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超金融緩和依存相場から実体経済回復相場への移行が始まった米国金融市場 
http://www.asyura2.com/13/hasan80/msg/789.html
投稿者 赤かぶ 日時 2013 年 7 月 06 日 23:16:01: igsppGRN/E9PQ
 

              米国ミューチュアルファンドの資金流出入


超金融緩和依存相場から実体経済回復相場への移行が始まった米国金融市場
http://bylines.news.yahoo.co.jp/takenakamasaharu/20130706-00026232/
2013年7月6日 15時59分  竹中 正治 | 龍谷大学(経済学部)教授、経済学博士(京都大学)


7月5日(金曜日)の米国市場の反応は注目に値する。事前予想より強めの雇用統計の発表を受けて、10年物米国債利回りは21BPも上昇したのに、株価はS&P500で16.48(前日比1.02%)も上昇して引けた。

XXXXX

5月〜6月の米国市場の展開は、強めの景気指標が出るとFRBの量的金融緩和の早期縮小の思惑が強まり、債券利回りが上昇、一方株価は下落するという傾向が繰り返された。

だから次のような悲観的なコメントをするエコノミストも多かった。

山上えつ子、トムソン・ロイター社コラム、6月21日

「QE縮小第2段は危機への入り口か」
http://jp.reuters.com/article/mostViewedNews/idJPTYE95K08620130621?pageNumber=2&virtualBrandChannel=0

引用:「このようなQE縮小相場第2弾は何をもたらすだろうか。米国経済に対しては長期金利の上昇および株式相場の下落が景気回復の勢いを削ぐリスクがあり、一部エマージング諸国には急速な資本流出が為替レートの急降下をもたらし、国内にインフレと景気減速、金融市場の不安定化をもたらすリスクがある」

しかし景気の回復が持続すれば、現在の超金融緩和が最終的に終焉するのは当然であり、株価も実体経済の回復持続を受けて上昇基調を辿ると考えるのが、自然、当然の判断だろう。要するに超金融緩和に依存した株価上昇トレンドから、実体経済回復に裏打ちされた株価上昇トレンドへの移行がいずれ起こると私は考えて来た。(以下参照)

竹中正治、トムソン・ロイター社コラム、6月20日

米国経済は尻上がりに改善、1ドル再び100円も
http://jp.reuters.com/article/jp_column/idJPTYE95J08C20130620?pageNumber=1&virtualBrandChannel=0

まとめると2つの異なる局面での相場変化の組み合わせは以下の通り。

金融緩和依存相場:強い景気指標=金利上昇=株価下落、弱い景気指標=金利低下=株価上昇

実体経済回復相場:強い景気指標=金利上昇=株価上昇、弱い景気指標=金利低下=株価下落

金融緩和依存相場は、不況から景気回復期への転換局面、あるいは景気回復期の早期局面で時折見られるものだ。

しかし米国の景気サイクルは2009年を底に穏やかながらも回復が継続している。今さら不況から景気回復期への転換局面というわけではないのだが、次の2つの事情が金融緩和依存相場を長引かしたと考えられる。

ひとつは2009年不況の戦後かついてない深さだ。GDPも株価も2007年のピークを既に越えているが、不況期の雇用喪失規模が極めて大きかったのでゼロ金利下での量的金融緩和という超金融緩和が現在まで続いた。

もうひとつの理由は、2011年〜12年前半にかけて住宅価格の軟調、「財政の壁」懸念などの事情で回復がもたついたことだ。

金融緩和依存相場から実体経済回復相場への移行過程で、債券利回りの上昇と株価の下落が併存することは過去も見られたことだった。例えば1994年春、景気回復が鮮明になって来たのでFRBが金利引き上げに動くと、この時の金融引き締めへの転換がやや唐突で金融機関などはポジションの準備ができていなかった(つまり長期債券のロング・ポジションをたんまり抱えたままだった)ので、債券利回りの急騰(債券価格の急落)と株価下落が同時に生じた。

ただし、こうした移行時の現象は大局的に見れば所詮短期的、過渡的な局面に過ぎない。5月から6月の米国債券利回りの上昇と株式相場の反落はそうした超金融緩和依存相場から実体経済の回復に裏打ちされた相場への移行過程なのだと考えて来た。

問題はいつその移行局面が終焉し、実体経済回復型の相場にシフトするかだ。

この点で7月5日(金曜日)の米国市場の反応は注目に値する。事前予想より強めの雇用統計の発表を受けて、10年物米国債利回りは21BPも上昇したのに、株価はS&P500で16.48(前日比1.02%)も上昇して引けたのだ。ドル円相場はドル金利の上昇を映して101円台で引けた。

まだ一回限りの変化では局面移行を確認するには早過ぎるかもしれないが、6月のFOMC会合の声明とバーナンキ議長の記者会見を経て市場は既に今年後半の量的金融緩和縮小を予想に織り込み、実体経済回復相場が始まった可能性がある。

掲載図は、米国Investment Company Instituteが発表している米国のmutual funds(日本の公募投資信託に相当)のネット資金流出入である(赤字(下向き)が資金流出、黒字(上向き)が流入)。6月に債券投資系ファンドから大規模な流出が見られる。米国内株投資系ファンドへの資金流入は6月の時点ではまだ確認できないが、7月移行のデータでそうした動きが見られれば、実体経済回復相場が始まったと確認してもよいだろう。


竹中 正治
龍谷大学(経済学部)教授、経済学博士(京都大学)

海中を泳ぐカメのごとく、自由に考え、悠々と生きるをモットーに経済・投資から文化、政治まで論じます。 略歴:1979年東京大学経済学部卒、東京銀行入行(現三菱東京UFJ銀行)、為替資金部次長、調査部次長、米国ワシントン駐在員事務所長、(財)国際通貨研究所チーフエコノミストを経て09年より現職。「ラーメン屋vs.マクドナルド、エコノミストが読み解く日米の深層」(新潮新書)他著書多数。


 

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コメント
 
01. 2013年7月06日 23:36:04 : dojoRteDDQ
アメリカが金融緩和の縮小のダメージが少なくても
欧州、新興国のダメージは深刻でしょう
そしてそれはやがてアメリカ自身にも影響してくると思われます

どうでもいいが、著書「ラーメン屋vs.マクドナルド、エコノミストが読み解く日米の深層」と言うタイトルをみるといまいち信用しきれないのは私だけでしょうか?


02. 2013年7月07日 01:53:45 : zKZXCS7Ut2
実体経済に即した動きに回帰するのは株価その他の暴落(バブル崩壊)後であって(中銀の緩和が停止した後)、上昇や調整局面ではない。中銀が大規模緩和で支えている間は常に実体から乖離した上昇(バブル)局面である。指標が回復しているように見えるのも、すべて緩和による一時的効果に過ぎない。経済の実態は以前として脆弱であり、格差は開く一方であり、負債はいたるところで積み上げられつつある。

03. 2013年7月07日 09:58:08 : BDDFeQHT6I
実体経済反映相場ってのは暴落ってことか。

04. 2013年7月08日 05:22:59 : e9xeV93vFQ
自己資本比率の新基準、欧米の銀行に痛手
2013年07月08日(Mon) Financial Times
(2013年7月5日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

 過去2週間は、大西洋両岸の銀行にとって高くつく2週間となった可能性がある。7月初め、米連邦準備理事会(FRB)は国際的な銀行自己資本の新規制「バーゼル3」を米国で適用する計画の詳細を明らかにした。2週間前には、英国の上位銀行8行が、今後数カ月内に確保しなければならない追加資本の額を提示された。

 両国では、金融機関が痛みを感じている。特に、想定外の焦点の変化が起きたからだ。英米の金融機関はこの数年間、株主資本をリスク加重資産と関連付けるバーゼル3の新基準、いわゆる「中核的自己資本比率(コアティア1)」を早期に満たすために資本を積み増してきた。

 ところが、ここへ来て、リスクの多寡を問わず、株主資本を全資産と関連付けるレバレッジ比率(調整済み有形資産に対する調整済み有形株主資本の割合)という追加要件も課されると告げられたのだ。

 法律事務所クリフォード・チャンスのパートナー、サイモン・グリーソン氏は「銀行としては、規制当局が銀行を叩く新しい棒を見つけたと感じている」と言う。

バーゼル3のコアティア1要件達成の「からくり」

 ある意味では、焦点の変化は予想可能だった。2月から4月にかけての通年決算、第1四半期決算の発表で、大半の大手銀行は2019年まで段階的導入が完了しないバーゼル3のコアティア1要件に既に準拠しているという事実を強調していた。

 だが、アナリストの間では、多くの銀行が要件を満たしたと見られる方法について、かなり懐疑的な見方があった。新規の株主資本を調達した銀行はほとんどなく、大半の銀行がリスク加重資産の数値を「最適化」することで要件を満たしたからだ。

 スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は7月初め、バークレイズ、ドイツ銀行、クレディ・スイスの信用格付けを引き下げた際、これら3行は依然として、「経済資本モデルや規制上の資本要件によって適切に把握されない」リスクを抱えた「高レバレッジ機関」だと強調した。

 バーゼル委員会を含め、レバレッジ比率は極めて重要な「バックストップ(安全装置)」だと考える向きが増えている。イングランド銀行のポール・タッカー副総裁は最近、「現在のリスク加重は、金融機関が信じ難いほどレバレッジを効かせることを許した」と述べた。

 こうした国際規則を監督するバーゼル委員会は6月末、銀行は最低3%の比率を満たすまでさらに3年の猶予があるものの、2015年以降は新しい数式に従ってレバレッジ比率を報告しなければならないと述べた。

 実際問題として、3%という比率は、銀行が100ドル貸し出すなり、何らかの方法でリスクにさらすなりするたびに、これを少なくとも3ドルの株主資本で埋めなければならないことを意味する。大西洋の両側の改革派は今、その基準は満足いくレベルとは程遠いと主張している。

 規制当局者は、比較的安定した市場のおかげで、銀行の自己資本に対して第2の圧力をかけられるようになったことに気付いた。「我々は好機を見いだした」とある政策立案者は言う。「市場は比較的安定していた。大きな成果が見込める場所があった」

 イングランド銀行の3月の金融政策委員会で提起された懸念を受け、イングランド銀行傘下の健全性監督機構(PRA)は先月、英国の大手銀行8行は3%という新たなレバレッジ比率に早期に準拠すべきだとする意外な要求を出すことになった。

米国では15%のレバレッジ比率を求める法案も

 米国の改革派ははるかに極端な対策を視野に入れていた。共和党のデビッド・ビッター上院議員と民主党のシャーロッド・ブラウン上院議員は4月、米国の銀行に最大で15%のレバレッジ比率を達成することを義務付けるべきだとする法案を提出した。

 ブラウン・ビッター法案は可決されて法律になることは決してないかもしれないが、法案提出はFRBのダン・タルーロ理事のような政策立案者の間で新たな熱意を駆り立てたようだ。タルーロ理事は最近、バーゼルの3%のレバレッジ比率は「低すぎる水準で設定された可能性がある」と述べた。

 バーゼル3に関する先のFRBの文書は、国際的なレバレッジ比率を是認していた。欧州やその他地域と異なり、米国は長年、一定の比率を定めていたが、効果がないと見られていた。

 FRBは、レバレッジ比率の計算に使われる米国会計基準(US-GAAP)は変更しないと述べた。つまり、負担を相殺するデリバティブ(金融派生商品)残高は今後も計算式に盛り込まれるということだ。これは特にゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレーのような金融機関にとって強力な優遇措置になる。

 だが、FRBは米銀が一部の資産を数える方法を変える。例えば、約束されたが、実行されていない貸し出し予約は従来、「簿外」リスクとして扱われていた。これを変更すると、資産総額が膨らみ、追加の資本が必要になる。

 もしタルーロ理事がほのめかしたようにレバレッジ比率が4%か5%に引き上げられたら、他国の政策立案者に圧力がかかるだろう。英国では改革派が、政府はビッカーズ委員会(銀行に関する独立委員会)が提案した4%のレバレッジ基準を拒否した決断を見直さねばならないと考えている。

 大きな銀行業界を抱えるその他の国は、レバレッジ比率に関してあまり発言してこなかったが、スイスは先月、UBSとクレディ・スイスの比率が「低い」と批判し、新たにこれを重視する姿勢を示唆した。

 問題は、これが銀行にとって何を意味するか、だ。規制当局は新規の株主資本調達が行われることを望んでいるが、今のところ、大手銀行で相当量の新株を発行したのはドイツ銀行とオーストリアのエルステ銀行の2行だけだ。アナリストらは、他行が追随する可能性は低いと見ている。また、経済見通しを考えると、内部留保で穴を埋めるという選択肢は難しいかもしれない。

銀行の安全性は高まっても、経済成長にとってはマイナスか

 従って、最も可能性が高い結果は、銀行がバランスシートを縮小することだ。バークレイズは6月末、英国のレバレッジ比率の要件は貸し出しの縮小を意味するかもしれないと警鐘を鳴らした。

 クリフォード・チャンスのグリーソン氏は言う。「可能であれば、銀行はリスク加重の観点からして比較的低い資本負担となる投融資残高をバランスシートから取り除くかもしれない。つまり、優良企業向けの貸し出し、住宅ローンの融資残高、貿易金融などだ」

 規制当局が銀行の安全性を高める取り組みが新たに盛り上がってきたのは明らかだ。リスクの点からすれば、これは各国政府にとって朗報かもしれないが、金融機関が近く経済成長の強力な原動力になってくれるという政治家の望みを打ち砕くことになる。

By Patrick Jenkins


05. ほんの一言 2013年7月08日 21:16:50 : Ul.1Wje9FqLxA : 23MxNblfDY
要するに金融相場(流動性相場)から業績相場にうまく転換できるかどうかということでしょう。
リーマンショック以来の前例のないほどの過剰な流動性で作られた相場ですから、
一朝一夕には無理です。
基本的にはマーケットからの資金流出を打ち消すぐらいの好業績が期待できるかどうかですが、今のところ今の過剰流動性をすぐ無くしても株価が維持できるほどの
好業績は期待できません。
あとは業績に合わせて流動性を徐々に削減する微妙な金融政策のかじ取りがFRBに残されているということです。
今のバーナンキには期待しているのですが、彼も来年初めには退任するとの話もあり、あまり楽観できない状況に思えます。

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