05. 2013年7月08日 20:21:58
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5月のOECD加盟国景気先行指数は上昇、日本が先進国をけん引 2013年 07月 8日 19:52 JST [パリ 8日 ロイター] - 経済協力開発機構(OECD)が8日発表した5月のOECD加盟33カ国の景気先行指数(CLI)は100.6となり、4月の100.5から上昇した。先進国の景気モメンタムが上向く一方、主要な新興国の景気は減速している。OECDは声明で「CLIは、大半の主要なOECD加盟国で経済成長が緩やかに改善していることを示しているが、規模の大きな複数の新興国では横ばい、もしくは減速傾向を示している」と指摘した。 日本は大規模な金融刺激策の恩恵を受け、101.3と4月の101.1から上昇し、堅調な先進国をけん引した。 米国は101.0と横ばい。 債務危機に苦しむユーロ圏は100.3と前月の100.1から上昇。OECDは、イタリアが100.1から100.3に上昇し、トレンドが変化したと指摘した。 一方、新興国はさえない。 中国は99.5となり、前月の99.6から低下。ブラジルは99.3から99.1に、ロシアは99.2から98.9に、それぞれ低下した。 主要な新興国の中では、唯一インドのみが97.5から97.6に上昇した。
政府内で新興国からの資金流出に警戒感、G20議題の1つに 2013年 07月 8日 18:35 JST [東京 8日 ロイター] - 6月雇用統計が米景気回復基調を示し、日本政府内では新興国からの資金流出が再び加速する可能性に警戒感を示す声が上がっている。
米当局が市場の読み通り9月にも量的緩和策の脱却へ動き始めれば、新興国を中心に世界へ広がっていた「緩和マネー」が、米国へ逆流する公算が高まるためだ。来週の20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議でも、新興国からの資金流出問題が主要議題のひとつとなる公算が高まってきた。 <日本政府も米景気回復を確認> 予想を上回る強さの米雇用統計を受けて、週明け8日の東京市場ではドル/円が101円台となり、日経平均.N225も一時、前週末比100円を超えて上昇した。だが、午後には早くもそうした楽観ムードが一服し、円相場は一時100円台へ下落し、日経平均も前週末比200円を超える下げとなった。 6月米雇用統計では、月間の雇用者数が事前予想を上回り、過去分も上方修正。横ばいだった失業率も求職者数の増加を勘案すれば安定しており、日本の政府内でも足元の景気回復を確認する内容と評価する声が上がっている。 <浮上する新たなリスクシナリオ> 世界経済の安定にもつながる米景気回復の兆しは、日本の当局も歓迎ムードだが、同時に米連邦準備理事会(FRB)の出口戦略が現実味を帯びてきたことで、あるリスクシナリオが浮上している。 米国が「出口」を目指す一方、日本はまだ大規模緩和策の入り口付近にとどまり、欧州中央銀行(ECB)も低金利政策を長期継続する異例の「フォワード・ガイダンス」を導入したばかり。日米欧の金融政策の差が明確化し、景気面における米国の「独り勝ち」の様相が際立てば、世界中の資金が米国を目指す展開が予想される。 その結果、足元で落ち着きを見せていた新興国からの資金流出が再び加速しかねず、世界的な市場の不安定化が排除できないという見方が、日本政府部内で出ている。 実際、8日のアジア市場で中国を含めた新興国の株式市場が下落した大きな要因の1つは、米出口戦略の発動による資金流出への懸念だ。 アジア各国が通貨危機後に積み上げた豊富な外貨準備高を有し、通貨スワップ協定を広範に組み上げているため、資金流出が今後加速しても、直ちに流動性危機が表面化する可能性は低いと当局筋はみている。だが、市場の不安定化は、将来の大きなイベントリスクにつながりうる懸念材料として意識されている。 <G20、波及効果の逆流議論へ> 19、20日にロシアで開催されるG20会議でも、新興国の資金流出問題は焦点のひとつとなる見通し。これまでG20は、新興国に流入する緩和マネーの波及効果(スピルオーバー)問題について議論を続けてきた。先進国の緩和マネーが新興国の景気に関係なく流入し続け、バブルを生み出しかねない点が主な争点だった。しかし、米国の出口戦略をめぐる議論が活発化して以降、こうした資金の流れは劇的に転換している。 G20は前回4月会合で、声明にスピルオーバー問題について「長期間の金融緩和から生じる意図せざる負の副作用に留意する」と明記したのみ。問題の構図が「4月とは様変わりしている」(政府筋)だけに、世界経済をめぐる主要論点のひとつとなりそうだ。 (ロイターニュース 基太村 真司:編集 田巻一彦)
アングル:欧米の金利見通し乖離でドル高は長期化の様相 2013年 07月 8日 18:45 JST [ロンドン 5日 ロイター] - 米国の金融政策とその他主要国・地域の金融政策の見通しに方向性の違いが出てきたことで、ドル高が長期化し、新興市場国にかかる圧力や国際市場のボラティリティーが増大する可能性がある。 量的緩和の縮小開始に関する米連邦準備理事会(FRB)のバーナンキ議長の発言から2週間が経過し、投資家はFRBが今後14カ月以内に利上げに動くとの見方を強めている。一方、ユーロ圏、英国、日本では早くても2016年まではそうした動きは予想されていない。過去5年間で初めての金利見通しの大幅な乖離(かいり)だ。 FRBの緩和縮小見通しや、欧州中央銀行(ECB)が4日、今後長期間にわたり政策金利は過去最低水準にとどまるとの見通しを示したことを受け、米国債10年物と独連邦債10年物の利回り格差は2006年以来の水準に拡大した。 政策ギャップの広がり、米経済見通しの好転は、ドルが大幅な上昇局面に入ったと多くの投資家が認識し始めることを意味する。 苦戦する欧州や日本の輸出企業にとっては活性剤の役割を果たすかもしれないが、新興国にとっては決して良いニュースとは言えない。 ドル高はドル建て商品(コモディティー)に悪影響を与えるばかりでなく、企業や途上国政府にとってはドル建て借り入れコストの上昇につながり、最終的には米国から海外への投資フローが阻害される可能性もある。 世界全体で80兆ドルに上る年金基金、保険会社、ミューチュアルファンドの運用資産の約半分は米国に由来しており、ドルの為替レートの長期的なシフトは、海外リターンの算出見直しを促し、国内や海外市場への投資方針の見直しにもつながるだろう。 UBSのストラテジスト、マニク・ナライン氏は「ドルに大きな影響を与える可能性があり、グローバル経済の最大の投資家である米国のファンドマネジャーにも同じことが言える」と指摘。「彼らは新興市場国への大量の資金投入で足並みが一致していたが、現在は13年間で初めて米国の金利が本当に上昇しようとする局面を目の当たりにしている」と話した。 ドルは今年に入り、円と新興国通貨に対して急伸しているが、先進国における最近の金融政策見通しのシフトを考慮すると、ユーロやポンド、その他の主要7カ国(G7)通貨に対しても押し上げられることになりそうだ。 世界最大の資産運用会社である米ブラックロックのグローバルボンド責任者、スコット・シール氏はドル高が今の中心的な投資テーマだと指摘。一方で、グローバルな危機に巻き込まれた順番がメーンテーマだとしつつ、そうしたシナリオ下でもドル高になる見通しだと話す市場関係者もいる。 ドイチェ・バンク・ウェルス・マネジメントの最高投資責任者(CIO)、Arnaud de Servigny氏は「ドルがユーロやアジア通貨に対して上昇する可能性がある」と予想。「危機に陥ったのはまず最初が米国で、次に欧州、アジアと続いた。今度は米国の脱出が1番早く、次いで欧州で、アジアにはやや不透明感がある」と語った。 <過去の政策シフト> 1973年のドルの変動相場制移行後で見ると、幅広い通貨に対してドル高が続いた局面は少ない。 やはり大西洋両岸での景気サイクルと金融政策のミスマッチに起因した1980年代のドルの乱高下局面では、当初はドル高阻止の、その後はドル安に歯止めを掛けようとする中銀の介入を招いた。 現在との比較で注目されているのは1994年だ。この年、予想外のFRBの利上げで債券利回りは世界的に上昇し、当時欧州で最も影響力の大きい中銀だったドイツ連銀でさえ、がむしゃらに金融緩和を推し進めた。 金利格差は1995年にピークを迎え、世界最大の準備通貨だったドル相場はその後6年間にわたり、FRBの貿易加重指数で40%余り上昇した。 現在もドル高は進行中だが、FRBの貿易加重指数は今年これまでに4%しか上昇していない。 1990年代終盤には、ドル高が世界的な金融のタイト化をもたらし、商品相場も下落したことから新興国市場で大きな危機が発生し、比較的安全と見なされたシリコンバレーの高成長神話などもあって米国の資金が国内に回帰した。 ECBとイングランド銀行(英中銀)が今回、金融政策の先行き見通しを示す指針である「フォワード・ガイダンス」を公表するという歴史的決定を下したことは、FRBの量的緩和縮小と利上げに関するスケジュールとは著しい対照をなしている。 日本もまだ積極的な金融緩和の最中にあることを考えると、ややタカ派寄りのFRBのスタンスはG7諸国と歩調が合っていないように見える。 また、FRB当局者がいくら条件付きだと強調しても、6月の米雇用統計で非農業部門雇用者数が19万5000人という大幅増加になったことは、この見方を強めるだけだろう。
インタビュー:エジプトなどの反政府デモ、各国政府の覚醒促す=世銀総裁 2013年 07月 8日 18:26 JST [サンティアゴ 5日 ロイター] - 世界銀行のキム総裁は、ブラジル、エジプト、トルコで起きている大規模な反政府デモにより、各国政府は、国民に対して重要な公共サービスと機会を確実に提供することを迫られるだろうとの見解を述べた。 これら諸国では、既成の政治勢力に対する不満、機会の不足、生活水準向上の要望が満たされていないことなどから、数百万人の国民が変革を求めてデモを展開している。 キム総裁はロイターとのインタビューで「こうした社会の動きがなくなることはなく、私の考えでは拡大していくと思う。世界中の国が、効果的にサービスが提供できているか、国民が機会を提供されているかを真剣に問わなければならない。文民社会で、ツイッターやフェイスブック、およびソーシャルメディアはとてつもなく強力な手段となっているからだ」と述べた。 さらに「健康、教育、社会的保護などの人的資本への投資に対して真剣になる必要がある。これらは非常に重要だ」と指摘。所得格差対策の重要性も強調した。 一方、ブラジルでのデモについて総裁は「政府の対応次第では、ブラジルへの投資は減少しない可能性があると思う。ブラジル国民の要求は非常に具体的だ。病院、教育機会、物価管理の強化、バス運賃などの値下げを望んでいる」と述べた。 ギリシャ支援プログラムの先行きは依然不透明=EU・IMF 2013年 07月 8日 18:23 JST [ブリュッセル 8日 ロイター] - 欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)は8日、ギリシャ支援プログラムについて、ギリシャ政府との間に意見の相違があるとして、先行きは依然として不透明だと発表した。 EU・IMFはギリシャ支援プログラムに関する声明で、「重要な進展が引き続きみられる一方、政策の実行がいくつかの分野で遅れている」と指摘。対ギリシャ支援プログラムについては、ユーロ圏財務相が今後協議する見通し。 EU・IMFは「(ギリシャの)各当局は、2013─14年の財政目標を達成し、年内にプライマリーバランスを達成するため、是正措置をとると約束した」とする一方、「調査団と当局はマクロ経済の先行きについて、2014年に徐々に成長軌道に戻るとするプログラムの見通しに総じて沿っているとの認識で一致したものの、先行きは依然として不透明だ」と指摘した。
リスクオンは新興国市場で急減速、堅調な米雇用統計で流動性縮小懸念 2013年 07月 8日 17:55 JST [東京 8日 ロイター] - 堅調な6月米雇用統計で強まったリスクオンムードは、新興国市場で急ブレーキがかかった。米国市場では沈静化していた米金融緩和の縮小懸念が週明けのアジア市場で広がったためだ。 投資マネーの巻き戻しが進むとの不安からアジア株が軒並み下落。米株安と円安を享受していた日本株にも、一転して利益確定売りが強まった。今のところ米金利上昇による日本への影響は日銀の大量国債買入れ効果もあって限定的だが、マネーフローの変化には警戒感も出ている。 <アジア市場でムード一変> これまでは経済指標が良かったとしても、米金融緩和の縮小観測が強まれば、株式市場ではネガティブに受け止められることも多かった。だが、前週末5日に発表された6月米雇用統計を受けたマーケットは指標の改善を素直に好感。米ダウ.DJIは147ドル高となった。市場では「量的緩和第3弾(QE3)の縮小によるネガティブ・インパクトは株式市場では相当程度織り込まれ、経済指標に素直に反応するようになってきた」(外資系証券)と、金融相場からの脱却を指摘する声も出るほどだった。 しかし、週明けのアジア市場が開くとムードは一変。米市場では騒がれなかった流動性縮小懸念が広がり、上海総合指数.SSECや香港ハンセン指数.HSIが急落。「米株には資金が流入するとしても、資金が流出する新興国では大問題」(国内証券)というわけだ。新興国の株価や債券は6月25日付近を底に反転基調に入っていたが、再び不安定化。QE3の縮小観測に加え、中国やエジプトなど新興国の問題が噴出しており、市場では新興国市場について「かつてないほど弱気」(米金融機関)との声も出ている。 調査会社EPFRグローバルが5日公表したデータによると、7月3日までの1週間に新興市場国の債券に投資するファンドは、流出額が過去最高だった前週の56億ドルから9億5600万ドルに縮小したほか、新興国株式に投資するファンドも16億5000万ドルの流入と、資金流出はやや落ち着いていた。だが、堅調な米雇用統計によるQE3縮小観測の強まりで、資金流出が再開した可能性がある。 ニッセイ基礎研究所チーフエコノミストの矢嶋康次氏は「米経済は緩やかな回復路線をたどっており、その面では心配はないだろう。ただ、強い痛み止めとも言える量的緩和を5年間近く続けてきた反動はどこかに出る」と警戒感を示す。QE3縮小による新興国への悪影響を吸収できるほど米経済が拡大するかはまだ不明だ。 <米株と新興国株の狭間で揺れる日本株> 日本株は堅調な米株と軟調な新興国株の狭間で揺れ動いた。日経平均.N225は序盤、円安と米株高を背景に一時200円近く上昇し、一時1万4500円に接近したが、アジア株が軒並み安になると急速に軟化、200円安まで下げ幅を拡大し安値引けとなった。 「新興国から投資マネーが巻き戻され、米株やドルに向かうとの懸念が強まったようだ。日本株は米株と新興国株の狭間で揺れているが、これまでの急ピッチな上昇で過熱感があったため、新興国株の下落が利益確定売りのきっかけになった」(東洋証券・投資情報部ストラテジストの土田祐也氏)という。 日経平均.N225は6月26日の1万2834円から5日まで7営業日で約1500円上昇。日経平均は5日時点で25日移動平均線とのかい離率はプラス7.60%と過熱を示す7%を超えていた。今期ベースの予想株価収益率(PER)は一時16倍台に上昇、割安感は後退している。海外勢の日本株買いへの期待は大きいものの、市場では「一段の円安にならないと上値追いは難しい」(国内証券)との声も出ている。 <米金利ほど上昇しない円債金利> 堅調な米雇用統計は米10年国債利回りを2.7%まで上昇させた。米金利上昇はドル高・円安要因であり日本株にとってはポジティブな面もあるが、世界の「基準金利」である米金利の上昇は円債市場にも影響を及ぼす可能性があるため警戒が必要だ。 米経済は回復基調にあるほか、金融緩和策で金利が低位に抑え込まれていたこともあり、3%程度までの長期金利上昇は「許容範囲」との見方も市場にはあるが、米債離れは一段と加速している。 世界最大の債券ファンド、PIMCOトータル・リターン・ファンド(PTTRX.O)の6月の運用総額は8.5%(96億ドル)減と、1993年の調査開始以来最大の流出超となった。日本でも、6月の対外中長期債投資(指定報告機関ベース)が2兆9578億円の処分超と2005年1月の統計開始以来、過去最大の売り越しとなっている。 ただ、円債市場で10年長期金利は0.88%と金利は米国ほど上昇していない。日銀の大量国債買い入れに加え、金融政策の方向自体が依然緩和的であり、「出口」に向いた米国とは異なる。さらに円債市場ではアベノミクスへの期待感が低いことも特徴だ。「過度な円高が修正されるなか、景気もいったん持ち直しているが、持続的な成長には依然自信を持てない市場参加者が多いようだ」(三井住友アセットマネジメント・債券運用グループ・シニアファンドマネージャーの深代潤氏)という。 (伊賀 大記 編集:山川薫)
アングル:銀行の貸し出し増、裏に賃貸建設ラッシュ 2013年 07月 8日 16:03 JST [東京 8日 ロイター] - 賃貸住宅の建設ラッシュが、銀行の貸し出し増加の一因となっている。消費増税や相続税の実質増税を控え、節税対策による建設需要が増えており、地銀を中心とした金融機関の貸出増加要因となっている。
賃貸住宅に関しては、戸建てと異なり駆け込み需要や反動減を抑制する対策が政府から打ち出されておらず、その点も駆け込み需要の喚起につながっているようだ。 日銀が8日発表した貸出・預金動向によると、銀行・信金計の6月貸出(速報値)は前年比1.9%増と2009年7月(同2.1%増)以来の伸びとなった。 日銀によると、企業のM&A(合併・買収)や電力向け、REIT(不動産投資信託)のほか、住宅ローンや賃貸住宅建設向けの融資などが引き続き伸びているという。業態別では大手行が1.6%増(5月1.6%増)に対して、地銀・第二地銀が2.8%増(同2.7%増)と伸び率が拡大している。 住宅ローンや賃貸住宅建設向けの貸出増は、来春の消費増税に伴う駆け込み需要や金利・地価の先高観が主な理由。 5月の新設住宅着工件数は前年比14.5%増の7万9751戸と9カ月連続で増加し、季節調整済年率換算で102.7万戸と2008年10月以来の100万戸超えとなった。持ち家が13.5%増と9カ月連続増、貸し家(賃貸住宅)も11.6%増と3カ月連続で増加した。 特に一部の地銀では、賃貸住宅向け融資の伸びが目立っているようだ。政府は駆け込みと反動減を抑えるため、2013年末に期限が切れる住宅ローン減税の延長と拡充を13年度税制改正に盛り込んだ。だが、賃貸住宅には対応する税制優遇がなく、駆け込み需要を誘発しているもようだ。 第一生命経済研究所・経済調査部、エコノミストの星野卓也氏によると、賃貸住宅の伸びは「消費増税前の駆け込みと相続税対策」という。2015年の税制改正に伴う富裕者層の相続税の実質引き上げにより、節税対策として賃貸住宅の建設を検討する地主が増えているようだ。 これらのニーズを踏まえ、「住宅メーカーの販売促進活動などもあり、賃貸住宅建設向け融資が伸びている」(地銀)との声も聞かれる。 大和ハウス工業の月次受注動向(金額ベース)によると、賃貸住宅の受注が4月は前年比48%増、5月は同19%増と高い伸びが続いている。 ただ、人口減少基調の中での住宅供給増は「マクロ的にデフレ要因となる可能性」(大手金融機関)と、足元の増勢を懸念する声もある。 ちばぎん総合研究所(千葉市)の森康棋研究員は「賃貸住宅は高齢者向けなど新たなニーズが生まれている一方、需要を見極めずに建てられるケースもある」と指摘する。駆け込み需要が大きければ反動減も大きくなるため、今後の動向が注目される。 (ロイターニュース 竹本 能文;編集;田巻 一彦)
6月景気ウォッチャーは3カ月連続低下、金融市場乱高下で 2013年 07月 8日 15:10 JST [東京 8日 ロイター] - 内閣府が8日に発表した6月の景気ウォッチャー調査は、足元が3カ月連続、先行きも2カ月連続で低下した。 円高是正のコストや金融市場の不安定な動きが影響し、街角景気の不安感が晴れなていない。内閣府は、景気ウォッチャー調査の判断の表現を「このところ持ち直しのテンポが緩やかになっている」に下方修正した。 今回の調査機関は、6月26日から月末にかけて金融市場の乱高下が続いていた時期にあたる。 6月の景気の現状判断DIは53.0と前月比2.7ポイント下がり、3カ月連続の低下となった。横ばいを示す50の水準は5カ月連続で上回ったものの、低下幅は、ここ3カ月で最大となった。特に企業関連や雇用関連の低下幅が、それぞれ4.3ポイント、3.7ポイントと比較的大きくなっている。 家計動向関連では、高額商品販売が引き続き好調だったものの、梅雨入りに伴い、飲食やサービス関連などで客足の鈍化がみられて低下。「先月は全部門が好調に推移したが、今月は宿泊、宴会、食堂ともに前年を割り込んでいる」(近畿・都市型ホテル)「梅雨空とともに来店客数が減少している」(北関東・一般レストラン)といった声が寄せられた。 企業関連では、円高是正により仕入れ価格上昇等によるコスト増や、株価・為替変動により取引先が慎重姿勢となったことなどが影響し、低下した。「最近の為替や株式市場の乱高下に困惑している。設備投資も一時様子見が出ている」(東海・会計事務所)「円安が続いており、燃料油やパルプだけでなく、フィルムなど加工品価格が上昇、コスト割れ」(四国・パルプ・紙加工製品)との声がある。 一方で価格転嫁は「慎重にならざるを得ない」(中国・電機)という企業と「値上げの流れがあり、完全転嫁はできないものの、市場として許容し始めていると感じる」(四国・食品)と、業界によりまちまちとなっている。 雇用関連では、金融市場変動で求人に慎重な様子が見られたことから低下した。特に派遣に影響が出ている模様で「派遣契約満了で終了ケースが増えていることに加え、昨秋の労働者派遣改正法により短期の仕事の制約が加わり、景気に不安を感じる」(四国・人材派遣)といった声がある。 2─3カ月先を見る先行き判断DIは前月比2.6ポイント低下の53.6と2カ月連続の低下となったが、50の水準を7カ月連続で上回った。 政策効果への期待はあるものの、家計、企業、雇用部門ともに、円高是正による仕入れ価格や電気料金値上げへの影響、金融市場の不安定な動きから、先行き不透明感が増している。「アベノミクスが軌道に乗れば、夏以降に給与が上昇する」(南関東・百貨店)との期待もあるが、「円安による輸入原料値上がりや電気料金の昼の時間帯の値上げ、8月には食用油やマヨネーズなど油脂類の値上げが予定されている。このような状況の中、消費がすぐ回復するとは考えにくい」(東北・スーパー)と慎重な姿勢を崩さない企業もある。 |