、否定的な見解を示した。

日本初参加となるマレーシアで始まった環太平洋経済連携協定(TPP)の交渉会合について、「参加各国との情報格差を一刻も早く埋め、安倍政権の方針を各国に説明していく」と強調した。

*浜田氏の肩書を修正します。



6月首都圏マンション発売戸数、前年比+22.0%=不動産経済研究所
2013年 07月 16日 13:31
7月16日、民間の不動産経済研究所が発表したマンション市場動向によると、6月の首都圏マンション発売戸数は4888戸となり、前年比で22.0%増となった。昨年4月撮影(2013年 ロイター/Yuriko Nakao)

[東京 16日 ロイター] - 民間の不動産経済研究所が16日に発表したマンション市場動向によると、6月の首都圏マンション発売戸数は4888戸となり、前年比で22.0%増となった。首都圏のマンション契約率は81.6%で、好不調の分かれ目とされる70%を5カ月連続で上回った。

1戸当たりの価格は4833万円で前年比7.9%上昇。マンション販売在庫数は4221戸で、前月比123戸減。7月の発売戸数は4500戸を見込んでいる。

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06. 2013年7月16日 17:21:07 : jYxndDpSFY
野口はアホ

実社会を動かすのは、名目金利ではなく、実質金利。

長期金利が3%になっても、インフレ率が2%なら、実質金利は1%にしか過ぎない。 

実質金利=名目金利‐(期待)インフレ率

日本の場合、デフレなので、名目金利がゼロ金利でも、デフレが1%あれば、自室金利は1%になる。

つまり、日本は、デフレ下で、実質的に高金利だった。

だから企業は設備投資せず、せっせと借金返済に回していたのだ。

国債の長期金利が上がっても(3%とは、今の水準からしたら、ものすごい数字・・逆にこれだけ金利が高いということは、その時点で、資金需要が活発化=好景気ということ)、インフレ率が上がれば、それは国債にって負担ではない。

だから、名目値で騒ぐ、野口はアホ。


07. 2013年7月16日 19:27:46 : niiL5nr8dQ
FRBのメッセージは市場にほぼ浸透か
2013年 07月 16日 18:28

7月16日、米FRB当局者は、バーナンキ議長が年内に資産買い入れの縮小に着手するだろうと発言したことがきっかけで世界の金融市場に大量の売りが起きたことに、明らかにうろたえた。ワシントンのFRB本部で昨年4月撮影(2013年 ロイター/Joshua Roberts)

[ワシントン 16日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)当局者は、バーナンキ議長が年内に資産買い入れの縮小に着手するだろうと発言したことがきっかけで世界の金融市場に大量の売りが起きたことに、明らかにうろたえた。

しかし当局者はその後、将来の金融政策についての市場の見方を自分たちの認識に近づけるように誘導したことで、安心感を高めていることだろう。それだけでなく、現在の厄介な調整が、もっと後に起きたであろう強烈な調整に比べれば害が少ないということにもほっとしているはずだ。

バーナンキ議長は5月下旬に、資産買い入れの縮小については今後数回の会合で決定することもあり得ると述べ、6月19日にはこのプログラムの年内の縮小およびその後の停止について明言し、FRBの意向を一段とはっきり示した。

この結果、10年米国債利回りは5月初旬に1.62%だったものが、先週の初めには2.75%となり、この10年で最も早い利回りの上昇となった。その後は市場は安定を取り戻し、15日に10年債利回りは2.54%となっている。

米株式市場にも落ち着きが戻り、指数は過去最高水準まで上昇、S&P総合500種.SPXの時価総額にして1兆ドル以上を取り戻した。これは投資家が、FRBの資産買い入れ縮小があっても株式市場が上昇するとみていることを示している。

ノーザン・トラスト(シカゴ)の首席エコノミスト、カール・タネンバウム氏は、「FRBのメンバーは、3週間前に比較して今の市場の水準についてかなり満足していると私は想像する」と述べた。

FRB当局者はバーナンキ議長の発言が引き起こした債券利回りと住宅ローン金利の急上昇を歓迎していなかった。当局者が市場の早期利上げ観測を打ち消そうと発したコメントに、彼らの狼狽(ろうばい)ぶりが表れていた。

当局者の行動で気づかされることは、彼らが本当に懸念していることが債券市場での投資家によるリスクテイクのひそかな蓄積であり、それがバブルの初期の前兆かもしれないということだ。

レイモンド・ジェームズ(フロリダ州)の首席エコノミスト、スコット・ブラウン氏は、「FRBには過度なリスク負担への懸念が多少あったようだ。当局者は間違いなくその事態に対処している」と指摘した。

<悔いはなし>

バーナンキ議長は先週自らの発言について異なった方法を取っていた方が良かったと思うかと聞かれた時、市場をかき乱すことは払うべき代価としては相応だったという認識をほのめかした。

議長は10日の経済会議で、「過去6週間でわれわれが経験した不安定さはあるものの、今語り、われわれがしていることを説明することで、違う時点で起こったかもしれないもっと困難な事態を避けられたのかもしれない」と述べた。

議長はさらに、資産買い入れの縮小がフェデラルファンド(FF)金利の利上げという形での引き締めを開始することを意味しないと強調し、連邦公開市場委員会(FOMC)の参加者19人のうち14人が、利上げが2015年より前に行われることはないと想定していると指摘した。

FRB当局者は、今年の初旬ごろにみられた債券市場のボラティリティーの低さについて、投資家が中央銀行による大量買い入れをよりどころとして債券を確実な投資対象と考えているという、潜在的に懸念すべき事態だと感じていた。

5月初旬に10年国債の利回りはおよそ5カ月ぶりの低水準をつけ、3カ月物短期証券の今後10年の利回り予想を下回った。この比較は、FRBが長期間にわたり超低金利を維持するという過剰な期待が利回りに反映されているかアナリストが判断する一つの方法だ。

<2方向のリスク>

6月のFOMC議事録によると、投票権を有するメンバー12人のうち2人が、早期に資産買い入れを縮小させる必要がある理由として、買い入れプログラムに起因するマイナス効果が、想定される恩恵を上回ることを防ぐことを挙げた。

バークレイズ・キャピタル(ニューヨーク)の米国担当主席エコノミスト、ディーン・マキ氏は、「市場は今ならば、FRBによる資産買い入れ縮小を、一段と高い金利を織り込むことなく受け入れることができそうだ」と指摘した。

ただ、今年の初めより債券利回りは大きく上昇しており、エコノミストのなかには、FRBが自分の首を絞めただけでなく、米国経済にも悪い影響を与えてしまったと懸念する声がある。

債券利回りの上昇は住宅ローン金利を押し上げ、住宅需要を阻害する恐れがある。JPモルガン・チェース(JPM)(JPM.N: 株価, 企業情報, レポート)とウェルズ・ファーゴ(Wファーゴ)(WFC.N: 株価, 企業情報, レポート)の幹部は12日、今後数カ月にかけて住宅ローン総額が減少し、同事業での利益が低下するだろうと警告した。

JPモルガンのマリアン・レーク最高財務責任者(CFO)は住宅ローン金利の上昇が貸出額を30─40%減じさせる可能性があると述べた。

専門家の一部は、FRBは自らが避けたい意向を示してきた経済の不透明感を助長しているかもしれないと指摘する。

ピーターソン国際経済研究所(ワシントン)のアダム・ポーセン所長は、「当局者はバブルを撃退していると確信している。これが間違いなく意味することは、FRBの政策について今後さらに多くの不透明感が出てくるということだ」と述べた。

(Reporting by Alister Bull記者; 翻訳 石黒里絵)






お金を寄付するには BY TIM HARFORD

7月12日にFinancial Timesに掲載されたTim HarfordのHow to give money awayの訳。誤訳の指摘お願いします。

世界の何不自由ない人々はどうやって貧しい人を助けるべきだろう? 私たちはダムや鉄道、道路を建設することができる。私たちは教育や公衆衛生に資金を提供することができる。私たちは関税を下げ、彼らが私たちにものを売れるようにすることができる。私たちは彼らに適切な経済政策について助言することができる(そうだそうだ)。もしくは、私たちの助けが益より害になりそうだということで彼らを放置しておくこともできる。

しかしここに代替策がある: 彼らにお金を渡すだけというのはどうだろう? そんな頭にガツンとくるわかりやすい計画であるがゆえに、ここ数年までどちらかというとほとんど注目されてこなかった。最近まで、直接最貧困層に達するのは難しかった。生活保護が全ての本当に必要としている人々にだけ行き渡ることを確かめるのはイギリスでも十分難しい―アフガニスタンではさらに難しいのは道理にかなうことだろう。

これまでのところ、私たちはそのかわりに貧困国の政府に金銭を与えることで手を打ってきた。それはしばしば、よいものにお金が使われるのを確かめることを狙ってひも付きだった。しかしそれらのひもは切られうる。あなたは病院のために支払っていると思っているかもしれないが、保健大臣が単にあなたの援助金を病院を建てるのに使っていてもいい加減に建てただろうし、彼自身の予算から金を盗めば、あなたは実際には彼のモナコの高級マンションに払っているだけなのだ。

しかし今なら、私たちは貧しい人々の仮想ポケットに現金を詰め込むことができる。多くの最貧困層は携帯電話を持っているか電話にアクセスできる。インド政府は全員にID番号を与えるという巨大プロジェクトに乗り出している。GiveDirectlyは、定評のある携帯電話バンキングシステムのM-Pesaを使って、ケニアの貧困家庭に直接寄付を届ける慈善団体だ。

しかし直接現金給付は望ましいのだろうか? 多分そうだろう。まさに直接現金を送付してくれそうな取り組みの欠如は実際に事を簡単にしてくれるかもしれない。例えばマラウイの例を取ると、マラウイの低い生活コストを調整してもなお8割以上の人々は1日に2ドル以下しか稼いでいない。もしその国の全員に50ドル与えたときに少数の豊かな人々も利益を得るとしたら、何を損なうというのだろう? 理性的な人々がなぜブリストルやバーンスレイの貧しい人々は貧しいのかについては議論できるのだとしても、なぜマラウイの貧しい人々は貧しいのかについて疑問の余地はない: 彼らがマラウイに住んでいるからだ。余分のドルを与えられれば、彼らがお金の良い使い途を見つける可能性は高いと思われる。

多くの研究で、貧しい起業家が現金助成を受けたときに彼らはなんとか高利益率―典型的なものは年率40〜80%―を達成することがわかっている。新しい無作為試験が現在ウガンダで行われていて、それを更に推し進めて、特定の職に一切就いていない農村の若者に現金を与えている。

今ではクリス・ブラットマン、ネイサン・フィアラ、セバスチャン・マルティネスによるワーキングペーパーとなっている研究では、ウガンダ政府がランダムに選ばれた若者に1万ドルを渡したとき何が起きるのか調べた。1人あたりこれらの助成金は当事者の若者たちの年収の2倍近くだった。ブラットマンと彼の同僚は次にその後の4年間で対照群と比較して何が起きるのかを見た。彼らは単に現金を使ってしまっただろうか? それともそれを投資する方法を見つけただろうか?

結果は勇気づけられるものだった。これらの若者はしばしば大工や美容師のような新しい技術職に就いたのだ。稼ぎははっきりとよくなった。リターンは現金に制約のあった比較群と比べて特に若い女性で高かった。そしてブラットマンが彼のブログで指摘するように、これは単に少数の貧しい人々を救うことについてだけではない。これは1度に助成金を受け取ることに資金を提供することで農村労働から技術職へ移行する産業転換のプロセスにつながるということなのだ。全ての中でもっともわかりやすい方法で貧しい人々を救うことは魅力的に見え始めている。






経験豊富なルービンシュタインが「迷える」経済学徒に送る十のアドバイス BY ARIEL RUBINSTEIN

以下は、Ariel Rubinstein “10 Q&A: Experienced Advice for “Lost” Graduate Students in Economics“(THE JOURNAL OF ECONOMIC EDUCATION, 44(3), 193–196, 2013)のうち、Q1,3,5,8,10の訳です。himaginaryさんがQ2,4,6,7,9を訳していたものを面白いと思ったので、残りも訳してみました。誤訳等あれば御指摘頂けると幸いです。

Q1.博論のアイデアが全く浮かばず、絶望しています。どうすればよいでしょうか。

まずはするべきでないことから話そう。自分の専門分野のゼミにたくさん出席してはいけない。そうしないと、単に既存の文献にコメントを付け加えることに終始してしまう。そしてそうした文献も大部分は過去のくだらないコメントに対するコメントで出来上がっているのだ。
良いアイデアがほしいのであれば、自分の周りの世界を見回してみたり、異なる分野の授業を取ってみなさい。私の学位論文(モラルハザードと無限期間の場合におけるプランパルエージェント問題に関する私の1979年の論文のように)の幾部分かは法律の授業中に夢うつつに思いついたものだ。

Q3.もう30ページも書きました。何度も繰り返しを使い、証明は必要以上に長いです。可能な限り不確定要素を散りばめ、離散型からバナッハ空間にも手を広げました。指導教官はそれでも評価外だと言っています。論文をどれだけ長くすれば良いのでしょうか。

良いアイデアがないのであれば、そのまま続けなさい。最低でも行間なしで60ページ以上にしなさい。誰もその論文を読まなくなるだろうから、クウォータリー・ジャーナル・オブ・エコノミクスやエコノメトリカに掲載される少なくともチャンスがある。
もし本当に良いアイデアがあるのであれば、行間空けで15ページ以内に収めるほうがいいだろう。それ以上の分量に値するような経済学の論文を私は見たことがないし、それは君の論文も例外ではない。
経済学の論文が長いというのは事実だが、それらのほとんどは死ぬほど退屈なものだ。エコノメトリカの50ページの論文を読み、その上で正気でいられるような人間がいるだろうか。だから短い論文を書くことで世界に貢献しなさい。新しいアイデアに焦点を絞り、証明を最低限に抑え(そう、それは可能なのだ!)、馬鹿馬鹿しい拡張は避けて、そしてエレガントに書こう。

Q5.昨日の午後おかしなことがありました。私は、私の学部を訪れた著名な経済学者と労働市場に関する私の論文について議論をしていたのです。私は緊張していましたが、彼はとても親身で礼儀正しかったです。彼は私のアイデアを褒めてくれましたが、その後に彼自身も同じような考えをずっと昔に思いついていて、アメリカン・エコノミック・レビューに掲載された彼の有名な論文ではそれについて脚注で触れてさえいるというのです。非常に恥じ入る思いでした。私の論文は穴を掘って埋めてしまうべきでしょうか。

ちょっと待ってほしい。私はその著名な経済学者が誰かは知らないが、自分の同業者の間を徘徊するそうした人物を何人か(その中にはそんなに著名じゃないものもいる)知っている。もちろん万が一そいつが本当に正しくて、君のアイデアが彼の論文に何年も前に既に触れられていたかどうかは確かめなければならない。きっと君はあらゆる関連キーワードを使ってGoogle検索をして、何十もの関連文献を読んだことだろうが、もしかしたら君は読むべき文献を本当に見落としていたのかもしれない。
しかしながら、その経済学者はその経歴の中であまりに多くのアイデアを思いついたものだから、今は少しばかり頭がこんがらがっているということが十分にありえる。だから、君のアイデアがあまりにも素晴らしかったので、彼は自分が君よりも前に考え付いていたはずだと思い込んでしまったと光栄に思いなさい。そしてもっと重要なのは、この不愉快な経験から教訓を得ることだ。20年かそこらの後、君が大学院生に教えを請われるほどに有名になった時、君は学生たちが持ってくるアイデアを自分が既に考え付いていたと絶対的な確信が持てることはないはずだ。

Q8.就職面接で大失敗してしまう心配をすべきでしょうか。

そうだね。。。ただちょっと私自身の話をさせてもらいたい。私は従来型の「労働市場」に参入したことはない。しかし1979年に私がエルサレムのヘブライ大学で博論をほぼ書き上げつつあったとき、何人かの教授は折よくイスラエルを訪れたアメリカの教授に私を紹介することで助けてくれようとしていた。そのうちの一人がフランクリン・フィッシャーで、彼はMITのシニア教授で、エコノメトリカの編集者も務めたことがあり、当時の業界内の顔だった。エイタン・シェシンキはハヌカー[1] のキャンドルライトイベントを催した折に私を招き、他の招待客が訪れる1時間前にフィッシャーと会う機会を作ってくれた。私はフィッシャーとリビングの隅のコーヒーテーブルについた。1時間のうちの半分で、私は当時書き上げていた8つの論文の要約を彼に話した。フィッシャーは辛抱強く聞いてくれた。そして彼は私にMITについて聞きたいかと尋ねた。正直なところ私はそんなことよりもこの耐え難い状況から可能な限り早く抜け出したかったのだが、拒むことは出来なかった。だから私は「はい」と言い、フィッシャーは「私たちはMITで教えており、そして私たちは英語で教えている」と言ったのだ。

Q10.結局のところ、まじめに答える気はありますか?

もちろん、ここでこれまで述べてきたことは大まじめに言っている。だが最後のコメントを付け加えさせてもらいたい。自分たちが地球上でもっとも優遇された部類に入っていることを忘れないように。社会は君に素晴らしい機会を与えた。何でも好きなことをしてよいし、新しいアイデアを考え、自分の考えを自由に表明し、自分のやりかたで物事を行い、おまけにそうしたことをすることで素晴らしい見返りを得ることもできる。こうした特権を当然のものと思ってはいけない。私たちはとてつもなく幸運なのであり、そのお返しに何らかのことをしなければいけないのだ。

訳注;ユダヤ教の年中行事の一つらしいです。 [↩]






金融引締めの二都物語

以下はBarry Eichengreen “A Tale of Two Tapers“(11 July, 2013)の訳です。誤訳等あれば御指摘頂けると幸いです。
7月15日追記:@keynes_2013の指摘に基づき、第7・第8パラを修正

アメリカの連銀と中国の人民銀行は、一般的には似ていないと思われている。しかし、ここ数週間で両者は同じような出来事を経ており、そしてそれはどちらも好ましくないものだった。
FEDの消化不良の症状はベン・バーナンキ議長による6月19日の記者会見によって始まった。その場において彼は、経済が好調を続ける、とりわけ失業率が7%以下に落ちた場合にはFEDの長期債券購入の削減が始まる可能性があることに注意を促した。株価はそのショックを反映し、アメリカ財務証券の利回りは急騰した。アメリカからの資金の流れが逆転することを恐れ、新興市場の通貨は下落した。

全くもってこうした反応が激しく、また憂慮すべきものであったために、FEDの面々はその意図を明確化する必要性を感じた。彼らの説明によれば、FEDの「量的緩和」政策の削減の可能性ということと、それをやめるということは異なるということだった。いつどのように長期債券購入を削減するかは将来のデータに基づくことであり、特に年末までに失業率が7%まで下がるかどうかについては何ら保証はなかった。

奇遇にも、6月19日という日は中国人民銀行が国内の逼迫化した信用市場に対する、さらなる流動性の供給を行わないということを決めた日でもあった。中規模銀行2行が債務の不履行を行ったという噂が流れ、中国の銀行間短期金利は(訳注;人民銀行の決断の)2週間前から上昇していた。銀行間レートは5%から7%近くまで上昇した。投資家たちは人民銀行がさらなる金利の上昇と経済成長の鈍化を避けるために、常のように介入を行うだろうと考えていた。

ところが、人民銀行は何ら手を打たなかった。政府は銀行が不動産開発業者や国営大企業(両者は大抵同じものだ)に大して余りにも自由に貸し出しを行ってきていることを憂慮しており、銀行がその資産管理部門を通じて、高リスクの投資をファイナンスするためにオーバーナイト市場から過大に借り入れを行っていることを気にかけていたのだ。

中国においても、市場の反応は猛烈なものだった。中国における主要な株価指数である上海総合は大きく下落した。金融システムの安定性に対する深い懸念が高まることで、銀行間金利は25%にまで急上昇した。

これは中国政府が予想していたことではなかった。同業であるFEDと同様に、彼らは意図の明確化と政策の撤回の必要性を感じ、「市場金利を合理的な枠内に誘導する」ことを投資家たちに約束するとともに、信用供給を行うことでそれを裏付けた。

(訳注;アメリカと中国における)2つの出来事のどちらも、件の中央銀行の評判を高めるようなものではなかった。6月19日は「不名誉な日付として残る」ことはないのかもしれないが、これをしっかりと心に刻むセントラルバンカーはほとんどいないはずだ。

しかしセントラルバンカーたちは、その以外である私たちと同様に、自らの失敗から学ぶべきだ。今回の教訓とは何であろうか。

第一に、6月19日の出来事は中央銀行のコミュニケーション戦略が未だ発展途上にあるものであることを私たちに思い起こさせてくれる。FEDは自らの政策をより良く説明するように繰り返し模索してきた。しかし、もし少々の比較的穏やかな言葉がこのような強力な反応を引き起こすのであれば、それはつまり投資家がFEDの意図について、困惑していないとすればだが、当然ながら未だ疑いを抱いているということだ。

人民銀行の行動は、その新たな対投機戦略のために市場になんら準備を施さなかったために、FEDよりも不味いものであった。中国の当局は人民元を第1級の国際通貨に高めようとしている。しかし、6月19日の出来事は、人民銀行を始めとして全般的に中国の政策決定機関が、人民元と彼ら自身の双方に対して必要とされる信頼を浸透させるまでには、道のりが遠いことを示している。

第二の教訓は、中央銀行は直近の少々のニュースに対して過剰反応をすべきでないということだ。量的緩和の終了を示唆するFEDの声明は、経済が上向いているというごく直近の証拠に基づいていたように見える。今、市場が反対方向に反応したことによって、投資家の一部は経済が悪化しつつあると心配し始めている。FEDはその政策や言葉遣いを変更する前に、これから出てくるのデータをもっともっと待つべきだ。

同じように人民銀行も、銀行の信用バブルを示すデータに過剰反応したようだ。実際には、これらの証拠とされたものの一部はミスリーディングなものであった。というのも、規制基準の変更によって隠れていた貸出が表面化したことを反映したに過ぎないものだったからだ。人民銀行は、会計上の問題とトレンドを区別できるように、さらなるデータを待つべきだったのだ。

最後の教訓は、資本市場の問題を解決するには貨幣政策は大雑把すぎる手段であるということだ。インフレ率が安定している中でFEDの長期債券購入の削減を導いたのは、主に新たな資産バブルに対する警戒感であった。同様に、不動産価格に対する心配が人民銀行の突如の方針の変更を招いた。

バブルは警戒しなければならないが、アメリカと中国における6月19日の出来事はバブルへの第一義的かつ主要な担当が規制当局にあるということ思い出させてくれる。セントラルバンカーたちもバブルを無視できる立場にいるわけではないが、過敏過ぎる反応を行わないよう用心すべきだ。それよりもやるべきことがあるのだから。
http://econdays.net/?p=8694


08. 2013年7月16日 19:30:25 : EFOiT7BtQQ
また実質期待名目のご都合主義か
最後のアホもいつものこと

09. 2013年7月16日 22:41:40 : y0EQLTyFiM
野口 悠紀雄は、アホですねぇ〜
これで早稲田の教授ですかいな。
こういう教授がいるからビジネス界で慶応と早稲田の差が生まれちゃうんですね。

10. 2013年7月17日 00:41:00 : niiL5nr8dQ

EU、G20会合で日米に財政再建を要請へ=文書
2013年 07月 16日 23:54 JST
[ブリュッセル 16日 ロイター] - 欧州連合(EU)は19─20日にモスクワで開催される20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で、米国と日本に対して世界の成長を促進するために政府債務を削減し、中央銀行の政策が他国に与える影響について留意するように求める見通しであることが、ロイターが入手した文書で明らかになった。

EUの立場を表明するこの文書で加盟国の財務相は、米国で中期的な信頼性のある財政再建計画への合意がなされていないことが世界経済にとってリスクになっていると指摘。「米国は中長期的な財政上の課題への対応で進展を遂げ、債務上限の問題についても対処しなくてはならない」と述べた。

EUは日本の巨額な公的債務についても、日本政府が将来的にどのように債務を押し下げるかを投資家に説明しない限り、リスクだと考えている。日本銀行による異例の金融緩和策についても、それが引き起こす円安という副作用に対する日本の対応を求めるつもりだ。

EU財務相は文書で、「日本が中期的に信頼できる財政再建計画を策定し、そうすることで現行のデフレ脱却プログラムが国内外の金融システムに与え得る波及効果について対処し、持続可能な成長を狙った構造改革を実行することをわれわれは期待する」と述べた。

今回のG20では、米連邦準備理事会(FRB)による資産買い入れの縮小および停止の見通しについても話し合われる予定。

「財務相・中央銀行総裁は複数の国で非伝統的な金融政策が解除される可能性が与え得る波及効果についても議論する。金融政策は、各中銀の責務に沿って、引き続き国内の物価安定、ひいては経済回復支援に焦点を当てるべきであり、長期間の金融緩和が引き起こす意図しない副作用についても留意しなくてはいけない」と述べた。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/print/38231


 

NY外為市場・序盤=ドル下落、FRB議長の緩和トーン維持観測で
2013年 07月 17日 00:00 JST  

7月16日、序盤のニューヨーク外為市場では、FRB議長が米金融政策は引き続き緩和的になると表明するとの観測を背景に、ドルがユーロや円に対し下落した。写真は100ドル紙幣。ソウルで1月撮影(2013年 ロイター/Lee Jae-Won)
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トップニュース
米ゴールドマン第2四半期純利益は倍増、債券取引部門好調
5月ユーロ圏貿易収支は152億ユーロの黒字、輸入急減で黒字幅拡大
7月独ZEW景気期待指数は予想外の低下、ユーロ売られる
中国国有企業利益、上半期は7%増=財政省
[ニューヨーク 16日 ロイター] - 16日序盤のニューヨーク外為市場では、バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長が17─18日の議会証言で米金融政策は引き続き緩和的になるとあらためて表明するとの観測を背景に、ドルがユーロや円に対し下落した。

ただ、7月の独ZEW景気期待指数が予想外に低下したほか、6月のユーロ圏EU基準消費者物価指数(CPI)改定値が低水準にとどまったことを受け、欧州中央銀行(ECB)も低金利を維持するとの見方が広がっており、ドルの対ユーロでの下値は限られる見通しだ。

6月の米CPIが予想以上に上昇したとのニュースが伝わると、ドルは対ユーロ・円で下げ幅をやや縮小した。

主要6通貨に対するICEフューチャーズUSドル指数.DXYは0.3%安の82.815。
 

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 米消費者物価指数:6月は予想上回る伸び−ガソリン価格上昇 

  7月16日(ブルームバーグ):6月の米消費者物価はここ4カ月で最大の伸びとなった。ガソリンの値上がりが影響した。
米労働省が発表した6月の消費者物価指数(CPI、季節調整済み)は前月比0.5%上昇した。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査の予想中央値は0.3%上昇。ガソリン価格が4カ月で最大の伸びとなり、CPI全体の上昇分の3分の2を占めた。
食品とエネルギーを除いたコア指数 は前月比0.2%上昇した。市場予想および前月も0.2%上昇だった。
RBSセキュリティーズの米国担当エコノミスト、オメイア・シャリフ氏は「今回のCPIは、インフレ率低下を懸念する一部の金融当局者に若干安堵(あんど)感を与える内容だろう」とし、「インフレは依然かなり落ち着いている。非常にしっかりと抑制された状況だ」と続けた。
項目別ではエネルギー価格が前月比3.4%上昇。ガソリン価格は6.3%上昇と、2月以来の大幅な伸びとなった。食品価格は0.2%上昇。
コア項目では被服費が前月比で0.9%上昇と、2011年8月以来最大の伸びを記録した。自動車は0.3%上昇。
CPIは前年比では1.8%上昇と、伸びは市場予想を上回った。前月は1.4%上昇。コア指数は前年比1.6%上昇で、市場予想と一致した。前月は1.7%上昇だった。
原題:Consumer Prices in U.S. Rise More Than Forecast onGasoline (2)(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ワシントン Shobhana Chandra schandra1@bloomberg.net;ワシントン Lorraine Woellert lwoellert@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Chris Wellisz cwellisz@bloomberg.net
更新日時: 2013/07/16 23:01 JST

 
 
JBpress>海外>The Economist [The Economist]
ドル相場の上昇は続くのか
2013年07月17日(Wed) The Economist
(英エコノミスト誌 2013年7月13日号)

ドルが珍しく上昇している。このドル高はどこまでいくだろう?

レシートや紙幣に大量のビスフェノールA、米研究
ドルがじわじわと上昇している〔AFPBB News〕

 今年の夏に米国を訪れる人は、前に来た時よりも財布の中身が早く減ると感じるだろう。ドル相場は2013年に入り、多くの通貨に対して上昇している。そのため、今年の買い物は、いつもより少し値が張るはずだ。

 ドル相場の上昇は珍しい出来事だ。1980年代前半と1990年代後半の急騰を例外として、ドルは全体として下げ基調で推移してきた。

 40年前、ブレトン・ウッズ体制の固定相場制から開放されて以降、ドルの価値は、先進諸国の大半の通貨に対して下落した。しかし今、ドルがその失地をいくらか回復する時が来たと予想するアナリストが増えている。

ドルが珍しく上昇相場を経験している理由

 こうした楽観論に拍車をかけたのは、米連邦準備理事会(FRB)が最近、紙幣の増刷による国債の買い入れを行う量的緩和(QE)を、早ければ9月から縮小していくと示唆したことだ。

 QEが終了する可能性が出てきたことで、既に長期金利が上昇している。10年物米国債の利回りは5月に1.6%まで下がったが、現在は2.6%に上がっている。利回りが上昇するにつれ、資本を高リスク地域から引き上げ、米国に投入する動きが見られる。その結果、ドル相場が上昇するというわけだ。

 もっと根本的なドル高要因として、他国と比較した場合の米国経済の健全性がある。住宅ローン関連の不良債権は銀行から一掃された。住宅市場は回復している。雇用も着実に拡大している。6月の農業部門を除く就業者数の増加は19万5000人だった。今年に入ってから、就業者数は平均してこの程度の増加を続けている。

 国内総生産(GDP)の成長は、若干加速の予兆はあるものの、ささやかなものだ。国際通貨基金(IMF)は予測を修正し、米国経済の2014年の成長率を2.7%とした。好景気とはほど遠い。それでも、日本や英国といったほかの経済大国には、この数字に近づくことさえ期待できない。ユーロ圏に至っては、いまだ景気後退局面にある。

 こうした運命の違いを強調するかのように、欧州各国の中央銀行は7月に入り、自国ではまだ金融緩和が必要であると示唆する発言を行っている。欧州中央銀行(ECB)のマリオ・ドラギ総裁は4日、「当面は(主要な金利が)現在の水準かそれ以下」で維持される見込みだと述べた。ECBが金利の道筋について明確なガイダンスを示したのは初めてのことだ。

 その直前には、イングランド銀行のマーク・カーニー新総裁就任後初の金融政策委員会が開かれ、英国経済はまだあまりに弱く、長期国債の利回り上昇が示唆するような政策金利の引き上げは正当化できないとする声明が発表された。

 欧州の長期国債の利回りが上昇したのは、FRBが国債買い入れの「縮小(tapering)」を示唆するフォーワード・ガイダンスを発表したためだ。米国と欧州の金融政策の違いの程が明白になった今、大西洋を挟んでの市場金利の差は拡大する可能性が高い。ドル相場はさらに上昇するに違いないということだ。

主要通貨に対しては小幅な上昇で終わる可能性

 しかし、ドルはどこまで上昇するのだろう? 差し当たり、ほかの主要通貨に対して断続的に5〜7%上昇する程度が限界だろう。

 米国経済はドル高が進んでもおかしくない程度の好調を維持しているが、1990年代後半のような急騰を促すほどの好景気ではない。たとえFRBが近々国債買い入れの縮小を開始したとしても、ゼロに近い政策金利を引き上げるのは数年後になるかもしれない。

 FRBは、現在7.6%の失業率が6.5%に下がるまで金利は据え置くとしている。FRBのベン・バーナンキ議長は10日、失業率の改善後もしばらくゼロに近い金利を維持する可能性があると述べた。FRB自らが急激なドル高への対策を取ることもあり得る。成長が不十分な時に、積極的に通貨高を推進する先進国はない。

 ソシエテ・ジェネラルのアナリスト、キット・ジャックス氏は、そうした理由から、ドル相場の上昇は小幅なものになると予想する。

 ユーロの下落にも限界があるかもしれない。ユーロ圏のソブリン債の危機はなかなか終息せず、3年以上も続いている。それでも、その間、ユーロが安いと言えることはほとんどなかった。

 FRBとECBがそれぞれの金融政策の方向性を示した後でさえ、ユーロはビッグマック指数(本誌=英エコノミスト=が考案した、大まかな為替相場の指標)から適正と考えられる1.26ドルより少し高い相場を維持している。

 ユーロにこのような回復力がある理由の1つは、外国人にとってユーロを手に入れるのがドルより難しいことだろう。ユーロ圏の経常収支は大幅な黒字で、一方、米国は大きな赤字を抱えている。

 もう1つの理由は、中国の中央銀行がユーロの一時的な下落を逃さず、ドル中心だった巨額の外貨準備を多様化させていることかもしれない。ユーロが、例えば1.20ドルを下回る可能性はあるだろうか? ある米国のヘッジファンドのマネジャーは、「中国に聞く必要がある」と話している。

新興国通貨に対しては大幅に上昇か


 ドル相場は、新興国の通貨に対して最も大幅に上昇する可能性が高い。

 外国資本によって貿易赤字を埋め合わせているインドや南アフリカなどの国は既に、5月の初めから約10%通貨が下落している(図参照)。FRBが金融政策のペダルから足を離すかもしれないという理由だけでこうなったのだ。

 米国債の利回りが低く維持されている限り、先進国の投資家は喜んで新興国の国債を買う。しかし、米国のQEが終了すれば、そうした資本を米国から確保するのは大幅に難しくなる。

 複数の新興国は、自国の通貨安が急激に進まないよう、既に外貨準備として保有するドルの一部を売却したと伝えられている。これらの国の中央銀行は、いずれユーロの一部を売り、ドルの準備高を戻すと思われるため、ある程度の二次的な影響も起こり得る。2014年夏までにはドル相場がもう少し上がり、米国を訪れる人の財布はもう少し早く空になるかもしれない。

 


 


5月ユーロ圏貿易収支は152億ユーロの黒字、輸入急減で黒字幅拡大
 
[ブリュッセル 16日 ロイター] - 欧州連合(EU)統計局が発表した5月のユーロ圏貿易収支は、季節調整前で152億ユーロの黒字となった。前年同月は66億ユーロの黒字だった。輸入の急減で黒字幅が拡大した。

市場予想は118億ユーロの黒字だった。


11. 2013年7月17日 08:59:06 : niiL5nr8dQ

米カンザスシティー連銀総裁、FRBがバブル助長することに懸念
2013年 07月 17日 07:58 JST
[カンザスシティー(米ミズーリ州) 16日 ロイター] - 米カンザスシティー地区連銀のジョージ総裁は16日、連邦準備理事会(FRB)の超金融緩和策がバブルの発生を助長することに懸念を表明した。

ジョージ総裁は講演後に記者団に対し、「バブルが存在するかどうかは分からない。バブルかどうか判断することもできないが、基調から外れた方向へ動いているとみられるときや、そうなりそうな場合は指摘することができる」と述べた。

その上で、長期的に持続可能な経済成長を目指す上で、現在の政策のリスクとしてこの問題を提起してきたと語った。

同総裁は「FRBのゼロ金利政策と資産買い入れが、システム全体にゆがみをもたらすことへの懸念を表明してきた」と指摘。

FRBが金利を極めて低い水準に維持し、資産買い入れプログラムによって安全資産からリスクの高い資産へと資金のシフトを促していることで、リスクが高まる環境を生み出しているとの見方を示した。

過度にリスクを取る動きが活発化する恐れがある分野として、レバレッジドローン市場やREIT(不動産投資信託)を挙げた





2013年07月17日(水) 真壁 昭夫
バーナンキの発言に右往左往する金融市場

〔PHOTO〕gettyimages
 7月11日、バーナンキFRB議長は、全米経済研究所主催の講演で「米国経済の状況を考えると、現在の金融緩和策が必要」という趣旨の発言を行った。金融市場は、今回のバーナンキ議長の発言を、それまでの金融緩和策縮小の時期を後ずれさせるものと解釈したようだ。

 そのため、米国株は、金融緩和策継続の感触から、大きく買い込まれた。一方、為替市場では、金融緩和策縮小時期の後ずれを懸念してドルが売られ、円などの通貨に対して弱含みの展開となった。

 そうした状況を見ると、5月下旬の同議長の金融緩和策縮小に関する発言以降、米国や我が国、さらには新興国の株式市場が大きな振れ幅を示した。為替市場でも、米国の金融緩和策縮小時期に関する観測で、大揺れする展開となっている。

分かりにくいバーナンキ議長のシグナル
 通常、バーナンキ氏に限らずFRBの議長は、金融市場に対し、様々な発言を通して、FRBの基本スタンス等を伝えるシグナルを送っている。今回の金融緩和策に関する一連の発言も、そうしたFRBのシグナルの一つとみて間違いない。

 問題は、今回のバーナンキ議長のシグナルが分かりにくいことだ。5月22日の議会証言で、同氏は初めて金融緩和策の縮小に関する具体的な発言を行った。それに続き、6月19日の記者会見では、具体的なロードマップとも言うべきスケジュールについて言及した。

 そのスケジュールによると、年内に資産買入れ枠850億ドルの縮小を開始し、2014年半ばまでに金融緩和策を打ち止めにするという。金融市場は、その発言によって、今年から来年にかけて、緩和策の縮小が現実のものになるとの見方を強めた。

振れ幅は大きいが、政策の根本的変更はかなり先
 ところが、7月11日の講演で、同氏は今までのニュアンスをやや修正するような発言を行った。具体的には、「金融政策は今後の経済状況次第だが、足元の経済を考えると緩和策が必要だ」というものだ。この発言について金融市場は、「同氏が今までのスタンスを修正した」との見方が出た。

 それによって、株式・為替・債券の各市場は、「当面、金融緩和策が継続される」との観測が優勢となり、振れ幅の大きな展開になった。ただ、バーナンキ議長の発言内容を冷静に考えると、基本的に同氏の発言内容は殆ど変わっていない。金融緩和策は当面必要だが、経済状況が改善すれば年内にも縮小する可能性はある。

 一方、失業率が6.5%になるまで金利の引き上げは行わない。その基本方針に従えば、恐らく、年内に緩和策の縮小が始まることになるものの、金融政策が根本的に変更になるのはかなり先ということになる。その基本に戻れば、同氏の発言に大きく振らされる必要はないはずだ。

真壁 昭夫(まかべ・あきお)
1953年神奈川県生まれ。76年一橋大学商学部卒業後、第一勧業銀行入行。ロンドン大大学院修了。メリルリンチ社ニューヨーク本社出向、みずほ総研主席研究員などを経て、05年信州大学経済学部教授。07年行動経済学会常任理事、10年FP協会評議委員などを務める。主要著書等:「日本がギリシャになる日」(ビジネス社)、「行動経済学入門」(ダイヤモンド社)、「実戦 行動ファイナンス入門」(アスキー新書)、「下流にならない生き方」(講談社)、「ファイナンス理論の新展開」(共著、日本評論社)、「行動ファイナンスの実践」(監訳、ダイヤモンド社)、「国債と金利をめぐる300年史-英国・米国・日本の国債管理政策」(東洋経済新報社)、「はじめての金融工学」(講談社現代新書)、「日本テクニカル分析大全」(共著、日本経済新聞社)、「リスクマネーチェンジ」(共著、東洋経済新報社)、「最強のファイナンス理論-心理学が解くマーケットの謎」(講談社)、「行動ファイナンス」(監訳、ダイヤモンド社)


6月米CPI総合指数は上昇加速、FRBの緩和縮小開始見通し裏付け
2013年 07月 17日 00:42 JST
[ワシントン 16日 ロイター] - 米労働省が16日発表した6月の米消費者物価指数(CPI)は、主にガソリン価格の上昇を受け、総合指数が前月比0.5%上昇し、前月の0.1%から加速した。

前年比では1.8%上昇となり、前月の1.4%から加速した。上昇率は前月比、前年比でともに2月以来の大きさとなる。予想は前月比が0.3%上昇、前年比が1.7%上昇だった。

食品・エネルギーを除くコア指数は前月比0.2%上昇となり、前月に並んだ。前年比では1.6%上昇と、前月の1.7%から減速、2011年6月以来の小幅な伸びとなった。

ガソリン価格は前月比6.3%上昇。5月は横ばいだった。6月の上昇率は2月以来最大となるものの、季節調整前の上昇率は0.6%にとどまる。

食品・飲料価格は0.2%上昇。5月は0.1%低下していた。

総合指数、コア指数ともに、米連邦準備理事会(FRB)が目標とする2%を下回って推移しているが、統計の中身を見ると医療関連費用などが上昇に転じており、ディスインフレ傾向の収束も示唆されている。

ドイツ銀行(ニューヨーク)のアナリスト、アラン・ラスキン氏は、今回の消費者物価統計は「深刻なデフレリスクがあるとの議論に対抗するものだ」とし、バーナンキFRB議長が前週に示したようなハト派的な見方を示すに当たり、低インフレに重点を置くことは今後難しくなるとの見方を示した。

内訳を見ると、新車、被服、家庭用品などが上昇。こうした動きは、FRBが現在月額850億ドルのペースで実施している資産買い入れの規模を9月にも縮小し始めるとの観測を裏付けるものとなる。

被服は0.9%上昇と前月の0.2%から加速、2011年8月以来の大きな上昇となった。新車は0.3%上昇。前月は横ばいだった。ただ中古車などは2カ月連続で低下した。

住居関連価格は安定的に上昇しており、帰属家賃は3カ月連続で0.2%の上昇となった。

これまで物価上昇の抑制要因となっていた医療関連費用は6月に上昇。医療費は0.4%、処方薬費は0.5%、それぞれ上昇した。前月はそれぞれ0.1%と0.6%低下していた。

ただBNPパリバ(ニューヨーク)のエコノミスト、ローラ・ロスナー氏は、「医療関連費用の低下がすでに一巡したのか、政府の歳出削減の影響で今後また低下に向かうのか、現時点では明確なことは分からない」としている。


新興国への投資配分が12年ぶり低水準、中国懸念などで=メリル調査
2013年 07月 17日 07:03 JST
[ロンドン 16日 ロイター] - バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチ(BoAメリル)が実施した7月のファンドマネジャー調査で、新興国株式への投資配分が約12年ぶりの水準に低下したことが明らかになった。中国経済のハードランディングへの懸念やドル高観測の高まりが背景にある。

リスク回避の動きから、キャッシュへの配分が拡大したことも明らかになった。

ファンドマネジャー178人を対象に実施した調査によると、中国経済の減速を予想した回答者の比率は、減速予想から加速または横ばいの予想を差し引いたネットベースで65%となり、投資家にとって中国が最大の懸念材料となっていることが示された。昨年12月の調査ではネットで67%が加速を予想していた。

また半数以上の回答者が中国のハードランディングと商品(コモディティー)価格の急落が最大のテールリスクとの見方を示した。

今後1年間でドルが上昇するとの予想はネットで83%となり、2001年4月の調査開始以来の高水準に達した。

こうした中、新興国株式への投資配分はネットで18%のアンダーウエートと、2001年11月以来およそ12年ぶりの水準に低下した。5カ月前の調査ではネットで43%のオーバーウエートだった。

キャッシュの水準は4.6%と、6月の4.3%から上昇した。

BoAメリルの欧州投資ストラテジスト、ジョン・ビルトン氏は「投資家はリスクを減らし、ポジションを非常に小さくしている。見通しもかなり低い」とし、「新興国市場と米ドルが大きなテーマだ」と指摘した。

株式全体のポジションはネットで52%のオーバーウエートと、同48%から上昇。債券保有はネットで55%のアンダーウエートとなり、過去10年の平均を下回った。

株式投資先としては米国と日本が好まれ、米国株への配分はネットで29%のオーバーウエートと2012年6月以来の水準に上昇。日本株はネットで27%のオーバーウエートとなり、前月の17%から上昇した

ヘッジファンドもポジションを縮小し、株式への配分はロングポジションの比率からショートポジションの比率を差し引いたネットで32%と、2カ月前の45%から低下した。


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