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デフレ(持続的な物価の下落)を反映した“安売り”からの脱却を図る動きが、ハンバーガーや牛丼のチェーンで鮮明になってきた。日本マクドナルドホールディングスは7月に一食1000円の高級バーガーを限定発売。吉野家ホールディングスも7月から480円という高価格の丼を投入した。安さをウリにしてきたファストフードの常識を覆す方針転換。背景には、「アベノミクス」への期待感だけでない切実な思惑があるようだ。
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6日、全国のマクドナルドの店舗で、30万個限定の高級バーガー「クオーターパウンダージュエリー」が発売された。厳選した食材を使い、「究極のぜいたくな味わい」をうたう。価格は同社最高の1000円だが、午前中から売り切れる店舗が続出した。
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マクドナルドといえば、「100円マック」や「バリューセット」など、低価格路線のイメージが強かった。しかし、6月24日から全国で販売を始めた500円前後の高価格バーガーの売れ行きは好調で、6月の既存店売上高は前年同月を上回った。同月の客単価も3・8%増と2カ月連続で増加している。
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外食業界関係者は、超高級バーガーの投入について、「数量限定にすることで、『客単価のさらなる改善を狙った』とのイメージを避けようとした」と分析する。原田泳幸会長兼社長は、クオーターパウンダージュエリーの発表会で「客単価アップの戦略ではない」とクギを刺したが、消費者心理に強烈なイメージを残したという点では、1000円バーガーは成功したようだ。
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高価格商品の充実は牛丼業界でも同じだ。吉野家は新商品「牛カルビ丼」(並盛480円)を4日から全国で発売した。吉野家としては初めて、量を減らして価格を下げる「小盛」(380円)も本格展開した。同社は4月、「牛丼並盛」を380円から280円に100円値下げした。それ以降、来店客が前年比で2桁伸びているという。
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しかし、高価格帯の投入には、「円安による材料費高騰分を価格に転嫁できなければ、利益を生み出せない」(関係者)という切羽詰まった事情もあった。吉野家の平成25年3〜5月期連結決算は、本業のもうけを示す営業損益が7億円の赤字(前年同期は3億円の黒字)に転落した。円安で米国産牛肉などの価格が上昇したことが、採算を悪化させた。
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