http://www.asyura2.com/13/hasan80/msg/776.html
Tweet |
http://kodansha.cplaza.ne.jp/wgendai/article/130624/top_01_01.html
この国の年金制度はすでに破綻している。支給開始年齢を68歳からにする小手先の改正では、結果的に若い世代を苦しめるだけだ。年金制度の廃止は目の前にある現実。それを直視するしかない。
第1部 もはやこれまで
10年後には70過ぎてから、20年後には80過ぎてから支給
「今の日本の年金制度は、破綻していると言わざるを得ません。
目下のところ議論されている、年金支給開始年齢を引き上げる話は、'10年の国勢調査でわかった少子高齢化の進展を受けて持ち上がりました。再来年の国勢調査までに、少子化はもっと進展しているでしょうから、再び引き上げるという話が出てくるでしょう。
このままでは、年金支給開始年齢の引き上げは、こんなふうに際限なく続いてゆきます。そうなれば、制度への不満から、年金を廃止しようという声も出てきてしまいますよ」(元大蔵省大臣官房審議官で政策研究大学院大学名誉教授の松谷明彦氏)
現在、基礎年金(国民年金、および厚生年金の定額部分)の支給開始年齢は65歳へと引き上げられているが、今年度からついに、厚生年金(報酬比例部分)の支給開始年齢も、60歳以上に上げられ始めた。
今後、3年に1歳ずつ引き上げられ、12年後の'25年には、65歳から支給されることとなる(男性の場合)。
こうした現状に追い打ちをかけるように、今月、社会保障制度改革国民会議は、支給開始年齢のさらなる「先延ばし」を模索。
国民会議の会長を務めている慶應義塾長の清家篤氏は、「(年金支給開始年齢を)67〜68歳、あるいはもう少し上のほうまで引き上げていくのは、あってしかるべきではないか」と明言している。
だが、67〜68歳で驚いてもいられない。事態は一般国民が考えているよりも、はるかに深刻なのだ。
「何かしらの抜本改革をしない限り、支給開始は70歳を過ぎてからに変えなければ、年金財政は破綻する」と警鐘を鳴らすのは、学習院大学教授の鈴木亘氏である。
「アベノミクス効果のおかげで、年金積立金の最新の運用結果では10兆円規模の黒字が出たらしいですが、積立金は年に約6兆円のペースで取り崩されていますから、焼け石に水。今の年金制度は、支給開始年齢をもっと引き上げなくては、もたないんです。
65歳にした後に68歳へと引き上げているようでは遅すぎます。もう、間に合いません。
年金財政を健全化するには、スケジュールを前倒しして段階的引き上げを行うと同時に、支給開始年齢を70歳にしなければなりません。'30年代に年金積立金は尽きてしまいますから、それらの措置に、今から10年以内に着手しないとダメでしょう」
実際、厚労省は、'31年に厚生年金の積立金が枯渇してしまうとの試算をまとめている('09年に公表。上の図Iも参照のこと)。
また現在、年金積立金の運用想定利回りは、年率4.1%を保って「百年安心」だと見積もられている。しかし、四半期ごとの結果に限っても、その利回りを上回ったことは、数えるほどしかない(図II参照)。
4.1%という想定はまさに机上の空論である。
公的年金の積立金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、最近の株高を受けて、国内債券よりも、株式や海外債券の割合を増やして運用の収益率を高めようともくろんでいる。
「年4.1%の高利回りで積立金を運用し続けます、という説明など、誰が聞いても納得できない話です。加えて、運用で挽回しようにも、その元手が毎年6兆円ずつ減っていくわけですから、大して意味がありません」(前出・鈴木氏)
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。