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中国経済が、これまでのような内実の輸出主導型で今後も7.5%程度の成長を続けられるとは考えていないが、不況ムードが高まっているにもかかわらず、従来型成長パターンから脱却するためと称し、産業構造変革を目指し、金融引締・財政抑制に動いている政策状況を危惧している。
記事にあるように、危機の定義は「コントロールを完全に失う」ことであるから、中国発の世界経済危機が起きることはないが、中国経済の成長鈍化が、世界経済の低迷に拍車を掛ける可能性は高い。
記事は、「中国の公式データによると、今年第1四半期(1-3月)の中国のGDPは11兆8855億元で前年同期比7.7%増加した。成長率は12年末に下げ止まって「V字回復」を果たした後、再び低下したが、中国経済には「まだまだ切れる好カードがある」との判断から、ウォッチャーらは今年の中国の経済成長率は引き続き7%以上を維持すると予測」と書いているが、輸出の伸びが鈍化しているなか、7%以上の成長を確保するためには、従来レベルを大きく上回る財政支出を実施しなければならない。昨年と同等レベルの財政出動では、ほぼ現状維持であり、成長はしないのである。
記事が解説している「都市化建設、鉄道への投資・融資の改革、新興産業、省エネ・環境保護などは、どれもみな未来の発展への潜在力を秘めている」ことや、「中国はこれから、都市化や所得分配制度などの改革をめぐって新たな消費と投資を生み出すとみられ、中国経済の発展にエネルギーと可能性を与える」ことに同意するが、政策として実行しなければ意味がない。
戦前の日本も、米国発の「大恐慌」(その時点ではNY株式市場の大暴落というレベルでそれほど深刻には受け止められていなかった)の最中、浜口内閣(井上蔵相)が、金融引き締め・財政抑制・旧平価による金解禁という政策に打って出て、「昭和恐慌」を招いた。「井上財政」の背景には、WW1で膨らんだ産業を関東大震災などもあり淘汰できなかったことを憂い意図的なデフレ政策で改革したいという意図があった。
銀行間金利の暴騰を放置する姿勢を見せたことなどを勘案すると、習体制の中国は、「井上財政」的舵取りに動いているのではという危惧を抱かざるを得ない。
構造調整が必要だとしても、それは、成長を確保しながら慎重に行うべきものであり、拙速で大規模な調整は“破壊行為”となる。
記事によると、中国人民大学財政金融学院の趙副院長は、「政府は企業に稼げる機会を提供し、短期的な視野の発展モデルを放棄するよう促し、「利益で誘導し、理性で理解させる」中で中国経済のモデル転換の長期的な利益と財政や雇用などの短期的な目標とのバランスをはかる必要がある」と強調したそうだが、「短期的な視野の発展モデルを放棄」という“過激な考え”ではなく、経済成長という総体的利益機会を保障しながら、“短期的な視野の発展モデルが衰退ないし消滅していく”ような舵取り(政策)が重要である。
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中国で3つ目の世界経済危機が発生?
2013年は半分が終わったばかりだが、経済の鈍化、対外貿易の不振、債務の増加、株式市場の低迷、不動産市場の高騰に加え、人々をはらはらさせる銀行の資金不足などさまざまな不安要素があり、米国のサブプライムローン問題、欧州の主権債務危機に続く、3つ目の世界的な経済危機が中国から始まるのではないかとの憶測が飛び交っている。中国新聞社が伝えた。
これについて関連の専門家がこのほど北京ではっきりと指摘したところによると、世界は中国経済を見誤っている。実際のところ中国は今、改革の新たな時期にさしかかったのであり、新たな成長源は明確であり、中国が世界経済の「重大リスクエリア」になることはあり得ないという。
そもそも「危機」とは何だろうか。中国社会科学院(社会科学アカデミー)世界経済・政治研究所グローバルマクロ経済研究室の張斌主任によると、世界的危機とは通常は通貨危機、金融危機、経済危機を指し、通貨の急激な値下がり、金融システムの崩壊、経済運営の崩壊、企業の倒産ラッシュなどの形で現れるのが一般的だ。根本的な特徴は「コントロールを完全に失う」という点にある。この基準によれば、今は世界も中国も「危機」から遠い場所にいるという。
中国人民大学財政金融学院の趙錫軍副院長は、「ある国の経済成長率が7%に達しながら危機があるというなら、それ以外の国はどうしたらよいというのか。国内総生産(GDP)の成長率はある国の経済状況を最も直感的に判断する材料になる」と話す。
中国の公式データによると、今年第1四半期(1-3月)の中国のGDPは11兆8855億元で前年同期比7.7%増加した。成長率は12年末に下げ止まって「V字回復」を果たした後、再び低下したが、中国経済には「まだまだ切れる好カードがある」との判断から、ウォッチャーらは今年の中国の経済成長率は引き続き7%以上を維持すると予測する。
清華大学中国・世界経済研究センターの李稲葵主任は、「現在、中国経済の成長源は非常にはっきりしている」とした上で、中国経済は今、制度が変化する新たな時期にさしかかっており、新たな経済成長源には公共製品への投資が含まれ、具体的には都市建設、空気の浄化、水の処理などが含まれると述べた。
国務院発展研究センターの巴曙松研究員も次のように指摘する。中国のマクロ政策にはなお大きな展開の余地があり、たくさんの好カードを切ることが可能だ。都市化建設、鉄道への投資・融資の改革、新興産業、省エネ・環境保護などは、どれもみな未来の発展への潜在力を秘めている。
また専門家らの分析によると、中国はこれから、都市化や所得分配制度などの改革をめぐって新たな消費と投資を生み出すとみられ、中国経済の発展にエネルギーと可能性を与えることが予想されるという。
中国経済の発展を懸念する論調の中では、資本と金融リスクが重要な論点となっている。米国のウォール街を代表とする国際投資家の間では、金融危機後の中国では貸付と債務の対GDP比が大幅に上昇しているため、必ず通るであろう「デレバレッジ」の過程が中国の経済・社会に衝撃と動揺をもたらすことになる、との見方が出ている。
今年5月以降、中国の比較的ゆとりのある流動性と銀行での資金不足が相互に絡み合い、ぶつかりあっている。特に米連邦準備制度理事会(FRB)が量的緩和政策(QE)から撤退するという予測が出てくると、資金が中国から引き揚げられるのではないかとの不安が広がり、中国経済を懸念する人の心配材料が増えた。
趙副院長の指摘によると、現在、中国の広義マネーサプライ(M2)は100兆元の大台を突破しており、手持ちの資源をいかにうまく利用するかが目下の急務だ。資金の利用効率の向上で生み出される価値は、資金流出の影響を下回ることは絶対にないという。
李主任も、中国人民銀行(中央銀行)がスタートした一連の計画がこの問題を解決することになると強調する。李主任は次のような提案もうち出した。今後の改革では不良債権を消化し、資金の正常な流れを保障すること。地方の財政再編に着手し、確実で持続可能な新たな税収源をみつけること。民間経済を大規模に緩和し、準公共製品の分野への投資を可能にすること、などだ。
下半期の経済情勢について、趙副院長は、「市場の主体の発展の中に答がある」とした上で、政府は企業に稼げる機会を提供し、短期的な視野の発展モデルを放棄するよう促し、「利益で誘導し、理性で理解させる」中で中国経済のモデル転換の長期的な利益と財政や雇用などの短期的な目標とのバランスをはかる必要があると強調した。(編集KS)
「人民網日本語版」2013年7月8日
http://j.people.com.cn/94476/8314765.html
- 中央国家機関に一律5%の支出削減を指示:支出構造の変更はいいが、一律5%削減というのは不況下において愚策 あっしら 2013/7/08 17:58:00
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