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株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu291.html
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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まずは株式市場などストック市場を大いに沸騰させることだ。次に、
壊れてしまったフローとストックの接続チャンネルを修復することだ。
2013年7月8日 月曜日
◆アメリカのお札大量増刷はなぜ成功するのか、日本は? 7月6日 田村秀男
http://tamurah.iza.ne.jp/blog/entry/3124004/
最近の株式相場の乱高下をみて、「アベノミクスはバブルを引き起こすだけだ」といった批判派が勢いづいている。そんな論者は現代経済というものがフローとストックに分かれており、ストック部門がフロー部門を支える現実を無視する。フローとは実体経済活動で、国内総生産(GDP)で代表される。ストックとは株式など金融資産のことだ。ストックが栄えない国の経済は必ず沈む。
日本の場合、1990年代初めのバブル崩壊以来、ストックがないがしろにされてきた。民間主導経済は本来、金融資産市場を活発化させ、そこからあふれ出るマネーがモノやサービス、労働の市場に流れ込んで景気を拡大させるという循環で成り立つのだが、何かといえばバブルだ、インフレだと騒ぐ日銀とそれに追随するメディアがこの循環メカニズムを壊した。
1998〜2012年度までの日本の家計金融資産はリーマン・ショック後の落ち込みを除けば、デフレ不況とは無関係に拡大を続け、今年3月末には15年前に比べて284兆円増えたが、名目GDPは47兆円減った。中でも現預金は一貫して膨張を続け、154兆円増えた。新規融資せず、国債など価値が安定した金融商品で集まった預金を運用する金融機関を責めるメディアは見当たらず、日銀は健全経営だと評価する体たらくである。
同じ比較を米国のGDPと金融資産でみると、見事なまでに並行して共に増え続けている=グラフ。米家計金融資産は2008年9月のリーマン・ショックで11兆ドル(約1100兆円)も減ったし、GDPも大きく落ち込んだが、09年4月以降は順調に回復し、15兆ドルとGDP1年分相当を上積みした。GDPも増加基調だ。
この米国の姿こそが正常な市場経済というもので、日本の大失敗の原因を見抜いたバーナンキ議長は3度にわたる量的緩和(QE)政策で金融資産市場をてこ入れしてきた。ドル札を数年間で3倍以上も刷り、住宅ローン担保証券(MBS)や長期国債という金融資産を大量に買い上げ続けたのは、景気回復につなげられるとの自信があるからだ。あるいは、ストック部門がにぎわえば、生産や雇用が好転すると踏んでいるのだろう。
残念ながら、日本ではそんな意識がいまだに乏しい。日本の経済論壇でよく知られている有名教授も「金融緩和で日本は破綻する」との言説を唱え、反アベノミクス本で荒稼ぎする具合である。
もっとタチが悪くひどいのが、主流派メディアだ。朝日新聞は5月23日の日経平均株価急落の翌日の朝刊1面で、株式バブル崩壊との見方に立って異次元金融緩和を止めよ、と書き立てた。異次元緩和をやめてしまえばどうなるか。株式暴落どころではない。デフレは再び加速し、日本経済は半永久的に沈み続けることになるだろう。単なる現代経済への無知がそうさせるのか、それとも、特別な政治的意図でもあるのだろうか。(産経新聞特別記者・田村秀男)
◆アベノミクス成功の鍵は「ストック→フロー」 7月3日 田村秀男
http://tamurah.iza.ne.jp/blog/entry/3121656/
最近の株式相場の乱高下をみて、「アベノミクスはバブルを引き起こすだけだ」「異次元金融緩和は市場の混乱を招くだけだ」といった反アベノミクス論が勢いづいている。現代経済の本質を知らない言説である。株価が投機で激しく変動するのは、市場経済なら当たり前のことだ。それまで停滞の一途だった株式市場が一挙に目覚め、売り買いが活発化し始めたのだ。超円高・デフレ放置で死に体同然だった日本の株式市場のままでよいとでも反アベノミクス論者は言うのだろうか。
壊された循環メカニズム
そもそも、上記のような反アベノミクス論者は現代の市場経済というものがフローとストックに分かれており、活気あるストック部門がフロー部門を支えることを知らない。フローとは実体経済活動で、国内総生産(GDP)で代表される。ストックとは金融資産のことだ。ストックがにぎわい出すと、すぐさまバブルだと騒ぎ出す向きが反アベノミクス派である。ストックが沈めばその国の経済は必ず沈む。
日本の場合、1990年代初めのバブル崩壊以来、資産バブルとインフレを怖がる日銀がストックをないがしろにしてきた。朝日新聞など主流派メディアもそれに同調してきた。見識に欠ける日本経済新聞など経済メディアもそうだ。
民間主導の現代経済は本来、金融資産市場を活発化させ、そこからあふれ出るマネーがモノやサービス、労働の市場に流れ込んで景気を拡大させるという循環で成り立つのだが、日本はこの循環メカニズムを自ら壊したのだ。カネの資産が有り余っている点では「豊か」なのだが、われわれの所得フローの素となる生産フローは細る、つまり実際の生活は貧しくなっているのである。
そんなバカなことがあるか、と思われる方にはグラフを見てもらおう。慢性デフレが始まった1998〜2012年度までの日本の家計金融資産はリーマン・ショック後の落ち込みを除けば、デフレとは無関係に拡大を続け、今年3月末には15年前に比べて284兆円増えたが、名目GDPは47兆円減った。中でも現預金はリーマンの影響が軽微で一貫して膨張を続け、154兆円増えた。
ついでに言えば、企業部門もこの間に現預金を56兆円増やした。GDPと家計や企業の金融資産の推移を比べると、全く逆の方向を向いている。家計も企業も入ってくる収入を消費や設備投資に振り向けずに、現預金をため込んできただけである。これがデフレの原因であり、同時に結果である。
同じ比較を米国のGDPと金融資産でみると、見事なまでに並行して共に増え続けている。この米国の姿こそが正常な市場経済というもので、バーナンキ議長は3度にわたる量的緩和(QE)政策で金融資産市場をてこ入れしてきた。景気回復につなげられるとの自信があるからだ。が、その米国でも、実物需要や雇用を押し上げるのに手間取っているのである。慢性デフレでフロー・ストックが分解してしまった日本で米国と同じ金融手法をとるだけでは、成果を挙げられそうにないのだ。
即効性ある設備投資減税
こうみると日本の最優先課題は明らかだ。ストック部門に貯まるだけで滞留するカネを活性化させ、フロー部門に向かって流れ出させるようにすることで、まずは株式市場などストック市場を大いに沸騰させることだ。次に、壊れてしまったフローとストックの接続チャンネルを修復することだ。
アベノミクスの第1の矢、異次元金融緩和はストック市場を活性化させ、沸騰に持っていく意味で重要な意味がある。日銀はマネタリーベース(資金供給量)を大胆に増やし、円安に誘導する。そして株高をもたらす。株価の値上がりに投資家が引き付けられ、現預金にとどまっていた家計などの余剰資金が株式市場に向かう。タンスに置きっぱなしだった現金が株式に化けるわけである。そこで企業は株式市場で資金を低コストで調達し、新規事業や設備投資に振り向ける。銀行も集まる預金をひたすら国債購入に充てていたが、景況感の好転をみて企業向け貸し出しに前向きになるだろう。
ストックとフローのチャンネルを修復すると言っても、別にパイプラインがあるわけではない。実体経済を担う民間がストックに滞留するマネーを引き寄せるだけの吸引力を持たなければならない。円安で国際競争力が向上するのも一助となるが、政府の役割が重要になってくる。その点、規制緩和が有効になるだろうが、個別にみると、そうは簡単にいかない。例えば、農業に企業が参入しようにも、農村コミュニティーとどう折り合いを付けるか、伝統と市場原理の相克をそうは簡単に解決できるはずがない。それよりも、即効性のあるのは設備投資減税だろう。企業の設備投資を国内に誘引する思い切った法人減税は欠かせない政策だ。特定の地域に限定し、規制緩和と減税を組み合わせた「戦略特区」の創設もストックの市場からあふれ出てくる資金の受け皿と位置づけるべきだ。(産経新聞特別記者・編集委員 田村秀男/SANKEI EXPRESS)
(私のコメント)
今回の参議院選挙はアベノミクスに対する信任投票になると思いますが、アベノミクスに対する正体がまだよく分からない。株価が15000円台から3000円も下げた事で大手マスコミはアベノミクスの失敗だと騒いでいるところもあるようですが、株価と土地の上昇がはっきりと見えてくれば、今まで貯めこまれていたマネーが動き出す。
今までは株安と土地下落でデフレ状態になり、企業も個人もマネーを使わなくなり経済は低迷したままだった。とにかくアベノミクスで円安から物価が上がり始めましたが、これは当然予想されてきた事であり、物価が上がり始める事で貯めこまれていたマネーも動き出す。物価の先高感が出れば先回りして買う需要が出てくるからだ。
物価高になれば名目成長率が上がり、名目利益も出てくるようになる。実質で見れば差し引きゼロになっても名目GDPは上がる。今までの日銀の政策はゼロインフレターゲットでしたが、黒田日銀総裁は2%のインフレターゲットに引き上げた。国債などを無制限に買うという政策は銀行にマネーを積み上げるだけと言う現象が起きますが、物価の上昇が続けば仮需要は必ず出てくる。
株価についても8000円台から15000円台にまで上げたのだから、年金などの資金運用にもプラスであり、株で儲けた人の高級品の売り上げが伸びている。ハンバーガーなども1000円マックなどが出る事がニュースになりましたが、100円マックは不味くて豚の餌だ。牛丼なども高級品も出すようになりました。
このような現象はまだ一部であり、当面は物価の値上がりだけが先行するだろう。円安になれば輸入品の値上がりが当然起きますが、20年間物価は円高で下がり続けてきたのだから消費意識も当然変わる。円安でガソリン価格が上がればハイブリッドカーなどに買い替え需要が起きるし、マンションなども先高感が出れば一部の地域では売り上げが伸びている。
問題は株価の動きですが、1ドル=100円台が続けば輸出企業業績にも反映にされて来るだろう。問題は電力などの輸入企業ですが、火力発電の燃料代が円安でかさんでくる。原子力発電が止まって電力会社は踏んだり蹴ったりですが、今回の参議院選挙でも脱原発が一つの焦点ですが、猛暑で電力不足が問題になるでしょう。
韓国では原発の停止が相次いで電力不足が問題になっていますが、日本のように簡単に火力に切り替えるわけには行かない。原発が40年過ぎれば廃炉になることが既定方針になって新設が難しくなれば電力問題は長期化する。当面は火力に頼るにしても燃料費の高騰は電気代にも影響が出る。私自身は条件付原発賛成派ですが、福島第一の廃炉作業はなかなか進まない。
アベノミクスが続くかどうかは今回の参院選挙次第なのでしょうが、成果が上がらなければ安倍政権への批判が高まる。銀行に積みあがったマネーをどのように市場に流通するようにするかは一番の課題ですが、労働者の賃金が上がるような方向にもっていかなければなりません。しかし労働力のグローバル化が進んで、工場の海外移転や低賃金の外国人労働者は入ってくるなど賃金は上がりにくくなっている。
少子高齢化と若年労働者の失業問題は先進国共通の課題ですが、新しい産業構造に適応できない若年労働者が増えているのが問題だ。今まではサラリーマンを養成すれば良かったのですが、これからは独立起業方の人材を育成していかなければなりません。大企業のリストラが相次いでいますが、年功序列型の企業は無くなり、出世するには企業を渡り歩く人材が出世するようになる。またそうしなければならない。
最近ではブラック企業が話題になっていますが、人材の移動が多くなればブラック企業には誰も働く人がいなくなる。ブラック企業には安売り流通業が多いのですが、インフレ気味になれば高級品志向が高まり、安さを売りにしたものは安かろう悪かろうで流行らなくなる。要するに良いものなら高くても売れるようになることがアベノミクスの成功の鍵だろう。
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