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大反響 第2弾 明るく楽しく頑張る、すると幸せがやってきた。サラリーマン、置かれた場所で咲きました
http://www.asyura2.com/13/hasan80/msg/775.html
投稿者 金剛夜叉 日時 2013 年 7 月 06 日 15:14:40: 6p4GTwa7i4pjA
 

http://kodansha.cplaza.ne.jp/wgendai/article/130617/top_04_01.html

それまで笑顔で挨拶していた同僚はよそよそしくなり、相談に来ていた部下には無視をされる。左遷とは、そういうものだ。しかし、そんな不遇のときこそ、サラリーマンとしての矜持が試されている。

 サラリーマンを題材にした多くの著書を持つ、作家の江坂彰氏は言う。

「企業のトップには、一度出世コースを外れた経験のある人が意外なほど多い。たとえば、この6月に社長就任が決まった東芝の田中久雄氏がそうです。田中氏は東芝の出世コースである事業部ではなく、入社以来調達畑を歩んできた。おそらく、不振の続く東芝に新たな風を送りたかったのでしょう。社内外の誰もが驚いた社長抜擢でした。

 トヨタ元会長の奥田碩ひろし氏も、一度は挫折を経験しています。経理部時代に上司とぶつかり、'72年の秋にマニラへ飛ばされたのです。しかし腐らず、現地に溶け込もうと、英語の勉強を徹底的にやった。学生時代に読まずに放っておいた本を片っ端から読み、知識を蓄えた。事実上の左遷だったにもかかわらず、結果を残し本社に登用された。その後、社長まで上り詰めたのです」

 半導体商社・イノテック元役員の西久保靖彦氏(68歳)もまた、左遷を経験しながら見事に返り咲いてみせたサラリーマンの一人だ。

「左遷を経験するまでは、最短記録をつくるくらいの早さでトントン拍子に出世して、49歳で常務になりました。みんなそうかもしれませんが、偉くなると周囲がちやほやしてくれるんですよね。部下もそうだし、総務課の女の子まで『社長になったら秘書にしてください』なんて言って寄ってくる。それでのぼせ上がって、社長以上に偉そうに振る舞ってしまった。

 それが、社長の逆鱗に触れてしまったんでしょう。あるとき突然、それまでのPR担当から環境問題の担当役員にさせられた。環境問題とはいっても、実質的な業務は何もありません。要するに窓際部署だったんですよ。56歳での初めての左遷でした。

 部下もいなければ、営業する相手もいない。応接間のついた20平米くらいの部屋にひとりきりでした。当然、それまでちやほやしてくれた部下は誰も挨拶に来ないし、女の子も知らんふりです。これ以上、上に行けないと思うと本当に悔しかったですし、ショックも大きかった」

 会社にいながら無職状態になった西久保氏は、毎日椅子に座り、一日をただ漫然と過ごしていた。そこで彼が思い出したのは、入社間もない頃の研究職として過ごした日々だった。

「あの頃は、事務仕事をさっさと終わらせて、少しでも自分の研究の時間を作ることに情熱を燃やしていました。その時代を思い出し、ある日『勉強しよう』と思い立ったんです。当時はプラズマ技術の出始めでしたから、その知識を身につけようと考えた。どうせなら、本を出版できるくらい勉強してやろうと思って励みました。目標のない努力では何も咲きませんからね。結果、実際に本を出すほどの知識を身につけ、2年弱で窓際を抜けだして三栄ハイテックスという子会社に出向になった。そこで、勉強したプラズマに関する知識が生きた。新製品の開発に携わり、利益率を大幅に上げ、2年目には社長を務めることになりました」

 

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コメント
 
01. 2013年7月06日 16:12:53 : e9xeV93vFQ
日銀の消費者物価指数の見方

4 月の消費者物価指数(除く生鮮食品、以下コア CPI)は前年比▲0.4%と 6 ヵ月連続
で前年を下回っている。15 年近く続いたデフレからの脱却を目指して、4 月 4 日に黒田
新総裁の下で日銀は「量的・質的金融緩和」を導入した。「消費者物価の前年比上昇率 2%
の『物価安定の目標』を、2 年程度の期間を念頭に置いて、できるだけ早期に実現する」
ために、異次元の金融緩和を実施している。これにより債券市場が不安定となる中、現
状では、日銀と民間エコノミストとの間では、コア CPI の先行きについての見方に隔た
りがある。ここでは、日銀が公表した展望レポートにおけるコア CPI の見方を整理し、
一時的にコア CPI が 2%となっても必ずしも目標達成ではないことを指摘したい。


1.日銀の展望レポートにおけるコアCPIの見通し

4 月の展望レポートによると、政策委員のコア CPI の大勢見通しの中央値は、2013
年度が前年比+0.7%、2014 年度が同+1.4%(消費税率引上げの影響を除くケース1
)、
2015 年度が同+1.9%(同)となっている(図表 1)。一方、筆者もメンバーである ESP
フォーキャスト調査(6 月調査、以下 ESP)における予測の平均は、2013 年度以降、
同+0.3%、同+0.7%、同+1.0%であり、また、同調査における「2 年以内に 2%の目
標を達成できるか」の設問に対する回答は、「はい」が 1 名、「いいえ」が 33 名、「どち
らとも言えない」が 6 名となっている(当社の回答は「いいえ」)。物価動向に影響を与
える実質 GDP 成長率見通しが乖離しているため単純比較は出来ないものの、日銀のコ
ア CPI 上昇率の見方は ESP より強め
である。しかも日銀の 2015 年度は同
+1.9%とほぼ 2%に届く見通しとな
っているが、政策委員全員の見通しの
幅が大きいのも特徴的で、2015 年度は
+0.8%〜+2.3%と分かれており、少
なくとも 2 名の委員が 1%未満の予測
となっている。

1

日銀は、消費者物価指数の中で非課税品目もあるため、消費税率引上げの影響は、機械的に2014年度は
+2.0%ポイント、2015年度は+0.7%ポイントと計算している。

1.日銀の展望レポートにおける物価見通しは、強い成長率見通しに加え、フィリ
ップス曲線の形状が、現状とは異なる形を想定している。

2.消費者物価は、国際商品市況の高騰や円安進行等による輸入物価の上昇に加え、
採用品目の銘柄や税制等の変更においても大きく変動することもある。

3.現時点では、2 年 2%の物価安定の目標の達成は難しいと考えるが、一時的な 2%
到達の可能性は皆無ではない。まだ先の話であるが、その時の解釈で市場と日
銀の見解が異なると出口時期を巡り債券市場が混乱する可能性があるだろう。

【ポイント】

国 内 外 経 済 の 動 向

図表1.日銀と ESP の予測値
日銀 ESP 日銀 ESP
2013年度 2.9 2.7 0.7 0.3
2014年度 1.4 0.6 1.4 0.7
2015年度 1.6 1.3 1.9 1.0
(資料)日本銀行、日本経済研究センター

実質GDP成長率 コアCPI上昇率国内外経済の動向

このように日銀と民間エコノミ
スト、また、政策委員の中でも見方
が分かれるコア CPI の見通しであ
るが、日銀はどのような前提で今回
の見通しを公表したのだろうか。展
望レポートでは、消費者物価の上昇
要因として、@マクロ的な需給バラ
ンス、A中長期的な予想物価上昇率、
B輸入物価の 3 点を挙げている。ま
ず、@について、需給ギャップと消
費者物価の関係を整理したい。そも
そも日銀と ESP では前述した通り
実質 GDP 成長率の見方が異なって
いるため、それぞれの実質 GDP 成長率の年度予測値を当社で四半期分割2
して比較した
い。日銀の予測をもとにした需給ギャップ(内閣府による推計値3
をもとに先行きを当社
によって延長推計)は、2013 年度後半にプラス(需要超過)に転じ、2014 年 4〜6 月
期に一旦マイナスになるものの、再びプラスで推移する見通しとみられる(図表 2)。一
方、ESP の平均予測値は、消費税率引上げ前の駆け込み需要(2014 年 1〜3 月期)でプ
ラスに転じた後、再び水面下の推移となり、2015 年度はゼロ近傍の動きとなる。このよ
うに物価の変動要因となる需給ギャップの見方が大きく異なっている。

図表 3 は、デフレが定着したとみ
られる 1998 年度から足元までの四
半期データによるフィリップス曲線
で、右肩上がりであるものの、その
角度は緩やかなものにとどまってい
る。その図表の中で、プロットを線
で結んで示しているのが、日銀の年
度予測値をもとに推計した 2013 年
4〜6 月期から 2016 年 1〜3 月期ま
での数値である。現状のフィリップ
ス曲線と比較するとその傾きから乖
離しており、その曲線が上方シフト
かスティープ化するとみている。異
次元緩和や政府の成長戦略等により、この 15 年で根付いた企業、家計のデフレマイン
ドが払拭され、Aの中長期的な予想物価上昇率(いわゆる期待インフレ率)が高まって
いくことか、Bの輸入物価の影響を織り込んだものと言えるだろう。
なお、コア CPI は 6 月前後から前年比上昇に転じる可能性が高いとみている。主因は
既往の円安進行による輸入物価の上昇である。足元では 1 ドル 100 円前後と 2012 年度
半ばから 20 円程度円安となり、それに伴う輸入物価の上昇が、生鮮食品を除いた食料

2

ESP調査の四半期は、2013年度、2014年度の公表平均値を使用し、2015年度は年度の予測値をもとに当
社が四半期分割(2015年10月の消費税率引上げを前提)している。日銀の四半期は、2013年度、2014年
度は、ESPの四半期数値をベースに、年度の予測値になるように上方修正して使用している。2015年度は
ESPと同様に年度の予測値になるように当社が四半期分割している。

3
2013年1〜3月期の1次速報時点の推計値

図表2.需給ギャップの見通し
図表3.フィリップス曲線 国内外経済の動向
品やガソリンなどの価格の押し上げに寄与すると見込まれる。NEEDS 日本経済モデル
で推計すると、10 円円安となった場合でも、コア CPI は 2013 年度に+0.3 ポイント押
し上がることになる。加えて、4 月に自動車保険料(自賠責・任意)が引上げられ、今
後、複数の電力会社が表明している電気代の値上げが実施される。ただし、輸入物価上
昇に伴う物価の押し上げは、次年度以降その効果が弱まることになり、為替や国際商品
市況の動向に左右され、持続的にコア CPI の上昇に寄与するか不透明である。展望レポ
ートでは、これまで公表されていた国内企業物価の数値が未公表となり、輸入物価をど
のようにみているか推し量ることができない。しかし、レポートの文中で「輸入物価に
ついては、(中略)国際商品市況が世界経済の成長に沿って緩やかな上昇基調をたどると
の想定のもと、見通し期間中、上昇を続けると見込まれる」としている。日銀は、2015
年度にかけて輸入物価がコア CPI を押し上げ続けると想定している。

2.「物価安定」には2%の中身が重要に

バブル崩壊後、わが国では消費税
率引上げ時期を除くと四半期ベース
でコア CPI が前年比+2%超となっ
たのは 1 回しかない。その 2008 年
7〜9 月期は、中国等の新興国の急成
長を背景に、原油などの資源や食糧
(小麦、トウモロコシ等)の価格が
高騰していた時期であり、いわゆる
コストプッシュ型の上昇である。図
表 4 は、コア CPI の伸び率に対する
10 大費目別の寄与度であるが、物価
上昇の殆どは、「生鮮食品を除く食
料」、「光熱・水道」、「交通・通信」の 3 つの費目で説明がつく。それらの費目の内訳を
みても、原油価格の上昇や輸入穀物の値上がりに起因するものが大半である。また、デ
フレ前(1983〜1992 年)のコア CPI の費目別寄与度と比較すると、偏りが大きいこと
が明白である。デフレ前は、光熱・水道以外の 10 大費目がプラス寄与となり、住居、
教養娯楽、生鮮食品を除く食料などが主な上昇要因である。結局、2008 年の物価上昇局
面は、その後の世界的な不況による国際商品市況の低迷で持続することはなかった。輸
入物価を起因とする物価上昇は「安定的」と
判断するには困難さを極めるとみられる。
また、消費者物価指数は、税制や社会保障
費負担、調査対象の基本銘柄の変更なども変
動要因となる。例えばテレビは、ウエイトが
97 と大きく、消費者物価へ与える影響は大き
い。2009〜2011 年には概ね前年比▲30〜▲
40%となっていたが、基本銘柄が変更された
2012 年に一転してプラスになる局面もあっ
た。足元では再び前年比二桁のマイナスとな
っているが、5 月の東京都区部の数値がプラ
スに転じていることから、全国ベースでも同

図表4.消費者物価の 10 大費目別内訳
図表5.テレビの変動
(前年比、%)
83〜92年
1〜3月 4〜6月 7〜9月 10〜12月 暦年 平均
生鮮食品を除く総合 1.00 1.50 2.30 0.99 1.49 1.77
生鮮食品を除く食料 0.30 0.68 0.93 0.97 0.66 0.37
住居 0.00 0.02 0.04 0.04 0.04 0.53
光熱・水道 0.28 0.42 0.67 0.35 0.44 -0.10
家具・家事用品 -0.04 -0.02 0.01 0.01 -0.01 0.02
被服及び履物 0.03 0.02 0.02 0.02 0.02 0.12
保健医療 0.00 -0.02 -0.01 -0.02 -0.01 0.08
交通・通信 0.42 0.32 0.64 -0.26 0.29 0.09
教育 0.03 0.03 0.03 0.03 0.03 0.11
教養娯楽 -0.08 -0.08 -0.03 -0.03 -0.06 0.30
諸雑費 0.04 0.02 0.04 0.01 0.02 0.09
(資料)総務省「消費者物価指数」より富国生命作成
2008年国内外経済の動向

様に前年比プラスになる可能性が高い。また、税制や政策によっても、消費者物価指数
が変動することにも注意が必要である。ここ数年内の事例を挙げると、高校授業料の無
償化やタバコ増税の影響が大きかった。コア CPI(2005 年基準)に対して、前者が▲
0.54 ポイントの低下要因となる一方、後者は+0.28 ポイントの上昇要因となっている。
タイミングや符号が異なるものの、二つの要因だけで 0.8 ポイント程度の変動要因とな
っており、小数点第一位の変動が着目されるコア CPI だけに、インパクトは大きい。た
だし、これらの要因については、1 年間限りの物価の変動要因にすぎず、2%の物価安定
の目標においては、消費税率の引上げ同様に控除してみる必要があるだろう。

3.消費税率引上げが重しになる可能性

わが国における消費税率の引上げは 97
年 4 月(消費税率 3%→5%)以来、実に
17 年振りとなる。1997 年度のコア CPI 上
昇率は前年比+2.1%となり、非課税品目が
あるため+1.4 ポイント程度が消費税率引
上げの影響である。図表 6 は 10 大費目別
の上昇率であるが、当時はデフレではない
ため、1997 年度の数値から 1993〜1996 年
度の平均伸び率を控除した差を示している。
「保健医療」と「光熱・水道」が 3%以上
の上昇率となっているが、同年 9 月からの
医療費の自己負担率引上げや公共料金の値上げが主因である。「被服及び履物」はやや高
いものの、それ以外の項目で約 2%以下の上昇率にとどまっており、事前に警戒されて
いた便乗値上げの動きは限定的だったとみられる。

予定通り、2014 年 4 月に消費税率が 5%から 8%へ引上げられると、それだけでコア
CPI は 2%程度上昇する。消費者は、普段の財の購入やサービスへの支出を通じて消費
税率引上げ分 3%値上がりしたと実感するだろう。一方、日銀の目標は、その影響を控
除した数値である。日銀が目標を達成することになると、消費者は消費税率引上げ以上
の実質負担が増すことになる。加えて、便乗値上げに対するけん制も強まるとみられる
状況下で、企業側が値上げに踏み切るのはハードルが高いとみられる。

現時点では、筆者を含め民間エコノミストの大半が、「コア CPI 上昇率 2%の物価安
定の目標」を 2 年で実現できるとはみていない。ただし、消費者物価がプラスに転じた
後、前述したように銘柄や制度の変更に伴う物価指数の押し上げに、国際商品市況の急
騰や大幅な円安による輸入物価の上昇が加われば、「一時的」な 2%達成の可能性は皆無
ではない。その場合、日銀は目標達成として出口戦略へ向かうのだろうか。それとも声
明文にある「安定的に持続するために必要な時点まで継続する」を厳守するのだろうか。
特に、輸入物価の先行きについては議論が分かれるところであろうが、日銀副総裁の一
人が 2%を達成できないと辞任すると発言したこともあって、その判断にバイアスがか
かることが想定される。異次元緩和によって債券市場は動揺した。まだ随分先の話とな
るが、判りやすいコア CPI 上昇率 2%もその解釈次第では、出口時期を巡り混乱する可
能性もあろう。
(財務企画部 森実 潤也)

図表6.10 大費目別の物価上昇率
(前年比、%)
93〜96
年度平均
(B)
97年度
(A)

(A−B)
食料 0.15 2.20 2.05
住居 2.00 1.40 -0.60
光熱・水道 0.28 4.18 3.90
家具・家事用品 -1.74 -0.40 1.34
被服及び履物 -0.12 2.79 2.91
保健医療 0.40 7.57 7.17
交通・通信 -0.31 0.10 0.41
教育 3.04 2.32 -0.72
教養娯楽 0.05 2.20 2.15
諸雑費 0.61 2.09 1.48
(資料)総務省「消費者物価指数」より富国生命作成

http://www.fukoku-life.co.jp/economic-information/report/download/report_VOL240.pdf


02. 2013年7月06日 16:21:18 : e9xeV93vFQ

2013〜2015 年度経済見通し
〜2%の物価目標達成の可能性を探る

Report…………………………………………V

経済研究部 経済調査室長 斎藤太郎
  NLI Research Institute REPORT July 2013|17

1――景気は明確な回復軌道へ

1|2013年1-3月期は前期比年率4.1%
2012 年 10-12 月期の実質GDPは、前期比 1.0%(前期比年率 4.1%)と 2 四半期連続のプラス成
長となった。国内需要が民間消費を中心に伸びを高めたことに加え、外需が 4 四半期ぶりに成長率を
押し上げたことから、実質GDPは 2012 年 10-12 月期の前期比年率 1.2%から大きく加速した。
国内需要は前期比 0.6%となり、10-12 月期の同 0.4%から伸びを高めた。設備投資は前期比▲0.3%
と 5 四半期連続で減少したが、消費者マインドの改善を主因として民間消費が前期比 0.9%の高い伸
びとなったほか、復興需要を背景に住宅投資(前期比 1.9%)が 4 四半期連続、公的固定資本形成(前
期比 0.4%)が 5 四半期連続の増加となった。外需寄与度は前期比 0.4%と 4 四半期ぶりのプラスとな
った。輸出は米国向けを中心に前期比 3.8%と 4 四半期ぶりに増加した。輸入も国内需要の堅調を背
景に前期比 1.0%の増加となったが、輸出の伸びは下回った。

2|個人消費が景気の牽引役に
2013 年 1-3 月期のGDP統計は、内外需が揃って増加することで潜在成長率を大きく上回る高成長
となり、2012 年末にかけて下げ止まった景気が明確な回復軌道に乗り始めていることを示すものとな
った。
バブル崩壊以降、日本の景気底打ちは輸出の増加を起点としたものだったが、今回は個人消費が景
気底打ちの主役となった。雇用・所得環境は依然として厳しいが、株価の大幅上昇を受けて消費者マ
インドが大きく改善していることが個人消費の押し上げ要因となっている。消費の内訳をみると、エ
コカー補助金終了の影響から落ち込んでいた自動車販売が新車投入効果もあって大幅な増加となった
ほか、株価の大幅上昇を受けて百貨店では高額商品の売れ行き好調が目立っている。
ただし、最近の個人消費の増加は所得の伸びを伴っていないことには注意が必要だ。GDP統計の
実質家計消費支出は、東日本大震災によって大きく落ち込んだ 2011 年 1-3 月期からの 2013 年 1-3 月
期までの 2 年間で 4.8%増加したのに対し、この間の所得(実質雇用者報酬)の伸びは 1.3%(名目で


は 0.1%)にとどまっている(図表1)。この結果、家計の貯蓄率は 2011 年度実績の 1.3%から足もと
ではゼロ%程度まで低下しているとみられ
る。先行きについては、景気回復の恩恵が
家計に及ぶことで、雇用・所得環境は改善
に向かう可能性が高いが、2013 年度はボー
ナス、所定外給与は増加するものの、賃金
の約 4 分の 3 を占める所定内給与は前年並
みにとどまることが見込まれる。このため、
株価下落などによって消費者マインドが冷
え込んだ場合には、個人消費が息切れする
リスクが高まるだろう。
2――日本経済の見通し〜実質成長率は2013 年度 2.6%、2014 年度 0.0%、2015 年度 0.8%を予想
1|消費税率引き上げの影響
消費税率は 2014 年 4 月に 5%から 8%へ、2015 年 10 月に 8%から 10%への引き上げが予定されて
いる。消費税率引き上げによる経済への影響は、@税率引き上げ前後の駆け込み需要と反動、A物価
上昇による実質所得の減少、に分けて考えられる。
このうち、@について、前回(1997 年度)の消費税率引き上げ時(3%→5%)の駆け込み需要の規
模を当研究所で試算したところ、個人消費が 2.2 兆円、住宅投資で 2.4 兆円となり、駆け込み需要に
よる 1996 年度の実質GDPの押し上げ幅は 1.0%となった。
2014 年度に予定されている税率の引き上げ幅は 3%と前回よりも大きく、このことは駆け込み需要
を大きくする方向に働く。一方、2013 年度税制改正で、消費増税の影響が大きい住宅、自動車に対す
る激変緩和措置として、住宅ローン減税の拡充、自動車取得税の縮小(消費税率が 10%となる 2015
年 10 月に廃止)が盛り込まれたこと、自動車については、エコカー減税、エコカー補助金といった需
要喚起策によってすでに相当規模の需要の前倒しが発生していること、は駆け込み需要の規模を小さ
くする方向に働く。今回の見通しでは、2013 年度に個人消費で 2.0 兆円、住宅投資で 0.9 兆円、合わ
せて 2.9 兆円の駆け込み需要が発生し、2013 年度の実質GDPは 0.5%押し上げられると想定した。
なお、消費税率の引き上げは 2015 年 10 月にも予定されているが、年度前半に駆け込み需要、年度
後半に反動減が生じるため、2015 年度を通した影響はニュートラルとなることが見込まれる。
次に、Aの物価上昇による影響をみると、当研究所のマク
ロモデルによるシミュレーションでは、消費税率を 1%引き
上げた場合、消費者物価は 0.71%上昇する(図表2)。消費
者物価の上昇は家計の実質所得の低下をもたらし、これが実
質民間消費、実質住宅投資の減少につながる。さらに、国内
需要の減少に伴う企業収益の悪化が設備投資を下押しする。
97
98
99
100
101
102
103
104
105
106
107
0501 0503 0601 0603 0701 0703 0801 0803 0901 0903 1001 1003 1101 1103 1201 1203 1301
実質雇用者報酬
実質家計消費
(2005年=100) 図表1 家計所得と消費の関係
(資料)内閣府「四半期別GDP速報」 (年・四半期)
消費
所得
(単位:%)
1年目 2年目
実質GDP ▲0.24 ▲0.42
民間消費 ▲0.37 ▲0.61
住宅投資 ▲0.40 ▲0.88
設備投資 ▲0.16 ▲0.84
名目GDP 0.28 ▲0.06
消費者物価 0.71 0.69
(注)当研究所マクロモデルによるシミュレーション結果
   ベースラインからの乖離率
図表2 消費税率1%引き上げの影響18|NLI Research Institute REPORT July 2013
この結果、消費税率を 1%引き上げた場合、実質GDPは 1 年目に▲0.24%低下、2 年目に▲0.42%低
下することになる。
2015 年度の税率の引き上げ幅は 2%だが、実施が 10 月からとなるため、2015 年度全体で見れば 1%
の引き上げと同じ影響を受けることになる。ただし、2014 年度の税率引き上げによる累積的な下押し
(マクロモデルシミュレーション結果の 2 年目に相当)が加わることになる。消費税率引き上げに伴
う実質所得減少による影響は 2014 年度
が▲0.7%、2015 年度が▲1.5%となる。
@とAを合わせた実質GDPの水準へ
の影響は 2013 年度が+0.5%、2014 年度
が▲1.2%、2015 年度が▲1.5%、実質G
DP成長率への影響は 2013 年度が+
0.5%、2014 年年度が▲1.7%、2015 年度
が▲0.3%となる(図表3)。
2|2013 年度中は高めの成長が続くが、
2014年度はゼロ成長へ
2013 年 1-3 月期の実質GDPは前期年率 4.1%の高成長となったが、先行きについても明るい材料
が多い。@円安の効果などから輸出が増加を続けること、A円安に伴う企業収益の改善が設備投資を
押し上げること、B2012 年度の大型補正予算の執行に伴い公的固定資本形成の増加ペースが加速する
こと、C消費者マインドの改善や雇用・所得環境の持ち直しが個人消費を下支えすること、D2013 年
度前半は住宅投資、2013 年度後半は個人消費を中心に消費税率引き上げ前の駆け込み需要が見込まれ
ること、などである。
0.4% 0.3%
0.2%
▲1.6%
1.1%
0.8% 0.7% 0.5% 0.3% 1.0%
▲0.9%
▲0.2% (1.2%) (1.1%) (1.6%) (0.8%)
(▲6.3%)
(4.4%)
(3.2%) (2.9%) (2.2%)
(4.1%)
(▲3.6%)
(▲0.6%)
▲2.5%
▲2.0%
▲1.5%
▲1.0%
▲0.5%
0.0%
0.5%
1.0%
1.5%
2.0%
1202 1203 1204 1301 1302 1303 1304 1401 1402 1403 1404 1501
民間消費 設備投資 公的需要 外需 その他
(前期比) 図表4 実質GDP成長率の推移(四半期)
(資料)内閣府経済社会総合研究所「四半期別GDP速報」
(年・四半期)
予測
( )内は前期比年率
▲2.0%
3.4%
0.2%
1.2% 2.6%
0.0% 0.8%
▲4%
▲3%
▲2%
▲1%
0%
1%
2%
3%
4%
2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015
民間消費 設備投資 公的需要 外需 その他
(前年比) 図表5 実質GDP成長率の推移(年度)
(資料)内閣府経済社会総合研究所「四半期別GDP速報」
(年度)
予測
実質GDPは 2013 年度入り後も前期比年率 3%前後の伸びを続けた後、2014 年 1-3 月期は個人消
費の駆け込み需要を主因として前期比年率 4.4%の高成長になるだろう。しかし、2014 年 4-6 月期は
駆け込み需要の反動減と物価上昇に伴う実質所得低下の影響が重なることで前期比年率▲6.3%の大
幅マイナス成長となることが予想される。反動減の影響は消費税率引き上げ直後が最も大きく、その
後は押し上げ幅が縮小するが、実質所得減少による影響は年度を通して下押し圧力となる。マイナス
成長は 1 四半期で終了するが、その後もあまり高い成長は期待できないだろう(図表4)。
(0.5)
(▲1.2) (▲1.5)

▲2.0
▲1.5
▲1.0
▲0.5
0.0
0.5
1.0
2013 2014 2015
うち物価上昇要因
うち駆け込み需要
うち反動減
(%) 図表3 消費税率引き上げによる実質GDPへの影響
(注)消費税率を2014年4月に5%→8%、2015年10月に8%→10%への引き上げを想定
実質GDP
ベースライン(消費税率引き上げなしの場合)からの乖離率
(  )は実質GDPの水準への影響、< >は実質GDP成長率への影響
(年度)NLI Research Institute REPORT July 2013|19
2015 年度の成長率は、2014 年度の実質GDPが駆け込み需要の反動で落ち込んだ水準との比較とな
ることが成長率の押し上げ要因(+0.5%)となる一方、実質所得の減少による影響が 2014 年度の▲
0.7%から▲1.5%へ拡大する影響を合わせてみる必要がある。両者を合わせた成長率への影響は▲
0.3%となり、2013 年度の▲1.7%に比べればマイナスの影響は大きく縮小するが、引き続き下押し圧
力となる。年度ベースの実質GDP成長率は 2013 年度が 2.6%、2014 年度が 0.0%、2015 年度が 0.8%
と予想する(図表5)。
3|消費者物価の見通し
消費者物価(生鮮食品を除く総合、以下コア CPI)は 2012 年 11月から前年比で下落を続け、直近の
2013 年 4 月は前年比▲0.4%となっているが、2013 年度前半にはプラスに転じることが見込まれる。
2013 年度中は高めの成長が続くことに伴い需給バランスの大幅な改善が見込まれること、円安に伴う
輸入物価上昇による物価押し上げ圧力がさらに高まることにより、上昇率は 2013 年度末にかけて 0%
台後半まで高まることが予想される。しかし、2014 年度に入ると消費税率引き上げに伴う景気減速に
よって、需給バランスの改善が足踏みとなるため、消費者物価の伸びは頭打ちとなる可能性が高い。
2014 年度、2015 年度は消費税率の引き上げによって消費者物価は押し上げられる。当研究所のマク
ロモデルによるシミュレーションでは、消費税率を 1%引き上げた場合、消費者物価は 0.71%上昇す
る。消費者物価指数のうち、消費税の非課税品目は 3 割程度であるため、課税対象品目については消
費税率引き上げ分のほとんどが価格転嫁されることになる。
消費税率は 2014 年 4 月に 3%、2015 年 10 月に 2%引き上げられる予定となっており、これにより
消費者物価上昇率はそれぞれ、2.1%、1.4%押し上げられることになる。年度ベースの影響は 2014
年度が 2.1%、2015 年度が 0.7%となる。
コア CPI 上昇率は 2012 年度の前年比▲
0.2%の後、2013 年度が同 0.3%、2014 年度
が同 2.5%(0.4%)、2015 年度年度が 1.2%
(0.5%)と予想する(括弧内は消費税率引き
上げの影響を除くベース)。消費税率引き上げ
の影響を除けば 2014年度、2015年度もゼロ%
台半ばで、2%の物価上昇率目標には遠く及ば
ないだろう(図表6)。
3――日銀の展望レポートを検証する

1|日銀見通しでは2015年度の消費者物価上昇率は1.9%
日本銀行は、黒田総裁、岩田、中曽副総裁の就任後、初めて開催された金融政策決定会合(4/4)で、
「量的・質的金融緩和」を打ち出した後、4/26 の展望レポートでは、2015 年度までの実質GDP、消
費者物価の見通しを公表した。
▲2.0%
▲1.5%
▲1.0%
▲0.5%
0.0%
0.5%
1.0%
1.5%
2.0%
2.5%
3.0%
1001 1003 1101 1103 1201 1203 1301 1303 1401 1403 1501 1503 1601
消費税率引き上げ
エネルギー
食料(生鮮食品除く)
その他
消費者物価(生鮮食品を除く総合)
図表6 消費者物価(生鮮食品を除く総合)の予測
(資料)総務省統計局「消費者物価指数」
(前年比)
(年・四半期)
予測
(注)1004までは2005年基準、1101以降は2010年基準
消費税率引き上げの影響を除く20|NLI Research Institute REPORT July 2013
今回の展望レポートでは、「2年程度で2%程度の物価上昇率を達成する」という目標を掲げたこと
を受けて、見通し期間を従来よりも 1 年間延長し 2015
年度までとした。
政策委員の見通しを中央値でみると、実質GDP成
長率は 2013 年度が 2.9%、2014 年度が 1.4%、2015
年度が 1.6%、消費者物価上昇率(除く生鮮食品)は
2013 年度が 0.7%、2014 年度が 1.4%、2015 年度が
1.9%(消費税率引き上げの影響を除くケース)となっ
ており、2年間で2%の物価目標と整合的な数値とな
った(図表7)。
2|フィリップス曲線からみた日銀見通し
今回の展望レポートでは、先行きの物価情勢を展望するにあたり、物価上昇率を規定する主な要因
として、@マクロ的な需給バランス、A中長期的な予想物価上昇率(以下、期待インフレ率)、B輸入
物価、の3つを挙げている。このうち、輸入物価については、展望レポートでは為替レート、原油価
格など輸入物価を規定する経済変数の想定は明らかにされていない 。@、Aについても直接数字が示
されているわけではないが、物価と需給ギャップの関係を示すフィリップス曲線から、日銀が予測期
間の需給ギャップ、期待インフレ率がどのように推移していると想定しているかを推察することが可
能である。
展望レポートで示されているように、1983 年以降の約 30 年間のフィリップス曲線を 1990 年代半ば
(1995 年 10-12 月期)までとそれ以降に分けてみると、需給ギャップが 1%改善すると消費者物価上
昇率が 0.28%上昇するという関係(フィリップス曲線の傾き)は変わらないが、需給ギャップが 0%(需
給バランスが一致した状態)の時の消費者物価上昇率は 1990 年代半ばまでの 1.1%に対し、それ以降
は 0.3%と開きがある 。この差はデフレの長期化によりフィリップス曲線が下方シフト、期待インフ
レ率が低下したことを意味している。
展望レポートでは、需給ギャップの見通しが数字では示されていないが、「見通し期間中、緩やかな
改善基調をたどると考えられる。そのもとで、見通し期間中の半ば頃にはマクロ的な需要超過に転じ、
見通し期間後半にかけて需要超過幅を拡大
させていくと予想される」と記述されてお
り、実質GDP、消費者物価(除く生鮮食
品)の見通しが年度ベースで示されている。
そこで、年度ベースの実質GDP、消費
者物価の見通しを当研究所で四半期分割し
た上で、当研究所が推計した潜在GDPを
用いて需給ギャップを試算し、フィリップ
ス曲線上にプロットした(図表8)。
当研究所の推計によれば、足もとの需給
      対前年度比、% < >内は中央値
実質GDP 消費者物価指数
(除く生鮮食品)
2013年度 +2.1〜+3.1 +0.4〜+1.0

2014年度 +0.6〜+1.7 +0.6〜+1.7

2015年度 +1.3〜+2.1 +0.8〜+2.3

(注)消費者物価は消費税率引き上げの影響を除くケース
図表7 政策委員の全員見通し
▲3%
▲2%
▲1%
0%
1%
2%
3%
4%
▲8% ▲6% ▲4% ▲2% 0% 2% 4% 6% 8%
図表8 フィリップス曲線からみた日銀見通し
C
P
I


率(








合)
需給ギャップ(2四半期先行)
(注)白抜きは日銀の実質GDP、CPIの見通し(13〜15年度)をニッセイ基礎研究所で四半期分割した上で
   需給ギャップを試算したものをプロット
83/1Q〜95/4Q
96/1Q〜13/1Q
16/1Q
13/1QNLI Research Institute REPORT July 2013|21

ギャップはGDP比で▲1%台半ばとなるが、日銀の見通しどおりに 2013 年度が 3%近い高成長とな
れば、需給ギャップのマイナスは 2013 年度中に解消されることになる。日銀の見通しでは、消費税率
が引き上げられる 2014 年度、2015 年度も潜在成長率を上回る成長が続くことになっているため、需
給ギャップのプラス幅は 2015 年度末には 2%台半ばまで拡大することが見込まれる。
ただし、需給ギャップが 2%台半ばのプラスになったとしても、足もとのフィリップス曲線を前提
とすれば、物価上昇率は 1%程度にしかならない。日銀の見通しはフィリップス曲線の上方シフト、
すなわち期待インフレ率の上昇を仮定していることになる。より詳細にみると、2013 年度にはすでに
日本経済がデフレ状態に陥る前の 1990 年代半ばまでと同じレベルまでシフトアップしており、2%の
物価目標が概ね達成されるとしている 2015 年度にはさらなる上方シフトを仮定していることが推察
される 。

3|日銀見通しに2つのハードル

このような日銀の見通しには2つのハードルがあると考えられる。
ひとつは、消費税率を 2 度にわたって引き上げても潜在成長率を明確に上回る成長を維持できるのか
という問題である。この点については、日銀は消費税率引き上げの影響を比較的小さくみている。展
望レポートでは、消費税率引き上げが年度毎の成長率への影響を「2013 年度が+0.3%程度、2014 年
度が▲0.7%程度、2015 年度が+0.2%」としている。このうち、2013 年度のプラスは税率引き上げ前
の駆け込み需要によるものであり、反動による成長率へのマイナスの影響は駆け込み需要による押し
上げのほぼ倍となることを考えると、2014 年度に消費税率を 3%引き上げたことに伴う実質所得の減
少による影響は▲0.1%程度しか見ていないことになる。これは当研究所マクロモデルによる▲0.72%
(▲0.24%×3)、内閣府のマクロ計量モデルによる▲0.45%(▲0.15%×3)に比べてかなり小さい。
ただし、日銀の実質GDPの見通しが強いのは、消費税率引き上げの影響を小さくみているだけで
はない。日銀の実質GDPの見通しから消費税率引き上げの影響を除くと、2013 年度が 2.6%、2014
年度が 2.3%、2015 年度が 1.4%となる。展望レポートでは、「潜在成長率は見通し期間の平均で 0%
台半ば」としており、2 年続けて潜在成長率を 2%前後上回る成長を続けた後、3 年目も潜在成長率を
1%程度上回る見通しということになる。展望レポートでは見通しの前提条件が詳細に示されていない
が、様々な条件が揃わなければ、このようなシナリオが実現することは難しいだろう。
日銀が想定しているように期待インフレ率が短期間のうちに大きく上昇するのかという問題もある。
前述したとおり、フィリップス曲線から考えると、日銀の物価見通しは見通し期間の前半には期待イ
ンフレ率が大きく上昇することを想定していることが推察される。しかし、日銀自身が認めているよ
うに、15 年近くにわたってデフレ状態が続いてきた日本では、企業や家計の期待インフレ率の動向に
ついては不確実性が高い。
展望レポートでは、「市場参加者やエコノミスト、家計を対象とした調査からは中長期的な予想物価
上昇率の上昇を示唆する指標がみられる」としている。確かに、日銀が2%の物価目標を掲げ、異次
元の金融緩和を実施したことを受けて、1 年後の物価上昇を予想する家計の割合はこのところ急速に
上昇している。しかし、家計の期待インフレ率は少なくともこれまでは、足もとの物価動向に大きく
左右される傾向が強く、インフレ期待の高まりが実際の物価上昇につながるかは不透明だ。 22|NLI Research Institute REPORT July 2013
このように、2年で2%の物価目標を達成するためのハードルは相当高い。今回の展望レポートの
見通しは、蓋然性の高い見通しというよりは目標に近いものと考えられる。

米国経済の見通し
2012年 2013年 2014年 2015年
1-3 4-6 7-9 10-12 1-3 4-6 7-9 10-12 1-3 4-6 7-9 10-12
(実績・予測) (実) (予) (予) (予) (実) (実) (実) (実) (実) (予) (予) (予) (予) (予) (予) (予)
実質GDP 前期比年率、% 2.2 1.9 2.6 3.1 2.0 1.3 3.1 0.4 2.4 1.8 2.3 2.6 2.7 2.8 2.9 3.0
個人消費 〃、% 1.9 2.2 2.2 2.5 2.4 1.5 1.6 1.8 3.4 1.6 1.9 2.1 2.2 2.3 2.4 2.4
設備投資 〃、% 8.0 4.7 6.0 6.8 7.5 3.6 ▲ 1.8 13.2 2.2 3.8 5.7 5.9 7.3 4.6 6.5 6.9
住宅投資 〃、% 12.1 12.7 13.9 14.0 20.5 8.5 13.5 17.6 12.1 11.0 10.4 14.2 14.0 15.4 15.1 14.6
在庫投資 寄与度 0.1 0.0 ▲ 0.0 0.0 ▲ 0.4 ▲ 0.5 0.7 ▲ 1.5 0.6 0.2 ▲ 0.0 0.0 0.0 ▲ 0.1 0.0 ▲ 0.1
純輸出 寄与度 0.0 ▲ 0.0 ▲ 0.1 ▲ 0.1 0.1 0.2 0.4 0.3 ▲ 0.2 ▲ 0.1 ▲ 0.1 ▲ 0.1 ▲ 0.1 ▲ 0.1 ▲ 0.1 ▲ 0.2
消費者物価(CPI-U) 前期比年率、% 2.1 1.4 1.7 2.0 2.3 1.0 2.1 2.2 1.4 0.1 1.6 1.8 1.8 1.9 1.9 2.0
失業率 平均、% 8.1 7.5 7.1 6.5 8.3 8.2 8.0 7.8 7.7 7.5 7.4 7.3 7.3 7.2 7.1 6.9
FFレート誘導目標 期末上限金利、% 0.25 0.25 0.25 1.25 0.25 0.25 0.25 0.25 0.25 0.25 0.25 0.25 0.25 0.25 0.25 0.25
国債10年金利 平均、% 1.8 2.1 2.7 3.3 2.0 1.8 1.6 1.7 1.9 1.9 2.2 2.4 2.5 2.6 2.7 2.8
2014年 単位 2012年 2013年

ユーロ圏経済の見通し

2012年 2013年 2014年 2015年
単位 1-3 4-6 7-9 10-12 1-3 4-6 7-9 10-12 1-3 4-6 7-9 10-12
(実) (予) (予) (予) (実) (実) (実) (実) (実) (予) (予) (予) (予) (予) (予) (予)
実質GDP 前年比% ▲ 0.6 ▲ 0.6 1.0 1.4 ▲ 0.1 ▲ 0.5 ▲ 0.7 ▲ 1.0 ▲ 1.1 ▲ 1.0 ▲ 0.7 0.1 0.6 1.0 1.1 1.3
前期比年率% ▲ 0.6 ▲ 0.6 1.0 1.4 ▲ 0.2 ▲ 0.8 ▲ 0.5 ▲ 2.3 ▲ 0.8 ▲ 0.2 0.6 1.0 1.2 1.3 1.4 1.3
内需 前年比寄与度 ▲ 2.1 ▲ 1.2 0.8 1.3 ▲ 1.6 ▲ 2.3 ▲ 2.4 ▲ 2.2 ▲ 2.1 ▲ 1.5 ▲ 1.0 ▲ 0.2 0.4 0.8 1.0 1.2
民間最終消費支出 前年比% ▲ 1.4 ▲ 0.5 0.9 1.3 ▲ 1.1 ▲ 1.1 ▲ 1.6 ▲ 1.5 ▲ 1.2 ▲ 0.7 ▲ 0.4 0.4 0.6 0.9 1.0 1.2
固定資本形成 〃 ▲ 4.3 ▲ 3.6 0.7 1.5 ▲ 2.7 ▲ 4.1 ▲ 4.5 ▲ 5.3 ▲ 5.5 ▲ 4.2 ▲ 3.4 ▲ 1.8 ▲ 0.0 0.6 1.0 1.2
外需 前年比寄与度 1.6 0.6 0.2 0.1 1.5 1.8 1.8 1.2 1.0 0.6 0.3 0.3 0.3 0.2 0.1 0.1
消費者物価(HICP) 前年比% 2.5 1.5 1.6 1.7 2.7 2.5 2.5 2.3 1.9 1.3 1.3 1.4 1.5 1.5 1.6 1.7
失業率 平均、% 11.4 12.3 12.5 12.3 10.9 11.3 11.5 11.8 12.1 12.2 12.3 12.4 12.4 12.5 12.5 12.5
ECB市場介入金利 期末、% 0.75 0.50 0.50 1.00 1.00 1.00 0.75 0.75 0.75 0.50 0.50 0.50 0.50 0.50 0.50 0.50
ドイツ10年国債利回り 平均、% 1.5 1.7 2.3 2.7 1.8 1.5 1.4 1.4 1.5 1.4 1.8 2.0 2.1 2.3 2.4 2.5
対ドル為替相場 平均、ドル 1.28 1.30 1.30 1.29 1.31 1.28 1.25 1.30 1.32 1.31 1.28 1.29 1.29 1.30 1.30 1.30
対円為替相場 平均、円 103 128 138 142 104 103 98 105 122 129 129 133 135 138 138 139
2012年 2013年 2014年
中国経済の見通し

2012年 2013年 2014年 2015年
単位 1-3 4-6 7-9 10-12 1-3 4-6 7-9 10-12 1-3 4-6 7-9 10-12
(実績) (予測) (予測) (予測) (実績) (実績) (実績) (実績) (実績) (予測) (予測) (予測) (予測) (予測) (予測) (予測)
実質GDP 前年同期比、% 7.8 7.8 7.9 7.7 8.1 7.6 7.4 7.9 7.7 7.6 7.8 7.8 8.1 8.1 7.9 7.7
消費者物価 前年同期比、% 2.6 2.7 3.3 3.2 3.8 2.9 1.9 2.1 2.4 2.5 2.7 3.2 3.2 3.3 3.3 3.3
預金金利(1年) 期末、% 3.00 3.00 3.25 3.25 3.50 3.25 3.00 3.00 3.00 3.00 3.00 3.00 3.25 3.25 3.25 3.25
貸出金利(1年) 期末、% 6.00 6.00 6.25 6.25 6.56 6.31 6.00 6.00 6.00 6.00 6.00 6.00 6.25 6.25 6.25 6.25
人民元(対USD) 期末、元 6.29 6.10 6.00 6.00 6.29 6.32 6.34 6.29 6.27 6.20 6.15 6.10 6.05 6.00 6.00 6.00
2012年 2013年 2014年NLI Research Institute REPORT July 2013|23

日本経済の見通し
(単位,%)
2012年度 2013年度 2014年度 2015年度 12/4-6 7-9 10-12 13/1-3 4-6 7-9 10-12 14/1-3 4-6 7-9 10-12 15/1-3
実績 予測 予測 予測 実績 実績 実績 実績 予測 予測 予測 予測 予測 予測 予測 予測
実質GDP 1.2 2.6 0.0 0.8 ▲0.2 ▲0.9 0.3 1.0 0.8 0.7 0.5 1.1 ▲1.6 0.2 0.4 0.3
▲0.6 ▲3.6 1.2 4.1 3.2 2.9 2.2 4.4 ▲6.3 0.8 1.6 1.1
3.9 0.2 0.4 0.4 1.2 2.9 2.9 3.2 0.7 0.2 0.0 ▲0.7
内需寄与度 (2.0) (2.2) (▲0.7) (0.3) (0.1) (▲0.3) (0.4) (0.6) (0.5) (0.6) (0.5) (1.2) (▲2.0) (▲0.0) (0.2) (0.1)
内、民需 (0.9) (1.4) (▲0.9) (0.2) (▲0.2) (▲0.5) (0.1) (0.5) (0.3) (0.5) (0.5) (1.2) (▲2.1) (▲0.1) (0.1) (0.0)
内、公需 (1.1) (0.6) (0.2) (0.1) (0.3) (0.2) (0.2) (0.1) (0.2) (0.1) (0.0) (▲0.0) (0.1) (0.1) (0.1) (0.1)
外需寄与度 (▲0.8) (0.4) (0.7) (0.5) (▲0.3) (▲0.6) (▲0.1) (0.4) (0.3) (0.1) (▲0.0) (▲0.1) (0.4) (0.3) (0.2) (0.2)
民間最終消費支出 1.6 2.0 ▲1.2 0.3 0.2 ▲0.4 0.4 0.9 0.2 0.3 0.4 2.3 ▲3.4 0.3 0.1 0.1
民間住宅投資 5.3 8.4 ▲13.1 1.7 2.3 1.5 3.5 1.9 2.4 2.1 2.1 ▲1.8 ▲14.5 1.3 0.2 1.4
民間企業設備投資 ▲1.4 0.9 0.6 0.4 ▲0.2 ▲3.3 ▲1.5 ▲0.3 0.4 1.2 1.6 1.7 ▲0.5 ▲1.6 0.2 0.2
政府最終消費支出 2.2 1.3 0.5 0.2 0.2 0.4 0.7 0.4 0.4 0.1 0.1 0.1 0.2 0.0 0.1 0.2
公的固定資本形成 15.0 7.5 2.1 1.3 6.3 3.2 2.7 0.4 3.2 2.5 0.6 ▲0.9 0.4 1.0 1.1 0.3
輸出 ▲1.3 6.7 7.4 5.1 ▲0.0 ▲4.4 ▲2.9 3.8 2.9 2.5 2.1 1.8 1.4 1.9 1.9 2.0
輸入 3.8 4.6 3.4 2.6 1.8 ▲0.3 ▲2.2 1.0 1.4 2.2 2.4 2.9 ▲1.4 0.4 0.7 1.2
名目GDP 0.3 2.1 1.4 1.3 ▲0.5 ▲1.1 0.2 0.6 0.7 0.8 0.2 1.5 ▲0.6 0.4 0.0 0.7
(注)実質GDPの上段は前期比、中段は前期比年率、下段は前年比。その他の需要項目はすべて前期比。
<主 要 経 済 指 標>
   (単位,%)
2012年度 2013年度 2014年度 2015年度 12/4-6 7-9 10-12 13/1-3 4-6 7-9 10-12 14/1-3 4-6 7-9 10-12 15/1-3
鉱工業生産(前期比) ▲3.1 5.7 0.8 1.0 ▲2.0 ▲4.2 ▲1.9 2.2 2.4 2.4 2.4 2.9 ▲2.5 ▲1.5 1.1 0.4
国内企業物価(前年比) ▲1.1 1.4 3.6 1.6 ▲1.1 ▲2.0 ▲0.9 ▲0.3 0.4 1.7 2.1 1.6 4.3 3.8 3.3 3.0
消費者物価(前年比) ▲0.3 0.3 2.5 1.2 0.2 ▲0.4 ▲0.2 ▲0.6 ▲0.2 0.3 0.5 0.6 2.6 2.6 2.5 2.5
消費者物価(生鮮食品除き) ▲0.2 0.3 2.5 1.2 0.0 ▲0.2 ▲0.1 ▲0.3 0.0 0.3 0.5 0.6 2.6 2.6 2.5 2.5
経常収支(兆円) 4.3 5.4 9.4 10.4 6.1 3.9 4.3 2.9 5.4 6.1 5.7 4.3 8.1 9.1 10.0 10.3
(名目GDP比) (0.9) (1.1) (1.9) (2.1) (1.3) (0.8) (0.9) (0.6) (1.1) (1.3) (1.2) (0.9) (1.7) (1.8) (2.0) (2.1)
失業率(%) 4.3 3.9 4.0 3.9 4.4 4.3 4.2 4.2 4.1 4.0 3.8 3.7 3.8 3.9 4.0 4.2
住宅着工戸数(万戸) 89 94 78 80 88 88 92 90 93 95 97 92 78 78 77 78
10年国債利回り(店頭基準気配) 0.8 0.8 1.0 1.2 0.9 0.8 0.8 0.7 0.7 0.7 0.8 0.8 0.9 0.9 1.0 1.0
為替(円/ドル) 83 102 107 112 80 79 81 92 99 101 103 105 106 106 107 108
原油価格(CIF,ドル/バレル) 114 109 115 119 124 106 113 112 107 108 110 112 113 114 115 116
経常利益(前年比) 7.9 10.4 ▲0.2 3.5 11.5 6.3 7.9 6.0 4.6 11.6 11.9 13.4 5.1 ▲1.3 ▲1.2 ▲2.7
(注)10年国債利回り、為替、原油価格は期中平均値
(資料)内閣府経済社会総合研究所「四半期別GDP速報」、経済産業省「鉱工業指数」、総務省「消費者物価指数」、財務省「法人企業統計季報」他
http://www.nli-research.co.jp/report/report/


03. 2013年7月06日 16:27:09 : e9xeV93vFQ
13年度は政策効果で高成長も、14年度は反動減でゼロ成長
 2013年度前半は、@緊急経済対策
の進捗による公共投資の増加、A米
国での堅調な経済成長や円安を背景
とする輸出環境の改善、などプラス
材料が重なる結果、高めの成長が続
く見込み。2013年度後半は、さらに
消費税率引き上げを前にした耐久財
消費や住宅投資の駆け込み需要も加
わり、成長率が加速する見通し。
 一方、2014年度入り後は、消費税
率引き上げ後の反動減と、公共投資
の押し上げ効果はく落による二重の
反動減が「政策の崖」として景気下
押しに作用。とりわけ下振れ圧力が
集中する4〜6月期は大幅マイナス
成長に。その後は、米国景気が堅調
に推移するほか、金融緩和などを通
じた円安が引き続き輸出環境の改善
に寄与し持ち直しへ。
 消費者物価は、景気押し上げを通
じたGDPギャップの縮小や、日銀
の質的・量的金融緩和により、上昇
圧力は高まるものの、企業や消費者
のデフレマインドが根強く残存する
とみられることから、上昇ペースは
緩慢となる見通し。日銀は、物価上
昇率が想定シナリオよりも下振れて
いることが明らかになれば、マネー
や株価に働きかける追加緩和策を講
じる見込み。
http://www.jri.co.jp/MediaLibrary/file/report/japan/pdf/6886.pdf

04. 2013年7月06日 16:31:33 : e9xeV93vFQ
2013.07.05 118 view
男女60代は消費意欲が好調であると同時にデフレ生活意識も急上昇
2013年
7月
消費意欲指数
51.3点
先月比
3.0点
デフレ生活指数
64.6点
先月比
3.4点
消費意欲指数とは モノを買いたい、サービスを利用したいという欲求を 100点満点で回答してもらった集計値です。
デフレ生活指数とは 安くモノを買いたい、安くサービスを利用したいという欲求を100点満点で回答してもらった集計値です。
7月の消費意欲指数は先月よりも3ポイント伸びました。4月以来ほとんど動きが見られない月が続きましたが、ボーナスシーズン本格化でようやく消費意欲が高まり、久しぶりに50点を超えました。一方、デフレ生活指数も3ポイント以上伸びています。セールの時期で安く買いたい気持ちが高まっていることもありますが、インフレを懸念する声も聞かれました。

ポイント1
ボーナスに伴い、夏物、欲しかったもの、旅行などへの消費意欲が高まっているが、値上げへの不安から抑制する声も聞かれた

ポイント2
男女60代は消費意欲が好調であると同時にデフレ生活意識も急上昇

ポイント3
女性20代の消費意欲指数の動きから、昨年が震災後の反動が大きく出た年であったことがうかがえる
http://seikatsusoken.jp/wp/wp-content/uploads/2013/07/RN_20130705.pdf


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