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http://gendai.net/articles/view/syakai/143408
2013年7月12日 日刊ゲンダイ
IMFが発表した世界経済見通しで、日本が先進7カ国のトップとなったそうだ。13年の成長率見通しは2.0%で、前回の4月時点から0.5ポイントの上方修正。米国やユーロ圏はもちろん、中国やブラジル、ロシアも下方修正されているのだから、パッと見は、日本の明るさが際立つ内容だ。
新聞各紙も、「アベノミクスが評価された」と楽観的に報じている。〈IMFは「消費と純輸出に支えられ、予想以上に成長が力強い」とした〉(日経)、〈安倍政権の経済政策「アベノミクス」の効果を反映〉(読売)、〈「市場の安心感が回復し、民間需要が増えた」と説明〉(毎日)という具合である。
だが、IMFは、無条件にアベノミクスを支持しているわけではないようだ。朝日は、IMFのブランシャール調査局長が、〈「アベノミクス」が世界経済の「新たなリスクだ」と指摘した〉と書いている。ロイター通信も、〈財政再建や構造改革を実現できなかった場合、投資家の信認が失墜する恐れがある〉と伝えた。ほかのメディアは、肝心の部分をカットして、安倍首相と黒田日銀総裁の「アベクロサンバ」が認められたかのように報じたらしい。IMFは、それほど日本の経済政策を歓迎していないのだ。
それなのに2%成長とは評価が過大ではないか。「消費」と「輸出」を根拠としているが、いずれも一時的な動きに過ぎない。先行きは不透明だ。
消費については、来年4月に予定される消費増税を前に、駆け込み需要が出るだろう。資金に余裕のある高齢者も、「どうせなら今のうちに」というビヘイビアー。ただ、企業の業績が持ち直し、みんなの所得が増えて消費が活発になる、という健全な姿とは違う。
輸出については、これほどの円安なら多少のプラスは当然だが、かつてのような「輸出立国」は望めない。グローバル化の進展で生産拠点は海外に出払ってしまった。安倍首相は、成長戦略の第2弾で投資減税を考えているようだが、移転した設備は戻らない。わざわざカネをかけ、日本での生産を増やそうという企業はないだろう。国内は空洞化した。輸出が力強く回復するシナリオは描けないのだ。
2%成長の達成は簡単ではない。
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