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イーグルヒット管理者 (2013年7月14日 21:00)
日本は「経済のゾンビ化」に備えよ
http://jp.reuters.com/article/jp_column/idJPTYE96C00R20130713
ゾンビとは、生きてはいないが、死んでもいない存在だ。映画ファンにはおなじみだが、この「生ける屍」という考えは、人口統計学や経済学でも有用だ。「経済のゾンビ化」はあまり人目を引かないが、その影響は、金融政策や財政赤字、構造改革に匹敵するほど重要と言える。
現在の人口動態上の傾向はよく知られている。多くの先進国では過去30─40年間、人口を維持できないほどの水準にまで少子化が進んだ。この傾向が最も顕著なのは日本だが、実際、日本の人口面でのゾンビ化は人類史上、少なくとも平和と繁栄と健康を謳歌(おうか)できる時代では、最も劇的な変化になる可能性がある。
もちろん、人肉を求めてさまよい歩くゾンビが東京や大阪にあふれている訳ではない。しかし、ホラー映画の中と同様、国家の生命力は奪われつつある。過去10年の間に、日本の20─25歳の人口は22%減った。移民をほとんど受け入れていないことを考えれば、日本の将来の人口動態を予想するのは難しいことではない。向こう20年でさらに22%減るだろう。
日本に比べれば、ユーロ圏の少子化傾向は緩やかに映る。過去10年間で20─25歳人口は5%の減少にとどまっている。欧州の一部では出生率は比較的高く、移民の流入が人口を増やしている。ただそれでも、欧州全体としては、ほぼ確実に人口のゾンビ化が待っている。
米国はゾンビに抵抗している。10年前に比べて20─25歳の人口は12%増えた。第2次世界大戦後のベビーブーム後に家族のサイズが急速に縮小したことによる影響で、向こう数年以内に一時的に落ち込む可能性はある。しかし、それ以降は若者の数は安定的に推移するはずだ。移民を含めれば、過去に比べてペースこそ鈍るものの、今後も増加が見込まれる。
経済のゾンビ化は、国民生活を必ずしも貧しくするとは限らない。豊かさは人口や年齢ではなく、経済の生産性に左右されるからだ。しかし、ゾンビ化の影響は必ずある。
最も顕著なのは、国内総生産(GDP)の伸びの大幅な減速だ。総人口や労働力から推測される数値よりも実際の落ち込み幅は大きい。国がゾンビ化とは、出生率が人口置換水準以上であれば経済活動に参加しているはずの若者の姿が消えることだ。新たに家庭を築き始める若年成人層が空白になる意味は大きい。
世帯形成に必要なのは、単純な衣食住だけにとどまらない。先進経済では、家や車のほか、発電所や送電線、道路、コンピューターや空港など、快適な現代生活を支えるインフラも必要だ。インフラには設備投資が必要なため、家庭をスタートさせる世代は、人口の中で最もGDP集約的な存在と言える。若者世代が増えれば、消費を安定した状態に保つだけで大規模な投資が必要になる。若者世代が減れば、消費の拡大には国家的な負の投資が付いてくるかもしれない。
それが日本で、そして恐らく欧州でも起きていることだ。私は、金融の混乱や貧弱な雇用政策と並び、インフラのゾンビ化こそが、2008年のリセッションからの回復の弱さを説明すると考えている。実際には、ゾンビ化を調整すれば回復はそれほど弱くないだろう。
人口動態の変化は、財政システムにも強い圧力をかける。政府は、増加する高齢者の年金や医療費を捻出するため、縮小する労働人口に頼らざるを得ない(今の高齢者の平均寿命は、彼らの親世代より長くもある)。財政赤字を避けるのは難しい。
預金者と消費者のアンバランスは、資産価格にも影響するかもしれない。しかし、その因果関係は明確ではない。それより確かなのは、金融政策立案者が新たな現実を把握していない時に生じる問題だ。非現実的に高い成長予測は、危険なまでに景気刺激的な金融政策の根拠になる。
労働市場に参加しようとする人より退出する人が多い点で、人口のゾンビ化は、雇用環境にはプラスになるというロジックもあるかもしれない。しかしながら、現実は違っている。今や先進国のほぼすべてで、人口が増加していた時代よりも深刻な失業問題が起きている。それに対する私の解釈は、過去5年もしくはそれ以上の長期にわたる財政・金融システムの混乱により、あまりに多くの仕事が失われると同時に、あまりに多くの退職が先送りになったからというものだ。何か他の理由があるかもしれないが、エコノミストたちはゾンビ化にはほとんど注意を払っておらず、そのため、この問題に真正面から取り組んだリサーチも乏しい。専門家たちは、国家の生命力低下が、景気低迷につながるかどうかの議論もなおざりにしている。
今のところ、欧州もしくは日本で、深刻なダメージを示す明確なサインは少ない。しかし、ゾンビ化は始まったばかりだ。日本の40代の人口は20代より17%多い。この数字は10年以内に約40%に拡大する。険しい道を覚悟しておくべきだろう。【ロイター 13日】
人口動態にスポットを当てた内容だが、生産人口の減少によるGDPの大幅な減速はもちろんのこと、消費世代の空白化が消費拡大を阻み、国家財政を逼迫させるという指摘は首肯できるだろう。
これは、人口が減る国で経済発展を遂げた国はない、という根拠の一つであろう。国家としての衰退期に入っているのであり、成長経済は望めず、やがて滅んでいく・・・。
いわば歴史の必然でもあるが、この記事が暗に示しているように"移民問題"が絡んでこよう。国策として移民を受け入れることを促しているが、国策以上に外圧、場合によっては"腕力"によって大量の移民、入植化される可能性は否定できない。それが、国力が衰えた国のあらがいのようのない悲運、定めとさえ言える。
それらから逃れるには、強い外交力や国体をまもる国防軍が必要だろうが、果たして次なる時代が、旧態依然とした価値や論理、あるいはシステムや力学で動くものなのかどうか。西洋と東洋の文明が入れ替わる800年周期、あるいは人間の営みが根本的に変わる2000年周期、実は今、その時期にさしかかっているということを忘れてはならないだろう。
唯一、そこに日本の"活路"があるのかもしれないのだから・・・。
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