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2013年07月08日 在野のアナリスト
安倍ノミクスについて、今一度考えてみます。安倍ノミクスにおける金融緩和は強烈なバブル発生装置です。成長戦略が乏しかった今、一過性のバブルで終わる可能性が大です。今日発表された6月景気ウォッチャー調査でも、現状判断DIは前月比2.7pt下がって、53.0でした。しかも企業や雇用が弱く、賃金などの人件費に、まったく波及していない現状が明らかとなっています。
原因を梅雨に求めていますが、関東は空梅雨で、逆に過ごしやすい日が多かった。さらに企業部門では、円安によるコスト高による負担、輸出も増加しておらず、見かけの円安効果では産業界全体へ波及しない、と示しています。高額商品が堅調なのも、円安による価格転嫁がすすむと、一気に萎むでしょう。つまり消費は鈍化、企業は慎重、それが6月で現れてきた印象が強い。株価の乱高下もマインド低下の一因、とされますが、乱高下の原因をつくったのが、まさに安倍ノミクスです。
米国の6月雇用統計で特記すべきは、時間あたり賃金の上昇です。月単位なら100$近く上昇しており、ディスインフレ化では異例な伸びでした。しかし失業率は改善せず、職探しを諦めていた人が、改めて労働市場に復帰し始めている、とされますが、逆にそれでも賃金が上昇した。詳細は未確認ですが、米政府の情報監視が明らかとなり、サイバー部門の雇用、専門性の高い分野の人材不足が起きているのかもしれません。7-9月期の業績予想をみても、金融部門は金利上昇で好調でも、製造業は芳しくない。この段階で、賃金に波及する要素は皆無です。特殊な事情以外、考えられません。
これは日本も同様です。政府は盛んに賃金に波及、としますが、企業がグローバル化した今、日本だけ賃金を上げるはずもなく、また雇用に不足感がでて初めて賃金に波及する。ここからみても、安倍ノミクスによる国民への還元はほとんどない、と断言できます。成長戦略にみるべき点がなかった時点で、安倍ノミクスは終わり、国民にとって害しか残らないことになります。
安倍首相は党首討論のとき、挙動不審に陥ります。野党から攻撃されると、目はきょときょと落ち着きなく、早く反論したくて「違います」や「誤解があります」から切り出す。これは公明が語るとき、その挙動不審さが止まるので、尚さら顕著な傾向として安倍氏を印象づけます。心理学的にみれば自分に自信がない証拠、反対の意見をそのままにしておけない、寛容さを失った状態です。
例えば『原発輸出』に際し、過酷事故を体験した日本が安全を…と安倍氏は述べますが、事故の原因も判明していない中で、この意見はおかしい。しかもくり返しこのフレーズが出てくるので、自分で自信がない、誰かに言わされていることが鮮明です。株価にしろ、政府は自分たちの成果だ、と述べますが、それも可笑しい。市場のことは市場で決めるのです。さらに卑近な例としてコマツの名を挙げますが、コマツが建機で回復したのは企業努力であって、政府とは何の関係もない話です。安倍氏の語ることは、どこか上滑りで、心が篭っていない。だから自信もないのです。
安倍ノミクスはマインドに訴える、と云われます。しかし、もっともその効果を疑念しているのは、実は安倍氏本人かもしれません。理論的裏づけもなく、リフレ派の云う通りにやってみたら、一旦は上昇した株価も乱高下、円安による悪影響の方が目立ち始めた。早くもスタグフの傾向を示しつつあります。自信のない首相が、虚勢をはって声を張り上げても、国民もそろそろ見抜くでしょう。安倍ノミクスは、バブルの走りだった春に天井をつけた、すでにトレンドは下落傾向、そう気づいたときには、すでに国民は取り返しがつかないことに思い至るのでしょうね。
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