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LED電球には虫が来ない、虫嫌いに朗報
http://bylines.news.yahoo.co.jp/tsudakenji/20130714-00026428/
2013年7月14日 13時26分 津田 建二 | 国際技術ジャーナリスト・アナリスト
LED電球に新たなメリットが判明した。蛾などの夜行性の虫がランプに集まってこないことだ。
LED電球は消費電力が少なく、寿命が長いと言われている。LED電球はpn接合半導体チップを複数並べて光らせたもの。白熱灯や蛍光灯とは違い半導体であるからこそ、消費電力が小さく、簡単には壊れない。最近ではサンフランシスコ空港をはじめ、国内のコンビニエンスストアなと、さまざまな場所に設置され、家庭でも天井灯も普及してきた。野菜工場では、植物が光を吸収する割合が青と赤の波長光で強く、これまでの蛍光灯の元で野菜を育てるよりも早く育成できることがわかっている。
さらに蛾などの夜行性の虫が寄り付きにくいこともわかってきた。実はこの話を、以前、米国のあるブログで見た。ブロガーは、かつて一緒に仕事したことのある、エレクトロニクス技術雑誌EDNのTechnical Editor だったMargery Conner(マージョリー・コナー)記者だ。彼女がLEDランプの特長について調べていた時に、何かで見つけたらしい。
そこで、我が家でもLED電球を敢えて、虫の来やすい玄関の外灯に使ってみた。あれから、もう1年以上すぎた。確かに蛾は来ない。LEDの白色光の波長に寄ってこないのかもしれない。これまでは外灯を付けるたびに虫が寄ってきて家の中に入ろうとして、虫嫌いの妻は悲鳴を上げていた。
夏でも冬でも蛾は来ない。玄関の外灯を付けていても蛾は寄ってこない。なぜかはまだわからないが、LEDのメリットの一つになったといえそうだ。
LEDランプは、一般に青色LEDに黄色の蛍光塗料を塗って白色に変えている。赤、緑、青の3色のLEDチップを使っている訳ではない。一部にはそのようなぜいたくなランプもあるようだが、一般には青色チップだけだ。黄色は、赤と緑の合成になるため、実質的に青と黄色は、青・赤・緑を足した色と同じ白色になる。これが定性的な理解である。
青は450nm前後と言われ、黄色は570~585nmであるから、白色LEDの波長は、黄色の蛍光塗料と青色LEDからの光が白色LEDから発せられている。
LEDランプは少なくとも黄色の蛍光塗料の波長と、青色のLED波長からなるため、可視光と言っても波長の範囲は狭い。白熱ランプよりも波長の範囲はずっと狭いはずだ。450nmの色と570~585nmの色に蛾が集まってこないということは、蛾の好きな波長は白色光以外かもしれない。
少なくとも蛍光灯を点けるとすぐ蛾がやってくる。ということは、白色光よりも短波長の紫外線に近い波長を蛾は好むのかもしれない。蛾などの虫を集めては放電で殺す青色の蛍光灯のようなランプを店先で見かけるが、あの波長は蛍光灯よりもさらに青い色なので紫外光領域も含んでいるはずだ。LEDランプには紫外光が出ていないために虫がやってこないのではないだろうか。
(2013/07/14)
津田 建二
国際技術ジャーナリスト・アナリスト
国内半導体メーカーを経て、日経マグロウヒル(現日経BP)、リードビジネスインフォメーションと技術ジャーナリストを30数年経験。その間、Nikkei Electronics Asia、Microprocessor Reportなど英文誌にも執筆。リードでSemiconductor International日本版、Design News Japanなどを創刊。海外の視点で日本を見る仕事を主体に活動。
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